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VPNとLANの関係は?現代のオフィスに欠かせないVPNの特徴を解説

現代においてネットワークは必要不可欠なものとなっており、生活基盤を支えるものとなっています。仕事においても「ネットワーク」を利用することは多くなっており、特に社内で扱うデータなどはLANを通して簡単にアクセス・共有が可能となっています。

さらに、今では遠方にある会社同士が同じネットワークにアクセスできるようになっており、それを実現しているのがVPN接続という技術です。そこで、今回はこの記事にて普及が進んでいるVPNの説明や導入するメリットを中心に紹介していきます。

VPNとは

VPNとは

支店間など離れたオフィスのデータにアクセスがしやすくなったり、出張先で急遽本社データが必要になったりするなど、社内LANだけでは仕事上困ることも非常に多いかと思います。そんな悩みを解決するために生まれたのがVPNです。

しかし、すでにVPNが導入されていてもそれが当たり前すぎて認識していなかったり、VPNがどのような効果をもたらしてくれたりしているのか知らないことも多いでしょう。そこで、ここからはVPNとはどんなものなのか紹介していきます。

VPNは遠隔のLAN間を接続するもの

VPN は「Virtual Private Network」を略したもので、日本だと仮想プライベートネットワーク(仮想通信網)といわれることが多いです。VPNを会社に導入すると遠方であってもLANにアクセスできるようになり、簡単にデータ共有が可能となります。

たとえば、同じ系列の会社Aと会社Bがあったとします。基本的には会社ごとに社内LANを用意し、社内ならば簡単に情報共有やインターネットにアクセスできるようにしておきます。

この場合だと同系列の会社であっても、会社Aと会社Bはお互いの会社に出向いたときに自前のパソコンではアクセスできません。そこで、VPNを介して LAN につなげば簡単にアクセスができるようになり、情報閲覧や編集が可能となります。

VPNとLAN

VPNは仮想プライベートネットワークを構築する技術で、それにより離れた2つのネットワークをつなぐ閉域網を利用した技術です。そのため、有線でつなぐLANとは違い、VPNはインターネット上に存在します。

離れたLAN同士をつなぐ場合、LANよって構築されたネットワークにVPNルーターを設置します。お互いのネットワーク上でしか通信できないVPNルーターを組み込めば、インターネットを介して利用できる仮想通信網にアクセスできるようになります。

VPNとWAN

VPNは現在の日本企業で最も利用率の高いWANサービスの1つです。VPNはあくまでWANサービスの1つであり、他にも遠方のサーバーなどをつなぐサービスは存在しています。

WANとは地理的に離れた2つの場所もしくは多数をつなぐネットワークのことを指し、それを構築するのがVPNになります。VPN以外のWANサービスとしては専用回線サービス、一般回線、ISDN網、公衆回線網などがあります。

VPNの種類

VPNの種類

会社間などのLANをつなぐのに向いているWANサービスの1つであるVPNには、インターネットVPNとIP-VPNの2つがあります。それぞれ利用する上での特徴と共にメリットに違いがあり、それにあわせて利用するシーンにも違いが出てきます。

ここからは、インターネットVPNとIP-VPNの各特徴とメリットについて紹介していきます。

インターネットVPN

インターネットVPNは通常インターネット回線を利用して社内LANを構築し、そこにVPN 接続ルーターを設置する方法です。VPNの中でも最も手軽にLAN同士をつなげることができる方法で、手軽に行いたいときにおすすめです。

利用する回線は多くの人が利用する公衆回線となっており、暗号化や記号化によってセキュリティを行います。また、通信網を構築する際に利用するルーターの知識がないと設定が難しいため、基本的には業者に一括して依頼するのが一般的です。

IP-VPN

IP-VPN とは、通信事業者が持っている閉ざされた通信を利用するVPNのことです。各通信業者が持つ専用回線を使うため、公衆回線であるインターネットVPNに比べると安全性が高く、通信回線の質も高いという特徴があります。

しかし、通信業者が持つ通信網を借りることもあり、インターネットVPNに比べると費用が高くなる可能性が高くなります。平均としては月額で数万円からが基本で、高い場合は十万円を超えることもあります。

ただ、専用線の利用と違って距離によって料金が変わることはありません。

インターネットVPNのメリット

インターネット VPN のメリットは、コスト面とセキュリティ面の2つが挙げられます。

会社において通信網の構築は避けて通れない部分ですが、専用線などを利用すると非常にコストが掛かっていました。しかし、VPNの構築ができるようになり、比較的安価に距離の問題をクリアできるようになっています。これによる支社や中小企業でも手軽にインターネットが導入できるようになったのは非常に大きなメリットです。

また、VPNは公衆回線を使いながらも認証、暗号化、カプセル化、トンネリングの技術を用いることでセキュリティが担保されているのもメリットといえます。

仮想空間につなぐトンネリング技術と、そこにデータを送れるようにするカプセル化、そしてLAN同士がお互いに正しい相手か認識する認証と暗号化の発達により、インターネットVPNは成立しています。

IP-VPNのメリット

IP-VPNはインターネットVPNと比べて処理速度とより強固な安全性がメリットといえます。

IP-VPNはパケット転送処理が早く、そのためにレスポンスが非常に早くなっています。そのため、基幹系のネットワークに用いられることも多いようです。

また、IP-VPNは通信事業者が持つ閉域網を契約者だけに開放するようになっているため、安全性はインターネットVPNに比べると非常に高くなるといえます。もし安全に配慮する場合は暗号化を行うこともできるようです。

VPNを導入するには

VPNを導入するには

このように、メリットの大きいVPNは特に企業などセキュリティを盤石なものにしておきたい場合には有効な選択肢となります。しかしVPNは専門知識がない方にとっては導入が難しいものとなっているため、専門業者への依頼が近道です。

導入には専門知識が必要

VPNおよびLANを構築するためには専門知識が求められます。基本的には専門業者に依頼することが多いですが、もし自分で行う場合はルーターの設定から1人で行う必要があるため、かなりの労力が求められます。

現代では当たり前のようにインターネットを利用できる環境が整っていますが、その仕組みやそもそもVPNが導入されているかどうかも知らない人が多いといわれています。そうした現状を鑑みると、VANおよびLANの構築は専門家に任せるほうが早いでしょう。

基本は専門業者へ依頼する

VPNの導入は大手通信会社が行っていることが多く、OCNなどのプロバイダなどがルーターの貸し出しサービスを提供しています。また、YAMAHAもVPNルーターを提供していることで有名です。

VPNは各拠点でLANが構築されていることが条件で、そこに業者から借りたVPN専用ルーターを使うことで2つをつなげることが可能になります。ルーターを導入すると共に各パソコンにVPN用ソフトウェアをインストールし、設定すれば利用可能となります。

設定は以前に比べると簡単にはなっていますが、セキュリティ面の設定や各LANの接続などは専門的な部分も多く、ルーターを自前で用意して行うのは難しいので専門家に依頼するほうが得策でしょう。

より高い安全性を求める場合はモバイル閉域接続

よりセキュリティ機能が高く、安全かつ利便性の高いVPNを利用したい場合、「モバイル閉域接続」のサービスを利用するのがおすすめです。

イッツ・コミュニケーションズ株式会社(イッツコム)では、「イッツコムモバイル閉域接続サービス」を提供しています。モバイル閉域接続サービスはセキュリティの脆弱性が大きなインターネットからは分断されたネットワークとなっており、より安全に利用することができます。

「イッツコムモバイル閉域接続サービス」は専用SIMを用いたVPNで、専用SIMによって接続者を管理・登録を行なうため難しい設定が不要です。また、IDやパスワードが無くてもデバイス毎に管理するため利用が簡単なうえ、自然とセキュリティ性も向上します。

まとめ

まとめ

VPNを用いればLANで構築されたインターネット同士を簡単に接続できるようになり、お互いの情報閲覧や編集が簡単になります。

LANとはあくまでも社内のパソコン同士をつなぎ、1つのデータサーバーなどを閲覧できるようにする通信網です。そのため、同じ系列会社の人であってもLANに入る権利がなければ情報を閲覧はできません。

こうした悩みを解消するために生まれたのがVPNです。もし遠隔地の支社などとデータ共有をする機会が多ければ、イッツコムが提供する「イッツコムモバイル閉域接続サービス」の利用をぜひ検討してみてください。