VPNの料金目安とは?自社に合ったサービスを見つけるためのVPNの選び方
オフィスに新しくネットワーク構築が必要になった際は、業務効率化とセキュリティ向上の両方をレベルアップできるVPNの導入がおすすめです。VPNの種類はさまざまなので、導入する際は自社に合ったサービスを見つけることが重要です。
VPN選びのポイントは多く、どうすれば失敗せずに選べるのかわからない方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では詳しくチェックするべき項目に加えて、特におすすめできる「モバイル閉域接続」について解説します。
VPNの料金相場と内訳
専門業者との契約を結ぶ前に、まずはVPNの料金相場を把握しておきましょう。VPNは契約するプランによって費用が大幅に変化するので、その内訳を理解することも重要です。この項目では、VPNの種類ごとの料金傾向と仕組みの特徴もわかりやすくまとめました。相場感をつかむためにも、最初にしっかりとチェックしましょう。
VPNの料金相場
ルータ購入と初期設定のみで済むインターネットVPNの料金相場は2万円~5万円程度と比較的安価です。一方でIP-VPNはその後の運用にも月額料金がかかり、トータルのコストが上がります。初期費用は3万円ほど、月額料金は5,000円~5万円程度が一般的です。契約プランをはじめとする、さまざまな要素によってVPNの料金は変動します。
VPNの料金内訳
VPNを導入・運用するうえで必要となるのはシステム料金だけではありません。想定しているよりも高額な料金がかかる可能性がありますので、料金内訳を確認してみましょう。ここでは、VPN利用時にかかる代表的な料金を表にまとめました。
内容 | 料金相場 | |
---|---|---|
初期導入費用 | 機械工事 | 約3,000円 |
配線工事 | 約25,000円 | |
回線使用料 | 約5,000円~5万円 | |
配線設備使用料 | 約2,000円 | |
回線接続装置使用料 | 約500円~3,000円/1台 |
初期費用として必要なのは回線工事費です。機器交換などの工事と回線接続工事は別途必要となり、料金の目安はおよそ3万円と考えれば問題ありません。また、月額料金の目安も表に記載したとおりです。これ以外の費用としては、リモートワークのためのシステム構築やセキュリティ強化など、必要に応じたシステム利用料が別途かかることがあります。
VPNの種類で異なる料金の傾向
VPNにはインターネットVPN、IP-VPN、広域イーサネットという3つのタイプがあります。それぞれ長所や短所が異なり、料金にも違いが生まれるため注意が必要です。まずは表を使って、種類ごとの仕組みや料金の傾向を確認してみましょう。
項目 | インターネットVPN | IP-VPN | 広域イーサネット |
---|---|---|---|
回線 | インターネット | 閉域網 | 閉域網 |
帯域 | ベストエフォート | 帯域保証 | 帯域保証 |
セキュリティ | 普通 | 強い | 非常に強い |
料金 | 比較的安い | 高い | 高い |
構築・運用 | 自社でも可能 | 通信事業者 | 通信事業者 |
インターネットVPNはコストを抑えられることが長所ですが、帯域が制限され、セキュリティ性能が高いとは言えません。一方のIP-VPNと広域イーサネットは閉域網を使用し、帯域保証もされるため、通信速度が安定することが強みです。
この2つの種類はコストがかさみやすくなるものの、セキュリティ性能が高いこともメリットです。ただし、構築や運用は通信事業者に一任することになります。これが、月額料金が発生する理由です。
VPNを選ぶときにチェックするべきポイント
ここまでVPNの種類と料金相場を確認してきました。それぞれの種類に特徴がありますので、VPN選びに余計に悩んでしまったという人もいるかもしれません。そこで、重点的にチェックするべきポイントを6項目に分けて解説しました。自社が特に強く求めるポイントが何かを整理して、その項目への強みをもっているVPNを選びましょう。
セキュリティ強度
先ほどの表にもまとめているとおり、インターネットVPNとIP-VPNとの間にはセキュリティ強度の差が認められます。前者が公衆網を利用して接続することに対して、閉域網、つまり公開されていない網を利用する後者はセキュリティ強度が増します。
しかし、一概に公衆網だから危険、閉域網だから安全と決めつけられるわけではありません。自社のセキュリティポリシーを参考にしながら、どの程度の強度があればよいのかを見つめ直し、それに応じたVPNを選びましょう。
運営やサポート体制
インターネットVPNの場合、月額料金は発生しませんが、運用やトラブル対応は原則としてすべて自社で行います。IP-VPNの場合は月額料金を支払うことと引き換えに、さまざまなサポートを受けられる点がメリットです。
サポートが充実した会社と契約を結べば、トラブル発生時には24時間対応のサポートを受けられることがあります。そのほかにも障害発生通知、監視、トラフィックレポートなどのサービスを用意した会社を利用できることも特徴です。
通信速度
通信速度はベストエフォート型と帯域保証型に分かれます。ベストエフォート型の通信速度は、あくまでも特定の条件が出揃った状況下での最高速度です。通信速度は保証されず、曜日や時間帯によっては回線スピードが遅くなることもあります。
一方で帯域保証型を選べば、一定の回線速度は保証されますので、安定性がメリットです。帯域保証型は、IP-VPNや広域イーサネットで契約できる形式になるので、コスト面では高額になりやすいでしょう。
導入形態
導入形態としては、オンプレミスやアプライアンスか、それともクラウド型かという2つのパターンに分類可能です。オンプレミスやアプライアンスは、ハードウェアを自社に設置する形になりますので、セキュリティを強化したいという場合に向いています。
クラウド型の場合は料金がより安くなるという事情もあり、手軽さが増すことがメリットです。ただしセキュリティに関しては劣ります。適切にシステムの運用ができる人材が自社内にいるのかどうかを鑑みて、どちらを選ぶか決めるとよいでしょう。
料金・契約形態
VPNの運用には継続的なコストがかかることもあります。会社の経営を圧迫させないためには、サービス内容と同等に料金や契約形態の確認も行いましょう。データ量に応じた従量制のプランもありますので、自社のデータ量から適切なプランを選びます。
ネットワーク構築を一度行うと、それから数年間にわたって同様の製品を使い続けることが一般的です。導入時の費用だけを見て契約を結ぶことは避け、数年単位の合計コストを計算したうえで、無理なく利用できるかを考えるとよいでしょう。
対応デバイス
利用する会社やサービスにより、VPNが対応するデバイスが限られることがあります。場合によってはスマートデバイスに対応できないという可能性もありますので、自社でどのようなデバイスを使用しているのか確認してから契約しましょう。
パソコンだけでなく、スマホやタブレット、コピー機や監視カメラなど無線でインターネットに接続している機器も対象です。
自社に合ったVPNを選ぶためには?
VPNの種類は、回線速度やセキュリティの強弱などによって分かれています。大切なのは、料金だけですべてを決めるのではなく、自社の利用状況や体制に合わせたサービスを選ぶことです。具体的には以下の点を意識しましょう。
・導入目的
・自社の運用体制
・データ量
・利用デバイス
これらのポイントを事前に把握しておけば、どのサービスが自社にマッチするのか判断しやすくなります。そのうえでコストパフォーマンスが優れたサービスを見つけることがベストです。
料金と安全性を両立!VPNなら「モバイル閉域接続」がおすすめ
VPNを選ぶ際は、料金と安全性を両立させているイッツコムのモバイル閉域接続がおすすめです。モバイル閉域接続を利用すると、働き方改革によって生じる可能性のあるデメリットの解消もできます。企業の先進的な取り組みを後押しするイッツコムのモバイル閉域接続について、その特徴を詳しく解説します。
インターネットを経由しないセキュアなネットワーク
イッツコムのモバイル閉域接続では、一般的なインターネットを経由しません。NTTドコモの専用回線とイッツコムの専用回線を利用し、インターネットと分離されたネットワークで通信を行います。通信アクセスの存在自体が表に流れませんので、どこからでも安心してネットワークに接続することが可能です。
導入しやすい専用SIMタイプ
高度なセキュリティをもつイッツコムのモバイル閉域接続ですが、SIMによって通信するため、VPNアプリも不要です。ユーザーがVPNの設定をする必要がなく、管理者が利用者ID・パスワードを管理するよう強いられることもありません。そのため、導入へのハードルは非常に低くなっています。
専用SIMから経路を判断するという形でセキュリティを確保することが、イッツコムのモバイル閉域接続における特徴です。登録されていないデバイスからは利用そのものが不可能になり、万全の体制で事故防止ができますので、運用・管理に高度な技能は必要ありません。
社外でも社内セキュリティポリシーが適用できる
これからの時代は、リモートワークの導入がますます求められるでしょう。リモートワーク導入で問題になりやすいのがセキュリティポリシーです。イッツコムのモバイル閉域接続では、社外でのネット利用にも社内LANを経由します。ログの取得も可能であるため、社外にいてもセキュリティポリシーの適用が可能です。
まとめ
VPNにはいくつかの種類があり、主に費用・接続方法・セキュリティの強弱に特色が現れます。まずは自社が何を求めるのかを整理したうえでサービスの種類を選び、数年単位の予算を見極め、無理のないコストで契約を結びましょう。
優れたコストと安全性を両立させたい方には、イッツコムのモバイル閉域接続のご利用がおすすめです。ユーザー・管理者の双方が手軽に利用でき、リモートワークにも対応できますので、VPNの導入をご検討中の場合はぜひイッツコムにご相談ください。