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VPNは公衆回線を使う?仕組みや種類を知りVPNを正しく活用しよう

企業がインターネットを運用する上で重要な役割を担うVPNですが、仕組みがよく分からない方もいるのではないでしょうか。VPNを正しく活用したいのであれば、回線の種類について詳しく知る必要があります。中には、既存の回線を使うものもあり、それぞれの特徴はVPNの種類によってさまざまです。

そこでこの記事では、VPNの仕組みや種類について解説します。メリットや注意点が分かれば、環境に合ったVPNが導入できるでしょう。

公衆回線を使う?VPNの仕組みと種類

今やビジネスシーンでは欠かせない存在となったVPNですが、回線のタイプや仕組みが分からないまま使っている方もいるかもしれません。中には、公衆回線を利用したVPNもあります。ここでは、VPNの種類や仕組みについて解説しましょう。

VPNの仕組み

VPNとは専用回線を構築して仮想の私的回線網を利用できるサービスです。VPN機能を搭載したルーターを設置することで、遠隔地にある事業所でも情報やファイルが共有できます。

以前は専用線を用いて事業所間をつなぐのが主流でしたが、VPNの登場によってコストと時間を抑えて手軽にプライベート回線網を使えるようになりました。距離の制限を受けることなく、複数の拠点で安全な情報のやり取りが可能です。

種類1.インターネットVPN

公衆インターネット回線を利用してVPNを構築する接続方式です。既存の回線を使うことで、コストを抑えて回線網を構築できます。ルーターを通じてデータを暗号化し、セキュリティ対策を行う点も特徴といえるでしょう。

回線の品質は利用する公衆回線の環境に影響を受けるため、高品質な回線を契約しないとポテンシャルを発揮できないという欠点があります。また、回線が混雑する時間帯は通信速度の低下や接続しにくい状況が発生することも考慮しなければなりません。

種類2.IP-VPN

事業者が提供する閉域網を利用する方式です。閉域網とは契約者だけが利用可能な閉ざされたIP網を指します。インターネットと分離した回線で、第三者の干渉を受けないのがメリットです。外部からは通信自体が認識できないため暗号化の必要がなく、安全性が高い環境で通信できます。

公衆回線の混雑具合に影響されずに安定した通信速度を出せますが、コストが高くなりやすいのが特徴です。準備に必要な時間も長いため、すぐに開通できない点にも注意しましょう。

種類3.その他のVPN

他にも、エントリーVPNや広域イーサネットといったVPNサービスもあります。エントリーVPNは公衆回線を経由せず、比較的安価なブロードバンド回線を利用して閉域網にアクセスする方式です。コストを抑えつつ高セキュリティを確保できますが、通信の品質や速度はIP-VPNに及びません。

広域イーサネットはイーサネット規格で閉域網に接続する方式です。IP-VPNとは接続時のプロトコルが異なり、自由度の高いシステムを構築できる反面、コストが高いという短所があります。

VPNはどんなときに必要?

企業でVPNが必要となる場面は以下の通りです。主にセキュリティを確保したいときや共通のサーバーにアクセスする際に用います。

・従業員が外出先の無料のWi-Fiから社内LANへアクセスするとき
・距離が離れた複数の事業所間をLANでつなぐとき
・情報規制された国でインターネットを活用するとき
・IP電話で安全に通話したいとき
・リモートワークの環境を構築するとき
・日本に対応していない外国のサービスを利用するとき

VPNを導入する3つのメリット

VPNはデバイスとオフィスを専用回線網でつなぐことで、ビジネスシーンにおいて多大なメリットをもたらします。VPNを導入すれば、オフィスを悩ませる多くの問題が解決できるでしょう。ここでは、VPNの導入で得られる3つのメリットを紹介します。

通信内容を暗号化できる

通信内容を暗号化したりトンネリングしたりすることで、第三者への情報漏えいをガードできます。接続するデバイスと回線網の間に仮想のトンネルを構築し、外部からの不正アクセスを防ぐのがトンネリングです。さらに、通信パケットの暗号化によって盗み見や改ざんを防止します。

リモートワークが一般化した現在、遠隔地から社内システムにアクセスする機会が増えました。顧客情報を扱うビジネスシーンでは、安全な通信環境が求められています。

複数の拠点で利用できる

VPNを構築することで複数の拠点間で通信ができます。かつて主流だった専用線では一対一の通信しかできませんでしたが、VPNは複数の拠点同士でも同時に通信が可能です。また、専用線とは異なり、距離によってコストが変動することもありません。距離を気にすることなく、セキュアな回線網を構築できるのが大きな強みといえるでしょう。

モバイル端末や遠隔でも接続できる

労働形態が多様化した昨今、アクセスする環境や端末の種類にも気を配る必要があります。自宅からオフィスと連絡を取り合って働く在宅勤務や営業先や外回り先から連携するモバイルワークなど、異なる状況に対応した環境を構築することが大切です。

働く環境とともに使用するデバイスも変わるため、パソコン以外のデバイスからアクセスすることが増えるでしょう。スマートフォンやタブレット端末からでも手軽に社内LANと通信できることは、柔軟に働ける環境作りにもつながります。

VPNを導入するなら3つの点に注意しよう

現在、多くの企業で利用しているVPNは便利な反面、注意したほうがよい点もいくつか存在します。ITツールはデメリットも把握しなければ正しく活用できません。ここでは、VPNを導入する際に注意したいポイントを3つ紹介します。

絶対に情報漏えいしないというわけではない

セキュリティ対策を目的にVPNを導入する企業も多く見られますが、VPNを利用すれば絶対に安全というわけではありません。ネットワークを介する以上、リスクを完全にゼロにするのは難しいでしょう。

VPNはサービスによってセキュリティレベルに違いがあるため、サービスの選び方が重要です。設定にも気を配り、可能な限り安全な通信環境を整えましょう。また、使用する人間が原因の情報漏えいを防ぐために、従業員の教育も徹底する必要があります。

通信速度が遅くなる可能性がある

インターネットVPNは公衆回線を利用するため、通信速度が安定しないときがあるのがデメリットです。公衆回線は周囲と回線を共有しており、同時に多数のアクセスがあると回線が混雑して通信速度が低下する恐れがあります。

混雑する時間帯や業務時間が重なる場合には、対策を講じなければ想定した利便性は発揮できません。快適に使用するにはVPNの種類をIP-VPNに変更するといった工夫が必要です。

製品によりコストに違いがある

VPNにかかるコストや搭載している機能は回線の種類や製品ごとに異なるため、予算に合ったものを選びましょう。機能が増えれば便利に使えますが、その分コストがかかります。したがって、必要な機能のみを選ぶことが重要です。

必要な機能を絞るには、VPNの用途を明確にする必要があります。通信速度やサーバーの設置数を考慮して、自社に適した製品を探してみてください。

高セキュア・低コストのVPNなら「モバイル閉域接続」

イッツコムが提供している「モバイル閉域接続」は、低コストで高いセキュリティのVPNをお探しの方にぴったりなサービスです。ここでは、高セキュアと低コストを両立したVPNをお求めの方に向けて、モバイル閉域接続の特徴を紹介します。

インターネットを経由しないセキュアなネットワーク

モバイル閉域接続は、インターネットと分離したイッツコム独自の回線を使用しています。インターネットを経由せずに社内LANにアクセスが可能で、通信が外部の目にさらされる危険性がありません。社外からアクセスする際の情報漏えいリスクを低減します。

VPNハッキングやID・パスワードの傍受といった外部からの攻撃に強く、安心して使えるセキュアな環境を構築できるでしょう。

専用SIMのみでセキュリティ確保

多くのVPNはログインするために煩雑な設定が必要です。一方、モバイル閉域接続は専用SIMを使うことにより設定が不要で、簡単に利用を開始できます。IDやパスワードがないため、それぞれの発行にかかる管理業務も不要です。

有料オプションをご利用いただくと登録外のデバイスからの利用を不可にでき、SIM盗難や持ち出し禁止デバイスへの転用が防止できます。

社外でも社内セキュリティポリシーの適用が可能

取引先や外出先といった社外でも社内LANを利用できます。オフィスにいるときと同じように社内LANに接続が可能ため、場所を選ばずに資料の引き出しや共同作業を行えるのが魅力です。

社外からのアクセスでもセキュリティポリシーが適用されるため、ログも取得できます。モバイル閉域接続を利用すれば、リモート環境に対応した新時代のITインフラを実現できるでしょう。

まとめ

VPNにはインターネットVPNやIP-VPNといった種類があり、使用する回線や接続方式が異なります。得意とする用途やコストにも違いがあるため、使い方を意識して自社に適したサービスを選ぶことが大切です。

イッツコムでは、働く場所や時間を選ばずに独立した専用回線を利用できる「モバイル閉域接続」を提供しています。新時代のワークスタイルに対応した環境整備をご希望の方はイッツコムへご相談ください。