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【保存版】テレワークでVPNが遅い!つながらない!原因と高速化方法を徹底解説

VPNとテレワークを導入したものの通信速度が想像以上に遅く、遅い・つながらない原因と対策が知りたい方もいるのではないでしょうか。

VPNの接続経路も踏まえて、VPN接続が遅い・つながらない原因を知ることで、VPN接続の高速化方法がクリアに理解できます。インフラ整備が重要であることを把握し、テレワーク環境を適切にアップグレードしましょう。そこでこの記事では、テレワークでVPNが遅い・つながらない原因と高速化方法をご紹介します。

テレワークにVPNが必要な3つの理由

VPNは2拠点間を仮想通信線で接続できる通信技術です。トンネリングや暗号化といった技術を使うことで、論理的に専用線を経由したようなセキュアな通信ができます。また、VPNサーバーを指定することで通信経路のコントロールも可能です。まずはテレワークにVPNが必要な3つの理由を解説します。

テレワーカーが社内ネットワークにアクセスできる

テレワークではテレワーカーのPCやスマホから社内ネットワーク内のデータにアクセスすることがありますが、このときテレワーカーは社内ネットワークに対して外部ネットワークからアクセスします。外部ネットワークとの通信には、ネットワークの端末にIPアドレスが必要です。

IPアドレスにはプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの2種類があり、社内ネットワークのサーバーがプライベートIPアドレスを使っていると、通常は外部ネットワークからアクセスできません。社内にVPNサーバーを置く形でVPNを利用すると、認証後にクライアント・社内ネットワークが直接接続されているように使えます。

社内ネットワークのセキュリティを確保できる

社内ネットワークでグローバルIPアドレスを使っている場合、外部ネットワークから簡単に社内ネットワークへアクセスできてしまいます。プライベートIPアドレスを利用するより低コストですが、サイバー攻撃の被害に遭いやすく、セキュリティ上の懸念があるのは難点です。

VPNを利用すると社内ネットワークに接続するデバイスを企業側がコントロールしやすくなる上、送受信されるデータは自動的に暗号化されるので、セキュリティレベルが高くなります。

テレワーカーのインターネット利用も高セキュア

テレワーカーが使用するPCやスマホには何らかの社内情報が保存されています。デバイスには機密情報が保存されているケースもありますが、そのデバイスでインターネット接続すると不正アクセスや情報窃取といったサイバー攻撃の被害に遭う恐れがあり、情報管理の面で好ましくありません。

社内にVPNサーバーを置く形でVPNを利用すると、テレワーカーのデバイスは社内ネットワーク内のVPNサーバーを経由してインターネット接続するので、テレワーカーのインターネットセキュリティを企業側がコントロールできます。

テレワークでVPN接続が遅い主な原因

テレワークでVPN接続が遅いときには、通信経路のどこかに原因があります。特に多いのは社内のVPNサーバーにトラフィックが集中する状況で、通信回線・プロバイダの遅延が原因であることも珍しくありません。テレワークでVPN接続が遅い主な原因を解説します。

テレワーカーの急増によるトラフィックの増大

VPNはテレワーク導入に必須といえる通信技術で、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて採用する企業が急激に増加しています。企業によっては社員の大部分がテレワーカーになっており、社内のVPN導入がテレワーカーの急増に追いついていないケースも多い状況です。

VPNを利用すると社内のVPNサーバーには大量のトラフィックが生じ、暗号・復号処理やルーティングのためのリソースが圧迫されます。つまり社内のVPNサーバーで渋滞が起こることで、社内情報へのアクセスにもインターネット接続にも遅延が発生し、テレワーカーは大きなストレスを抱えることも多くあります。

企業が利用する通信回線・プロバイダの遅延

VPNを利用するテレワーカーは、社内のVPNサーバーを経由して社内情報やインターネットにアクセスしますが、このとき通信経路には企業の通信回線・プロバイダが含まれます。トラフィックの流入・流出どちらも企業が契約する通信回線・プロバイダを経由するので、通信回線の帯域不足によってVPN接続が遅いケースも珍しくありません。

このタイプの遅延は社内情報へのアクセスにもインターネット接続にも起こり得ます。VPN接続を必須とすることで個人的なインターネット接続も企業の帯域を利用するため、VPNを利用しない場合よりも遅延が起こりやすい仕組みです。

プロバイダより先の通信経路の遅延や接続障害

社内のVPNサーバーを経由してインターネット接続する場合、遅延の原因になるのは企業のネットワーク構成だけとは限りません。特定のWebサイトやインターネットサービスを利用する際、企業が契約するプロバイダより先の通信経路で遅延や接続障害が発生しているケースもあります。

基本的にインターネット接続時のルーティングは自動的に実行されており、選択された通信経路によっては高速ですが、トラフィック量が増大した経路を選択すると低速になります。個人利用なら問題にならない程度のトラフィックであっても、VPNを利用する場合は社内のVPNサーバーを経由しているので、体感速度は遅くなります。

テレワーカーのネットワーク環境が貧弱

テレワーカーが自宅のデバイスから、社内のVPNサーバーに通信することでVPNが利用可能です。テレワーカーが自宅で契約・利用する通信回線・プロバイダはさまざまです。自宅内でのルーターまでの経路は有線接続かWi-Fi接続かでも安定性に違いがあり、社用PCを統一していなければ接続デバイスの処理能力や体感速度にも差が生じます。

社内では安定かつ高速なネットワーク環境を構築していても、自宅のネットワーク環境が貧弱なテレワーカーは珍しくありません。個人利用のインターネット接続なら遅いと感じなくても、帯域に余裕がなければ、VPN接続時に通信速度が遅いと感じることはあります。

テレワークでVPNがつながらない主な原因

テレワークでVPNがつながらない原因として多いのは、通信経路のどこかが遮断されていることです。VPNの単純な設定ミスでもVPN接続は確立できず、通信回線のメンテナンスや接続障害で一時的につながらないケースもあります。ここからは、テレワークでVPNがつながらない主な原因を解説します。

テレワーカー側のVPNクライアントの設定ミス

社内でVPNサーバーを適切に設置・設定していても、テレワーカー側の設定ミスによってVPN接続ができないケースもあります。通常はPCやスマホに「VPNクライアント」と呼ばれるソフトウェアがインストールされており、この設定が社内のVPNサーバーのドメイン名やIPアドレスの設定と違う場合は、VPN接続はできません。

VPNクライアントが正しく設定できていても、社内のVPNサーバーが設定変更した際には再設定を要するケースもあります。利用するVPNによって正しい設定方法は異なるので、管理者に問い合わせましょう。

通信回線・プロバイダのメンテナンスや接続障害

テレワーカーがVPNを利用するには、まず社内のVPNサーバーまでアクセスできることが必要です。自宅や企業で利用する通信回線・プロバイダがメンテナンス中だったり、接続障害を起こしていたりすれば、VPNサーバーまでアクセスできないのでVPNがつながりません。

VPN接続をオフにしてインターネット接続ができるなら、自宅の通信環境は生きていて、企業側の通信環境に問題があると考えられます。VPN接続をオフにしてもインターネット接続ができないなら、原因の可能性があるのは自宅の通信環境と考えられます。通信回線やプロバイダのメンテナンスや接続障害の情報を調べ、復旧まで待ちましょう。

社内ネットワークの障害やメンテナンス

社内で運用しているVPNサーバーをはじめとするネットワーク機器が正しく動作していなければ、VPN接続が確立できません。例えば、ネットワーク機器の故障やケーブルの接触不良・断線、社内でWi-Fiを利用している場合はWi-Fiの設定ミスもあり得ます。

社内システムのメンテナンスや更新作業中に、一時的にVPN接続ができなくなるケースも珍しくありません。こういった問題はテレワーカーには解決できず、管理者に問い合わせるか企業からのアクションを待ちましょう。

テレワークのVPN接続を高速化する6つの方法

VPN接続が遅い場合は、根本的な原因を解決して高速化を図りましょう。テレワークでVPN接続が遅いときには、トラフィックを処理し切れていないケースが多く、送受信するデータ量や通信環境を見直すことで高速化が可能です。ここでは、VPN接続を高速化する6つの方法を解説します。

デバイスやルーターを再起動する

VPN接続を高速化する最も手軽な方法は、テレワークで利用しているPC・スマホやルーターを再起動することです。VPNは論理的に仮想専用線を確立する技術なので、VPN接続をする際には通常のインターネット接続よりも多くのコンピュータリソースを消費しています。

デバイスを長時間起動していると一時ファイルやエラーが蓄積して、動作が不安定になることも珍しくありません。根本的な高速化にはつながりませんが、一時的な速度低下は再起動によって解消できるケースもあります。

社用PCと私用PCを分ける

同時にVPN接続をするテレワーカーが多いほど、社内のVPNサーバーにトラフィックが集中して通信速度は低下します。社内情報にアクセスするだけなら大きな問題にはならなくても、VPNサーバーを経由してインターネット接続するなら深刻な帯域不足に陥ってもおかしくありません。

ここで考えられる高速化の方法は、社用PCと私用PCを完全に分離することです。社内情報の閲覧・保存につながるネットワーク接続なら社用PCによるVPN接続、それ以外の情報収集などに関しては非VPN接続の私用PCと分ければ、VPNサーバーへの負荷を軽減できます。

ただし、この施策には社用PCの購入・貸与にかかるコストが必要です。社用PC・私用PCの線引きを明確化するために、全社的なVPN運用のルール策定・順守も求められます。

無駄なデータ送受信をなくす

ネットワーク接続をするソフトウェアの同時起動数が多いほど帯域の占有率は高くなり、各ソフトウェアのレスポンスは遅くなります。特にWindows 10のアップデートプログラムなどの大量なデータ通信をするソフトウェアが起動していると、業務に直接関係のないソフトウェアのせいでVPN接続が遅くなることも珍しくありません。

データの送受信量が多い無駄なソフトウェアを業務時間内に起動させないことで、VPN接続の安定化が図れます。メーラーに個人アカウントを追加していると、業務に関係のないメールのダウンロードでネットワークリソースが圧迫されるので、アカウント管理について社用PC・私用PCの線引きを明確化することもポイントです。

VPNサーバーの増設

VPNの導入時にはテレワーカーの人数が少なく安定稼働できても、テレワークが社内に浸透するとVPNサーバーのリソース不足に陥るケースは珍しくありません。ひとつのVPNサーバーで処理できるトラフィックには限界があり、テレワークを推進したことでビジネススピードが停滞することもあり得ます。

テレワーカーの増員に合わせて快適なテレワーク環境を手に入れるには、VPNサーバーの増設による負荷分散が効果的です。

高速な通信回線を契約する

テレワークのVPN環境では、社内のVPNサーバーを経由してクラウドサービスなどのインターネットサービスを利用することも多々あります。企業のネットワークリソースはテレワークのハブ(中継点)として機能するので、通信回線・プロバイダ選びも重要です。

VPNを導入すると想像以上にネットワーク負荷が大きく、通信回線・プロバイダを乗り換える企業は珍しくありません。

スペック上は高速な回線に見えても、基本的に通信回線はベストエフォート型なので、同時接続数によっては期待したパフォーマンスを得られないケースもあります。プロバイダの運用管理体制もしっかりと確認し、安定した高速通信ができるサービスを選ぶことが大切です。

安定したVPN接続サービスを利用する

VPNにはさまざまな形態があり、インターネットを経由するVPNもあれば、通信事業者が構築した閉域網を利用するVPNもあります。公衆回線を利用するVPNは同時接続数が多く、接続は不安定になりやすい上、セキュリティ対策がしにくいことも注意点です。

VPNは基本的に2拠点間を仮想的に直接接続する技術として発展しましたが、VPN接続サービスによっては多くの社外デバイスとのセキュアな接続を前提としています。VPN接続サービスの仕様を事前に確認して、テレワーク向きのサービスを選択することがポイントです。

テレワークのVPNはイッツコムのサービスで快適に!

テレワークのVPN接続を高速化するなら、インフラ整備が最も効果的です。VPN環境のトラフィックを安定させて処理できる通信回線・プロバイダと、テレワーク環境に向いたVPN接続サービスへの乗り換えを検討しましょう。以下で、イッツコムの多彩なサービスの中から、イッツコム光接続サービスとモバイル閉域接続を紹介します。

イッツコム光回線

イッツコムの法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」は、下り最大2Gbpsの安定した高速回線を利用できます。一般的な光回線サービスはプロバイダサービスと別に契約する必要があり、メールやマイページといったサービスも基本料金に含みますが、イッツコム光接続サービスは光回線とプロバイダサービスを一括提供する仕様です。

電話サポート以外はオプション提供にすることで、他社サービスよりもランニングコストを抑えられます。必要なサービスだけを選択できるので、予算に合った柔軟な契約が可能です。さらに、トラブルの際も問い合わせ窓口はひとつなので、スピーディーに問題の切り分けや連絡ができます。

モバイル閉域接続

イッツコムの「モバイル閉域接続」は、VPNの仕組みを利用したセキュアな通信サービスです。PCやスマホに専用SIMを挿入するだけで導入でき、通信キャリアのモバイル回線網とイッツコムネットワーク内の閉域網で接続します。

エリア内のどこからでも、インターネットを経由せず社内ネットワークに接続でき、テレワークの大幅なセキュリティ強化が可能です。モバイル閉域接続の導入によって、主に以下のことが実現できます。

・社外のデバイスからも社内セキュリティポリシーを維持して通信できる
・場所や時間を選ばない働き方ができる
・ペーパーレスで営業に行ける
・スマホ・ドライブレコーダー・監視カメラの動画も簡単に共有できる

まとめ

テレワークでVPN接続が遅い・つながらない原因はさまざまです。テレワーカーの自宅通信環境の他に、社内のVPNサーバーや企業が契約する通信回線・プロバイダにおいて、遅延・接続障害が起こっているケースを考えられます。

遅い・つながらない問題を解決するには通信環境のグレードアップが重要です。高速な通信回線や安定したVPN接続サービスを利用して、快適かつセキュアなテレワーク環境を整えましょう。

イッツコムはモバイル閉域接続・boxによるセキュリティ対策やワークフロー管理の他、ZoomやホットプロファイルによるWeb会議や営業支援、光回線やWi-Fi接続によるインフラ整備まで幅広いサービスを提供しています。ビジネス環境のトータルなアップグレードをお求めなら、多彩なサービスを自由に組み合わせられるイッツコムにご相談ください。