ホスティングとは?意味やハウジング・クラウドとの違いをわかりやすく解説
目次
自社サイトの開設や独自ドメインのメールへの移行に当たり、Webサーバやメールサーバの運用を検討しており、ホスティングサービスの利用イメージが知りたい企業担当の方もいるのではないでしょうか。
ホスティングサービスの有用性や注意点、類似サービスとの違いを知ることで、自社に合ったサーバの運用方法を選択できます。Webサーバやメールサーバを快適かつ安全に運用し、自社ブランドを確立してビジネスを加速させましょう。
そこでこの記事では、ホスティングの意味・種類やメリット、ハウジングサービスやクラウドサーバとの違いやサービスの選び方についてご紹介します。
ホスティングとは?
ホスティングサービスはインターネット経由でサーバの運用環境を利用できるため、運用の手軽さから、企業だけでなく個人ユーザーにも重宝されています。まずはホスティングサービスのサービス形態について見ていきましょう。
ホスティングサービスとは
ホスティングとは、サービス事業者がデータセンター内で運用保守するサーバの一部、または全領域を、インターネット経由でレンタルすることです。サーバとは、ネットワーク経由で特定機能・サービスを提供するコンピュータやソフトウェアを指します。
ホスティングサービスはサーバ環境と運用保守体制をセットで提供するため、自社リソースにかかわらずWebサーバやメールサーバを簡単に運用できるのが特徴です。
ホスティングサービスは3種類
ホスティングサービスは以下3つの形態で提供されます。
・共有サーバ方式:1台の物理サーバを複数のユーザーで共有する。管理者権限なし
・専用サーバ方式:1台の物理サーバを1人のユーザーが専有する。管理者権限あり
・VPS(仮想専用サーバ)方式:1台の物理サーバを複数の仮想マシンに分割し、各ユーザーが専用サーバのように利用する。管理者権限あり
共有サーバ方式は安価ですが、専用サーバ方式より安定性・カスタマイズ性が低いのは注意点です。物理サーバは性能や容量が固定ですが、VPSはソフトウェア環境や設定を維持したまま容易に拡張・縮小できます。
ホスティングサービスの6つのメリット
サーバを自社で管理するには、人材や、設置場所、セキュリティ対策など多くの課題を要します。これらの問題を解決するホスティングサービスには以下のようなメリットがあります。
・サーバを素早く運用開始できる
・独自ドメインを取得できる
・運用保守の手間がかからない
・安心のセキュリティ対策
・負荷分散に対応している
・低コストでサーバ運用できる
このようなメリットから、ホスティングサービスは最小限の自社リソースで素早くサーバを運用開始したい企業に向いているサービスと言えます。ここからは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
サーバを素早く運用開始できる
ホスティングサービスのメリットのひとつは、Webサーバやメールサーバをスピーディーに運用開始できることです。サーバ環境はサービス事業者側ですでにセッティング済みであるため、契約すれば簡単な設定をするだけで運用開始できます。
独自ドメインを取得できる
ホスティングサービスは独自ドメインを取得できることも利点です。
プロバイダのWebサイト作成サービスやメールサービスを利用する場合、URLやメールアドレスは「http://www.○○net.jp/~自社名」や「自社名@○○net.jp」といった形になります。個人ユーザーなら問題にならなくとも、企業が提供するサービスの独自性・信頼性という意味においては重要な要素です。
ホスティングサービスなら独自ドメインを取得できるため、「http://www.自社名.jp/」や「サービス名@自社名.jp」など、自由にアドレスを設定できます。無料ドメイン取得に対応するサービスも珍しくありません。
運用保守の手間がかからない
ホスティングサービスは運用保守の手間がかかりません。Webサーバやメールサーバを自社運用する場合、24時間365日の安定稼働のために、監視体制やメンテナンス体制を自社努力で整える必要があります。
ホスティングサービスならサーバの運用保守はサービス事業者が実施するため、監視・障害対応・更新などの手間はかからず、専任のスタッフを常駐させる必要もありません。
安心のセキュリティ対策
ホスティングサービスはセキュリティレベルに優れています。Webサーバやメールサーバの運用中には情報漏えい・不正アクセス・ウイルス感染など、さまざまなセキュリティリスクに対応する必要があります。
ホスティングサービスは暗号化通信やウイルスチェック・改ざん検知など、さまざまなセキュリティオプションを利用でき、自社にセキュリティ対策のノウハウがなくても安心です。
負荷分散に対応している
ホスティングサービスは負荷分散に対応していることもメリットです。負荷分散(ロードバランシング)とは、同等の機能を持つ複数のサーバを用意(冗長化)し、負荷が均等になるように処理を分散して割り当てることを指します。これはサーバの安定稼働のためには重要な仕組みです。
自社構築(オンプレミス)環境ではコスト投下だけでなく専門知識も必要になる仕組みですが、ホスティングサービスなら無料またはオプション契約で利用できます。
低コストでサーバ運用できる
サーバをオンプレミス運用する場合、機器調達・運用保守・セキュリティ対策・負荷分散などにコストがかかります。ホスティングサービスは、このようなコストを大幅に削減できるため、初期投資・ランニングコストともに低コストで運用ができるでしょう。
ホスティングとハウジングやクラウドの違い
ホスティングサービスの類似サービスとして、ハウジングサービスやクラウドサーバが挙げられます。端的に言えば、ハウジングサービスはサーバの置き場所を貸し出すサービスで、クラウドサーバは仮想化したサーバを構築・運用できるサービスです。ここでは、ホスティングサービスとハウジングサービス・クラウドサーバの違いについて見ていきましょう。
ハウジングサービスとの違い
ハウジングサービスとは、サービス事業者のデータセンター内に自前のサーバを設置し、リッチなセキュリティ設備やネットワーク環境を利用できるサービスです。サーバの調達・構成が必要な点は、ホスティングサービスと大きく異なります。
ホスティングサービスより高コストにはなりますが、サーバ構成のカスタマイズに制限がないことや、オンプレミス環境をそのまま移行できることがメリットです。
クラウドサーバとの違い
クラウドサーバとは、AWSやMicrosoft Azureといったクラウドサービスの一部として、仮想化したサーバをインターネット経由で利用できるサービスです。
クラウドサーバはオプション構成の範囲内で性能・容量を自在に変更でき、使用するリソースに応じて料金が細かく上下します。自由度の高さは利点ですが、サービス構成が複雑であることや、構築・運用に際してクラウドコンピューティングに精通したスタッフが必要であることはネックです。
ホスティングの注意点とサービスの選び方
ホスティングサービスは自社リソースを抑えて手軽にサーバ運用したい場合に最適ですが、以下のような注意点もあります。
・別途プロバイダ契約が必要
・カスタマイズ性が低いことも
・他ユーザーの影響を受けることも
注意点を踏まえてサービスを選ぶ視点を持ちましょう。
別途プロバイダ契約が必要
ホスティングサービスはサーバ環境と運用保守体制を提供するサービスで、インターネット接続サービスを提供するのはプロバイダ(ISP)です。ホスティングしたサーバを利用するにはインターネット接続が必要であるため、サービス利用者には別途プロバイダ契約が求められます。
サービス事業者によってはプロバイダサービスも提供しており、ホスティング・プロバイダの一括導入が可能です。
カスタマイズ性が低いことも
特に共有サーバ方式の場合ですが、カスタマイズ性の低さは注意点です。利用できるCPUやストレージ(HDDやSSD)は固定的であるため、容量の増減はできても性能は変えられません。また管理者権限が必要なアプリを導入・利用する場合、専用サーバ方式やVPSの利用が必須です。
この点、ハウジングサービスならカスタマイズに制限がありません。オンプレミス環境を移行したり将来的な拡張を予定したりするなら、ハウジングサービスがおすすめです。
他ユーザーの影響を受けることも
こちらも特に共有サーバ方式の場合、他ユーザーの影響を受けて安定性が損なわれやすくなります。また、VPSやクラウドサーバは柔軟にリソースの増減ができるものの、CPUなどのハードウェアは他ユーザーと共有するため、安定性が低い場合もあります。
専用サーバ方式のホスティングサービスやハウジングサービスであれば、専用のハードウェアを使用でき、安定した運用が可能です。
法人向けのホスティングやハウジングならイッツコム!
イッツコムは法人向けのホスティングサービス・ハウジングサービスを提供しており、いずれもイッツコムならではの快適なネットワーク環境やセキュリティ体制が魅力です。ここでは、それぞれのサーバ運用方法の魅力を解説します。
手軽に快適かつ安全なサーバ運用「ホスティングサービス」
イッツコムの「ホスティングサービス」は、Webサーバやメールサーバを快適かつ安全に利用できる法人向けホスティングサービスです。
Webサーバは新会社立ち上げに伴う自社サイトの開設、メールサーバはGmailなどのフリーメールから独自ドメインのメールへ移行する場合などに活用できます。ホスティングサービスには無料ドメイン取得が標準で付帯するため、独自ドメインの利用に別途料金は発生しません。
サーバには自社大容量バックボーンにより高速アクセスでき、冗長化したサーバ群はロードバランサで負荷分散します。サーバの稼働状況は専門スタッフが24時間365日監視し、SSL通信・改ざん検知・ウイルススキャン・迷惑メールスキャンなども利用できるため、手間をかけずに安全な運用環境が得られることもメリットです。
リッチなネットワーク環境とセキュリティ設備「ハウジングサービス」
イッツコムの「ハウジングサービス」は、快適なネットワーク環境やリッチなセキュリティ設備が魅力的なデータセンターにおいて、サーバの設置場所を貸し出しするサービスです。
上位回線は合計200Gbps以上で接続するため、トラフィックの増加にも柔軟に対応でき、高い信頼性を確保しています。サーバやネットワークは専任の監視技術者が24時間365日監視し、障害発生時の対応もスピーディーです。
外部からサーバラックまではICカードにより4重にロックし、赤外線防災センサー・ガス消火設備・耐震床・無停電電源装置・自家発電装置などセキュリティ設備も万全で、大切なサーバ資産を強力に保護します。
まとめ
ホスティングサービスは導入の手間がかからず、サーバ運用のトータルコストも抑えられます。手軽にWebサーバやメールサーバを運用したい場合には最適なサービスです。すでに運用中のサーバがある場合や、本格的なカスタマイズをしたい場合には、リッチな運用環境を利用できるハウジングサービスをおすすめします。
イッツコムならいずれのニーズにも信頼性の高いサービスで対応可能です。Webサーバやメールサーバの効率的な運用をお求めなら、ネットワーク環境もセキュリティ体制も充実したイッツコムのサービスをご検討ください。