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スマホがWi-Fiにつながらない原因とチェック項目・対処法を解説

従業員や来客から「Wi-Fiにつながらない」という声が挙がる企業も多いかもしれません。Wi-Fiを利用したインターネット接続は、スマホやタブレットでも便利に活用できますが、無線通信特有の問題が発生することもあります。

この記事では、「特定デバイスのみWi-Fiにつながらない場合はどうすべきか」「全てのデバイスがWi-Fiにつながらない場合はどうすべきか」という疑問にお答えします。Wi-Fi親機の機能・性能不足の場合、Wi-Fiルーターの買い替えや業務用Wi-Fiアクセスポイントの導入も検討しましょう。

Wi-Fiにつながらない原因はどこにある?

Wi-Fiにつながらない問題の影響範囲を確認することで、原因がどこにあるのか見当をつけられます。特定のデバイスのみWi-Fiにつながらない場合はデバイス自体の不具合、特定のエリア内など広範囲でつながらない場合はネットワーク機器の不具合、オフィスや店舗の全域でつながらない場合は通信回線の不具合が疑われます。

デバイスの不具合

Wi-Fiに接続するPCやスマホ、タブレットなどのデバイス側に何らかの不具合が発生し、正常に通信できなくなるケースがあります。

特定のデバイスのみWi-Fiに接続できない場合は、デバイスの不具合を疑いましょう。具体的な不具合の一例は以下の通りです。

  • ハードウェアの故障
  • ソフトウェアの不具合
  • 接続設定の間違い

単純な接続設定のミスなどの場合は、すぐに修復できることが多いでしょう。一方で故障などの際は修理や交換が必要になるケースもあるため、まずは根本的な原因がどこにあるかを探りましょう。

ネットワーク機器の不具合

社内ネットワークを構成するネットワーク機器や、それらを接続するケーブル類に不具合が発生している場合もWi-Fiに障害が発生します。

社内にあるデバイスの多くがWi-Fiにつながらなくなった場合は、ネットワーク機器を疑いましょう。一般的に社内ネットワークで使用されていることが多い機器の一例は以下の通りです。

  • ONU(光回線終端装置)
  • ルーター
  • スイッチングハブ

なお、これらの機器類を接続するにはLANケーブルを用いるため、ケーブルが断線・劣化して正常に通信できない可能性も考えられます。

通信回線の不具合

契約しているインターネット回線に何らかに障害が発生しているときも、インターネットへのアクセスが安定しません。料金滞納や通信量の上限に達したなどの理由で制限が課せられている場合もこれに該当します。

通信回線に不具合が発生しているときは、ユーザー側で対処するのは難しいでしょう。予備の回線があるなら通信経路を切り替えつつ、復旧するのを待ちましょう。

【関連記事:回線速度が遅いときの原因は?適切な対処で快適なビジネス環境を手に入れよう
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まずはデバイスの通知領域でWi-Fi接続状態をチェック

デバイスの通知領域のアイコン表示は、Wi-Fiがつながらない問題の解決に役立つ基本的な情報です。Wi-Fiアイコンや飛行機のアイコンは、問題の切り分けや接続テストの際、頻繁に目にすることになります。それぞれのアイコン表示の意味や特徴を知っておきましょう。

Wi-Fi機能がオンになっているか

お使いのデバイスが正常にWi-Fi接続できているか、簡単に目視確認できる方法を知っておきましょう。iPhone/iPadやAndroidデバイスを使用中、通知領域にWi-Fiアイコンが見えればWi-Fi接続中です。

ただし、Wi-Fiアイコンに「!」や「×」が重ねて表示されることもあります。この場合、デバイス側で何らかのネットワーク障害が検出され、Wi-Fi経由のインターネット接続ができない状態です。

機内モードのオンオフでWi-Fiアイコンが消えていないか

通知領域に飛行機のアイコンが表示されている場合、機内モードがオンになっています。機内モードはモバイルデータ通信やWi-Fi通信など、デバイスの無線通信を簡単にオフにできる機能です。

デバイスの設定によっては、機内モードをオンにすると自動的にWi-Fi機能がオフになったり、機内モードをオフにしたときWi-Fi機能が自動的にオンにならなかったりします。機内モード時でも、Wi-Fi機能がオンならWi-Fi経由のインターネット接続ができます。機内モードのオンオフ時、Wi-Fiアイコンの表示が消えていないか確認しましょう。

【関連記事:企業向けWi-Fiとはどんなもの?高速・安定・快適な通信環境を実現しよう

特定のデバイスのみWi-Fiにつながらない場合の対処方法

デバイスによってWi-Fiにつながる/つながらないという違いがある場合、デバイス側の問題が疑われます。この場合の簡単な対処法は、Wi-Fi機能のオンオフやデバイスの再起動、接続先SSIDの切り替えです。うまくいかなければ、Wi-Fi親機の位置調整や、デバイスのネットワーク設定のリセットを試しましょう。

Wi-Fi機能のオンオフを試し接続先SSIDを確認する

デバイスの操作ミスなどでWi-Fi機能がオフになっていると、Wi-Fi接続ができません。またネットワーク接続の一時的な不具合の場合、Wi-Fi機能を一旦オフにして再度オンにすることで、正常にWi-Fi接続ができるようになる場合もあります。

iPhone/iPadでもAndroidデバイスでも、「設定」アプリから「Wi-Fi」のトグルスイッチをタップすることで、Wi-Fi機能をオンオフできます。再接続の際は、接続しようとするSSID(Wi-Fiネットワーク名)やパスワードに間違いがないことを確認しましょう。

Wi-Fi接続ができないデバイスを再起動する

Wi-Fi機能のオンオフの他に、まず試したい簡単な対処方法として、デバイスの再起動があります。ネットワーク接続の一時的な不具合であれば、スマホやタブレットを再起動するだけで解消でき、正常にWi-Fi接続ができるようになる場合もあります。

機種によって電源をオフにする方法は異なりますが、電源ボタンの長押し、または電源ボタンと音量ボタンを同時に長押しする操作方法が一般的です。電源をオフにできたら、同様の操作をしてオンにし、再起動は完了です。再起動後は、Wi-Fi機能のオンオフや接続先SSIDを確認しましょう。

別の周波数帯の接続先SSIDに切り替える

Wi-Fiの電波は規格上、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯という3種類の周波数帯を利用できます。比較的新しいWi-Fiルーターは、2種類以上の周波数帯に対応するSSIDを利用できます。周波数帯によって特性が異なるため、接続先SSIDを切り替えることでWi-Fiにつながりやすくなる場合があります。

周波数帯特徴
2.4GHz帯・遠方まで届きやすい
・障害物に強い
・利用している機器が多く干渉しやすい
5GHz帯・干渉しにくく通信速度を確保しやすい
・障害物によって減衰しやすい
・一部のチャンネルがDFS(気象レーダー波などを検出した際にWi-Fiの電波を停止する機能)の対象になっている
6GHz帯・チャンネルの幅が広く、より速い通信速度を確保しやすい
・遅延が少ない
・5GHz帯より障害物によって減衰しやすい

機種によってSSIDの命名規則は異なりますが、2.4GHz帯のSSIDは末尾が「-2G」、5GHz帯のSSIDは末尾が「-5G」などとなっています。デバイスに複数のSSIDを登録している場合、自動的に接続先SSIDが切り替わる場合もあるため、接続の問題があれば手動で切り替えてみましょう。

【関連記事:SSIDとは?調べ方や関連機能、セキュリティ対策まで徹底解説

Wi-Fiルーターとデバイスの位置関係を調整する

デバイスの使用場所によってWi-Fiのつながりにくさに違いがある場合、Wi-Fiルーターとデバイスの位置関係を調整しましょう。Wi-Fiルーターから離れ過ぎていたり、障害物や電波干渉があったりすると、接続が不安定になります。以下のポイントに注意してください。

  • Wi-Fiルーターとデバイスを近付ける
  • Wi-Fiルーターを高い位置に置き、周囲の障害物を撤去
  • 金属製の厚い壁や扉を避ける
  • 電子レンジやBluetooth機器、水槽を遠ざける

なお、人体が電波を減衰させるため、ルーターの位置にも工夫が必要です。オフィスや店舗では壁や天井の高い位置に設置するとよいでしょう。

デバイスのネットワーク設定をリセットする

接続先SSIDの変更やデバイスの位置調整をしてもWi-Fi接続がうまくいかない場合、ネットワーク設定のリセットを試しましょう。

iOSまたはiPadOS 15以降を搭載したAppleデバイスの場合、[設定]→[一般]→[転送または[デバイス]をリセット]→[リセット]→[ネットワーク設定をリセット]の順にタップします。

Androidデバイスの場合、[設定]→[システム]→[リセット オプション]→[BluetoothとWi-Fiのリセット]→[リセット]の順にタップしましょう。なお、機種によって操作方法が異なる場合があります。

ネットワーク設定のリセット後は接続先のSSIDやパスワードを再設定し、正常にWi-Fi接続できるかどうかを試しましょう。

全てのデバイスがWi-Fiにつながらない場合の対処方法

特定エリア内の全てのデバイスがWi-Fiにつながらないなど、問題の影響範囲が広い場合、ネットワーク機器の不具合が疑われます。ONUやWi-Fiルーターの挙動を確かめ、それぞれの機器を再起動しましょう。Wi-Fi親機の性能不足により問題が頻発しているなら、買い替えまたは関連機器の増設を検討しましょう。

ONUやWi-Fiルーターの挙動を確かめる

Wi-FiルーターやONU(光回線終端装置)の電源が入っているか、ケーブル類が正しく接続されているかを確認しましょう。特に以下のケーブルの抜けや断線に注意してください。

  • ONUと光コンセントをつなぐ光ファイバーケーブル
  • ONUとWi-FiルーターをつなぐLANケーブル
  • ONU・Wi-Fiルーターの電源ケーブル

また、ONUやWi-Fiルーターのステータスランプが正常に点灯しているか確認します。ネットワーク機器に問題がなくても、回線事業者やプロバイダの障害が原因の場合もあります。製品マニュアルを参照しながらランプ表示の意味を確認し、必要に応じて公式サイトで障害情報を確認しましょう。

ONUやWi-Fiルーターを再起動する

次に疑うのはネットワーク機器の不具合です。以下の手順でWi-FiルーターやONUを再起動しましょう。

1.Wi-FiルーターとONUのACアダプターをコンセントから抜き、電源をオフ
2.1分程度待ってから、ONUのACアダプターをコンセントに挿し、電源をオン
3.ONUが再起動したら、Wi-FiルーターのACアダプターをコンセントに挿し、電源をオン
4.通信可能になるまで数分待ち、Wi-Fi経由のインターネット接続ができるか確認

一時的な不具合は再起動で解消できる場合もありますが、使用期間が長くなっていれば、製品マニュアルを参照してファームウェアのアップデートも行いましょう。

安定した同時接続ができるWi-Fiルーターに買い替える

同時接続するデバイス台数が多い場合、Wi-Fiルーターの性能不足でWi-Fi接続が不安定になる場合もあります。Wi-Fiルーターは機種ごとに推奨同時接続台数が決まっています。家庭用機種だと最大で10台前後しか接続できない場合もあり、業務用機種は最大50台や100台の同時接続が可能です。

また「Wi-Fi5」以前の古いWi-Fi規格のみに対応する機種の場合、同時接続時のWi-Fi通信に「順番待ち」が発生しやすく、ほんの数台の同時接続でもWi-Fi接続が不安定になることもあります。

Wi-Fi5は、アップリンク(上り通信)時に1台ごと順番に通信し、ダウンリンク(下り通信)時は最大3台まで同時通信を行う仕様です。一方、比較的新しい「Wi-Fi6」はアップリンク・ダウンリンクともに最大8台まで同時通信ができます。多台数接続となりやすいオフィスや店舗の場合、Wi-Fi6以降に対応した業務用機種を導入するのがおすすめです。

【関連記事:Wi-Fiの電波はあるのにつながらない!原因と対処法を徹底解説

オフィスWi-Fi環境の根本的なアップグレードは「かんたんWi-Fi」がおすすめ!

Wi-Fiルーターの使用期間が長くなっている場合、快適なWi-Fi通信のために買い替えを考えることになるでしょう。ただしオフィスや店舗の場合、Wi-Fiルーター1台だと、エリアによってWi-Fi接続が不安定になることも予想されます。この場合、業務用Wi-Fiアクセスポイント(AP)の導入により、Wi-Fi親機を要所に設置するのがおすすめです。

イッツコムは、高性能APの法人向けレンタルサービス「かんたんWi-Fi」を提供しています。設定済みのAPが届いたらLANケーブルと電源コードを挿すだけで使用開始でき、365日対応のヘルプデスクも標準付帯するため、初めてのAP運用でも安心です。

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【関連記事:アクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説

まとめ

オフィスや店舗でWi-Fiにつながらない問題を放置すると、業務効率や顧客満足度の低下を招きます。デバイス側に原因があるなら都度対応で問題ありませんが、Wi-Fiルーターの性能不足が原因であれば、買い替えやAP増設を考えることになるでしょう。

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