Wi-Fiルーターの接続台数に制限はある?同時接続数の増やし方や注意点
目次
オフィスや店舗でWi-Fi環境を整備する際、「このルーターは何台の端末が接続できるのだろう?」という疑問にぶつかったことがある方も多いでしょう。
一般的な家庭用ルーターでは10台〜50台程度が接続限界ですが、ビジネスシーンではスマホ、PC、タブレット、IoT機器など、同時に接続する端末が100台を超えるケースも珍しくありません。接続台数の上限を超えると通信速度の低下や突然の切断など、業務に支障をきたす問題が発生するため、事前にしっかりと確認しておく必要があります。
そこでこの記事では、「ルーターの接続台数」に焦点を当て、大規模接続に対応する業務用Wi-Fiルーターの選び方から、安定した通信環境を維持するための具体的なポイントまで紹介します。快適なWi-Fi環境は、ビジネスを効率化するために必要不可欠です。オフィスや店舗のWi-Fi環境の整備をお考えの方は、ぜひご一読ください。
業務用Wi-Fiルーターの接続台数に上限はある?
業務用ルーターを選ぶ際、接続できる台数を事前に確認することは非常に重要です。まずは、そもそも同時に何台まで接続できるものなのか、実際の運用目安や、その具体的な確認方法など、押さえておきたい基本情報を順番に紹介します。オフィスや店舗ネットワーク構築に失敗しないためにも、適切な知識を積み重ねていきましょう。
Wi-Fiルーターの同時接続とは
Wi-Fiルーターの同時接続とは、1台のルーターに複数の端末が同時にネットワーク接続できる機能を指します。オフィス環境では、パソコンやスマートフォン、タブレット、プリンター、監視カメラなど多様な機器がWi-Fiに依存しています。
理論上、Wi-Fiルーターは最大253台まで接続可能とされていますが、実際の運用では大きく異なります。というのも、接続台数が増加するほどルーターの処理能力に負荷がかかり、通信品質が低下するためです。
そのため各メーカーでは、安定した通信を保てる「推奨接続台数」を設定しています。この推奨値を超えても物理的な接続は可能ですが、インターネット速度の低下や接続の不安定化が発生する可能性があります。ビジネスシーンでWi-Fiルーターを使用する際は、業務効率に直結するこの特徴を理解することで、適切なルーター選択が可能となるでしょう。
一般的なルーターの接続台数は10台〜50台が目安
一般的なルーター接続台数は、用途と製品グレードによって大きく異なります。家庭用ルーターでは10台~20台程度が標準的な接続台数となっており、一人暮らしなら10台前後、家族世帯では30台~40台程度の接続が想定されます。
これに対してポケット型Wi-Fiは16台~30台程度の接続が可能で、外出先での利用には十分な性能を備えています。さらにホームルーターでは50台以上の同時接続に対応した機種も多く、家族全員でさまざまな端末をつなぐ場合でも問題ありません。
業務用ルーターになると接続台数は飛躍的に向上し、40台~150台程度の同時接続が可能になります。30名規模のオフィスでパソコンとスマートフォンを各1台ずつ、共用プリンターを含めると約70台の接続が必要となるため、安定性を考慮して接続台数の2倍程度の余裕を持った機種選択が重要です。
ルーター種別 | 接続台数目安 | 主な用途 |
---|---|---|
家庭用ルーター | 10台~20台 | 一般家庭での利用 |
ポケット型Wi-Fi | 16台~30台 | 外出先での個人利用 |
ホームルーター | 50台以上 | 固定回線代替 |
業務用ルーター | 40台~150台 | オフィス・店舗利用 |
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同時接続の上限を確認する方法
お使いのルーターの接続台数上限を確認する方法は複数あります。最も確実なのは、製品の説明書やメーカー公式サイトの製品ページで仕様を確認することです。製品型番で検索すれば、詳細なスペック表が見つかります。
また、機器本体でも確認できます。多くのルーターでは、本体背面や底面のラベルに基本仕様が記載されており、「最大接続台数」や「同時接続数」として表示されています。
現在の接続状況を知りたい場合は、ルーターの管理画面にアクセスしましょう。WebブラウザーでルーターのIPアドレス(通常192.168.1.1など)を入力すると設定画面が開き、接続中の端末一覧を確認できます。また、各メーカーの専用スマートフォンアプリを使用すれば、より簡単に接続状況の監視が可能です。
接続台数100台以上に対応する業務用Wi-Fiルーターの特徴
オフィスにおけるルーター接続台数の需要増加に伴い、100台以上の同時接続に対応できる業務用Wi-Fiルーターも登場しています。では、業務用Wi-Fiルーターは、どのような特徴を持っているのでしょうか。
ここからは、業務用ルーターの性能や家庭用との違い、接続台数オーバー時の課題、そしてセキュリティや選び方のポイントまで、具体的に解説していきます。
関連記事URL:「企業向けWi-Fiとはどんなもの?高速・安定・快適な通信環境を実現しよう」
大規模接続が可能な業務用ルーターの性能と機能
業務用Wi-Fiルーターは、小規模オフィスから大企業まで幅広く活用される高性能機器で、100台以上の端末を同時接続できる優れた処理能力を備えています。
家庭用ルーターが10台~20台程度の接続を想定しているのに対し、業務用ルーターは大容量のメモリと高性能CPUを搭載しており、多数のデバイスが同時通信を行っても安定した品質を維持します。
最新のWi-Fi 6規格に対応した機種では、従来比で約1.4倍の高速通信を実現し、オフィス全体での快適なネットワーク環境を構築できるでしょう。
接続台数オーバーで発生する4つの問題と対処法
ルーター 接続台数が上限を超えると、深刻な問題が発生します。特に30名規模のオフィスでは、業務効率に直結する以下4つの問題に注意が必要です。
1. 通信速度の大幅低下
帯域幅不足により全端末の通信速度が大幅に低下し、ファイル送信やWeb会議で支障をきたします。
2. 接続の頻繁な切断
ルーターのCPUやメモリが限界に達し、接続が不安定になり業務が中断されます。
3. 新規端末の接続拒否
上限到達時は「接続できません」のエラーが表示され、新しい機器を追加できません。
4. IPアドレス不足エラー
DHCPでのIPアドレス割り当てが限界に達すると、「IPアドレスを取得できません」と表示されます。
対処法として、まず不要な端末のWi-Fiを無効にし、ルーターを再起動してください。根元解決には、推奨接続台数に余裕のある上位機種への交換や、追加ルーターの設置が効果的です。
業務用ルーターの高度なセキュリティ機能とその重要性
業務用ルーターは家庭用と比較し、圧倒的に高度なセキュリティ機能を備えています。なぜなら、企業の機密データを確実に保護し、多数の端末接続時でも堅牢なセキュリティ環境を維持する必要があるためです。
家庭用ルーターがWPA2/WPA3などによる基本的な暗号化を提供するのに対し、業務用ではIEEE 802.1X認証などにより個別端末の厳格な認証管理を実現します。さらに業務用ルーターは、統合ファイアウォール、VPN、IDS/IPSなどの多層防御システムを標準搭載しているものも多く、外部からの不正アクセスやマルウェア感染を効果的に防いでくれるでしょう。
30名規模のオフィスで70台の端末が接続される環境では、これらの高度なセキュリティ機能が業務の継続性と信頼性を支える重要な基盤となります。
業務用ルーターと家庭用ルーター比較表
業務用ルーターと家庭用ルーターは、接続台数や機能面で大きく異なります。また、価格面においても家庭用ルーターが数千円から購入できるのに対し、業務用ルーターは数万円から数十万円と高額になります。その分、業務用ルーターは3年~5年の長期保証や24時間サポートが提供されるケースも多いでしょう。
以下が業務用ルーターと家庭用ルーターの主な違いを明記した比較表です。
項目 | 業務用ルーター | 家庭用ルーター |
---|---|---|
接続台数 | 50台~数百台 | 10台~20台 |
セキュリティ | IEEE 802.1X認証企業向け暗号化など | WPA2/WPA3基本暗号化など |
管理機能 | 遠隔監視・制御トラフィック管理 | 基本設定のみ |
価格帯 | 40台~150台 | 数千円~数万円 |
保証・サポート | 3年~5年保証24時間サポート | 1年~2年保証基本サポート |
対象環境 | オフィス・店舗 | 一般家庭 |
関連記事URL:「Wi-Fiルーターの寿命は4~5年?買い替えタイミングと機種選び」
接続台数が多いルーターを使用する際の注意点と対策
ルーター 接続台数が多いオフィスや店舗では、思わぬ通信トラブルやセキュリティリスクが発生しやすくなります。大人数で安定運用するためには、機器のメンテナンスや設置方法、複数端末ならではの対策をしっかり押さえておくことが必要です。ここからは、実際の運用で気を付けたいポイントと対策について確認していきましょう。
ルーターの過負荷を防ぐための定期メンテナンス
多数の端末が接続される環境では、ルーター 接続台数の管理と定期メンテナンスが業務の安定性を左右します。
まずは、接続端末の監視やアクセスログの定期確認を徹底し、不正アクセスがあった場合は、早期発見ができるようにします。また、定期的な再起動を実施することで、過剰なアクセスログの蓄積や帯熱、電波障害などの原因を取り除けるでしょう。スケジュール機能を活用した自動再起動なら、営業時間外の実行で業務への影響を最小限に抑えます。
ファームウェアの自動更新設定も忘れてはいけないポイントです。ファームウェアを常に最新版に維持することで、セキュリティ脆弱性の修正と性能向上が可能となります。さらに、ホコリの除去や通気性の確保といった物理的なメンテナンスも欠かせません。
設置環境と電波干渉を考慮した最適な配置とチャンネル設定
多数の端末接続時における安定した通信には、設置場所の適切な選定と電波干渉の最小化が不可欠となります。
ルーター 接続台数が100台を超える環境では、電波の到達範囲が最大化され、金属製の什器や壁による遮蔽を最小限に抑えられる、建物の中央部かつ高い位置への設置が理想的です。また、電波干渉対策では、5GHz帯の利用とチャンネルの手動設定が効果的でしょう。2.4GHz帯は電子レンジなどの家電機器と干渉しやすいため、業務用途では5GHz帯を優先的に使用します。
複数のアクセスポイントを設置する場合は、互いの電波が重複しないよう配置間隔を調整し、異なるチャンネルを割り当てることで、全体の通信品質を向上させられます。
接続台数増加に伴うセキュリティリスクと対策方法
多数の端末接続により、セキュリティリスクは大幅に増大します。接続台数が増加する際は、ネットワーク分離による対策が不可欠で、VLAN機能を活用し部署ごとに通信を分離することで、マルウェア感染の拡大を防げます。
ゲストネットワークの設置も重要な対策です。業務用ネットワークと完全に分離した上で、来客用Wi-Fiの同時接続台数や利用時間の制限を設けることで不正アクセスリスクを最小化し、ネットワーク全体のパフォーマンス維持できるでしょう。
また、ゲストWi-Fiパスワードを定期変更することで、セキュリティもより強化できます。さらに、接続端末の監視機能を活用し、不審なデバイスを即座に検出・ブロックする体制整備が必要です。
法人向け光回線との組み合わせで実現する安定した大規模接続
100台を超える大規模接続を実現するには、業務用ルーターと法人向け光回線の適切な組み合わせが決定的に重要です。法人向け光回線は帯域保証により安定した通信品質を提供します。
一般的な光回線では利用者が増加することで、どうしても通信速度が低下してしまいがちです。安定した大容量帯域を確保する法人向け光回線では、混雑時でも高速通信を維持できるでしょう。固定IPアドレスを標準提供しているサービスが一般的で、リモートアクセスやサーバ運用も安全に行えます。
項目 | 一般光回線 | 法人向け光回線 |
---|---|---|
帯域保証 | なし | あり |
通信安定性 | 混雑時低下 | 安定維持 |
固定IP | オプション | 標準提供 |
サポート体制 | 平日のみ | 24時間対応 |
関連記事URL:店舗向け光回線の基礎知識!コスト削減と品質確保を両立するには」
オフィスや店舗のWi-Fi環境を快適化するならイッツコム
オフィスや店舗で多数の端末を同時に安定してネット接続したい場合、ルーターの接続台数が十分かどうかは重要なポイントです。ここからは、イッツコムが提供する「かんたんWi-Fi」と「光接続サービス」の具体的なサービスやその特徴についてご案内します。
「かんたんWi-Fi」は、すぐに使えるシンプル設計がポイントで、来訪者向けのゲストWi-Fiとしての利用もおすすめです。「光接続サービス」は法人向けに特化した光サービスで、下り最大2Gbps/上り最大1Gbpsの高速通信を実現します。
接続台数から選べる!イッツコムの「かんたんWi-Fi」
イッツコムの「かんたんWi-Fi」は、オフィスや店舗向けの業務品質Wi-Fiサービスで、届いたWi-Fiアクセスポイントを電源とLANケーブルにつなぐだけで起動します。複雑な設定不要で導入できるので、専門知識がなくても安心です。
来訪者向けゲストWi-Fiとしての対応も可能で、来客用と業務用のネットワークを分離・管理できる認証方式をサポートしています。
「かんたんWi-Fi」は、接続台数に応じた最適なプランを選択できます。ライトプランは月額2,000円で中小規模の店舗に適しており、ハイエンド6プランは月額3,800円でWi-Fi6規格に対応し、複数台同時Web会議も快適に実現できます。
初期費用0円で最短9営業日から利用開始できるため、Wi-Fi環境の早急な改善が求められる事業者にとって理想的な選択肢といえるでしょう。
ビジネスを快適にするイッツコムの「光接続サービス」!
大容量データのやりとりや複数端末の同時接続にお悩みの際は、イッツコム光接続サービスにお任せください。イッツコムの「光接続サービス」は、下り最大2Gbps上り最大1Gbpsの高速通信を提供します。
ONU(回線終端装置)にはWi-Fiルーター機能が標準搭載され、約20台前後の端末が同時に無線ネットワークへ接続可能です。業務用アクセスポイントを複数設置することで、大量の端末の安定運用も可能です。
固定IPアドレス対応プランを利用すれば、VPNやネットワークカメラ運用も柔軟に設定できます。月額料金や導入エリア、サポート体制も明確で、インターネットに関する不安やトラブルも一本窓口で素早く解決できるため、安心して導入できるでしょう。
まとめ
業務用ルーターを選ぶ際は、ルーターの推奨接続台数を確認しておくことが大切です。家庭用ルーターでは10台~20台、ポケット型Wi-Fiは16台~30台、業務用ルーターの場合は40台~150台程度の同時接続が可能です。
オフィスや店舗で多台数端末を安定してWi-Fi接続するためには、対応力の高い業務用ルーターと信頼できる法人向け光回線の組み合わせが不可欠です。
イッツコムのかんたんWi-Fiなら、高性能で安定した通信品質を提供します。ゲストWi-Fiなど豊富な機能にも対応しており、ビジネスの現場にも最適でしょう。また、法人向けインターネット回線もイッツコムの光接続サービスにお任せください。Wi-Fiルータ機能標準搭載で多端末同時接続に対応し、豊富な回線メニューやセキュリティも充実しています。
一括窓口と安心のサポート体制で、小規模事業者の通信環境をしっかり支えます。詳細や最適なプランの相談は、ぜひイッツコムにお問い合わせください。