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クラウドサーバーのセキュリティは本当に安全?不安の正体と5つの対策

クラウドサーバーへの移行を考えたとき、セキュリティだけが最後まで引っかかることがあります。便利になることは分かっているのに、何をどこまでやれば「大丈夫」といえるのかが見えないまま、判断だけを迫られるためです。

そこで本記事では、クラウドサーバーのセキュリティを紹介します。情報管理のリスクを理解すれば対策が可能です。しっかりとセキュリティ対策を行い、便利なクラウドサーバーを活用しましょう。

クラウドサーバーのセキュリティが心配!安全性は?

結論からいうと、クラウドサーバーのセキュリティを心配する必要は少ないでしょう。クラウドサービスを提供している会社は特にセキュリティ面に力を入れているため、データが消えたり外部に流出したりするリスクは低いといえます。高い安全性を期待できるサービスが、クラウドサーバーです。

自社運用であるオンプレミス型のほうが安全と考える方もいるかもしれませんが、外部サーバーのセキュリティ対策は強化されています。多くの利用者がいることで、ケーススタディから得られるフィードバックが多いのが外部サーバーの強みでしょう。

クラウドサーバーのセキュリティ不安の正体

実際に事故が起きている原因を整理すると、クラウドそのものの脆弱性ではなく、利用者側の設定や運用の問題であることも多いです。

ここでは、よくある不安の正体と、本当に注意すべきポイントを整理します。

外部攻撃とランサムウェアへの正しい理解

クラウドはインターネット経由で利用するため、常に外部から狙われている印象を持たれがちです。ランサムウェアや不正アクセスといった言葉が目立ち、実態以上に危険そうだと感じてしまうケースも少なくありません。

ただし、攻撃の手口や侵入経路を整理しないまま考えると、必要以上に構えてしまいます。重要なのは、どのような条件がそろうと被害が成立するのかを理解することです。

例えばランサムウェアは、単にデータを暗号化するだけの攻撃ではありません。侵入した後に権限を奪い、社内の別の領域へ広がりながら被害を拡大します。バックアップが存在していても、業務が止まり、顧客対応が必要になり、復旧と説明に時間を取られます。

つまり、攻撃そのものよりも「認証が弱い」「権限が広い」「操作の監視が行われていない」といった前提条件がそろっている状態こそが問題です。クラウドを使っているかどうかに関係なく、こうした統制の弱さが侵入後の被害を一気に拡大させます。

【関連記事:ランサムウェア攻撃の実例と企業が備えるべき対策】

外部攻撃より怖いのは設定の穴

クラウドにおける情報漏洩の多くは、外部からの攻撃による「突破」ではなく、利用者自身の「設定ミス」によって引き起こされています。

自由なアクセス設定ができるクラウドの利便性は、一歩間違えれば「誰にでも開かれた入口」を作るリスクと隣り合わせです。実際、重大な事故の多くは以下のような、ごく日常的な見落としから発生しています。

  • 共有解除を忘れた、資料共有用のリンク
  • 「とりあえず全員」で設定された、広すぎるアクセス権限
  • 削除されずに放置された、退職者や委託先のアカウント

漏洩リスクの本質は、サービス自体の脆弱性ではなく、「設定を決めた後、見直されない運用」にあります。

運用の属人化と管理の複雑さ

クラウドの設定や管理が特定の担当者に依存すると、何がどこまで設定されているのか、他の人には見えなくなります。異動や退職が起きたときに、誰も全体像を把握できず、引き継ぎも困難になります。

この属人化は、事故が起きたときの原因特定の遅れや、判断の停滞を招きます。また、日常的に問題が表面化していない場合ほど、「このまま触らないでおこう」という空気が生まれ、リスクの棚卸しが後回しにされやすくなります。

今日からできるセキュリティ対策の方法

クラウドのセキュリティ対策というと、やることが多すぎて何から手を付ければよいのか分からなくなりがちです。しかし、全てを完璧に整えなければ意味がないわけではありません。

ここでは、致命的な事故を避けるために最低限押さえるべき5つの基本線を整理します。どれも特別な技術を前提にせず、設定と運用の工夫で実行できるものに限定します。

1.入口を固める:多要素認証と管理者保護

クラウドの侵入事故の多くは、アカウントの突破から始まります。したがって、最初に手を付けるべきは入口の強化です。

全アカウントで多要素認証を必須にし、管理者権限を持つアカウントは通常業務と切り離しましょう。また、アカウントは必ず個人ごとに発行し、複数人での共有アカウントは使わない前提で運用します。これだけで、不正ログインの成立確率は大きく下がります。

運用面で重要なのは、例外を増やしすぎないことです。どうしても例外が必要な場合は、必ず承認制にし、恒久対応にしないルールを決めます。また、退職者や契約終了した委託先のアカウントは、当日中に無効化する前提で運用を組みます。

2.権限を絞る:最小権限と共有の作法

権限管理が破綻する原因は、毎回その場の判断で設定してしまうことにあります。属人的な判断が積み重なると、誰がどこまでアクセスできるのか分からなくなります。

これを防ぐには、部署や役割ごとに権限の型をあらかじめ決めておくことが有効です。「閲覧のみ」「編集可能」「外部共有可能」「管理者」といった区分を用意し、新しいメンバーはその中から選ぶ形にします。

外部共有についても、原則を先に決めます。「パスコードを必須にする」「期限を設ける」「重要な文書は閲覧のみにする」といった作法を決めておくことで、現場の判断ミスを減らせます。

3.見える化する:監査ログとアラートの最小セット

設定や権限を整えても、状況が見えていなければ異常に気づけません。そこで重要になるのが、操作の記録と監視です。

最低限確認すべきなのは、「ログイン」「共有設定の変更」「権限の変更」「大量ダウンロード」といった操作です。合わせて、OSやアプリケーションの脆弱性も監視対象に含め、セキュリティパッチの適用状況を把握できるようにします。全てを細かく追う必要はありませんが、これらが把握できない状態は避けましょう。

さらに、異常を知らせるアラートを少数設定します。「深夜のログイン」「海外からのアクセス」「短時間での大量操作」など、明らかに通常業務と異なる動きだけを拾うようにします。量よりも、確実に目に入ることを優先します。

4.守り切る:暗号化と鍵管理の考え方

データの暗号化は、万一情報が外部に流出した場合の被害を抑えるための重要な要素です。通信時と保存時の両方が暗号化されているかは、前提条件として確認します。

その上で考えるべきなのが、暗号鍵を誰が管理するかです。セキュリティを高めるほど運用の負担は増えるため、自社の体制で無理なく回せる形を選ぶことが重要です。

理想的な構成よりも、継続できる運用を優先しなければ、設定が形骸化し、かえってリスクを高める結果になります。

5.起きたときに詰まない:復旧訓練と初動フロー

どれだけ対策を講じても、事故の可能性をゼロにすることはできません。重要なのは、事故が起きたときに対応が止まらないことです。

「復旧までにどれくらいの時間なら業務に耐えられるのか」「どこまでのデータ損失が許容できるのか」をあらかじめ関係者で共有します。専門用語に落とす必要はなく、感覚として合意できていれば十分です。

合わせて、バックアップからの復元テストを定期的に行い、初動時の連絡先や判断の流れを簡単に決めておきます。これだけでも、被害の拡大を防ぐ効果があります。

【関連記事:ゼロトラストとは?クラウド時代のセキュリティ対策をわかりやすく解説】

クラウド事業者選びで失敗しない判断軸

ここでは、個別機能の比較に入る前に確認したい判断軸を整理します。これらを押さえておくことで、候補を無駄に増やさず、選定の失敗を避けやすくなります。

第三者認証や評価制度で足切りする

クラウド事業者のセキュリティ水準を外から判断するのは簡単ではありません。そこで有効なのが、第三者による認証や評価制度です。

ISO27001SOC2などの認証は、最低限の管理体制が整っているかを見るための指標になります。ただし、取得しているかどうかだけで判断せず、どのサービス範囲が対象になっているかまで確認します。

政府機関向けの評価制度なども、参考情報として活用できます。全てを満たしていなければ危険というわけではありませんが、一定水準を下回る事業者を早い段階で外すための材料になります。

暗号化とアクセス制御が標準で備わっているか

通信時と保存時の暗号化は、もはや特別な機能ではありません。これが標準で提供されていないサービスは、候補から外す前提で考えます。

合わせて確認すべきなのが、アクセス制御の細かさです。「閲覧」「編集」「共有」「管理」といった権限をどこまで分けられるかは、運用時の事故リスクに直結します。

設定の自由度が高すぎる場合でも、制限が緩すぎる場合でも、運用は難しくなります。自社の体制で扱い切れる粒度かどうかを見極めます。

監査ログが実務で使える形で残るか

ログが「存在する」ことと、「使える」ことは別です。事故対応や原因調査に使えないログは、実質的に意味を持ちません。

「誰が」「いつ」「何をしたのかが追えるか」「共有や権限変更、大量操作が記録されるか」「必要な期間、保存されるか」。これらを事前に確認します。画面上で確認できるだけでなく、エクスポートや検索ができるかどうかも重要です。

契約とサポート体制が実務に合っているか

セキュリティは、障害やインシデントが起きた瞬間に現実の問題になります。そのとき、誰にどう連絡できるかは非常に重要です。

したがって、「日本語でのサポートが受けられるか」「緊急時の窓口が明確か」「対応時間がどこまでカバーされているか」を確認するとよいでしょう。英語メールのみのサポートは、初動の遅れにつながる恐れがあります。

また、契約終了時のデータ返却や削除の扱いも見落とされがちです。将来の乗り換えや事業変更を考え、出口条件まで含めて確認します。

導入支援や運用支援が前提に含まれているか

クラウドの事故は、導入直後の設定ミスから始まることが少なくありません。だからこそ、初期設計をどう進められるかが重要になります。

「フォルダ構成や権限設計を相談できる体制があるか」「既存環境からの移行を支援してもらえるか」「運用開始後に相談できる窓口があるか」といった内容は「便利な付加機能」ではなく、事故を防ぐための前提条件です。情シス担当者が少人数の企業ほど、この差は大きくなるでしょう。

オンプレミスからクラウドへ移行するときの落とし穴

クラウドの安全性は、選定の時点である程度決まりますが、実際に事故が起きやすいのは移行のタイミングです。移行作業は一時的に二重管理になり、例外対応も増え、確認漏れが起きやすくなります。

ここでは、移行を安全に進めるために、どの工程で何が起きやすいのかを整理します。技術的に難しい話よりも、手順の抜けや順番の誤りで事故が起きる点に焦点を当てます。

移行前に分類と持ち出し方針を決める

オンプレミスのファイルサーバーには、業務で使っている重要データと、惰性で残っているデータが混在しています。これを整理せずに移行すると、クラウドでも同じ混乱が再現され、権限管理が破綻しやすくなります。

最初に、データを3つに分けて扱います。

  • 1.機密性が高いもの
  • 2.社内で共有するもの
  • 3.外部に出しても問題がないもの

分類が決まると、保存場所と共有ルールを先に固定できます。

移行対象から外すものも決めましょう。期限切れの文書や重複ファイル、誰も触っていない古いデータがそのまま移ると、検索性も管理性も落ちます。

移行中は設定を増やさず順番を守る

移行中に起きがちな事故は、データの移動そのものよりも、共有や権限の設定が場当たり的になることから始まります。特に、現場から「急ぎで共有したい」という依頼が重なると、例外が積み上がりやすくなります。

移行の前に、権限の型と共有の作法を先に固めます。検証環境でテンプレートを作り、意図した通りに動くことを確認してから本番に持ち込みます。いきなり本番で試すと、修正履歴が追えず、どこで何を変えたか分からなくなります。

外部共有については、移行期間中は特に慎重に扱いましょう。公開リンクをデフォルトで抑制し、必要な場合だけ例外として許可する形にすると、うっかり公開を減らしやすくなります。

移行後は確認を一度だけ徹底してから日常運用に戻す

移行が終わった直後は、設定が正しいかどうかの確認が甘くなりがちです。動いているように見える状態が続くほど、後から見つかったミスの修正は重くなります。

移行完了時点で必ず確認したいのは、「外部共有が意図通りか」「権限が想定通りか」「ログが記録されているか」の3点です。ここで一度だけ徹底しておくと、後から広範囲の修正に追われにくくなります。

その上で、移行直後の数か月は定期点検を回しましょう。外部共有の件数や管理者権限の数、大量操作のアラートなど、少数の指標だけを見続ける形にすると、負担を増やさず異常に気づけます。

セキュリティ要件を満たすクラウドストレージ・Boxとは

ここまで整理してきたリスク構造や判断軸は、特定のサービスを前提にしたものではありません。ただし、実際にそれらを満たすサービスがどのような形になるのかを具体例で見ると、理解しやすくなります。

ここでは、クラウドストレージサービスのおすすめとしてBoxを紹介します。機能の網羅や比較ではなく、これまで述べてきた要件にどう当てはまるかを確認します。

権限設計と監査を前提にした構造を持っている

Boxは、ファイルやフォルダごとに細かくアクセス権限を設定できます。「閲覧のみ」「編集可能」「外部共有可」「管理」といった権限が明確に分かれており、最小権限の考え方を運用に落とし込みやすい構造です。

また、操作履歴が詳細に記録され、誰がいつ何をしたのかを後から追えます。共有設定の変更や大量操作もログに残るため、見える化を前提とした運用が可能になります。

暗号化とコンプライアンス対応が標準で組み込まれている

通信時と保存時の暗号化は標準で提供されており、特別な設定をしなくても基本的な保護が働きます。加えて、バージョン管理機能によって変更履歴を追えるため、誤操作や意図しない削除への耐性も高くなります。

電子帳簿保存法など、日本企業が直面する法令要件に対応しやすい点も、運用面での安心材料になります。セキュリティと業務要件を別々に考えなくてよい構成は、現場の負担を下げます。

高度な運用を前提にしなくても成立する

Boxの特徴は、特別な知識や複雑な運用を前提にしなくても、一定水準のセキュリティ設計が組める点にあります。設定の自由度はありますが、基本の使い方でも危険な状態になりにくい設計です。

クラウドの安全性は、機能の多さよりも「無理なく正しく使い続けられるか」で決まります。その観点で見ると、Boxは中小企業の現実的な選択肢の1つになるでしょう

【関連記事:クラウドストレージ「Box」の魅力は?使い方やメリットを徹底解説】

ファイルサーバーをクラウド化するならイッツコムのBox

クラウドサーバーの選定では、機能面だけでなく、導入から運用までの実務が無理なく回るかが重要です。

ここでは、イッツコムが提供するBoxが、セキュリティと運用の両面でどのような前提を整えているかを紹介します。

迷いを解消する「日本語専用サポート」

Boxそのものはグローバルなサービスですが、イッツコムでは独自の日本語窓口をご用意しています。万が一のトラブルや「この設定で大丈夫か」といった細かな疑問が生じた際も、言語の壁を感じることなく、実務レベルの迅速なコミュニケーションが可能です。初動の速さが、リスクの最小化に直結します。

貴社専用の「安全な箱」を設計

「最小権限」や「ログの見える化」を頭では理解していても、自社だけでフォルダ構成や権限ルールを組み立てるのは時間がかかるものです。イッツコムでは、貴社の業務フローを伺った上で、事故が起きにくい最適な設計を提案・構築します。最初から「正解」の状態でスタートできるため、設定ミスによる情報漏洩を防げます。

法人実務に特化した「契約・支払い体制」

海外サービスで障壁となりがちな、クレジットカード払いや外貨建ての決済を気にする必要はありません。請求書払いなどの国内法人特有の事務手続きに柔軟に対応します。また、管理者変更やライセンス追加などの契約実務もスムーズに進行できるため、管理担当者の負担を増やさず、健全な運用体制を維持できます。

まとめ

クラウドサーバーのセキュリティは、機能の多さではなく、入口の認証、権限と共有の設計、ログでの見える化、復旧の備えを「回る運用」に落とせるかで決まります。ポイントは、強いサービスを探すことより、事故が起きにくい使い方を最初から固めることです。

高いセキュリティレベルのクラウドサーバーでファイルやデータを保存したい方は、イッツコムのBoxをご利用ください。容量無制限でさまざまな形式のデータを保存できます。いつでもどのような端末からでも、必要なデータへアクセスできる環境作りをサポートいたします。