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ネットワーク障害とは?原因別の対処法と安定させるための対策

現代のビジネスではさまざまなICTシステムを使用します。そのため、ネットワークの安定稼働はビジネスにおいて重要ですが、突然ネットワーク障害が発生することも珍しくありません。ネットワーク障害は、業務が停止する恐れがあるだけでなく、大きなトラブルにもつながってしまう危険性もあるため事前に対処法や、を確認しておく必要があります。

ひとことにネットワーク障害といってもさまざまな原因があり、対処法もさまざまです。そこでこの記事では、ネットワーク障害を引き起こす原因とネットワーク障害を起こさないための対策を紹介します。より安全なサーバ運用やクラウドの活用方法も視野に入れ、ネットワーク障害によるビジネスの損失を防ぎましょう。

ネットワーク障害とは?ビジネスへの影響


ICTシステムを支えるネットワークに障害が発生して正常に動作しなくなるトラブルを「ネットワーク障害」と呼びます。一度ネットワーク障害が発生するとシステムを正常に利用できなくなることもあり、ICTシステムを運用する上で致命的なトラブルのひとつといえるでしょう。

ネットワーク障害の規模や内容によっては影響範囲が広く、社会的に大きな影響を及ぼすこともあります。企業の信頼を失ったり致命的なトラブルにつながったりするケースもあるため、可能な限り障害が発生しないようなネットワークを設計することが大切です。

ネットワーク障害の主な原因


ひとことでネットワーク障害といっても、その原因は多岐に渡ります。ここでは、ネットワーク障害の原因としてよくある4つの要素をチェックしていきましょう。ネットワーク障害が起こる原因を特定し分野ごとに適切な対策を施すことが大切です。

ハードウェア障害

ネットワークを構成する機器が故障して障害が発生することを、ハードウェア障害と呼びます。ルータやスイッチングハブ、サーバなどのネットワークに接続している機器が故障し、障害が発生するケースなどが想定できます。

他にも、機器同士を接続するLANケーブルが断線したり劣化して正常に信号を送受信できなくなったりするケースも考えられます。ネットワークを構成するハードウェアは数多く、どこが故障したか特定するのに時間がかかるケースもある点に注意しましょう。

ソフトウェア障害

ハードウェアに故障がなく正常に動作しているのにもかかわらず、ソフトウェアの不具合や単純な設定ミスで障害が発生することがあります。不正アクセスによるプログラムの改ざんやコンピューターウイルスへの感染が原因になることもあるでしょう。

ネットワーク障害においてソフトウェア障害が占める割合は多いため、システムの安定稼働を目指す上で十分な対策が欠かせません。

通信障害

アクセスが集中して通信を処理できなくなったり、契約しているインターネット回線に障害が発生したりするケースもあります。インターネット回線の混乱でつながりにくくなり、ユーザー側から見たら正常に動作していないように見えることもあるでしょう。

通信経路に原因がある場合、サーバを設置してシステムを運用する側では対処できないこともあります。通信経路の冗長化など、事前の対策が求められる分野です。

不可抗力

地震による停電や洪水によるデータセンターの水没など、自然災害が原因でネットワーク障害が発生することもあります。紛争でシステムが破壊されることも考えられるでしょう。これらは発生をコントロールできないため、被害を減らせてもゼロにすることは難しい部分です。

どのタイミングで発生するか予想するのが難しい面もあるため、遠隔地に予備のサーバを設置するなど、設計段階で被害を減らす対策を施すことが求められます。

【ハードウェア編】ネットワーク障害への対策法


事前に必要な対策を施すことで、ネットワーク障害が発生するリスクを低減することが可能です。ここからは、ハードウェアを原因とするネットワーク障害防止の対策として3つの方法を紹介します。対策によってネットワーク障害を完全に防ぐことは不可能ですが、発生するリスクを大幅に低くできるでしょう。

ネットワークを冗長化する

利用する通信回線に通信障害があった際のサブ回線を持つことも対策としては有用です。ネットワークインフラは止まらないことが大前提として考えられていますが、通信回線のトラブルの発生頻度は比較的少ないものの、起きてしまった際には業務停止などの事態も起こしかねません。そのため、万が一の際にも備えられる通信回線の冗長化も必要でしょう。

また、ネットワークを構築するハードウェアの故障は突然発生することもあります。そのため、障害が発生したときに備えて、予備のネットワーク機器を設置することもおすすめです。

冗長化とは、必要な設備より多くの設備を用意して予備として運用することを意味します。メインとして使用している通信回線やハードウェアに障害が発生したときは、予備の通信回線やハードウェアに切り替えることで通信を確立でき、普段通りシステムを使える点がメリットです。

予備に切り替えてから通信回線の復旧を待ったり、メインのハードウェアを修理・交換したりすることで、システムを停止させずに復旧できるのも特徴といえるでしょう。

定期的にメンテナンスする

使用しているハードウェアは年月がたてば故障するため、定期的なメンテナンスは欠かせません。普段からメンテナンスを実施し、ハードウェアがきちんと動作しているか、小さな異常が発生していないかなどをチェックしましょう。

耐用年数を過ぎていたり異常な動作が見られたりするハードウェアを交換したり、電力設備などのインフラが正常に稼働しているかチェックしたりすることも大切です。日ごろメンテナンスをして小さなトラブルに正しく対処することで、致命的なトラブルを防ぎやすくなります。

予兆検知に基づいてハードウェアを交換する

より細かいトラブルを検知して障害に発展することを防ぐには、予兆検知を活用するのもひとつの方法です。予兆検知とは、過去の動作状況をデータとして蓄積し、そのデータに基づいて障害の兆候を検知する仕組みを指します。

AIを活用した予兆検知も存在していて、保守担当者の目視チェックだけでは気付かないトラブルを検知する取り組みも広がっているのが特徴です。小さなトラブルを早めに検知し、故障の兆候が見られるハードウェアを交換することで障害リスクを減らせます。

【ソフトウェア編】ネットワーク障害への対策法


ソフトウェア関連のトラブルがネットワーク障害の引き金になるケースも多く、ハードウェア同様、ソフトウェア障害への対策も欠かせません。ここからはソフトウェアトラブルを防ぐ2つの方法を詳しく見ていきましょう。

人為的なミスによってソフトウェア障害が発生するケースも多いため、何らかのシステムを運用するときは十分に注意することが大切です。

導入・アップデート前のテストをする

ソフトウェアのバグや意図しない動作、相性問題などのトラブルは避けられません。そのため、ソフトウェアのアップデートや新規導入を実施するときは、事前にテスト環境を用意して正しく動作するか検証することが大切です。

テスト段階でトラブルが発覚したら、不具合を修正してから本番環境に実装したり、実装そのものを見送ったりすることがおすすめです。システムが正常に動作するかだけではなく、負荷が高まっても予定通りに動くか、別のシステムに悪影響を及ぼさないかをチェックすることも大切となるでしょう。

設定変更などのログを残す

何らかの設定を変更するときは、どこをどのように変更したのかのログをきちんと残しましょう。ログ管理が重要な理由は、設定を間違えてシステムがダウンするなど、人為的なミスが発生しやすいためです。

設定変更のログが残っていれば、万が一トラブルが発生したときにどこが間違っているのか確認しやすくなります。さらに、予想外のトラブルが発生したときはログに基づいて設定を元に戻すことで、システムを正常稼働していたときの状態に戻せる点もメリットです。

【通信障害・不可抗力編】ネットワーク障害への対策法


インターネットをはじめとした通信面に障害が発生した場合、ユーザー側で対応するのは難しくなります。そのため、ネットワーク障害は発生するものと想定し、事前に必要な対策を施すことが重要です。通信障害のリスクは、ここで紹介する3つの対策のうち運用しているシステムの状況に適したものを施しましょう。

ハウジングサービスを利用する

自社で障害耐性を高めたデータセンターを保有していて十分な運用体制を整えているという場合でなければ、ハウジングサービスの利用がおすすめです。ハウジングサービスとは、サービス事業者のデータセンター内にサーバの設置場所を貸し出しするサービスです。

それらのデータセンターは、停電に備えて発電設備を用意していたり複数の安定した通信回線が引き込まれていたりするなど、インフラが冗長化されています。そのため、自社でサーバを運用する場合に比べて障害が発生するリスクを低減できるでしょう。

クラウドサーバを利用する

クラウドサーバをはじめとしたさまざまなクラウドサービスを活用するのも、障害耐性向上に役立ちます。クラウドサービスを活用すれば、物理的に離れたエリアに複数のサーバを設置して、障害発生時に自動的に切り替えるような運用も可能です。

自然災害や紛争の影響を可能な限り低減するのに役立ちます。ユーザー側から見れば接続先が自動的に切り替わるため、切り替わったこと自体に気付かず普段通りに利用できるのもメリットです。

ハードウェアの管理をクラウドサービスの提供元に任せられ、運用・保守の手間やコストを削減できるのもうれしいポイントです。

【関連記事:『クラウドサーバーとレンタルサーバーの違いは何?メリットや選び方を紹介』

ロードバランサを利用する

通信回線の過負荷や混乱が原因で障害が発生しているのであれば、ロードバランサを活用するとよいでしょう。ロードバランサとは、トラフィックを常時監視して負荷に応じて通信経路や接続先のサーバを分散させる仕組みです。

複数の通信回線やサーバを運用するときにロードバランサを導入することで、1箇所にアクセスが集中してダウンしたり動作が遅くなったりするリスクを低減できます。クラウドサービスにもロードバランサが存在するため、必要に応じて活用するとよいでしょう。

ネットワーク障害予防に役立つサービスならイッツコム!


ネットワーク障害を予防するための対策はさまざまですが、ハードウェア、ソフトウェア、さらには通信障害や不可抗力へそれぞれに対策していくには手間やコストがかかります。自社での対策が難しい場合は、イッツコムが提供する「イッツコムの光接続サービス」や「Box」、「ハウジングサービス」や「ホスティングサービス」の活用がおすすめです。

ネットワーク障害の対策に有効なサービスを利用し、システム全体の品質向上にもお役立てください。ここからは、これらの3つのサービスについて詳しく解説します。

安定した通信回線が必要なら「イッツコム光接続サービス」

通信の安定性を確保なら、法人向け光回線の「イッツコム光接続サービス」がおすすめです。イッツコムでは自社で敷設した光ファイバーケーブルを利用し、下り最大2Gbps/上り最大1Gbpsのインターネット接続サービスを提供しています。

また、イッツコムの光回線をサブ回線として利用することも通信障害などの際に有効です。イッツコムの光回線はNTT東日本やKDDIとは異なる独立した回線です。本回線に通信障害やトラブルなどがあった際の影響を最小限に抑えられるでしょう。

重要なデータを高セキュアに保管するなら「Box」

主に社内LAN内で運用するファイルサーバとは異なるクラウドストレージは、いつでもどこからでもアクセスできるのが大きな利点です。中でも、法人向けに開発されたクラウドストレージ「Box」は機能性やセキュリティレベルを非常に高い水準で満たし、国内外の多くのリーダー企業に採用されています。

容量無制限でご利用いただけるため、大容量のデータや動画などを保管したい場合にもおすすめです。また、ビジネスチャットやグループウェアなど、さまざまなビジネス向けアプリケーションと連携できるのも大きなメリットです。ビジネスに特化したクラウドストレージで、さまざまなシーンで便利に活用できるでしょう。

安定したサーバ設置環境が必要なら「ハウジングサービス」

「自社サーバを安全な環境のデータセンターに設置したい」とお考えの際は、イッツコムの「ハウジングサービス」の利用をご検討ください。イッツコムのデータセンターは、200Gbps以上の帯域を確保した回線でインターネットに接続しており、安定した通信を確保しやすいのがメリットです。

また、サーバやネットワークは専任の監視技術者が24時間365日監視し、障害発生時の対応もスピーディーです。4重ロックを施すなど十分なセキュリティ体制も確保しているため、機密情報を取り扱うサーバを設置したい方にもおすすめです。なお、設置するサーバの規模に応じて選べる複数のラックのご用意も可能です。

ハードウェアの管理も任せたいなら「ホスティングサービス」

「自社でハードウェアを適切に管理するのが難しい」とお考えの際は、イッツコムの「ホスティングサービス」がおすすめです。イッツコムではWebサーバとメールサーバのホスティングを提供しています。Web サーバは自社サイトの開設、メールサーバはGmailなどのフリーメールから独自ドメインのメールに移行する場合などに活用できます。

Webサーバは2台のサーバを併用して冗長化しており、通信負荷を分散するロードバランサも備えているのが特徴です。サーバの稼働状況は専任スタッフが24時間365日監視し、SSL通信・改ざん検知・ウイルススキャン・迷惑メールスキャンなども利用できるため、障害リスクを大きく低減できるでしょう。

まとめ


ネットワーク障害は、ビジネスに大きな影響を及ぼすこともある致命的なトラブルが、原因が多岐に渡るため対策も多種多様で、完全に防ぐことは難しいでしょう。ネットワーク障害が発生するリスクを低減するには、ユーザー側でできる対策をできる限り施すことが必要です。

イッツコムでは、通信要害の際のサブ回線として役立つ「イッツコム光接続サービス」や、ビジネスユースとして最適なクラウドサービス「Box」、サーバ管理を委託できるサービスとして「ハウジングサービス」と「ホスティングサービス」を提供しています。ネットワーク障害の対策ならネットワーク環境もセキュリティ体制も充実したイッツコムのサービスをご検討ください。