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オフィスLAN工事の流れと導入ニーズを叶える周辺知識を徹底解説!

オフィス開設や有線LAN・無線LANの最適化に際し、LAN配線やWi-Fiネットワーク構築などのLAN工事を検討している方もいるのではないでしょうか。

オフィスLAN工事の流れや内容、工事業者の選び方、Wi-Fiの規格などを知ることで、確かな工事計画を立てられます。Wi-Fiアクセスポイントの対応規格と機能性、関連サービスのワンストップ提供ができる事業者にも目を向け、快適な社内ネットワークを構築しましょう。

この記事では、オフィスLAN工事について詳しく紹介します。

オフィスLAN工事の流れ


オフィスLAN工事を専門業者に依頼する場合、まず大まかなLAN配線図などを用意してから、問い合わせ・見積もりを依頼します。複数業者の提案・見積もり内容を比較し、工事の日程に問題がなければ契約締結、当日は担当者が立ち会って工事完了を見届ける流れです。まずはオフィスLAN工事の流れを5つのステップに分けて見ていきましょう。

1.LAN工事の目的やネットワーク構成を社内でプランニング

オフィスLAN工事で「何がしたいのか」を明らかにするため、社内で話し合いましょう。

一般的に、オフィスではパソコンの他、ビジネスフォンや複合機などのOA機器もたくさん設置することから、LAN配線が複雑になりがちです。ルーターの設置場所を含むレイアウトもプランニングする必要があります。LANケーブル配線の追加やWi-Fi機器の増設をする場合も同様です。ネットワーク技術に詳しい従業員がいれば、ネットワーク構成についても話し合います。

実際の仕様は工事業者が現地を調査した上で決定しますが、テナントに入居前だと現地調査が不可能なケースもあります。したがって、事前に大まかなLAN配線図を用意しておくとスムーズでしょう。

2.LAN工事業者に問い合わせ・見積もり依頼

LAN工事業者に問い合わせをし、見積もりを取ります。工事業者に大まかな計画を伝え、訪問調査・打ち合わせを経て、仕様の確定及び見積もり提案となるのが一般的です。

工事業者によって提案できる工事内容や料金などに違いがあります。提案や見積もりは多くの場合無料のため、複数業者に問い合わせをし、相見積もりを取るのがおすすめです。

3.LAN工事業者ごとの提案・見積もり内容を比較

工事業者ごとの提案や見積もりの内容を比較します。自社のニーズに合った提案となっているか、費用の内訳も詳細にチェックし、不明瞭な部分があれば確認を取りましょう。納得できる工事業者を選び、工事日程のスケジュール調整に入ります。

4.工事日程の調整と契約締結

LAN工事を依頼する会社を決めたら、都合の良い工事日程を調整します。施工期間はインターネットが利用できなくなる場合もあり、提案内容によっては床下や天井裏の大規模な工事になる場合もあります。業務に支障が出ないスケジュールを組むことが大切です。

工事当日は立ち会いや作業者への指示出しが必要となるため、担当者の都合の良い日時を調整しましょう。ただし、土日は予約が混み合いがちな上、割増料金がかかるケースがある点に注意が必要です。

工事業者からの提案・見積もりの内容や工事日程に問題がなければ、契約を締結します。

5.LAN工事の実施と完了状況確認

指定日時当日、工事作業員と共に配線出し位置や配線ルートを確認しましょう。きちんと認識をすり合わせた上で、OAフロアや天井裏の配線などの工事をしてもらいます。

必要に応じてHUB・ローゼット・モジュラージャックなどネットワーク機器を追加し、動作確認を行います。工事が済んだら、自社の担当者が完了状況を確認して完了となります。

オフィスLAN工事で覚えておきたい有線LAN・無線LANの規格


オフィスLAN工事を実施するにあたり、有線LAN・無線LANの規格、またWi-Fi機器について理解を深めておきましょう。社内でのプランニング時や工事業者の提案内容の精査でも必要となる知識です。

LANケーブルの規格は「Cat6」以上がおすすめ

有線LANは主にLANケーブルにより、ネットワーク機器やPC・サーバ・複合機などを有線接続します。LANケーブルの主な規格は以下の通りです。

・Cat5eケーブル:ギガビットイーサネットに対応、最大通信速度1Gbps、最大周波数100MHz
・Cat6ケーブル:ギガビットイーサネットに対応、最大通信速度1Gbps、最大周波数250MHz
・Cat6Aケーブル:10ギガビットイーサネットに対応、最大通信速度10Gbps、最大周波数500MHz

伝送周波数帯域の値が大きいほど、大容量のデータ通信が可能です。現在はCat6ケーブルが主流で、高速な光回線や5Gへの対応のためにCat6Aケーブルを採用する例も増えています。なお、ネットワーク機器もLANケーブルのスペックに合わせることが必要です。

Wi-Fiの規格は「Wi-Fi6」以上がおすすめ

無線LANは多種多様なデバイスが対応するWi-Fiで構築します。主なWi-Fi規格は以下の通りです。

・IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6):最大通信速度9.6Gbps、対応周波数帯域は2.4GHz/5Ghz
・IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5):最大通信速度6.9Gbps、対応周波数帯域5Ghz
・IEEE 802.11n(Wi-Fi 4):最大通信速度600Mbps、対応周波数帯域2.4GHz/5Ghz

過去の規格では光回線のスペックを生かすには不十分なケースもあるため、Wi-Fi6に対応した機器を使うのがおすすめです。Wi-Fi6は2019年に規格化されたことから、新しい機器の多くは標準対応しています。Wi-Fi6なら電波干渉の度合いなどに応じて、2.4GHz帯/5Ghz帯の切り替えも可能です。

Wi-Fiネットワーク拡張に使うのは「Wi-Fiアクセスポイント(AP)」

Wi-FiルーターはWi-Fi通信に必要なアクセスポイント機能と、インターネット接続に必要なルーター機能を兼ね備えた機器です。同じネットワーク内にWi-Fiルーターを2台設置すると「二重ルーター」の状態になるなど、設定が複雑になります。

そこでWi-Fiネットワークの拡張時には、アクセスポイント機能のみを備えた「Wi-Fiアクセスポイント(AP)」を増設するのが一般的です。ルーターとLANケーブルで接続し、電源ケーブルから給電するだけで、Wi-Fi基地局を好きなレイアウトで増設できます。

【関連記事:Wi-Fiのアクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説

有線LANと無線LAN(Wi-Fi)のメリット・デメリット


社内LANのネットワーク構成を考えるにあたって、有線LANと無線LANの使い分けは悩ましい問題かもしれません。どちらもメリットと適切な用途があり、デメリットをカバーするための対策も重要です。ここでは、有線LAN・無線LANそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

有線LANのメリット・デメリット

【メリット】
機器に直接接続するため、通信の安定性が高く、高速通信を求めるネットワーク構築に向いています。特にフロア間の接続や、安定稼働が求められるサーバの接続には、有線LANを選択するのが一般的です。

なお、Wi-Fi機器の接続にもLANケーブルが必要であるため、Wi-Fiネットワークの拡張時にも有線LAN工事が求められます。

【デメリット】
社内全域にLANケーブルを配線する場合、レイアウトが難しく、将来的な拡張時に制限がかかる場合もあります。デバイスの追加に伴いLANケーブルを追加し、デスク脇や床面にケーブルが露出してしまうと、手や足を引っかけるなどのトラブルが起こりやすくなることもネックです。

またLANポートのないスマホやタブレットなどは接続できず、事務所と併設の店舗内などに配線すると美観を損ないます。従業員向けはもちろん、来客向けにも柔軟な対応がしづらくなるでしょう。

無線LAN(Wi-Fi)のメリット・デメリット

【メリット】
大きなメリットはレイアウトの自由度が高いことです。小型のWi-Fiアクセスポイントは壁面や天井に取り付けができ、LANケーブルも隠しやすく、美観を損なわずに社内ネットワークを拡張できます。

LANポートのないスマホやタブレットなど、あらゆるWi-Fi対応機器を自由な場所から接続できるようになり、デバイスやスペースの活用範囲を広げられることもメリットです。ゲストWi-Fi機能に対応したWi-Fiアクセスポイントを設置すれば、従業員向け・ゲスト向けのネットワークを分離し、安全にフリーWi-Fiの提供もできます。

【デメリット】
無線LAN(Wi-Fi)は有線LANに比べて接続が不安定になりがちです。壁や仕切りなどの障害物による電波の減衰、電子機器が発する微弱な電波の干渉など、さまざまな影響を受けます。

また電波は360°方向に拡散し、エリア内なら親機への接続リクエストができることも注意点です。通信傍受されても通信内容を読み取れないようにする暗号化や、デバイス認証の仕組みなど、有線LAN以上のセキュリティ対策が求められます。

【関連記事:LAN工事の基礎知識!有線無線の違いや工事内容、費用目安や業者選びを解説

オフィスLAN工事の主な内容と対応ニーズ


オフィスLAN工事の内容をカテゴリ別に分けると、主に以下のようなものがあります。

・LAN配線工事
・LAN配線整理
・Wi-Fiネットワーク構築
・社内LANのセキュリティ対策

ここでは、それぞれのLAN工事の内容と、対応できるニーズを見ていきましょう。

LAN配線工事

どのようなオフィスLAN工事でも基本的に必須となるのが、LAN配線工事です。例えば、OAフロアの床下配線やフロアをまたぐLAN配線、Cat5eケーブルからCat6・Cat6Aケーブルへのアップグレードなどが挙げられます。

「オフィス開設でインターネット回線・設備を整えたい」「社員が増えたためLAN配線を増設したい」「インターネット速度を速くしたい」など、さまざまなニーズに対応可能です。

LAN配線整理

PCやOA機器などが増え、LANケーブルが無数に露出した状態になると、LAN配線整理も必要です。LANケーブルが乱雑に露出した状態だと、足や手を引っかけて人やPCが転倒し、怪我や機器故障・データ損失が起きるかもしれません。

OAフロア・デスク周りの配線整理やカーペット下へのフラットケーブルの配線により、「混乱したLAN配線を最適化したい」「フロア上やデスク周りのLANケーブルをスッキリさせたい」といったニーズに対応可能です。

Wi-Fiネットワーク構築

Wi-Fiネットワーク構築もニーズの高いLAN工事です。Wi-Fi基地局が必要な位置までLAN配線をし、Wi-Fiアクセスポイントを増設して、あらゆるWi-Fi対応機器を接続可能にします。

「通信状況の悪い電波の死角をなくしたい」「フリーアドレスで働けるWi-Fi環境を構築したい」「来客向けに快適なフリーWi-Fiを提供したい」など、従業員向けだけでなく来客向けにも、さまざまなニーズに対応可能です。

社内LANのセキュリティ対策

工事業者によっては、LANの構築に合わせ、セキュリティ対策もセットで依頼できます。例えば、ファイアウォールやVPNサーバの設置、PCやネットワーク機器のセキュリティ設定の最適化です。

Wi-Fi機器の場合、暗号化や認証の仕組みも重要となります。最新のWi-Fiセキュリティ規格「WPA3」に対応するWi-Fiアクセスポイントなら、強力な暗号化・認証の仕組みにより、従業員・ゲスト両方に安全なWi-Fi接続を提供できます。

【関連記事:【テレワーク時代の新常識】Wi-Fiセキュリティの種類とセキュリティ高度を徹底解説

LAN工事業者を選ぶポイントは「ワンストップ提供」ができること

LAN配線のみ依頼すると低コストでLAN構築ができますが、業者の保証範囲はLAN配線のみとなるのが一般的です。ネットワーク機器に不具合が起こった場合、自社対応が求められます。長期的に見れば、Wi-Fiアクセスポイントなどのネットワーク機器も一括で導入するのがおすすめです。

工事業者によっては、各種クラウドサービスやデジタルサイネージなど、関連サービスも将来的な拡張を踏まえて一括提供できます。企画からアフターサポートまで、ワンストップで対応できるのは強みでしょう。

オフィスLAN工事と関連サービスのワンストップ提供ならイッツコム!


イッツコムは、多種多様なニーズに応じたLAN工事やシステム整備を、企画からアフターサポートまでワンストップで提供可能です。ここでは一例として、「イッツコム光接続サービス」と「かんたんWi-Fi」 を紹介します。

オフィス向けの安定した光回線「イッツコム光接続サービス」

LAN工事で構内のネットワーク環境を整えても、通信の快適性を担保できるとは限りません。LAN工事と併せて重視したいのは、LANの外につながる光回線の整備です。

法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」であれば、下り最大2Gbps・上り最大1Gbpsの高速回線で、一般的な上下最大1Gbpsよりも高速です。最新のインターネット方式「IPv6 IPoE」に標準対応し、アクセスの集中しやすい時間帯でも安定した通信速度を発揮できます。

プロバイダ一体型のサービスのため、プロバイダ料金が別途かからないことも強みです。固定IPアドレスを1つ発行し、オプションで3つまたは7つ追加できる法人向けならではの固定IPアドレスプランも用意しています。

高コスパなWi-Fi6対応アクセスポイントの簡単増設「かんたんWi-Fi」

オフィススペースやデバイスの有効活用には、Wi-Fiネットワークの最適化が求められます。しかし、Wi-Fiアクセスポイント(AP)の工事料金は高額になりがちです。費用を抑えて簡単にAPを増設したい場合もあるでしょう。

こういったニーズに最適なのが、高性能なAPを簡単かつ安価に導入できる「かんたんWi-Fi」です。届いたAPにLANケーブルと電源ケーブルを差し込むだけで、何台でもWi-Fi基地局を増設できます。現在の社内ネットワークの設定変更は不要です。

「ハイエンド6」プランなら、最新のWi-Fiセキュリティ規格WPA3に標準対応する「Wi-Fi6」を採用しています。同時接続台数は余裕の100台で、メールアドレス認証やSNSアカウント認証などさまざまな認証方式に対応、ゲストWi-Fi機能も利用可能です。1APあたり月額3,800円(税抜)で従業員・ゲスト問わず、安全かつ快適なWi-Fi環境を提供できます。

なお、多少の予算をかけてでも導入から運用・保守までのサポートをご希望の場合は、「カスタムWi-Fi」をおすすめしています。Wi-Fi機器の障害対応やセキュリティ対策はもちろん、導入後の拡張などに伴う設定変更も代行いたします。ワンストップでの一貫サポートが可能なので、安心してお任せください。

まとめ


オフィスLAN工事の種類はLAN配線工事・LAN配線整理・Wi-Fiネットワーク構築や社内LANのセキュリティ対策などがあり、工事業者に問い合わせる前に大まかなLAN配線レイアウト図などを用意しておくと依頼漏れもなくスムーズです。

有線LANと無線LANにはそれぞれ適切な用途があり、また将来的な拡張性を加味したネットワーク構築も重要となるため、総合的なサポートに強みのある会社に工事を依頼しましょう。

イッツコムは「イッツコム光接続サービス」「かんたんWi-Fi」などの関連サービスを一括導入でき、多種多様なニーズに応じたLAN工事やシステム整備を、企画からアフターサポートまでワンストップで提供可能です。オフィスLAN工事のお悩みは、通信インフラ事業者として長年の実績があるイッツコムにご相談ください。