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インバウンド対策とは?飲食店の売上アップを成功させる施策8選

インバウンドの客足はコロナ禍以前に回復する傾向にあり、日本食は訪日外国人客にとって大きな魅力の1つです。飲食店のインバウンド対策には、多言語対応やWi-Fi環境の整備などが求められます。

飲食店のインバウンド対策について、理解を深めたい方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、飲食店におけるインバウンド対策の必要性や具体的な施策を紹介します。

インバウンド対策とは?飲食店に必要な理由

飲食店におけるインバウンド対策は、訪日外国人旅行にフォーカスした各種対策を指します。2023年10月、訪日外国人客数は2019年同月比を超えました。また、訪日外国人客にとって日本食は大きな楽しみの1つです。まずはインバウンド対策とは何か、飲食店にとってなぜ必要なのかを見ていきましょう。

訪日外国人旅行にフォーカスした対策

インバウンド(inbound)とは、「外(外国)から中(本国)に入ってくる」といった意味を持つ英単語です。観光業などでは一般的に、「訪日外国人旅行/訪日旅行」を指します。なお、対義語はアウトバウンド(outbound)で、「海外旅行」を意味します。

訪日外国人による日本国内での消費行動を「インバウンド消費(インバウンド需要)」、その消費マーケットを「インバウンド市場」と呼ぶことも一般的です。

以上から、インバウンド対策とは、訪日外国人に日本国内での消費を楽しんでもらうための対策全般をいいます。飲食店においては、料理メニューを多言語表示にしたり、外国語で接客できる体制を整えたりする対策です。

2023年10月の訪日外国人客数は2019年同月比超え

訪日外国人客数は新型コロナウイルス感染症対策による渡航制限で大幅に落ち込みましたが、2022年10月の個人観光再開から堅調に回復しています。

JNTO(日本政府観光局)の統計によると、2023年10月の訪日外国人客数は2019年同月比100.8%の251万6,500人となり、新型コロナウイルス感染症拡大後初めて、2019年同月を超えました。

全国各地の飲食店はコロナ禍前と同等、あるいはそれ以上の訪日外国人客にサービス提供する必要性が生じており、インバウンド対策の注目度が高まっています。

(参考:『訪日外客数(2023年10月推計値)|JNTO(日本政府観光局)』

訪日外国人客は日本食を強く求めている

観光庁の調査によると、2023年7~9月期の訪日外国人旅行消費額は、2019年同期比17.7%増の1兆3,904億円を記録しました。費目別で構成比を見ると、宿泊費(34.2%)、買物代(26.1%)に次いで飲食費(22.9%)は3位となっています。

また2023年4~6月期の報告書によると、「訪日前に最も期待していたこと」に対する訪日外国人客の回答は、「日本食を食べること(36.7%)」が圧倒的多数です。「今回の日本滞在中にしたこと」や「次回日本を訪れた時にしたいこと」という質問でも、やはり「日本食を食べること(98.8%、71.2%)」が1位となっています。

日本食に対する高いニーズを取りこぼさず売上アップを目指すためにも、飲食店のインバウンド対策は必須といえるでしょう。

(参考:『訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析 2023 年 4-6 月期 報告書 |観光庁』

飲食店がインバウンド対策をするメリット・デメリット

コロナ禍で売上が落ち込み、苦しい経営を強いられた飲食店も多いでしょう。2023年末にコロナ禍以前の訪日外国人客数が戻ってきたため、「ここから攻めの姿勢で売上アップを目指したい」という飲食店も多いのではないでしょうか。

ここでは、インバウンド対策は飲食店に何をもたらすのか、また前のめりに対策することのリスクを解説します。

インバウンド対策のメリット

飲食店がインバウンド対策を考えるとき、見逃せないのは以下のようなポイントです。

・訪日外国人客は客単価が高い傾向にある
・グループで入店することも多い
・外国語圏での口コミで好循環を期待できる

訪日外国人客は観光目的だけでなく、国際的な展示会や会議に参加するビジネス目的の場合もあります。お酒をオーダーする外国人客は多く、特にビジネス目的の場合は客単価が高い傾向です。さらにグループで行動することも多いため、外国人客をうまく取り込めれば売上向上につながりやすいでしょう。

満足度が高ければ、SNSや個人ブログに外国語でポジティブな情報をシェアしてもらうことも期待できます。日本人がアプローチしにくい層にも魅力を伝えやすくなり、さらにインバウンド消費を促進する好循環が生まれるでしょう。

インバウンド対策のデメリット

インバウンド対策は飲食店経営にさまざまなメリットがある一方、デメリット・注意点もあります。例えば、Webサイトや料理メニューを多言語化するなどの対応が必要なため、費用や手間がかかる点です。

訪日外国人客への対応を重視し過ぎるあまり、常連客への対応が疎かになるかもしれません。客層の変化で店内の雰囲気が変わったり、入店やオーダーの待ち時間が長くなったりして、オフシーズンの売上を支える常連客が離れる恐れもあることは注意点です。

訪日外国人客が旅行中に困ることは?

2023年のインバウンド需要は2019年同月比を上回るほどの急回復を見せていますが、インバウンド対策の遅れもあります。観光庁や旅行マーケティング事業者が訪日外国人客に対して「旅行中に困ったこと」を質問したところ、上位の回答は以下のようなものでした。

・コミュニケーションやメニューの理解が難しい
・スマホでフリーWi-Fiが使えない
・キャッシュレス決済ができない

言語の違いにより、スタッフとのコミュニケーションが難しかったり、多言語表示が少なくて困ったりすることはよくある問題です。施設にWi-Fi環境が整備されておらず、スマホから観光情報を検索しにくい状況も不便に感じるでしょう。またクレジットカード払いやスマホ決済に慣れた外国人客にとって、現金払いしかできない店舗は不便です。

飲食店の具体的なインバウンド対策8選

飲食店がインバウンド対策を検討するなら、まず訪日外国人客に対する理解を深めることが重要です。ニーズを分析した上で、多言語対応および集客施策を実施しましょう。ここでは、飲食店における具体的なインバウンド対策8選を解説します。

1.訪日外国人客に対する理解を深める

インバウンド対策の準備、あるいは根本的な施策として、訪日外国人客に対する理解を深めることは重要です。外国人といっても出身国や年齢層などはさまざまで、宗教や文化などの背景も異なります。

ターゲット層の感性やニーズを分析し、どのような味付けやサービスが受けるかを明らかにして、計画の指針を確立しましょう。ターゲットを分析すると、プッシュできる自店舗の魅力が分かりやすくなり、顧客視点で飲食体験を想定しやすくなります。

自店舗に足りない部分を把握するという意味でも、まず施策の方向付けを考えることが大切です。具体的な施策実行に向けて、どのようなスタッフ教育が必要になるかも検討しましょう。

2.多言語対応のSNSを集客に活用する

訪日外国人客に自店舗を認知してもらうことや魅力を感じてもらうこと、ぜひ訪れてみたいと思わせることは重要です。訪日外国人客は、観光情報の検索や比較検討にSNSを利用する傾向があります。集客ツールとしてFacebook・Instagram ・X(旧Twitter)などのSNSを活用しましょう。

Facebookは世界的に利用率が高く、店舗情報や長文のテキストも効果的にアピールできます。日本語のみで情報を記載するとマーケティング効果を期待しにくいため、多言語対応のFacebookページを作成するのがおすすめです。

3.公式Webサイトも多言語対応にする

SNSは情報の拡散に有効ですが、グループや友人などが店舗情報をシェアすると、リンクやGoogle検索から公式Webサイトをチェックされることが考えられます。

流入先のWebサイトが日本語表示のみだと、店舗の魅力やメニュー内容などが伝わりにくいでしょう。「日本語が話せないと飲食サービスを受けにくいのでは」と不安にさせてしまう恐れもあります。訪日外国人客の受け入れ準備が整っていることをアピールするという意味でも、SNSの多言語化に併せて、Webサイトを多言語化することも重要です。

4.MEO対策で移動中の訪日外国人客を誘導する

訪日外国人客は、旅行中にGoogleマップなどで近隣の飲食店を検索することもよくあります。そこでMEO(Map Engine Optimization/マップ検索エンジン最適化)を対策することも重要です。MEOとは、主にGoogleマップ向けの地図エンジンで検索結果が上位に表示されるために行う施策を指します。

Webサイトへの流入率を高めるSEO(Search Engine Optimization/検索エンジン最適化)も重要ですが、Googleビジネスプロフィールに登録する店舗名・Webサイト・営業時間・地域などの情報を充実させ、移動中の訪日外国人を誘導しやすくすることも大切です。

5.フリーWi-Fiを提供する

訪日外国人客に対する「おもてなし」を充実させる施策として、Wi-Fi環境を整備することも重要です。上述の通り、施設でWi-Fiが利用できないことを不便に感じる訪日外国人客は珍しくありません。

訪日外国人客は旅行中にスマホを利用して観光情報を検索します。移動中はレンタルしたSIMカードでパケット通信をするとしても、腰を落ち着けて飲食する場ではフリーWi-Fiを使えると便利です。

フリーWi-Fi完備という情報は、公式WebサイトやFacebookページに記載すると、他店舗との差別化ポイントにもなります。

【関連記事:店舗・飲食店におすすめのWi-Fiは?ケース別の導入方法や選び方

6.料理メニューを多言語対応にする

訪日外国人客が実際に自店舗を訪れた際の、「言葉の壁」をなくす対策も必要です。日本語の料理メニューは直訳では意味が分からないものも多いため、訪日外国人客から見て分かりやすい翻訳となることを意識し、メニューの多言語化に対応しましょう。

この際、料理の味付けや質感などが分かる説明文と、料理画像を添えることがおすすめです。また宗教上の教義や菜食主義、アレルギー体質などで特定食品を食べられない場合もあるため、動物由来の食材やアレルギー物質が含まれるメニューは赤字やイラストで注意喚起しましょう。

7.外国語で接客できる体制を整える

メニュー翻訳が完璧でも、ホールスタッフの語学力次第では、オーダーの取り間違いなどの問題も起こり得ます。

外国語で接客できる体制を整える方法の1つは、外国語を話せるスタッフの雇用です。しかしネイティブスピーカーの話し言葉に対応できる人材は希少で、1人~2人雇ってもシフト調整は難しいでしょう。

そこで、スタッフの業務用スマホ・タブレットに翻訳ソフトをインストールするか、AI通訳機を携帯させることがおすすめです。ソフトや機器によって翻訳・通訳の精度などに違いがあるため、接客に支障のない機能性があることを重視しましょう。

8.キャッシュレス決済に対応する

日本のキャッシュレス決済比率は主要各国に比べて低く、訪日外国人客は「現金払いのみ」という支払い方法を不便に感じることがあります。

国によって主流の支払い方法は異なりますが、クレジットカード・デビットカード・電子マネー・スマホ決済が使えない飲食店は、機会損失を招く恐れもあるでしょう。

キャッシュレス決済端末や多言語対応のセルフオーダーシステムを導入することも、インバウンド対策として検討したいポイントです。

インバウンド対策の環境整備ならイッツコム!

飲食店のインバウンド対策にとって不可欠といえるのは、多言語対応とWi-Fi環境の整備です。イッツコムならAI通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」で飲食店の翻訳・通訳を解決でき、「かんたんWi-Fi」による高性能APの増設でWi-Fi環境を改善できます。

AI通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」で飲食店の翻訳・通訳を解決

インバウンド対策を考える上で「言語の壁」をなくすことは重要です。しかしメニュー翻訳や外国語による接客に対応するとなると、費用や手間に見合う効果が期待できるか不安かもしれません。

これらの悩みをスマートに解決するなら、80以上の言語に対応する高精度AI通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」の導入がおすすめです。

ボタンを押して話すだけの簡単操作で通訳ができ、料理メニューは内蔵カメラで文字を撮影するだけで翻訳できます。ネイティブの語学講師も認めた翻訳精度で、店舗スタッフの語学学習にも活用可能です。

イッツコムなら、POCKETALK S(Wi-Fiモデル)とイッツコム法人データSIM(国内通信)をセットにして、初期費用0円・月額1,900円(税抜)/台のお得な料金で提供できます。

AP増設でWi-Fi環境を改善できる「かんたんWi-Fi」

翻訳・通訳の対応に加えて、Wi-Fi環境を整備することも重要です。しかしWi-Fiルーター1台では、同時接続デバイス数をカバーしきれなかったり電波干渉を起こしたりして、快適なWi-Fi環境を提供できない場合もあります。

店舗用のWi-Fi機器として採用したいのは、ゲストWi-Fi機能(業務用Wi-Fiとゲスト用Wi-Fiを分離する機能)を標準搭載するWi-Fiアクセスポイント(AP)です。イッツコムの「かんたんWi-Fi」なら、高性能APを手間なく低コストで増設できます。ゲストWi-Fiの関連機能も豊富に搭載し、来客に安全なフリーWi-Fiを提供することが可能です。

「ハイエンド6」のAPなら高速なWi-Fi6に対応します。同時接続台数は1AP当たり100台で、電波干渉を抑える機能も搭載し、混雑する店内でも快適なWi-Fi接続が可能です。

【関連記事:Wi-Fiのアクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説

まとめ

インバウンドの客足はコロナ禍以前に回復する傾向です。また、訪日外国人客は日本食を強く求めています。飲食店のインバウンド対策にとって重要なことは、Web関連および店舗内の多言語対応や、Wi-Fi環境の整備です。訪日外国人のニーズをつかみ、おもてなしの成功と売上アップを目指しましょう。

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