Uber Eats(ウーバーイーツ)導入・運用の費用と出店方法
目次
Uber Eats(ウーバーイーツ)は多くの消費者・飲食店に愛用されているサービスの1つです。飲食店は配達スタッフがいなくてもフードデリバリーサービスを提供でき、Web経由で集客力も高められます。条件によっては加盟店登録時の初期費用がかからず、運用中に発生するコストは注文・配達に伴うサービス手数料のみです。
Uber Eatsの導入について理解を深めたい方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、Uber Eatsとはどのようなサービスか、導入・運用にかかる費用や出店方法について解説します。
Uber Eats(ウーバーイーツ)とは?
Uber Eatsを導入すれば、配達スタッフを持たない飲食店も簡単にフードデリバリーサービスを提供できます。配達パートナーによるデリバリー代行はもちろん、自前のスタッフによる配達や、テイクアウトの事前注文にも対応可能です。まずはUber Eatsとはどのようなサービスかを解説します。
コロナ禍で急成長したフードデリバリー代行サービス
Uber Eats(ウーバーイーツ)は米国発のフードデリバリー代行サービスです。日本市場には2016年に参入し、それまでに見られなかった「フードデリバリーを代行できる」スタイルを一般化させました。
配達業務を担うのは、Uber Eats日本法人と契約する配達パートナーです。消費者は専用のアプリから近隣の加盟店を検索でき、注文された品は近隣で稼働中の配達パートナーが配達します。
Uber Eatsは新型コロナウイルス感染拡大の巣ごもり需要を受けて2020年3月から急成長し、いまや多くの飲食店と消費者に愛用されるサービスになりました。同様のサービスには「出前館」の他、後発の「menu」「Wolt」などがあります。
利用の仕組みと流れ
Uber Eatsの利用に当たって、消費者は検索・注文用のUber Eatsアプリ(Webアプリまたはスマホアプリ)、飲食店は注文・配達管理用のUber Eats Ordersアプリを使用します。Uber Eatsの配達パートナーが注文の品を配達する場合、利用の仕組み・流れは以下の通りです。
1.利用者:スマホやPCから近隣の飲食店を検索して注文
2.飲食店:タブレットやPCで注文を受け付け、調理を開始
3.Uber Eatsの配達パートナー:店舗で注文の品をピックアップし、車・バイク・自転車または徒歩で利用者が指定する場所に配達
Uber Eatsの導入効果
飲食店から見たUber Eatsの導入効果は以下のようにまとめられます。
・Uber Eatsアプリのホーム画面、検索結果、店舗カテゴリに自店舗の情報を掲載できる
・広告ツールや各種特典を活用して集客力を高められる
・自店舗の情報が消費者向けのフィードやターゲティングメールで特集されることもある
・配達パートナーのおかげで自前の配達スタッフの人件費を削減できる
・自前のスタッフによる配達やテイクアウトの事前注文にも対応できる
・アプリ経由で注文の受け付けを自動化し、ホール業務や電話対応業務の負担を軽減できる
・代金の回収を自動化し、レジ業務の負担を軽減できる
Uber Eatsの導入・運用にかかる費用
ここでは、Uber Eatsの導入・運用に当たって、飲食店側にかかる費用を解説します。加盟店登録に伴う初期費用、月額利用料、サービス(配達)手数料についてまとめました。導入前にご参考ください。
※2024年2月時点での情報です。
登録初期費用は5万円(期間限定で0円の場合も)
Uber Eatsに加盟店登録をする際、登録初期費用として5万円(税込)がかかり、費用は登録後5週目から30回の週払いで売上から差し引かれます。登録初期費用の内訳は以下の通りです。
・Uber Eatsに加盟店登録をするための登録事務手数料
・店舗の端末とUber Eatsのシステムを連携するためのシステム手数料
・販売店専用アプリの使用方法や注意点をレクチャーするための出店レクチャー手数料
登録初期費用は、期間限定で無料になる場合があります。費用がかかるかどうかはタイミング次第のため、Uber Eatsの担当者に問い合わせるとよいでしょう。
タブレット代は2万2,500円(自前で用意するなら0円)
飲食店がUber Eatsを利用するためには、自店舗にUber Eats Ordersをインストールした端末が必要です。
専用タブレットをUber Eatsからレンタルする場合、レンタル代として2万2,500円(税込)がかかります。LTEモデルの場合は毎週数百円の通信費も加算され、これらの費用は日々の売上から差し引かれて精算される形です。
自前で端末を用意できるならレンタル代も追加の通信費もかかりません。Uber Eats OrdersはiOS版・Android版およびWeb版で無料提供しており、自前のタブレットやPCから利用できます。
掲載用の写真撮影費は1万3,000円(自前で用意するなら0円)
加盟店の準備として、Uber Eatsのプラットフォーム上に掲載する料理画像やトップ画像も必要です。掲載用の写真撮影はUber Eatsに依頼できますが、1万3,000円(税込)がかかります。コストをかけたくない方は自前で撮影するとよいでしょう。
月額利用料金(固定費)はかからない
固定費としての月額利用料金はかかりません。分割払いになる費用があっても売上から差し引かれ、売上が0円の週は支払いが免除されます。「売上がなくても継続利用するだけで赤字」とはならないため、リスクを抑えて運用できるシステムです。
配達サービス手数料は売上の35%
消費者がUber Eats経由で料理を注文すると、基本的には近隣で稼働中の配達パートナーが注文の品を配達します。この場合のサービス手数料は売上の35%です。代金の回収はUber Eatsが行い、売上はサービス手数料を差し引いて銀行口座に入金されます。
35%のサービス手数料は高く感じるかもしれませんが、その他のフードデリバリーサービスも軒並み30%以上の設定です。Uber Eatsと同じく35%に設定しているサービスもあり、特別に高額なわけではありません。
セルフ配達のサービス手数料は売上の15%
Uber Eatsのシステムに自店舗の配達スタッフを登録しておくと、Uber Eats経由で注文を受け付け、自店舗のスタッフが料理を配達することもできます。この「セルフ配達オプション」で注文の品を配達した場合、サービス手数料は15%です。
セルフ配達オプションを併用すると、スタッフが手空きのときにサービス手数料を抑えられ、稼働中の配達パートナーが見つからないときに注文キャンセルとなることを防止できます。
テイクアウトのサービス手数料は売上の12%
Uber Eats経由で注文を受けた品の受け渡し方法として、注文者によるテイクアウトも選択できます。この「非配達オプション(お持ち帰り)」で注文の品を受け渡した場合、サービス手数料は売上の12%です。
消費者が利用するUber Eatsアプリは近隣の飲食店をピックアップしますが、検索結果は「配達」対応の飲食店の他に、「お持ち帰り」で絞り込みもできます。
注文者にとって配達は待ち時間も送料も発生することから、地域住民や移動中の見込み顧客が「テイクアウトの事前注文をしたい」と考えることもあるでしょう。ニーズを取りこぼさず売上アップを目指すなら、非配達オプションの併用もおすすめです。
Uber Eats導入の条件と流れ
Uber Eatsは47都道府県に対応するため、全国の飲食店が導入を検討できます。いくつかの基本的な条件さえ満たせば、Web経由で簡単に加盟店登録が可能です。ここでは、Uber Eats加盟店の必須条件や導入するまでの3ステップを解説します。
Uber Eats加盟店の必須条件
Uber Eatsに加盟店として登録するには、以下の前提条件を満たすことが必要です。
・店舗所在地がUber Eatsのサービスエリア内にあること
・飲食店営業許可証があること
これらの条件を満たさなければ、登録審査は完了できません。また登録メニュー数(5種類以上)や営業時間帯(週4日以上かつ1日3時間以上)の条件も設定されています。
※細かな条件は変動する可能性があります。Uber Eatsの担当者に問い合わせるなどして事前に確認しましょう。
Uber Eatsを導入するまでの3ステップ
条件を満たしたら、オンライン登録をしましょう。Uber Eatsを導入する流れは以下の通りです。
1.公式サイトの利用開始ページから、店舗所在地や氏名・連絡先などの必要事項を入力・送信
2.担当者から連絡が入り、店舗登録の審査が行われる
3.審査に通ったら、メニュー作成・価格設定・掲載写真の撮影・管理用端末の設定を行い、利用開始
Uber Eats導入時に必要なその他の準備・費用
Uber Eats導入に当たって、既存のメニューをフードデリバリー用に最適化すること、またはフードデリバリー専用のメニューを開発することが必要です。食品容器やカトラリーなども用意し、システム運用に不可欠なインターネット・Wi-Fi環境も整備しましょう。ここでは、フードデリバリーサービスを提供するための準備と費用を解説します。
フードデリバリー専用メニューの作成
フードデリバリー専用の料理メニューを作成することは重要です。一般的なフードデリバリー・ユーザーは、「その日の気分に合った料理」を検索します。
料理を検索するユーザーの幅広いニーズに対応できるように、フードデリバリー向きの料理点数を拡充しましょう。サラダやドリンクなどのサイドメニューを豊富に用意しておくこともポイントです。他にも以下のような点を意識して、メニュー開発に投資しましょう。
・写真から食欲が刺激されるような盛り付けにすること
・素早くデリバリーできる、調理時間を短縮しやすい料理メニューにすること
・数十分後にも品質と味を維持できる料理メニューにすること
食品容器やカトラリーなどのストック
フードデリバリー用の食品容器やカトラリーなどを準備することも必要です。自店舗の料理メニューに合った、以下のような物品を選定・ストックしておくことが求められます。
・食品容器
・カトラリー(スプーン・フォーク・割りばしなど)
・配達用のビニール袋や紙袋
・持ち帰り用バッグ(テイクアウト対応の場合)
・お手拭きや紙ナプキン
こういった物品は専門の販売店で購入できます。ただし、ブランディングの方向性によっては専用の容器などを開発する必要もあるでしょう。フードデリバリー・ユーザーは、自店舗の名称や所在地を意識していないこともあります。リピーター獲得を目指すなら、店舗のロゴや連絡先をパッケージに取り入れることも検討しましょう。
インターネット・Wi-Fi環境の整備
Uber Eats経由の注文や配達は、Uber Eats OrdersをインストールしたタブレットやPCで管理します。専用タブレットをレンタルするとしても、自前のデバイスを用いるとしても、店舗内のインターネット環境は必須です。
タブレットやノートPCを使用する場合はWi-Fi環境を整備しましょう。自店舗のWi-Fi環境を整備すると、来客にフリーWi-Fiを提供することもでき、オフライン・オンライン両方の集客施策に役立ちます。
【関連記事:店舗・飲食店におすすめのWi-Fiは?ケース別の導入方法や選び方】
店舗内のWi-Fi環境整備ならイッツコムにお任せ
Uber Eatsのシステム運用にはWi-Fi・インターネット環境の整備が必須です。イッツコムなら「かんたんWi-Fi」で高性能APを手間なく低コストで導入でき、「イッツコム光接続サービス」でWi-Fi通信の安定性・快適性を高められます。
「かんたんWi-Fi」で高性能APを手間なく低コストで導入
Uber Eats Ordersをインストールした端末を無線接続で運用するなら、Wi-Fi環境の整備が必要です。Wi-Fiルーター1台では同時接続台数や電波干渉が問題になりやすいため、店舗のWi-Fi環境整備には通常、Wi-Fi機能に特化したWi-Fiアクセスポイント(AP)を増設します。
イッツコムの「かんたんWi-Fi」は、高性能APを手間なく低コストで導入できるサービスです。ゲストWi-Fi機能に対応するため、業務用とゲスト用のWi-Fiネットワークを分離し、店舗スタッフにも来客にも安全なWi-Fi環境を提供できます。
「ハイエンド6」プランのAPなら、高速なWi-Fi6に対応する上、同時接続台数は1AP当たり100台です。実店舗もバーチャルレストランも快適に運営するなら、かんたんWi-Fiの導入をご検討ください。
【関連記事:Wi-Fiのアクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説】
「イッツコム光」で混雑する店内でも安定・快適に通信
Wi-Fiの通信速度はインターネット回線の通信速度に制限されます。高性能APを導入してもインターネット回線が性能不足なら、大きな導入効果を実感できないこともあるでしょう。Wi-Fi通信の安定性・快適性を高めるには、インターネット回線のアップグレードも重要です。
法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」なら、下り最大2Gbpsの安定した高速回線を提供できます。ハイエンド6プランのAPはWi-Fi区間の最大通信速度が2.4Gbpsのため、高性能APのスペックを生かすには最適な組み合わせです。混雑した店内でも、快適なフリーWi-Fiを提供しつつ、業務用Wi-Fiの帯域不足や注文・配達のトラブルを回避できます。
まとめ
Uber Eatsを導入すると、配送スタッフを持たない飲食店でもフードデリバリーサービスを提供できるようになります。条件次第では初期費用がかからず、ランニングコストは注文・配送に応じたサービス手数料のみで済むこともポイントです。
システム利用には専用アプリをインストールした端末の常時接続が必要になるため、安定性の高いWi-Fi・インターネット環境を整備しましょう。
イッツコムなら「かんたんWi-Fi」と「イッツコム光接続サービス」により、快適なWi-Fi・インターネット環境の整備をまとめてサポートできます。Uber Eats導入に伴う通信環境のアップグレードをお求めなら、ニーズに応じた最適な提案ができるイッツコムにご相談ください。