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施設管理とは?設備管理との違いや業務を効率化させるシステムを解説

物件の有効活用による収益最大化などを検討しており、施設管理について理解を深めたい方もいるのではないでしょうか。

ビル経営を担う施設管理(ビルマネジメント)と、設備管理などのビルメンテナンスは、役割や業務内容が異なります。予約管理システムやスマートロックを導入すれば、さまざまな管理業務を効率化でき、レンタルスペースなどの無人運営も可能です。

そこでこの記事では、ビルマネジメントとビルメンテナンスの違いや主な業務内容、業務効率化に役立つシステムについて紹介します。

※目次※
1.施設管理(ビルマネジメント)とは?役割と主な業務内容
2.ビルメンテナンス(設備管理など)との違いと主な業務内容
3.施設管理はPMSや予約管理システムなどで効率化できる
4.施設管理を効率化するシステム整備ならイッツコム!
5.まとめ

施設管理(ビルマネジメント)とは?役割と主な業務内容

施設管理(ビルマネジメント)はオーナーに代わってビル経営を担う業務です。優れた施設管理は収益最大化などさまざまな価値をもたらします。施設管理の業務を大まかに分類すると、運営業務・工事サービス・リーシングの3種類です。

オーナーに代わってビル経営を担う

施設管理とは、オフィスビルや商業施設など建築物のオーナーに代わって、施設運営を総合的に管理する業務です。ビル経営全般の業務を代行するもので、ビルマネジメントやビルマネとも呼ばれます。

特に収益性の確保・向上を目指した業務は「プロパティマネジメント」と呼ばれ、建物の稼働率改善や資産価値・テナント満足度の向上などが重要なミッションです。空室営業・収支管理・テナント対応などの他、修繕計画の作成や警備・防災・清掃といった現業部門の統括なども担います。

優れた施設管理がもたらす価値

優れた施設管理は組織の収益に貢献し、資産・建物・機器の短期的・長期的な価値に好影響をもたらします。施設をよりよく把握し、情報に基づいた意思決定を行えるようにすることで、以下のようなメリットを享受できるでしょう。

・効果的なスペース管理により不動産関連のコストを削減
・資産プロジェクトの予算超過やスケジュールの遅れを抑制し、プロジェクト全体のコストを削減
・調査スタッフやIoT機器による多角的な情報収集に基づき、エネルギー管理やメンテナンス計画を最適化
・施設運用を効率化し、リース会計・財務や施設環境のパフォーマンスを向上
・職場の安全性・生産性・体験を改善し、働きがいのある場所を提供することで、従業員エンゲージメントを向上

運営業務とは

施設管理の基本的な業務として、テナント対応・収支管理・各種事務業務など、ビル運営に必須となる定常業務の代行を挙げられます。主な運営業務は以下のようなものです。

・テナント窓口・賃料改定業務:日々のコミュニケーションによりテナント企業と良好な関係を築きつつ、適正な賃料改定を行い、収益最大化につなげる
・レポーティング業務:中長期計画を策定するとともに、年次・月次のテナント入居状況や物件の営業状況などをまとめたレポーティングを行う
・事務代行業務:賃料請求・収納事務・契約更新事務など、ビル経営に必要な各種事務業務を行う

工事サービスとは

建物の運用中には、経年劣化に伴う大規模修繕工事や資産価値向上を目的としたバリューアップ工事、テナントの入退去に伴う入居工事・原状回復工事などを行う必要があります。

オーナーに代わって各種工事の品質・コスト・スケジュール・リスクなどをマネジメントするコンストラクション・マネジメント(CM)も、施設管理の重要な業務です。収益最大化の観点から長期的な修繕計画を立て、バリューアップ工事で安全性・快適性・省エネ性能などを向上させます。テナント入居時には生産性向上につながるオフィスレイアウトの提案なども行います。

リーシングとは

リーシング(賃貸支援)も施設管理の重要な業務です。エリア・物件の特性やテナントミックス(店舗構成)の最適化なども考慮して、収益最大化・資産価値向上につながるテナント誘致戦略を展開します。

複数チャネルでの空室営業はもちろん、企業ネットワークも生かした効率的なテナント募集活動を実施し、入居見込み者との折衝や契約管理など賃貸借取引の仲介まで、テナント誘致をワンストップでサポートする業務です。

ビルメンテナンス(設備管理など)との違いと主な業務内容

施設管理と設備管理は混同されやすい言葉ですが、設備管理はビルメンテナンスの業務に含まれます。ビルメンテナンスは施設管理が統括する現業部門に当たり、建物環境の維持・保全を担う業務です。ビルメンテナンスの業務は、設備関連業務・清掃関連業務・警備関連業務の3種類に大別できます。

ビルメンテナンスは建物環境の維持・保全を担う

設備管理はビルメンテナンス(ビルメン/ビル管理)の業務の一部門です。設備管理は受変電設備・ボイラー・警報設備・エレベーターといったビル内設備の運転保守・点検整備を行う業務で、警備・防災・清掃なども含めてビルメンテナンスと呼びます。

企業によってサービスの呼称は異なりますが、一般的にビルマネジメント(施設管理)はビル経営を代行するもので、ビルメンテナンス(設備管理など)は主に現場で働くスタッフ・有資格者が建物環境の維持・保全を行うものです。

物件オーナーがビルマネジメント会社やプロパティマネジメント会社にビル経営を委託すると、その系列のビルメンテナンス会社などが現業の委託を受け、設備管理などを行います。

設備関連業務とは

設備管理は、建物を構成するさまざまな設備の運転保守や点検整備を行い、必要があれば即座に補修工事を実施する業務です。電気通信に関するものだけでも受変電・配線・照明・非常用発電・電話・蓄電池などさまざまな設備があり、管理対象は多岐にわたります。設備の管理保全に関する主な業務は以下のようなものです。

・設備管理:電気通信設備・空調設備・給排水設備・消防用設備・昇降機設備などについて、運転・監視・点検・整備・保全や記録の分析・保存を行い、建物内の設備全般やエネルギーを制御する
・建物・設備保全:受変電設備・発電設備・ボイラー設備・冷凍機設備などの保守、法定点検・性能検査の受検を行い、経年変化に応じた劣化・消耗などをチェックする

清掃関連業務とは

清掃はテナント企業や施設利用者が快適さ・気持ちよさを感じる空間を目指し、建物の美観・衛生を維持するために実施する業務です。衛生管理については「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)」に維持すべき環境基準が定められており、定期的な測定・検定で基準に合致するよう調整します。清掃関連の主な業務は以下の通りです。

・建物内外の清掃:床面・壁面・扉・什器・備品などの清掃や、消毒・殺菌など感染予防
・空気環境管理:空気環境の測定や空調設備・空調用ダクトの清掃など
・給水管理:定期的な水質検査や貯水槽・給水管の洗浄など
・排水管理:排水設備の定期点検や排水槽・汚水槽の清掃など
・害虫駆除:ねずみ・昆虫の防除など
・廃棄物処理:ごみの収集・搬出・処理など

警備関連業務とは

警備はビルと人の安全を守り、「いつもと同じ、何も起きない」という安心のために必要な業務です。ビルメンテナンスでは警備体制のマネジメントの他、防火防災や駐車場管理などを含め、総合的に安全を管理します。主な警備関連業務は以下の通りです。

・警備業務:警備業法に基づき実施する、警備計画の立案や警備員の教育・訓練、建物内の常駐警備・巡回警備・機械警備など
・防火防災業務:消防法の規定に基づき実施する、消防計画の作成や消防用設備の点検・維持管理など
・駐車場管理:駐車場に入出庫する車の誘導や場内警備、料金の徴収管理など

施設管理はPMSや予約管理システムなどで効率化できる

施設管理は専用のシステムを使って効率化することもできます。ホテル・旅館・民泊など宿泊施設なら「PMS(Property Management System/ホテル管理システム)」、コワーキングスペースやレンタル収納スペースなどレンタルスペースなら「予約管理システム」と呼ばれるシステムが有用です。

フロント業務を効率化し人件費削減につなげる

PMSや予約管理システムにはフロント業務を自動化できる機能が搭載されています。例えば以下のような機能です。

・予約の受け付けや予約情報・空室状況の管理
・即時決済や月額課金など決済・入金・精算管理
・清掃スタッフの手配や清掃状況の管理

こういった機能により、手作業では工数がかかり過ぎていたフロント業務を効率化できます。少人数体制でも従業員エンゲージメントやサービス品質を維持しやすく、人件費削減や利益率の改善も目指しやすくなるでしょう。

売上や稼働率など各種データを集計する

予約情報から売上や稼働率など各種データを取得し、1つのシステムで集計を自動化できることも、PMSや予約管理システムのメリットです。Excelで表組みをしてデータを手入力するなど、集計作業の手間がかかりません。

システムによってはデータ分析機能も利用でき、インサイトの導出やスムーズな意思決定にも役立ちます。設備状況やサービス内容などに合わせて、自社施設でモニタリングすべき情報をカスタマイズすることも可能です。施設の稼働状況を客観的かつリアルタイムに把握でき、部屋割りやプランなどが複雑でも、施設運営を効率化できます。

ユーザー属性などを管理し顧客満足度の高いサービスを提供する

PMSや予約管理システムは、顧客の年齢・性別・居住地といった基本的な属性情報や予約履歴・嗜好・満足度など、多彩な顧客情報を収集・管理できます。顧客1人1人に合わせた情報提供やサービスの最適化を考えやすくなり、顧客満足度を高めやすいこともメリットです。

システムによっては要望やクレームをまとめて管理することもでき、サービス品質の向上にも役立ちます。収集した情報に基づいて顧客との良好な関係を構築・維持することで、リピート率の向上や良質な口コミの拡散にもつながるでしょう。

連携機能があるシステムなら無人運営にも対応

システムによっては各種連携機能を利用して施設の無人運営もできるようになります。例えばサイトコントローラーと連携できるシステムは、施設の予約サイトと複数の外部予約サイトを一元管理し、集客施策の効率化が可能です。

セルフチェックインシステムと連携すると、フロントスタッフが不在でもゲスト自身でチェックインでき、フロント業務を効率化または無人化できます。スマートロックと連携できるシステムなら、対面の鍵受け渡しを省略し、鍵管理の効率化が可能です。

【関連記事:スマートロックとは?導入メリット・注意点やおすすめの選び方を解説

施設管理を効率化するシステム整備ならイッツコム!

物件をレンタルスペースや宿泊施設として無人運営するなら、スマートロックと連携できる予約管理システムが必要です。イッツコムはビジター利用のレンタルスペース運用に対応できる「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」、会員登録や連泊に対応できる「Connected Portal(コネクティッドポータル)」を提供しています。

ビジター利用のレンタルスペース運用には「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」

施設の一部または全部を無人運営のレンタルスペースとして運用する場合、ビジター利用を想定するなら即時決済に対応した予約管理システムが必要です。

「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」は、LINEと連携する利便性の高いセルフチェックインシステムを採用しています。LINE公式アカウントを「友だち登録」した利用者に向け、スペースを時間単位で都度決済することに適したソリューションです。

施設利用者は、スペースの事前予約から決済、利用時のスマートロック施解錠までをLINEアプリ1つで行えます。管理者は専用ダッシュボードから全物件の売上や稼働率などを一覧できる他、1つのシステムでカメラ・センサーを使った機械警備や清掃管理にも対応できます。

会員登録や連泊に対応するなら「Connected Portal(コネクティッドポータル)」

会員登録が前提となるシェアオフィスや、連泊が予想される民泊などの無人運営には、一定期間は自由にスマートロックを施解錠できる予約管理システムが必要です。

「Connected Portal(コネクティッドポータル)」なら、特定のユーザーに特定の期間だけ利用可能な時限式の鍵を発行できます。会員ごとに解錠できる時間帯や曜日を個別設定できる他、各種IoT機器を一元管理できるため鍵と連動した動画の撮影や空調管理なども可能です。またPMSと連携することで、スペースの予約から時限キーの配布までを自動化できます。

まとめ

施設管理(ビルマネジメント)はオーナーに代わってビル経営を担う業務、ビルメンテナンス(設備管理など)は建物環境の維持・保全を担う業務です。施設管理は現業部門の統括も行い、優れた施設管理は物件の有効活用による収益最大化などにつながります。自社物件を運用する場合にも重要な考え方です。

施設の無人運営にはスマートロックや予約管理システムが必須ですが、イッツコムは「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」や「Connected Portal(コネクティッドポータル)」により、施設の運用形態に合ったサービスを提供できます。施設管理の改善をお考えなら、シンプルなシステム構成で業務効率化をサポートできるイッツコムにご相談ください。