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無人ジム経営は狙い目?必要なシステムと低コスト・効率的な運用方法

遊休不動産などを活用するビジネスモデルの1つに、無人ジムがあります。ユーザーにとっても事業者にとっても多くの魅力がある無人ジムですが、遠隔での運営が前提となるため、認証システムや各種管理システムの導入が欠かせません。

この記事では、無人ジムのビジネスモデルとしての特徴や、運営に必要となる各種システムについて解説します。法人向けに最適化されたスマートロックと管理システムを組み合わせることで、低コストかつ安全で効率的な運営を実現しましょう。

事業者にもユーザーにも人気の無人ジムとは?

フィットネスクラブ市場は、コロナ禍以前を上回る勢いを見せています。なかでも注目を集めているのが、24時間営業の無人ジムです。

ここでは、フィットネスクラブ市場の現状や無人ジムの概要、事業者・ユーザー双方のメリットについて解説します。

フィットネスクラブ市場は過去最高を上回る規模に成長する見通し

コロナ禍で一時的に落ち込んだフィットネスクラブ市場は、急速に回復し、その後も拡大を続けています。帝国データバンクの調査によると、2024年度の市場規模(事業者売上高ベース)は約7,100億円と、過去最高だった2019年度(7,085億円)を上回る見込みです。

低価格帯の小規模ジムを中心に店舗数も増加しており、24時間営業の「コンビニジム」など新しい業態の登場が市場拡大を後押ししています。

一方で、光熱費や人件費の上昇により運営コストが増すなか、物価高による節約志向も強まっており、会費の値上げが難しい状況です。売上とコストのバランスをどう取るかが、今後の大きな課題といえるでしょう。

(参考: 『「フィットネスクラブ・スポーツジム」業界動向調査(2024年度)|帝国データバンク』

狙い目は24時間営業の無人ジム

無人ジムとは、入退室管理システムや会員管理システムなどを組み合わせ、常駐スタッフを置かずにフロントレス・スタッフレス・キャッシュレスを実現したフィットネスジムです。ユーザーはスマホだけで入退室から決済まで完結でき、事業者はオンライン上で運営管理の大部分を行えます。

一般的な総合型フィットネスクラブとは異なり、マシンを活用したセルフトレーニングに特化している点も特徴です。省スペースで運営できるため、比較的多くの会員を確保しやすいというメリットがあります。

人件費を抑えることで24時間・年中無休の営業を実現しやすく、利用者は自分のライフスタイルに合わせて好きな時間にトレーニングが可能です。

コロナ禍以降の非対面ニーズや健康志向の高まり、そして人目を気にせず運動したい層の増加により、無人ジムは大きな注目を集めています。

無人ジムの提供価値を事業者側・ユーザー側で整理

無人ジムには、従来の有人ジムと比べて**事業者側・ユーザー側双方に多くのメリットがあります。

【事業者側のメリット】

  • 人件費を削減:スタッフ常駐が不要なため、大幅なコストダウンが可能
  • 24時間営業による集客力向上:利用時間に制限がなく、幅広い層を取り込める
  • 運営の自動化・効率化:入退室や決済などをシステム化し、運営業務を大幅に簡素化

【ユーザー側のメリット】

  • 24時間365日いつでも利用可能:早朝・深夜など、自分の都合に合わせて通える
  • 人との接触が少なく気楽:スタッフや他の利用者と距離を取りやすい環境
  • 自分のペースで集中できる:他人の目を気にせず、トレーニングに専念できる
  • 低価格で利用できる:人件費削減分を料金に還元し、リーズナブルに利用可能
  • オンラインで手続き完結:入会から退会までスマホでスムーズに行える

無人ジムの運営に必要な認証システムや各種管理システム

無人ジムを運営するには、入退室を管理する認証システムに加えて、クラウド型の各種管理システムを活用する必要があります。

具体的には、認証システムと連携させる鍵管理システムや、会員・予約・決済を一元管理するシステムなどです。

ここでは、遠隔管理に欠かせない主要システムの概要を紹介します。

入退室を管理する認証システム

無人ジムでは、不正入室を防ぐために認証システムの導入が不可欠です。施設の入り口にスマートロックやセキュリティゲートを設置し、スマホ認証・ICカード・暗証番号・顔認証などによって本人確認を行い、許可されたユーザーのみが入室できるようにします。

スマートロックとセキュリティゲートの費用感の違いは、以下の通りです。

  • スマートロック:高機能タイプでも1台あたり10万円前後。ドライバー1本で設置できる機種もあり、工事費を抑えられる
  • セキュリティゲート:本体と設置工事を含めると数十万〜数百万円

低コストを重視する場合はスマートロックの導入がおすすめです。穴開け不要の後付けタイプを選べば、賃貸物件でも原状回復の心配がありません。

【関連記事:スマートロックとは?導入メリット・注意点やおすすめの選び方を解説

認証システムと組み合わせる鍵管理システム

無人ジムでは、利用者に遠隔で認証システムの解錠キー(電子的な合鍵)を配布します。そのため、認証システムと鍵管理システムの連携が重要です。

スマートロックには「住宅向け」と「オフィス・店舗向け」があり、用途に応じて機能が異なります。

本体価格1万円前後の安価なスマートロックは住宅向けが中心で、簡易的な管理機能しか備えていない場合があります。例えば「合鍵の共有時間を設定できない」「共有できる人数に制限がある」といった制約があり、無人ジムの運営には不向きなケースも少なくありません。

一方、オフィス・店舗向けのスマートロックは、多数のユーザーが出入りする環境を想定して設計されています。特定のユーザーに特定の期間だけ利用可能な解錠キーを発行するなど、設定や管理の柔軟性が高く、無人ジムのような遠隔運営に適しています。

【関連記事:スマートロックのデメリットは?メリットを生かす管理機能と機種選び

会員・予約を管理するシステム

会員登録や予約を受け付け・管理するシステムも必要です。鍵管理システムと一体型のものもあれば、APIを通じて連携できるものもあります。LINEアプリと連携できるシステムなら、会員に予約内容やお得なキャンペーン情報を通知するなど、コミュニケーション課題の解決にも役立ちます。

また、システムで設定できる内容によって、ドロップイン(都度払い)形式と通い放題(月額定額)形式、どちらに対応できるかも変わってきます。無人ジム入り口だけでなく、個室の利用管理が必要な施設形態もあるでしょう。施設の運用ニーズに応じて、必要な設定ができるシステムを選ぶことが大切です。

決済・売り上げ管理のシステム

無人ジムの利用料金については、遠隔で授受するのが利用者・運営サイド両方にとって利便性の高い方法です。オンラインでセキュアなクレジットカード決済ができるシステムを導入すると、事前予約に対応しやすくなり、レジ対応のために常駐スタッフを配置する必要もなくなります。

システムによっては予約・決済・時限キー配布までを自動化でき、未払いを防止しつつ、サービス向上と業務効率化を両立できます。また、全店舗の売り上げを1か所で管理できるシステムなら、将来的な多店舗展開にも対応しやすくなります。

施設内の状況を遠隔管理するシステム

各種IoT機器と連携して、施設内の状況を遠隔管理する仕組みも重要です。IPカメラ(ネットワークカメラ)・センサー・家電コントローラーなどは、それぞれ個別に運用することもできますが、鍵管理システムなどと連携することもできます。特に入室状況のリアルタイムな遠隔監視は、共連れ・すれ違いなどによる不正入室を防止するために重要です。

常駐スタッフを配置することなく、施設の状況をリアルタイムに把握することで、清掃・備品補充・保安対応など、施設運営に必要な打ち手をスピーディかつ適切に判断しやすくなります。

無人ジムを低コストかつ効率的に運営するシステム導入ならイッツコム!

イッツコムは、無人ジムの効率的な運営に役立つシステムを提供しています。「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」はLINEアプリだけでドロップイン利用が完結するシステムで、「Connected Portal(コネクティッドポータル)」は「通い放題」のプランにも会員個別の設定にも対応できます。

LINEアプリだけでドロップイン利用が完結する「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」

ドロップイン形式の無人ジムを運営するうえで、ユーザーにとってスマホ1つで利用が完結する手軽さは重要です。スマートロックと各種管理システムを連携させるケースもありますが、一般的なスマホ認証サービスでは専用アプリのダウンロードや複数デバイスの連携が必要となる場合があります。

より利便性の高い仕組みを求めるなら、LINEアプリだけで予約・決済・スマートロック解錠まで完結できる「Connected Space Share(コネクティッドスペースシェア)」がおすすめです。利用時は無人ジムのLINE公式アカウントを友だち登録するだけで、アプリの追加インストールなしにスムーズにセルフトレーニングを楽しめます。

CSSは事業者側の管理効率にも優れています。ユーザーが予約・決済操作を行うと、クレジットカード決済(Stripe)によって安全に料金が処理され、自動的に時限キーが発行されます。全物件の予約状況・売り上げ・ライブ映像などは専用ダッシュボード(Webページ)で一元管理が可能。清掃など運営上必要な予約も同一システムで完結でき、シンプルな構成で無人ジム運営を効率化できます。

「通い放題」にも会員個別の設定にも対応できる「Connected Portal(コネクティッドポータル)」

会員制の無人ジムを運営する場合は、会員ごとに解錠キーの利用範囲や期間を柔軟に設定できるシステムが必要です。こうしたニーズに対応するのが「Connected Portal(コネクティッドポータル)」です。特定ユーザーに特定期間のみ使用可能な時限キーを配布・管理でき、「通い放題」プランのほか、利用可能な曜日・時間帯を限定したプラン、個室利用の有無を設定したプランにも対応できます。

連携するスマートロックはICカード・暗証番号による認証方式を使い分けられ、緊急時の遠隔解錠にも対応。さらにIPカメラ・センサー・家電コントローラーなどのIoT機器とも連携でき、鍵と連動した動画記録や空調制御など、施設管理の自動化を実現します。

また、PMS(ホテル管理システム)とのAPI連携にも対応しており、予約から時限キー発行までを自動化できます。これにより、高いセキュリティを維持しつつ、サービス品質の向上と人件費削減を両立できます。

まとめ

24時間営業の無人ジムの利用ニーズ拡大を背景に、フィットネスクラブ市場は過去最高を上回る規模へと成長しています。遊休不動産や空きスペースの有効活用策としても、無人ジム経営は有力な選択肢の1つです。

法人向けに最適化されたスマートロックと各種管理システムを組み合わせることで、低コストかつ安全で効率的な遠隔管理を実現できます。無人ジム経営に必要な環境整備を検討されている方は、ニーズに合ったシンプルなシステム構成を提案できるイッツコムへご相談ください。