クラウド移行にかかる費用はどのくらい?費用削減のコツも紹介
目次
自社で運用するオンプレミス環境から、クラウドへの移行を検討する企業は多いでしょう。しかし、クラウド移行には手間と費用がかかるため、「予算をオーバーするのではないか」と不安を感じることもあるようです。
そこで本記事では、クラウド移行にかかる費用が気になる方向けに、相場と内訳の情報をまとめました。この記事を読めば、クラウド移行するメリットや、費用を削減するコツもチェックできます。クラウド移行を検討しているのであれば、ぜひ参考にしてください。
クラウド移行にかかる費用の相場

クラウド移行にかかる費用は、大きく分けると導入時にのみ発生する初期費用と、サービスを利用している間、継続的に発生する月額費用の2つに分類されます。
それぞれ費用相場が異なるため、大体どのくらいのコストがかかるのか、項目ごとにチェックしておきましょう。
クラウド移行の初期費用
クラウド移行とは、自社でサーバやストレージ、ソフトウェアなどを構築するオンプレミス環境から、外部サーバにアクセスしてデータをやり取りするクラウド環境に移行する作業のことです。
環境が大きく異なるオンプレミスとクラウド間の移行には、新たなアカウントの設定やデータのバックアップ、リカバリ、ネットワーク設定などが必要になるため、導入時は相応の費用がかかります。
自社にサーバなどのハードウェアを設置する必要はないため、オンプレミスに比べると初期費用は比較的安く抑えられます。それでも10万円~100万円程度の費用はかかると考えておいた方が良いでしょう。
ただし、これは比較的小規模なシステムのデータ移行を想定した目安です。移行するシステムの規模や複雑さによっては、数百万単位の費用がかかるケースも少なくありません。
クラウド利用の月額費用
クラウドの初期費用は、文字通り導入の初めにしかかかりませんが、クラウドサービスを利用し続けるには毎月利用料金を支払う必要があります。
クラウドの月額費用は、プランに応じて毎月一定の料金を支払う月額制と、ストレージ容量や接続端末数、利用時間などに応じて料金が発生する従量課金制の2つに区分されます。使用量に応じて料金を支払う従量課金制は、データ容量が少ない場合は無駄のない料金体系です。しかし、頻繁に利用する場合は月額固定制の方が、コストパフォーマンスが良いかもしれません。
いずれの場合も、月額費用は会社の規模やユーザー数などによって異なります。小規模な会社であれば月額5,000円~3万円程度、中小企業であれば月額3万円~10万円程度がおおよその相場です。
ただし、利用状況やオプションの有無によっても金額は大きく変わります。詳しい費用を知りたい場合は、ベンダーに問い合わせましょう。
関連記事:どんなクラウドストレージがおすすめ?選定のポイントはここ!
クラウド移行にかかる費用の内訳

クラウド移行にかかる費用は複数の内訳によって構成されています。具体的な費用項目は以下の通りです。
- 導入費用
- オプション料金
- ライセンス費用
- 人件費
- 通信費
このうち導入費用やオプション料金、ライセンス料金は、初期費用・月額費用に含まれますが、人件費と通信費は別途発生します。そのため、クラウド移行の予算を立てるときはベンダーに支払う費用だけでなく、人件費や通信費なども合わせて計算することが大切です。
ここからは、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
導入費用
導入費用とは、クラウド環境を導入するためにかかる費用全般のことです。具体的には、アカウントやシステムの設定、ネットワーク設定、セキュリティ対策、システムのカスタマイズなどに関する費用がこれに該当します。
前述した通り、クラウドはハードウェアの設置などが不要のため、オンプレミスに比べると導入費用は安く済みます。しかし、システムの設定が複雑な場合や、自社のセキュリティポリシーに合わせて追加の対策を講じたりする場合は、導入費用がかさむこともあるのです。また、カスタマイズの有無や内容も導入費用を左右するポイントになります。
オプション料金
基本のプラン内容に、任意でオプションサービスを付加した場合は、基本料金にオプション料金が上乗せされます。オプションサービスの内容はベンダーによって異なりますが、代表的な例にサーバやセキュリティ対策の強化、監視や運用の代行サービスなどが挙げられます。
オプションを付加すれば、自社の目的や課題に合うクラウドサービスの提供を受けることが可能です。しかし、オプションを付ければ付けるほど料金がかさみ、予算オーバーする可能性があるため、注意が必要です。
ライセンス費用
ライセンス費用とは、クラウドサービスを利用する権利(ライセンス)にかかる費用のことです。
ライセンスには、1契約ごとにかかる基本ライセンスと、ユーザーに割り当てられたライセンスにかかるユーザーライセンスの2つに分かれます。基本ライセンスは契約ごとに発生する料金で、毎月一律です。ユーザーライセンスは、利用するメンバーの増減によって左右されます。
ユーザーライセンスについては◯人まで◯円と設定しているところもあれば、ユーザー1名につき◯円としているところもあります。ただし、前者であっても上限を超えてメンバーを追加する場合は1名ごとの料金が上乗せされるのが一般的です。
人件費
システムを適切に運用するためには、クラウドサービスに精通した人材が必要です。自社に専門的な知識や技術を備えた人材がいない場合は、IT関連の知識に詳しい人材を募集したり、自社の従業員を育成・教育したりする費用がかかります。
なお、システムの運用はアウトソーシングすることも可能です。しかし、その場合は別途費用が必要になる他、自社でクラウドシステム運用のノウハウを蓄積できない、情報漏洩のリスクがあるといったデメリットも生じるため、慎重に検討しましょう。
通信費
クラウドサービスはインターネット上で利用するサービスのため、インターネット回線使用料やプロバイダー料金、データ通信料といった通信費が発生します。
クラウドサービスを利用するとデータ通信量が大幅に増えるため、場合によっては、より通信速度が速いインターネットサービスへの乗り換えが必要になるかもしれません。その場合は毎月のデータ通信量や予算などを基に、自社に適したサービスを選択しましょう。
加えて、クラウドサービスによっては、クラウドから外部へデータを転送する量に応じて「データ転送料金」が別途発生する場合があるため、注意が必要です。
関連記事:クラウドサービスとは?種類・例・メリットや活用のポイントを解説
費用をかけてクラウド移行するメリット

オンプレミスからクラウドへの移行には相応の費用がかかりますが、さまざまなメリットもあります。特にオンプレミスの運用に伴うコストや業務負担に課題を抱えている場合、クラウド移行すれば悩みを解決できる可能性が高いでしょう。
ここでは、クラウド移行した場合に期待できる主なメリットを4つご紹介します。
コスト削減を図れる
オンプレミスの場合、自社にサーバや周辺機器を設置するため、ハードウェアの購入費や買い替え費がかかります。また、サーバを運用・保守するための人材を新たに募集したり、教育したりする必要があり、人件費も発生します。
クラウドの場合は外部のサーバを利用するため、自社用のハードウェアや周辺機器を導入する必要がありません。そのため、導入費や買い替え費を大幅に節約できるところは大きな利点でしょう。また、サーバの保守やセキュリティの構築などもベンダー側が行ってくれるため、人件費の削減にもつながります。
保守・運用の負担を軽減できる
オンプレミスの保守・運用は全て自社で負担しなければならないため、ITに精通した人材が必要不可欠です。特にシステム障害や災害などによってサーバダウンやシステムトラブルが発生した場合、自社で復旧させなければならず、場合によっては事業が停滞する可能性があります。
その点、クラウドはサーバの運用やバックアップなどをベンダーが行ってくれるため、保守・運用の負担を大幅に軽減できます。ベンダーによっては監視や運用のサポートサービスを行っているところもあり、より業務の効率化を図れるでしょう。
拡張しやすい
クラウドは必要に応じて拡張やカスタマイズをしやすいところも、魅力の一つです。オンプレミスの場合、ストレージを増加させるにはハードウェアの買い替えや増設が必要となるため、手間やコストがかかるところがネックでした。
一方、クラウドはプラン内容を見直したり、オプションを追加したりするだけで簡単に拡張することが可能です。
プランの見直しは随時行えるため、増設した後も、利用頻度や事業規模に合わせて再び元のリソースに戻せます。必要なときに必要なだけ拡張・縮小できる手軽さはクラウドならではの利点でしょう。
セキュリティ対策を強化できる
近年のクラウドサービスは、サイバー攻撃などに備えてセキュリティ対策を強化しています。データの暗号化はもちろん、ベンダーによってはセキュリティルールをカスタマイズできる機能や、独自のWeb改ざん検知エンジンを採用しているところもあります。
オンプレミスではシステムの更新や見直しは自社で行わなければならないため、最新のセキュリティ対策を講じたクラウドに移行した方が、セキュリティを強化できる場合もあるでしょう。
なお、セキュリティレベルはベンダーによって異なるため、対策を強化したい場合はサービスを慎重に比較検討する必要があります。
クラウド移行の費用を削減するコツ

クラウド移行の費用を削減するには、以下の3つのポイントを意識することが大切です。
必要な機能を明確にしておく
クラウドサービスの費用は、基本的に機能の多さに比例します。多機能なサービスを利用すればできることは増えますが、自社の目的やニーズに合わない機能が付いていても宝の持ち腐れになりがちです。
クラウド移行の費用を節約したいのであれば、あらかじめ自社の課題解決に必要な機能を洗い出し、条件を満たすサービスの中からできるだけシンプルなものを選ぶと良いでしょう。特にオプションに関しては、基本料金に上乗せして請求されるため、本当に付加する必要があるかどうか慎重に検討しましょう。
予算を確保する
クラウド移行の費用を抑えたいのであれば、あらかじめ必要な予算を設定・確保しておくことも重要なポイントです。予算を決めずにクラウドサービスを選ぶと、「思った以上にコストの負担が大きい」「費用に見合った効果を感じない」といった問題が発生する恐れがあります。
あらかじめ予算を決めておけば、決められた範囲内でサービスを選定したり、オプションを付加したりできるため、費用対効果が下がるリスクを減らせるでしょう。
なお、予算は初期費用や月額費用だけでなく、人件費や通信費なども含めてトータルで計算することが大切です。
使用状況に合わせて変更する
クラウド移行後は、定期的に使用状況や導入による効果をチェックし、必要に応じてプランの見直しを行いましょう。例えば、導入当初に設定したストレージ容量にかなりの余裕があった場合、容量を一段階下げればコストカットにつながります。
ただし、時期によって使用するデータ容量に大幅な差が出る場合、ある程度ストレージ容量に余裕を持たせておかないと、繁忙期に容量不足に陥る可能性があります。そのため、必要なストレージ容量は一年を通して大幅な過不足が生じないように調整しましょう。
クラウド移行の費用を抑えるならイッツコムの「Box」がおすすめ!

費用を抑えながらクラウド移行を実現したいのであれば、イッツコムが提供する「Box」の利用がおすすめです。法人向けのBoxは3つのプランをラインナップしていますが、どのプランもストレージ容量は無制限。大容量ファイルを使用でき、オンプレミス環境からのデータ移行をしやすいところも魅力です。
月額料金は1ユーザーごとの固定制で、利用者数は5名から無制限に追加できます。事業の拡大にも柔軟に対応できるカスタマイズ性の高さが特徴です。なお、いずれのプランを選んでも、140種類を超えるファイル形式をブラウザ表示できる機能や、フォルダ・案件単位でのアクセス権限設定といった機能が利用できます。
オンプレミスからのクラウド移行を検討するのであれば、イッツコムのBoxをぜひご検討ください。
まとめ
オンプレミスからのクラウド移行には、導入時のみ必要な初期費用と、毎月発生する月額費用がかかります。また、クラウドを運用する人材を募集・教育するための人件費や、必要なインターネット環境を整備するための通信費も発生します。予算を立てる際は、全ての費用を合算して検討することが大切です。
クラウド移行費用をなるべく抑えたい場合は、必要な機能のみ選定する、導入後も必要に応じてプランを見直すなどの工夫を取り入れると良いでしょう。
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