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光回線の導入にはLANが不可欠!利用シーンごとにLANの役割をチェックしよう

ADSLから光回線に乗り換え、ビジネスの加速を狙う企業が増えています。通信速度や接続方法に不満を抱えていて、インターネット回線やLAN環境の改善を検討している方もいるのではないでしょうか。

光回線の仕組みや導入工事、効率的なLAN環境の構築方法を知ることで、ビジネスに最適な通信環境が構築できます。無線LAN接続も活用して、通信環境の課題を解決しましょう。そこでこの記事では、光回線の導入工事やLAN環境の構築方法、企業が光回線を導入する際のポイントについて紹介します。

光回線とLANは用途も仕組みも別物

「LAN(Local Area Network)」は、デバイス(PCやスマートフォンなどの情報端末およびPC周辺機器)とネットワーク機器(ハブやルーター)を接続し、家庭内や社内で構築するネットワークです。LANケーブルで接続する「有線LAN」と、Wi-Fi接続する「無線LAN」があります。

光回線は、通信事業者が敷設する光ファイバーケーブル網を利用して、インターネット接続をするための回線です。電柱から屋内に光ファイバーケーブルを引き込み、「ONU(光回線終端装置)」で光信号と電気信号を変換して、LAN内のデバイスと通信します。屋内でLANを構築し、光回線を経由してインターネットに接続する仕組みです。

【LAN利用シーン1】光回線の導入工事

オフィスで光回線を利用するには、まず光ファイバーケーブルを建物に引き込むことが必要です。導入工事は回線事業者に依頼しますが、自社のケースではどのような工事になるのでしょうか。一般的な導入工事の流れや、配線方法は建物によって異なることを解説します。

LAN工事の流れ

建物に光ファイバーケーブルを引き込む場合、LAN工事の一般的な流れは以下の通りです。建物によって流れは多少異なりますが、大きな違いはありません。

・電柱から光ファイバーケーブルを建物に引き込む
・電話線の配管やエアコンのダクトから、光ファイバーケーブルを屋内に引き込む
・「光コンセント」とONUを光ファイバーケーブルで接続する
・ONUとLAN内の機器をLANケーブルやWi-Fiで接続する
・ルーターとデバイスの初期設定をする

光コンセントは光回線の末端に当たり、光ファイバーケーブル同士を接続するための差込口です。光コンセントとONUは光ファイバーケーブルで接続し、ONUとルーターはLANケーブルで接続します。光コンセントやONUの設置までは工事業者が行い、LANの接続や設定はユーザー自身で行うのが一般的です。

建物の構造で異なる配線方法

建物が戸建てなら、電柱から屋内まで光ファイバーケーブルを直接引き込むのが一般的です。マンションやビルなら、まず電柱から棟内共用スペース(MDF室)に光ファイバーケーブルを引き込み、回線を分岐して各戸・各テナントに配線します。建物内で回線を分岐する配線方法は、以下の3種類です。

・光配線方式
・LAN配線方式
・VDSL方式

棟内共用スペースから各戸・各テナントまで、光配線方式は光ファイバーケーブルを配線します。LAN配線方式はLANケーブル、VDSL方式は電話用ケーブルを配線するので、光配線方式より回線速度が遅くなるのはネックです。どの配線方式になるかは、建物の規模や配管の仕様によって異なります。

工事が必要ない場合もある

比較的新しいアパートやマンションは、入居時点で光回線が配線済みのケースもあります。光ファイバーケーブルが建物に引き込まれており、配線も完了しているなら、配線工事も立ち合いも必要ありません。この場合、プロバイダからONUや「VDSL宅内装置」を受け取り、ユーザーがLANの接続・設定をすれば光回線を利用できます。

光回線のLAN工事を依頼するときの注意点

光回線が一般化するまで、インターネット回線の主流はADSLでした。回線事業者は光ファイバーケーブル網のエリアを拡大中で、全国的に光回線への切り替えが進んでいる状況です。工事の着手まで待たされるケースがあることや、まだ光回線を利用できないエリアがあることを解説します。

工事が遅くなる可能性がある

ADSLのサービス終了を発表する事業者が増えており、現在はADSLに代わって光回線が主流です。ADSL回線から光回線へ乗り換えたり、新築物件に光回線を導入したりするケースが増えています。

光回線の工事件数は多いので、申し込みから着工まで1か月程度待たされるケースも珍しくありません。あらかじめ工事の日程を決めておき、早めに工事を予約することが大切です。

光回線が利用できない可能性がある

大都市圏は複数の回線事業者が光ファイバーケーブル網を構築していますが、地方都市や山間部は未対応というケースもあります。

回線事業者が光ファイバーケーブルを敷設していないエリアは、屋内に回線を引き込めないので、光回線を利用できません。自社が光回線のサービスエリア内にあるかどうかを、事前に確認することが必要です。

【LAN利用シーン2】光回線と端末をつなぐ

光配線方式を採用した建物は、屋内に光コンセントがあります。光コンセントとONUを光ファイバーケーブルで接続すると、ONUで光信号と電気信号が変換できる仕組みです。有線LAN環境と無線LAN環境の構築方法やメリット・デメリットを解説します。

ONUとデバイスをつなぐ有線LAN環境

ONUにはLANポートがあるので、ONUとデバイスをLANケーブルでつなぐとインターネットに接続できます。ただし、一般的にONUのLANポートはひとつだけです。

2台以上のデバイスを同時接続したいなら、ONU・ルーター間とルーター・デバイス間をLANケーブルで接続すると、有線LAN環境を構築できます。有線LANのメリットは、電波干渉を受けにくく、安定して通信できることです。距離の影響も受けにくいので、広いオフィス内でも快適な通信速度が得られます。

ただし、LANケーブルの規格が古かったり劣化していたりすると、通信速度が遅くなることに注意しましょう。LANケーブルの取り回しが面倒なこともデメリットといえます。

ONUとルーターをつなぐ無線LAN環境

ONUとWi-FiルーターをLANケーブルで接続すると、無線LAN環境が構築できます。ONUがWi-Fiルーター機能を搭載していれば、別途Wi-Fiルーターを用意する必要はありません。

無線LAN環境の大きなメリットは、スマートフォンやタブレットといった、LANポートがないデバイスでも接続できることです。面倒なLANケーブルの取り回しも必要ありません。

ただし、Wi-Fiルーターからデバイスまでの距離が遠いと、接続が不安定になるケースもあります。電波干渉を受けやすく、有線LANより通信速度が遅くなりやすいこともデメリットです。

機器をつなぐLANケーブルの選び方

LANケーブルには複数の規格があり、古い規格だと光回線の通信速度を生かせないケースがあります。また、固いLANケーブルを選ぶと曲げにくく、取り回しが不便になる点にも注意が必要です。有線LAN環境に不可欠なLANケーブルの選び方を、通信速度や素材・形状の違いにフォーカスして解説します。

1.通信速度で選ぶ

LANケーブルは、「カテゴリ」という規格で通信速度や伝送可能な信号の周波数が定められています。カテゴリの数字が大きいほど通信速度や周波数の数値も大きく、高速な通信ができるLANケーブルです。

例えば、「カテゴリ5」の通信速度・周波数は100Mbps(メガビーピーエス)・100MHz(メガヘルツ)で、高速ではありません。一般的に、法人向け光回線の最大通信速度は1Gbps(ギガビーピーエス)です。

「カテゴリ5e」は1Gbps・100MHz、「カテゴリ6」は1Gbps・250MHzなので、光回線に適合します。光回線を利用するなら、カテゴリ5e以上のLANケーブルを選びましょう。

2.ケーブルの素材や形状で選ぶ

LANケーブルは、「シールド加工」によって電磁ノイズに対する強さが変わり、形状や素材によって取り回しのしやすさが異なります。シールド加工や形状・素材による分類は以下の通りです。

UTPケーブル(Unshielded Twisted Pair cable)より合わせた金属線を束ねた基本的なケーブルで、シールド加工がなく安価対処法
STPケーブル(Shielded Twisted Pair cable)より合わせた金属線の束をシールド加工したケーブルで、電磁ノイズに強く高価別のブラウザで再度アクセスする
Cookieやキャッシュを削除する
2重シールドケーブル金属線のペアと束にケーブル加工を施したケーブルで、STPケーブルより電磁ノイズに強いパスワードやIDを正しく入力する
閲覧権限の有無を確認する
PoE対応LANケーブルPoE(Power over Ethernet)規格に対応した機器を、通信しながら給電できる時間を空けて再度アクセスする(大量のアクセスからWebページがダウンしている場合)
フラットLANケーブルケーブルが薄くフラットで、ドアの隙間やカーペットの下を通せるURLを確認する
高屈曲LANケーブル曲げても断線しにくく、狭い空間の取り回しや、角の回り込みに便利別のWebページにアクセスできるか確認する
ネットワーク状況を確認する
屋外用LANケーブル防水性が高い素材で2重構造化し、屋外でも配線できる

企業が光回線を導入するときのポイント


光回線を導入し、有線LAN・無線LANを組み合わせることで、快適な通信環境が得られます。ただし、導入前には回線工事や配線、サービスの選定やセキュリティ対策を検討することが大切です。光回線の導入効果を最大化するために、あらかじめチェック・計画しておきたいことを解説します。

LAN工事できる建物かどうかチェックする

建物の構造や配管に問題があったり、回線事業者のサービスエリア外だったりすると、回線工事ができないケースもあります。すでに光回線が開通済みなら工事は必要ありません。また、賃貸物件で回線工事をするには、管理会社や大家の許可が必要です。工事ができるかどうかや必要かどうかをチェックし、事前に工事の許可も得ておきましょう。

オフィスのレイアウトに合った配線にする

光コンセントはどこに設置するか、LANケーブルはどのように配線するかといった、オフィスのレイアウトに合った配線を検討することも大切です。ルーターからデバイスまでの距離は、LANケーブルの取り回しや同時接続数に影響します。無線LAN環境を構築するかどうかも踏まえて、工事業者と配線方法の打ち合わせをしましょう。

業務に支障がない通信環境にする

光回線はプロバイダによってプランが異なり、通信速度や通信制限といった条件に違いがあります。法人向けの光回線は、最大通信速度1Gbpsという設定が一般的です。

ADSLに比べて高速ですが、業務内容や用途によっては通信速度に不満を感じるケースもあるでしょう。カタログスペックとしての最大通信速度はあくまで理論値で、実際の通信速度は1Gbpsを大きく下回るケースもあります。

プロバイダによっては最大通信速度2Gbps以上のプランを提供しているので、通信速度に不安があるなら高速なプランを選択しましょう。

一般的なプランは「定額の月額料金で使い放題」という設定ですが、1日の通信量に制限を設けているケースもあります。ビジネスで利用するなら、通信量の制限がないプランを選択するのがおすすめです。「IPv6(IPoE)」に対応しているなら、従来の接続方式より高速なインターネット通信ができます。

セキュリティ対策を考える

光回線の大きな魅力は通信速度の速さです。しかし、安定した通信速度が発揮できなかったり、不正アクセスの被害に遭ったりするケースも考えられます。ビジネスで利用するには、通信の安定性やセキュリティも重視しましょう。

閉域網を利用するプランなら、通信環境が安定する上、セキュリティリスクを抑えられます。また、VPN環境を構築することで、離れた拠点間で高セキュアな通信も可能です。

豊富な回線メニューから選べるのはイッツコム

イッツコムでは、「専用線インターネット接続サービス」「イッツコム光接続サービス」「フレッツ光接続サービス」という3種類の光回線サービスが選択できます。「かんたんWi-Fiサービス」による無線LAN環境の構築も可能です。それぞれのサービスの特徴やメリットを解説します。

IP接続で高速・高セキュア「専用線インターネット接続サービス」

「専用線インターネット接続サービス」は、イッツコムのアクセスポイントから光ファイバー専用回線を敷設し、社内LAN環境とIP接続をするサービスです。

複数の加入者でシェアしない専用線なので、高速かつ安定した接続環境が得られます。また、イッツコム自営の閉域網からインターネットに接続するため、セキュリティリスクを抑えられることも利点です。

安定した通信環境が魅力「イッツコム光接続サービス」

「イッツコム光接続サービス」は、下り最大2Gbps・上り最大1Gbpsの高速な通信速度や、独自のFTTH回線網による安定した通信環境が魅力です。

プロバイダサービスも一括で提供するので、問い合わせ窓口を一本化でき、トラブルが起こってもスピーディーに解決できます。ONUはWi-Fiルーター機能を標準搭載し、無線LAN環境が簡単に構築できるのもメリットです。

NTT東日本のプラン適応「フレッツ光接続サービス」

「フレッツ光接続サービス」は、NTT東日本が提供する光ファイバーケーブル網を利用し、「フレッツ光」の各種サービスに対応する光回線です。例えば、「光ネクスト ビジネス」や「光回線ネクスト プライオ10」といったサービスに対応します。オプションサービスの「IPアドレスアップグレード」を利用すれば、IPアドレスの追加も可能です。

かんたんWi-Fiサービスもある!

「かんたんWi-Fiサービス」は、既存のインターネット回線を利用して、簡単にWi-Fi環境を構築できます。1台のWi-Fiアクセスポイント装置で、来館者用と業務用の両方に対応できるのも魅力です。来館者向けとしても、小規模事務所やシェアオフィスのWi-Fi環境としても利用できます。

まとめ


光回線をオフィスに導入するなら、社内LAN環境の構築もしっかり検討することが大切です。有線LAN接続なら、LANケーブルの選択や取り回しを工事前に検討しましょう。無線LAN接続と組み合わせれば、マルチデバイス対応のLAN環境が構築できます。

イッツコムの法人向け光回線は、高速かつ安定した接続環境を得られるのが魅力です。自社のビジネスに最適な光回線を選択して、効率的な社内LAN環境を構築しましょう。法人向け光回線の導入をお求めなら、イッツコムをご利用ください。