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テレワーク導入企業に最適なWi-Fiは?整備のコツやサービス選び

テレワークと出社を組み合わせたハイブリッドワークやフリーアドレスを取り入れ、各種クラウドサービスを活用した柔軟な働き方を採用している企業も多いでしょう。

テレワーク導入企業はWi-Fi環境の整備が必須です。Wi-Fi経由でスムーズに各種サービスを利用できるように、Wi-Fi親機の機種・配置やインターネット回線を見直し、同時接続台数や通信帯域に余裕のあるネットワーク環境を整備しましょう。

そこでこの記事では、テレワーク導入企業にWi-Fi環境整備が必要な理由、Wi-Fiサービス選びのポイントについて解説します。

テレワークの概要と種類

テレワークとは、出社せずに自宅やカフェなどオフィス以外の場所で仕事をする勤務形態です。家庭の事情にも合わせやすいため、子育て中の方や介護が必要な方も、比較的柔軟に働けます。会社側にとっても、従業員の交通費やオフィスコストを抑えられるというメリットがあり、コロナ禍が落ち着いてからも多くの企業で活用されています。テレワークの場所は、主に以下の3通りです。

1.自宅勤務
2.サテライトオフィス(レンタルオフィスやコワーキングスペース)
3.モバイルワーク(カフェや出張先など働く場所を選ばない)

テレワークと一口にいっても、働く場所の候補は複数あります。働く環境によって企業がどのようなWi-Fiを用意すべきか、従業員がどのWi-Fiを準備する必要があるのかといったことが左右されるので、まずはテレワークのスタイルを決定することが最優先となるでしょう。

テレワークのWi-Fi利用形態の種類

テレワークでPCやスマホからWi-Fiを利用する際、Wi-FiルーターやモバイルWi-Fiルーター、ホームルーターと無線接続することが一般的です。Wi-Fiはインターネット回線とセットで利用するため、Wi-Fiルーターは光回線、モバイルWi-FiルーターやホームルーターはデータSIMと組み合わせます。ここでは、テレワークの主なWi-Fi利用形態を見ていきましょう。

光回線+Wi-Fiルーター

テレワーク環境の最も一般的なWi-Fi接続の方法は、固定回線としてオフィスや自宅に光回線を引き、据え置き型のWi-Fiルーターを経由してPCやスマホを無線接続及びインターネット接続するものです。

インターネット回線は高速な光回線なので、安定した通信環境が得られます。また固定の月額料金で利用でき、通信容量に制限はありません。「大容量のデータ通信にはWi-Fi接続が必須」「スマホでWi-Fi接続するとデータ通信料がかからない」と言われるのはこの仕組みによります。

データSIM+モバイルWi-Fiルーター

テレワーク環境ではデータSIMとモバイルWi-Fiルーターの組み合わせもよく利用されます。モバイルWi-Fiルーターとは、移動体無線通信機能とWi-Fi通信機能がセットになった小型のWi-Fi機器です。

5Gや4G LTEなどの移動体無線通信でインターネット接続し、モバイルWi-FiルーターとスマホやPCはWi-Fi接続します。「SIMフリー」のモバイルWi-Fiルーターなら、好きな通信事業者のデータSIMでインターネット通信が可能です。室内で簡易的なWi-Fi機器として利用できる他、小型で持ち運びしやすく、出先の営業パーソンなどにもよく利用されます。

データSIM+ホームルーター

自宅で手軽にWi-Fi接続する方法としては、データSIMとホームルーターの組み合わせもあります。ホームルーターとは、モバイルWi-Fiルーターを据え置き型にしたような通信機器です。Wi-Fiルーターと同様のWi-Fi通信機能がありつつ、光回線などの固定回線ではなく5Gなどの移動体無線通信でインターネット接続します。

電源ケーブルを接続するだけで利用でき、設置に当たり工事は不要です。ただし通信の速度や安定性は光回線とWi-Fiルーターの組み合わせには劣り、モバイルWi-Fiルーターのような持ち運びはできません。

オフィスにWi-Fi導入が必要な理由は?環境整備のポイント

Wi-Fiは家庭用Wi-Fiルーター1台を設置すれば利用できますが、これだけではオフィスのWi-Fi環境としては不十分であることが多いでしょう。アクセス履歴の管理やハイブリッドワーク・フリーアドレスへの対応、安定した多台数接続ができるWi-Fi親機の増設などが求められます。

クラウドサービスへのアクセス履歴などを社内ネットワークで管理する

テレワークを導入すると、オフィス勤務者と在宅勤務者の間でWeb会議を行い、クラウドストレージやビジネスチャットを活用してファイル・情報をやりとりするなど、各種クラウドサービスを活用する機会が増えます。業務効率化のためにノートPCやタブレット・スマホを使い分ける従業員も多いでしょう。

オフィス内でインターネット接続をする際、従業員が個人的に契約したモバイルWi-FiルーターやSIMカードを使用すると、企業側でクラウドサービスのアクセス履歴などを管理しにくくなります。クラウドサービスの活用促進やデバイスの多様化に対応するには、企業側が提供するSSIDへ接続するようにルールを設定し、社内ネットワーク内で従業員のWi-Fi利用状況を管理することが大切です。

【関連記事:SSIDとは?調べ方や関連機能、セキュリティ対策まで徹底解説
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ハイブリッドワークやフリーアドレスに対応する

ハイブリッドワークの普及に伴い、出社とテレワークを柔軟に組み合わせる企業が増えています。この流れの中で、コワーキングスペースのようなフリーアドレス対応のオフィスレイアウトに変更する企業も多いでしょう。フリーアドレスを導入することで、プロジェクトメンバーが部署の枠を超えてコミュニケーションを取りやすくなり、自律的な働き方や共創が促進されやすくなります。

従業員が自由に席を選び、スムーズに連携できる環境を整えるには、会議室やフリースペースなど、オフィス内全域で快適なWi-Fi環境を構築することが重要です。これにより、各自のデバイスからどこでもインターネットに接続できる利便性が確保されます。

どこからでも安定した多台数接続を可能にする

オフィスにWi-Fiを導入すると、通信状況や通信品質の悪さが課題として浮上することもあるでしょう。Wi-FiルーターなどWi-Fi親機には、最大同時接続台数や安定して通信可能な範囲など、機能・性能面での制限があります。

安価な家庭用Wi-Fiルーター1台だけでオフィス全域をカバーしようとすると、「フリースペースにチームメンバーが集まると通信が遅延する」「特定の場所で通信状況が悪い」など、さまざまな問題が起こり得ます。

オフィス内のWi-Fi環境整備には、業務用Wi-Fiアクセスポイント(AP)を設置するのがおすすめです。アクセスポイント機能に特化したWi-Fi親機を要所に設置することで、オフィス内のどこからでも安定したWi-Fi接続ができるようになります。

【関連記事:アクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説

通信帯域の圧迫にインターネット回線の増強で対応する

Wi-Fi経由でインターネット接続をする際、最大通信速度はオフィスのインターネット回線のスペックに依存します。クラウドサービスの利活用が活発になると、通信帯域が圧迫され、データのダウンロードやアップロードに遅延が起こりやすくなるでしょう。高性能な業務用Wi-Fiアクセスポイントを設置しても、インターネット回線がスペック不足だと、通信速度の低下により業務の停滞を招く恐れがあります。

解決策としてまず考えられるのは、より高速な光回線サービスへの乗り換えです。既存の光回線はそのままに、2回線目の光回線を導入することもできます。インターネット回線を冗長化すると、負荷分散により通信の安定性が増す他、一方のサービスに障害が発生した際もインターネット接続を継続できるようになります。

【関連記事:インターネット回線の冗長化とは?仕組みや具体的な構成例を一挙解説

テレワークのWi-Fiサービスの比較ポイント

インターネット回線の契約時には、安価なWi-Fiルーターを貸与されることが一般的です。またモバイルWi-Fiルーターやホームルーターも機種によって機能に違いがあります。Wi-Fi機器の通信速度や対応セキュリティ規格、最新のWi-Fi規格「Wi-Fi6」に対応しているかどうか、またサテライトオフィスなどでの利用なら同時接続台数もチェックしましょう。

通信速度が十分であること

テレワークではさまざまなICTツールを活用するため、Wi-Fiの通信速度は業務効率に大きく影響します。通信速度はインターネット回線とWi-Fi通信機能の両方を見て判断しましょう。

例えば光回線のポテンシャルを発揮するためには、比較的新しく高性能なWi-FiルーターやWi-Fiアクセスポイントが必要です。モバイルWi-Fiルーターやホームルーターはインターネット接続機能とWi-Fi通信機能がセットのため、高速通信に対応しているか仕様をしっかりチェックしましょう。

安全なセキュリティ規格に対応していること

Wi-Fiのセキュリティ規格にはWPA・WPA2・WPA3があります。最も安全なものは最新バージョンのWPA3で、WPAの使用は推奨されません。

またWi-Fiの通信データを暗号化する方式にはWEP・TKIP・AESがあります。安全性の高いものはAESで、WEPやTKIPの使用は推奨されません。

Wi-Fi機器によって対応する認証方式や暗号化方式は異なります。データ盗聴などによる情報漏えいリスクを下げるなら、WPA3やAESに対応した機種を選びましょう。

「Wi-Fi6」以降に対応していること

Wi-Fiの規格は数年置きにバージョンアップされています。主流といえるバージョンは、2019年に登場した「Wi-Fi6(IEEE 802.11ax)」です。Wi-Fi6は旧バージョンと比較して非常に高速かつ安定性が高く、さらにWPA3に標準対応するためセキュリティ機能にも優れます。

Wi-Fi6で通信するための必須条件は、Wi-Fiの親機(Wi-Fiルーターや業務用Wi-Fiアクセスポイントなど)と子機(ノートPC・タブレット・スマホなど)の両方がWi-Fi6に対応していることです。

Wi-Fi6は2.4GHz帯と5GHz帯という2種類の周波数帯に対応しており、電波状況に応じて接続先SSIDを簡単に切り替えられます。6GHz帯にも対応する後継規格として「Wi-Fi6E」や「Wi-Fi7」も登場していますが、半導体不足などの背景もあって対応製品の供給・普及はあまり進んでいません。業務用デバイスの対応規格や予算などに応じて、Wi-Fi6以降に対応するWi-Fi親機を選びましょう。

同時接続台数の上限に余裕があること

サテライトオフィスなどの利用で複数台のデバイスをWi-Fi接続したい場合、同時接続台数をチェックすることも重要です。Wi-Fi機器によって同時接続台数の上限は異なります。
一般的なWi-Fi機器は10~20台前後の同時接続に対応しますが、高性能機種なら100台以上の同時接続も可能です。逆に家庭用の安価なWi-Fi機器は5台程度しか接続できない場合もあります。

手持ちのスマホとPCを同時接続するだけで2台、10人なら20台です。人数よりもデバイス数は多くなりがちです。Wi-Fiの利用シーンに合わせ、同時接続台数に余裕のある機種を選びましょう。

オフィスのWi-Fi・インターネット回線をセットでアップグレードするならイッツコム!

イッツコムはWi-Fi6にも対応する高性能APのレンタルサービス「かんたんWi-Fi」や、IPv6 IPoE対応の法人向け独自回線「イッツコム光接続サービス」を提供しており、オフィスのWi-Fi・インターネット回線をセットでアップグレードできます。

「かんたんWi-Fi」の高性能APで手間なくWi-Fi6対応

オフィスのWi-Fi導入に当たり、1台のWi-Fiルーターでは通信可能エリアや同時接続台数などに制限が大きく、Wi-Fi活用が大規模になるほど利便性は低下します。

そこで導入したいのが、Wi-Fiアクセスポイント(AP)を簡単に増設できる「かんたんWi-Fi」です。届いたAPに電源ケーブルとLANケーブルを接続するだけで利用開始でき、好きな場所に高性能なAPを簡単増設できます。利用に当たって面倒な工事や設定は必要ありません。

「ハイエンド6」プランならWi-Fi6に標準対応し、通信速度・安定性・セキュリティも万全です。同時接続台数は100台で、ゲストWi-Fi機能にも対応し、オフィスだけでなく店舗などにも快適なWi-Fi環境を提供できます。

「イッツコム光接続サービス」で通信遅延を起こさない回線整備

AP増設によりオフィス全域でWi-Fi接続ができるようになると、通信帯域の圧迫が懸念されます。インターネット回線の増強にも着手しましょう。

「イッツコム光接続サービス」は、かんたんWi-Fiとの組み合わせに最適な法人向け光回線です。ハイエンド6プランのAPは、Wi-Fi区間の最大通信速度が2.4Gbpsです。イッツコム光接続サービスは下り最大2Gbpsの高速回線のため、高性能APのパフォーマンスを引き出し、快適なWi-Fi環境を構築できます。

新しいインターネット接続方式「IPv6 IPoE」にも標準対応し、夜間・休日などトラフィック集中が起こりやすい時間帯にも、安定した高速通信ができます。

イッツコム自前の光回線網を利用した、プロバイダ・光回線一体型の独自回線サービスであることも特徴です。シンプルなサービス構成で個人向け光回線並みの低コストを実現しており、フレッツ光などと併用した冗長化構成にも最適です。

まとめ

ハイブリッドワークやフリーアドレスを採用する企業は、Wi-Fi環境の整備が必須です。法人向けAPを増設すると、オフィス内のどこからでも安定した多台数接続ができるようになり、従業員向けと来客向けのWi-Fiネットワークを分離させることもできます。

ただしWi-Fi経由のインターネット接続が活発化すると、通信帯域の圧迫により、業務効率が低下する恐れもあります。既存回線を生かして通信帯域を確保するなら、2回線目の光回線を導入することも検討しましょう。オフィスのWi-Fi環境整備をお考えなら、1社でまとめてWi-Fi・光回線の最適化ができるイッツコムにご相談ください。