光回線の工事費用や期間は?工事内容や高コスパな回線選びも徹底解説
目次
オフィス開設や店舗拡大などに伴い、インターネット回線の新規導入や更新が必要になることもあるでしょう。光回線サービスは選択肢が豊富で、契約する回線種別やオプションによって開通工事の費用や期間が変わります。
この記事では、光回線の工事費用・期間の目安や工事の流れ、オフィス・店舗に向いた光回線サービスの選び方を解説します。実用上はWi-Fi接続も含めた通信の安定性や安全性が重要となるため、光回線サービスとWi-Fiサービスの高コスパな組み合わせも検討しましょう。
インターネット回線(光回線)の工事費用・期間に影響する要因
光回線の開通工事を行うのは回線事業者ですが、インターネット接続をするために、別途プロバイダ契約が必要な場合と不要な場合があります。法人向け光回線ならではのサービスを利用するか、物件がビル・マンションか戸建てか、といった条件も工事費用・期間に影響する要因です。
光回線とプロバイダサービスが一括提供されるかどうか
光回線はプロバイダを別途契約する必要があるものと、プロバイダサービスも一括提供されるものがあります。主な光回線サービスは以下3種類です。
- フレッツ光:NTT東日本・NTT西日本が提供する光回線。提携プロバイダを別途契約する
- 光コラボレーションモデル(コラボ光):フレッツ光回線とプロバイダサービスを一括提供する光回線サービス
- 独自回線:電力会社やケーブルテレビ事業者などが本業の設備を生かして提供する、基本的にプロバイダサービスも一括提供となる光回線サービス
光回線サービスの種類や契約内容によって開通工事にかかる期間や費用は異なりますが、期間はおおむね1週間~2か月、初期費用として総額2万円~4万円程度かかるのが相場です。フレッツ光の場合、開通工事の他にプロバイダ契約も必要ですが、インターネット接続サービスの申し込みから利用開始までには数日から1週間程度かかります。
【関連記事:プロバイダとは?契約形態・確認方法・選び方を分かりやすく解説】
個人向け光回線か法人向け光回線か
光回線サービスは個人向けのものと法人向けのものがあり、契約内容によっては工事の費用・期間に違いが生じます。小規模事業者は「個人向け光回線で十分」という場合もありますが、オフィスや店舗への導入なら、通信の安定性やサポート内容で有利な法人向け光回線がおすすめです。
法人向け光回線は、「複数店舗や社宅へ同じ光回線を導入したい」といった複数回線の契約などにも柔軟に対応できます。法人ならではのニーズがある場合は専任の営業担当者が要望のヒアリングなどを行うため、Web経由の契約に比べ、工事完了までの期間が長くなることもあるでしょう。
一方で、契約する回線数や内容に応じたボリュームディスカウントを受けられる場合もあります。
【関連記事:法人向け光回線の選び方を徹底解説!おすすめの回線サービスも紹介】
固定IPアドレスなど法人向けならではのサービスを利用するか
法人向け光回線の場合は、複数の固定IPアドレスの払い出しや独自ドメインの代行申請など、個人向け光回線にはない付加サービスを利用できます。こういった法人向けならではのサービスを利用する場合、初期費用も開通までにかかる期間も変わる場合があります。
追加の固定IPアドレスの払い出しを受けるなど、付加サービスの利用に伴い、開通までの期間は数日から数週間長くなると想定しておくとよいでしょう。
オフィスビル・マンションか路面店(戸建て)か
オフィスビル・マンションか路面店(戸建て)かといった物件の構造や、物件内の回線引き込み状況によっても、開通工事にかかる費用や期間は変わります。基本的に、戸建てよりもビル・マンションのほうが、工事費用は控えめです。ただし、ビル・マンションは物件内の配線状況次第で、工事にかかる費用や期間が大きく変わる場合もあります。
戸建ての場合の開通工事は、最寄りの電柱から光ファイバーケーブルを室内の光コンセントまで引き込み、ONU(光回線終端装置)を接続して開通テストを行います。ビル・マンションの場合は物件内の配線がより複雑です。
1.電柱や地中から物件内のMDF(主配線盤)まで光ファイバーケーブルを引き込む
2.MDFから各階のIDF(中間配線盤)まで配線する
3.IDFから各室の光コンセントまで配線する
4.光コンセントとONUを接続し、開通テストを実施する
物件によってどこまで配線済みかなど状況が異なるため、別途追加工事費が発生することもあるでしょう。
既存回線をそのまま利用できるかどうか
室内に光コンセントがある場合、すでにフレッツ光回線や独自回線が引き込み済みです。同じ種別の光回線を使用するなら、回線引き込み工事が不要のため、開通までの費用・期間を抑えられます。
ただし、光コンセントがあっても「フレッツ光回線は配線済みだが、独自回線は配線されていない」ということもあり、既存回線をそのまま利用できるかどうかは確認が必要です。
なお、無派遣工事(作業員を派遣しない開通工事)になったとしても、数千円程度の基本工事費などがかかります。
インターネット回線(光回線)の工事費用の内訳
光回線の工事費用の内訳は以下の通りです。事務手数料と開通工事費は基本で、場合によっては追加工事費や出張料もかかります。
- 事務手数料:1,000円~3,000円程度(工事内容にかかわらず事務手数料がかかる)
- 開通工事費:2万円~4万円程度(独自回線は高額な傾向にある)
- 追加工事費:施工方法や設備の状況により追加工事費が別途発生する場合もある
- 出張料:開通工事が土日祝日の場合は手数料が発生する場合もある
法人向け光回線の場合、利用するサービスや事業者の料金体系によっては、IPアドレス割当手数料やドメイン代行申請料などがかかることもあるでしょう。
インターネット回線(光回線)の開通工事の流れと注意点
光回線の開通工事の流れは以下の通りです。
1.物件のオーナーに許可を取る
2.工事日を予約する
3.光ファイバーケーブルの引き込み
4.光コンセント経由でONUに接続
5.ONUとWi-Fiルーターを接続
6.Wi-FiルーターとPC・スマホなどを接続
工事業者が対応するのは3・4のみで、他のステップはユーザー自身で実施します。ここでは、光回線の開通工事の準備から実際にインターネット接続するまでの流れと注意点を見ていきましょう。
1.物件のオーナーに許可を取る
光回線の開通工事をするオフィスや店舗が賃貸物件の場合、まず物件のオーナーに工事の許可を取ることが必要です。開通工事では壁面に穴を開ける場合もあり、開けない場合でも物件内に配線します。
こういった作業はオーナーの許可なしに実施できないため、トラブル防止という意味でも事前に必ず大家や管理会社に相談し、許可を取っておきましょう。
2.工事日を予約する
光回線の開通工事は予約制です。賃貸物件の場合はオーナーの許可を得た上で、Webサイトの工事予約ページなどから工事日を予約しましょう。
立ち会いの必要性から土日に予約が集中しやすい傾向にあり、希望の予約日はすでに埋まっている場合もあります。特に3月~4月辺りの引っ越しシーズンは光回線の工事業者も繁忙期なので、申し込みから工事まで1か月以上かかるケースも珍しくありません。予約がうまく取れない場合のことも考え、早めに行動を始めましょう。
3.光ファイバーケーブルの引き込み
開通工事の当日には、最寄りの電柱から光ファイバーケーブルを物件内に引き込みます。既存回線をそのまま利用できるなら無派遣工事になる場合もありますが、宅内工事を行う場合は立ち会いが必要です。
戸建て物件の場合は電話線の配管やエアコンのダクトなどを通して光ファイバーケーブルを室内に引き込み、壁面に直径10mm程度の穴を開ける場合もあります。
集合住宅やオフィスビルの場合、オーナーに連絡を取り、光ファイバーケーブルの集線装置を収める「MDF室」の鍵を開けておくことが必要です。
4.光コンセント経由でONUに接続
光ファイバーケーブルが配線されると、室内の壁面に「光コンセント」が設置されます。これが物件内の光ファイバーケーブル配線の末端で、室内に設置された「ONU(光回線終端装置)」と室内用光ファイバーケーブルで接続し、開通チェックが済めば開通工事は完了です。ここから先の手順はユーザー自身で実施します。
5.ONUとWi-Fiルーターを接続
ONUには基本的にLANポートが1つしかない上、PCを直接LANケーブルで接続するとセキュリティ上の懸念があります。またONUにはWi-Fi機能もありません。
そこで多くのプロバイダはWi-Fiルーターを貸与しています。プロバイダ・光回線一体型ではないフレッツ光などの場合はプロバイダの契約を済ませ、ONUとWi-FiルーターをLANケーブルで接続しましょう。
なお、サービス事業者によってはWi-Fiルーター機能内蔵のONUを貸与しており、インターネット接続用のネットワーク機器を総称して「ホームゲートウェイ」と呼ぶことも一般的です。
6.Wi-FiルーターとPC・スマホなどを接続
ONUとWi-Fiルーターを接続したら、PCやスマホとWi-FiルーターをWi-Fi接続します。取扱説明書に記載の方法に従い、プロバイダから取得したID・パスワードをWi-Fiルーターに設定しましょう。これで光回線を利用してインターネット接続ができます。
インターネット回線(光回線)の工事費用が無料になる場合
通常は光回線の開通工事に費用がかかりますが、サービス事業者によっては工事費用が無料(実質無料)になるキャンペーンを実施しています。ただし、無料になる条件を知っておかなければ後悔する恐れもあることに注意しましょう。
工事費用が無料になる2つのパターン
光回線の開通工事には総額2万円~4万円程度かかりますが、サービスによっては工事費用が無料になります。光回線の工事費用が無料になるのは以下2パターンです。
- 工事費用が「実質0円」になるサービス
- キャッシュバックで工事費用を相殺できるサービス
負担額を抑えられるのはメリットですが、どちらのパターンにも注意点があります。
「実質0円」の注意点
「実質0円」は月額料金から工事費用の分割払い分を割引する仕組みです。月額費用は分割払い分安くなっているので、実質負担額で得をしますが、分割払いの義務がなくなっているわけではありません。
分割払いの期間中に解約した場合には、工事費用の残額を支払う必要があります。2年縛りや3年縛りの期間中に解約すると、違約金に加えて工事費用の残額を支払うことが必要です。
キャッシュバックの注意点
キャッシュバックもお得感の大きいキャンペーンですが、多くの場合、無条件ではありません。「複数オプションの加入」や「別サービスへの申し込み」という条件付きでキャッシュバックとなるケースが多く、またキャッシュバックの受け取りは契約後すぐではなく、4か月後や11か月後(かつ自身での受け取り手続きが必要)などとなっているのが一般的です。
この仕組みにより、不必要なオプション・サービスへの加入で月額料金の負担が増え、さらにキャッシュバックを受け取り損ねてしまう恐れがあります。
インターネット回線(光回線)のコスパを高めるポイント
光回線の工事費用が無料になるのは基本的に個人向けの場合です。法人向けの場合は工事費用を無料にすることより、ビジネスユースに最適な環境を効率的に整え、コスパを高めることを考えましょう。ここでは、光回線のコスパを高めるポイントを解説します。
プロバイダ・光回線一体型のサービスを選ぶこと
光回線サービスはプロバイダサービスと一体型のものも増えていますが、プロバイダサービスを別途契約する場合、光回線の工事費用とは別にプロバイダサービスの契約料などもかかります。
光回線とプロバイダを別々に契約すると月額料金も割高になり、またトラブルシューティングに手間取るため、プロバイダ・光回線一体型のサービスを選ぶことも大切です。
【関連記事:独自回線と光回線は何が違う?光回線の種類一覧と特徴を徹底整理】
法人向け光回線を選ぶこと
オフィスや店舗への光回線導入なら、個人向け光回線ではなく法人向け光回線を選択するのがおすすめです。法人向け光回線には以下のような特徴があります。
- 回線を専有できる:個人向けは1本の光ファイバーを最大32分岐させる「共有型回線」だが、法人向けは分岐しない「専有型回線」を利用でき、通信の速度・安定性で有利
- 固定IPアドレスを利用できる:VPNや Webサーバ運用に必須の固定IPアドレスを利用できる
- 領収書を発行できる:個人向けは基本的に領収書の発行に対応しないが、法人向けは発行できる
- サポートが充実している:法人専用のサポート窓口や24時間365対応の出張修理サービスなども利用できる
プロバイダが「IPv6 IPoE」に対応していること
プロバイダが「IPv6 IPoE」に対応していることも大切です。現在主流のインターネット接続方式は「IPv4 PPPoE」ですが、この方式はアクセス集中により深刻な速度低下を招きやすく、ビジネスの停滞を招きます。
深夜や休日に速度低下が起こる主な原因は、プロバイダがIPv4 PPPoEでインターネット接続を仲介していることです。IPv6 IPoEであればこの問題を回避でき、時間帯にかかわらず安定した速度を発揮できるため、IPv6 IPoE対応のプロバイダを契約しましょう。
【関連記事:Wi-Fi6とIPv6の違いとは?メリットや利用方法をわかりやすく解説】
Wi-Fi機器が「Wi-Fi6」以降に対応していること
Wi-Fi接続をする場合、Wi-FiルーターなどのWi-Fi親機が「Wi-Fi6」以降のWi-Fi規格に対応していることもポイントです。古いWi-Fi規格は速度・安定性・セキュリティなどに問題があり、光回線のパフォーマンスを発揮できません。Wi-Fi6は前バージョンの「Wi-Fi5」以前にはない、以下のような特徴を備えます。
- 高速:最大9.6Gbpsの高速無線通信に対応
- 安定:OFDMA(直交周波数分割多元接続)に対応し、多台数の同時接続でも通信待ちが発生しない
- セキュア:最新の Wi-Fiセキュリティ規格「WPA3」に標準対応し、不正アクセスや通信傍受を強力にガード
「Wi-Fiアクセスポイント」を増設する
Wi-Fiルーターは1台でカバーできるWi-Fiエリアに限りがあり、またONUから遠く離れた位置に設置できません。安定接続できるWi-Fiエリアを拡大するにはWi-Fiの基地局の増設を求められますが、Wi-Fiルーターを増設すると「二重ルーター」の状態になり、設定が煩雑です。
そこで「Wi-Fiアクセスポイント」を増設します。Wi-Fiアクセスポイントはルーター機能のないWi-Fi機器で、ルーターとLANケーブルで接続するだけで簡単に増設可能です。
【関連記事:アクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説】
高コスパの法人向け光回線ならイッツコム!
光回線のコスパを高めるポイントは、光回線・プロバイダ一体型の法人向け光回線サービスであることや、IPv6 IPoE対応であることです。Wi-Fi環境を整備するなら、Wi-Fi6に対応したWi-Fiアクセスポイントを増設することも求められます。これら全ての条件を満たせるのが、イッツコムの「イッツコム光接続サービス」と「かんたんWi-Fi」の組み合わせです。
高速かつ安定した法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」
「イッツコム光接続サービス」は、NTT東日本などとは異なる「イッツコム独自の光回線網」による法人向け光回線サービスです。アクセス集中の影響を受けにくいIPv6 IPoEに標準対応し、下り最大2Gbps・上り最大1Gbpsの高速回線を安定して利用できます。
「固定IPアドレスプラン」なら固定IPアドレスを標準で1つ発行し、オプションで3つまたは7つ追加できるのも、法人向け光回線サービスならではです。光回線・プロバイダサービス一体型なので、他社サービスよりランニングコストを抑えられます。
快適なWi-Fi環境も高コスパに「かんたんWi-Fi」
イッツコム光接続サービスはWi-Fiルーター機能内蔵のONUを貸与しますが、接続エリアや同時接続台数には限りがあります。Wi-Fi環境を万全にするなら、簡単にWi-Fiアクセスポイント(AP)を増設できる「かんたんWi-Fi」との組み合わせがおすすめです。
かんたんWi-Fiは届いたAPに電源ケーブル・LANケーブルを接続するだけで使い始められるので、工事は必要ありません。「ハイエンド6」プランならWi-Fi6対応である上、同時接続台数は1AP当たり最大100台なので、非常に快適かつセキュアなWi-Fi環境を整備できます。
ゲストWi-Fi機能を利用すれば来客用Wi-Fiと業務用Wi-Fiを分離できるため、安全なフリーWi-Fiを提供できるのも利点です。
まとめ
個人向け光回線は通信の安定性やサポートの充実度などに懸念があり、Wi-Fiルーター1台ではオフィス・店舗内のWi-Fiニーズをカバーしきれないこともあります。おすすめの組み合わせは、法人向け光回線と業務用Wi-Fiアクセスポイント(AP)です。
イッツコムなら、プロバイダ・光回線一体型の独自回線と高性能APレンタルの組み合わせにより、低コストで快適かつ安全な通信環境を整備できます。ビジネスユースのインターネット回線の導入をお考えなら、施設環境に合った高コスパな回線サービスを提案できるイッツコムにご相談ください。