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回線速度の遅さを解消!インターネット接続が遅い原因と対処法を網羅的に解説

インターネットの回線速度の速さはICT活用の基盤です。インターネット接続時の回線速度が遅く業務効率にも影響が出てしまい、原因や対処方法が知りたい方もいるのではないでしょうか。世界のデジタル化が加速する現代では、インターネットの回線速度が遅いことで企業の業績が悪影響を及ぼすことは十分に考えられます。

まずは快適にインターネットを利用できる回線速度の目安を知り、速度が遅くなる原因と対処方法を知りましょう。通信環境のアップグレードを具体的に検討し、光回線の乗り換えによる根本的な解決やWi-Fiアクセスポイントの増設にも目を向け、コロナ禍におけるビジネスシーンでのICT活用の基盤を整備しましょう。

快適にインターネットを利用できる回線速度の目安は?

回線速度によるトラブルは「スペック上の数値と実際のパフォーマンスが大きく異なる」という状況により発生します。この問題の解決には、「実効速度」の計測や体感速度の向上が必要です。まずは回線速度にまつわる基礎知識を把握しましょう。

回線速度は「実効速度」がポイント

インターネットの回線速度はプロバイダや通信回線事業者が「下り最大1Gbps」などと表示していますが、これはあくまで仕様上の理想値です。回線速度はさまざまな要素に影響を受けて上下します。

実際の回線速度、つまり「実効速度」は数kbps~数百Mbps程度です。なお、「下り速度(ダウンロード速度)」のほうが「上り速度(アップロード速度)」より速い傾向にあります。

実効速度の測定方法

実効速度はインターネット経由で簡単に計測できます。最も手軽な方法はGoogle検索で「スピードテスト」をキーワード検索することです。検索結果のトップに「インターネット速度テスト」と表示されるので、右下の「速度テストを実行」ボタンをクリック/タップしましょう。後はしばらく待つだけで下り速度・上り速度のテスト結果が表示されます。

【用途別】快適な回線速度の目安

Googleインターネット速度テストの結果にも「何を快適に行える速度か」が表示されますが、実効速度は時間帯や接続場所で上下します。主な用途別で快適にインターネット利用できる実効速度(下り)の目安は以下の通りです。

・128kbps~1Mbps:メールの送受信やテキストメッセージのやり取り
・1Mbps~5Mbps:音声通話や最低画質の動画視聴、画像の少ないWebサイトの閲覧
・5Mbps~10Mbps:ビデオ通話や標準画質の動画視聴、一般的なWebサイト閲覧
・10Mbps~30Mbps:高品質の動画視聴や画像を多用したWebサイトの閲覧
・30Mbps以上:4K品質の動画視聴など、あらゆる用途で快適

なお、Web会議システム「Zoom」だと、仕様上は下り5Mbps以上あれば全ての機能が利用できます。実際には5Mbps程度だと遅く感じるケースは多いので、安定して下り10Mbps以上の通信環境がほしいところです。

「回線速度の上限」に影響する要素

インターネットの回線速度はいくつかの要素で上限が決まってきます。インターネット回線の上限値が高くても、同時接続数によってはデバイス当たりの最大通信速度は遅くなり、LANケーブル・Wi-Fiの規格以上の速度は出ません。

・インターネット回線の仕様:インターネット回線にはプロバイダ・通信回線事業者によって下り最大1Gbpsなどの上限がある
・同時接続数:ルーターでデバイス当たりの回線速度を分割するので、同時接続数が多いほど回線速度の上限は低下する
・LANケーブルの規格:LANケーブルは「カテゴリ(Cat)」という規格によって最大伝送速度が異なる
・Wi-Fiの規格:Wi-Fiは数年ごとに規格をバージョンアップしており、新しい規格ほど最大通信速度が速い

インターネットの回線速度が遅い5つの原因


インターネット接続をする際、回線速度はさまざまな原因で遅くなります。例えば、接続デバイスやLANケーブル、Wi-Fiに関する原因です。同時接続数やインターネット接続方式も根本的な原因になり得ます。ここでは、問題の切り分けを考えやすくするために、カテゴリ別で速度低下の原因を見ていきましょう。

1.PCやスマホの問題

PCやスマホはCPU・メモリ・ストレージといったハードウェアの仕様、OSのバージョンなどによって、データの処理速度が異なります。インターネット接続中に起動しているアプリ、キャッシュ(一時ファイル)の蓄積などによってもデータの処理速度は影響を受け、インターネット接続の「体感速度」は低下する仕組みです。

2.LANケーブルの問題

LANケーブルは新しいカテゴリのものほど最大伝送速度が速く、古いLANケーブルを使い続けていると、通信環境を更新しても回線速度改善の効果を得られないケースがあります。

「Cat5」以前のLANケーブルは最大伝送速度が100Mbps以下です。有線LAN環境なら最大伝送速度1Gbps以上の「Cat5e」以降のLANケーブルに交換することで、回線速度の改善が期待できます。

3.Wi-Fiの問題

Wi-Fiは有線LAN環境を無線化するための技術で、電波によってLAN内で無線通信をします。ケーブルレスでインターネット接続ができるのは利点ですが、さまざまな問題で通信速度が低下したり制限されたりするのは注意点です。速度低下の主な原因には以下のものがあります。

・電波干渉:電波を発する家電や電波を吸収する水の影響で速度低下する
・エリア外:Wi-Fiの電波は障害物で減衰し、あまり遠くまで届かない(直線距離で最長100m程度)ので、障害物や距離の影響で速度低下する
・熱暴走:Wi-Fiルーターを長時間起動させると機器が熱を持ち、処理速度が低下するケースもある
・最大同時接続数が少ない:Wi-Fi機器は最大同時接続数の上限があり、同時接続するデバイスが多くなると速度低下する
・「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」に非対応:最新のWi-Fi規格に対応していないデバイスは通信速度の上限値が低い(体感速度が遅い)

4.同時接続するユーザー数の問題

インターネット回線は同時接続するユーザーで回線速度をシェアするのが基本仕様です。Wi-Fi機器の最大同時接続数の他にも、多数の入居者がいるビルやマンションなど、同じ建物で同時接続するユーザーが多いと速度低下の原因になります。

また、同じプロバイダを契約する近隣住民が多いことも速度低下の原因のひとつです。プロバイダの設備に同時アクセスするユーザーが多いほど、ユーザーそれぞれの実効速度は低下する傾向にあります。

5.インターネット接続方式の問題

現在主流なインターネット接続方式は「IPv4 PPPoE」です。IPv4 PPPoEはプロバイダが管理する設備にアクセス集中することで速度低下を招きやすく、特に接続ユーザー数の多い夜間や休日に速度低下しやすい傾向にあります。

現在はより高速な「IPv6 IPoE」に移行が進んでいる状況です。IPv6 IPoEはスムーズにインターネット接続を中継できるので、通信回線の速度改善に大きく役立ちます。IPv6 IPoEで接続するには、以下のものが必要です。

・IPv6 IPoEに対応したプロバイダとの契約
・IPv6 IPoEに対応したルーター(Wi-Fiルーター)の導入

回線速度が遅い原因を知り改善しよう!


回線速度の遅い原因がLANケーブルならケーブル交換だけで解決しますが、その他の原因であれば対処法をよく考える必要があります。最も簡単な改善方法はデバイスの再起動です。しかし、これは根本的な解決にはなりません。ここからは、簡単な改善方法から根本的な解決方法まで、7つに分けて原因と対策を解説します。

デバイスを再起動する

回線速度の遅さを改善する最もシンプルな方法は、デバイスを再起動することです。デバイスの起動時間が長いほどデータ蓄積により処理速度は遅くなるので、PCやスマホを再起動すれば体感速度の改善が期待できます。デバイスやWi-Fi機器が熱を持った場合にも、再起動で速度改善が可能です。

データ処理を最適化する

OSやアプリは古いバージョンほど処理速度が遅い傾向にある上、デバイスの起動中には徐々に処理速度が低下します。データ処理が原因で体感速度が遅い場合、主に以下の方法で速度改善が可能です。

・OSやアプリのアップデート
・キャッシュ(一時ファイル)のクリア
・不要ファイルのクリーンアップやデフラグ
・起動中の不要アプリを閉じる
・バックグラウンドで動作する不要プログラムの終了/一時停止

デバイスのスペックを向上させる

デバイスのスペックが低いとデータの処理速度は遅いので、通信環境を整備しても体感速度は大きく変わらないケースもあります。処理速度に影響する主なハードウェアはCPU・メモリ・ストレージ(HDDやSSD)の3つです。

PCの場合はメモリの増設で処理速度を改善できます。CPUが低速だったり、HDD搭載デバイスで書き込み/読み込みが遅かったりすれば、高速なCPUやSSDを搭載したデバイスに買い換えを検討しましょう。

Wi-Fiルーターの位置調整をする

Wi-Fi接続している場合、Wi-Fiルーターとデバイスの位置関係によって通信速度が大きく変わるケースは珍しくありません。Wi-Fiルーターを位置調整するポイントは以下の通りです。

・Wi-Fiルーターを床に直置きしない
・Wi-Fiルーターを室内空間の中央、またはデバイスの近くに置く
・デバイスとWi-Fiルーターの間に厚い壁や障害物を挟まない
・Wi-Fiの電波は水に吸収されやすいので、水回りも避ける
・電波を発する機器と干渉するので、電子機器や家電(特に電子レンジ)と距離を取る

Wi-Fiルーターを買い換える

Wi-Fiルーターは機種によってスペックが大きく異なります。例えば最大同時接続数や対応するWi-Fi規格などです。古いWi-Fiルーターはセキュリティリスクが高い場合もあるので、以下のポイントを押さえて買い換えを検討しましょう。

・最新のWi-Fi規格「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」に対応していること
・実際に接続するデバイス数より最大同時接続数が多いこと
・新しいWi-Fiセキュリティ規格(WPA2やWPA3)に対応していること

高速な光回線に乗り換える

回線速度の遅さを根本的に解決するなら、インターネット回線の乗り換えが効果的です。低速なADSLやCATVを利用中なら、高速な光回線への乗り換えを検討しましょう。企業がインターネット回線を乗り換える際、意識したいポイントは以下の通りです。

・光回線であること
・IPv6 IPoEに対応していること
・法人向けであること(個人向けは制限が多い)
・下り最大1Gbpsより下り最大2Gbpsのほうが有利
・光回線・プロバイダ一体型であること(月額費用やサポート対応の面で有利)
・大幅なシステム変更が不要であること

「Wi-Fiアクセスポイント」を増設する

インターネット回線やWi-Fiルーターをアップグレードしても、Wi-Fiルーター1台で安定したWi-Fi接続ができる範囲は限られています。そこで、「Wi-Fiアクセスポイント」を増設するのが効果的です。

Wi-Fiアクセスポイントを増設すれば、Wi-Fiの基地局を増やすことで広いオフィスや複数フロアのWi-Fi接続をカバーでき、同時接続数が多い環境でも安定してWi-Fi接続できます。さらに「ゲストWi-Fi」機能があるので、来客向けにフリーWi-Fiの提供も可能です。

回線速度の遅さを改善するならイッツコム!

インターネットの回線速度が遅い問題を解決する根本的な方法は、高速かつ安定した光回線に乗り換えることです。イッツコムなら法人向け光回線の他、有料版Zoomや「かんたんWi-Fi」を一括提供でき、ICT活用を大幅に効率化できます。

イッツコム光接続サービス × 有料版Zoom

イッツコムの法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」を導入すると、下り最大2Gbpsの安定した高速回線を利用可能です。IPv6 IPoEに標準対応している上、現在のインターネット環境を大きく変更せずに乗り換えられます。

光回線・プロバイダ一体型のサービスなので、他社サービスより月額料金を抑えられる上、トラブル発生時の問い合わせはスピーディーです。

ミーティングの時間制限がない有料版Zoomと組み合わせれば、大規模ミーティングでも遅延や強制終了を起こすことなく、安定したコミュニケーション・コラボレーションを実施できます。

イッツコム光接続サービス × かんたんWi-Fi

イッツコム光接続サービスを導入するとWi-Fiルーター機能搭載のONU(光回線終端装置)が設置されるので、導入後すぐに快適なWi-Fi接続を利用できます。

さらに「かんたんWi-Fi」を組み合わせれば、大規模オフィスでもオフィス・店舗にまたがった環境でも、安定したWi-Fi環境が構築可能です。届いたWi-Fiアクセスポイントはケーブルを差し込むだけの簡単設定で、24時間365日の電話サポートも受けられます。

「ハイエンド6」プランならWi-Fi 6に対応する上、最大同時接続数100台なので、通信環境の大幅なアップグレードに効果的です。ゲストWi-Fi機能を使えば従業員用のネットワークと来客用のインターネット回線を分離できるので、フリーWi-Fiも安心して提供できます。

まとめ


回線速度が遅い問題を解決するには、まず光回線の乗り換えが大切です。インターネット回線の最大通信速度が上がれば、Wi-Fi接続も快適になります。イッツコムの「かんたんWi-Fi」でWi-Fi環境を整備すれば、オフィスだけでなく店舗のWi-Fi利用もストレスフリーです。

通信環境がアップグレードできれば、有料版Zoomによるミーティングやウェビナーだけでなく、容量無制限のクラウドストレージ「box」の作業効率も向上します。ICT活用の基盤となる通信環境の整備をお求めなら、多彩なICTツールも一括提供できるイッツコムにご相談ください。