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社用携帯の監視の合法ラインは?私的利用のリスクと適切な具体的対策

社用携帯の私的利用を放置すると、情報漏えいや通信コスト肥大化などのリスクが高まります。セキュリティソリューションを用いて利用状況を監視・制限することも可能ですが、監視の意図や方法によっては、違法・パワハラと判断されるケースもあります。

そこでこの記事では、社用携帯の監視の合法ラインや、私的利用を防ぐための具体的な対策を解説します。従業員も納得しやすい方法で社用携帯を適切に管理し、通信コストの最適化やセキュリティ対策につなげましょう。

社用携帯の監視はなぜ必要?私的利用を放置するリスク

社用携帯は業務を円滑に進めるために役立ちますが、従業員が私的利用をする場合もあります。私的利用を放置する主なリスクは、情報漏えいなどのセキュリティ事故や、通信コストの増大です。まずは社用携帯の監視がなぜ必要かをおさらいしておきましょう。

情報漏えいなどセキュリティ事故のリスク

社用携帯は、顧客情報や企業秘密など非公開にすべき情報を保存し、業務システムのログイン情報も扱います。そのため、私的利用を放置すると、信頼性の低いアプリのダウンロードや安全でないWebサイトへのアクセス、個人のメールアカウントに届いたフィッシングメールなどを通じて、社用携帯がマルウェアに感染する可能性が高くなります。結果として、端末内の機密情報が流出したり、社内ネットワーク全体に被害が及んだりする恐れがあります。

社用携帯を通じて情報漏えいなどのセキュリティ事故が発生すると、顧客・取引先・社会からの信用失墜や事業の停滞を招きます。顧客離れや業績の悪化、高額な損害賠償といったリスクが増大するため、セキュリティ対策としての社用携帯の監視は必要です。

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通信コストが増大するリスク

業務とは無関係な長時間通話や大容量のデータ通信(動画視聴、ゲームなど)により、企業の通信コストが不必要に増大するリスクもあります。従業員の私的利用による通話やデータ通信であっても、費用を負担するのは社用携帯の契約者である企業です。

1台当たりのコスト増加は少なかったとしても、複数台重なるとランニングコストが大きく増えてしまうケースもあるでしょう。

また、無制限な私的利用により月間データ容量を超過してしまうと、その時点から当月末まで通信速度制限がかかります。業務システムへのアクセスが不安定になり、顧客対応の遅れや業務効率・生産性の低下を招くなど、事業推進・業績への悪影響も懸念点です。

社用携帯の監視は違法になるのか?合法ラインを整理

従業員は社会生活を営む上で業務に従事するため、社用携帯であっても、無制限の監視・制限は許容されません。また通常は、技術的な問題から監視・制御できる範囲にも限界があります。

ここでは、監視の合法ラインを踏まえ、監視がしやすい・難しい範囲を解説します。

【原則】業務上の必要性と合理性がある監視は合法

【合法と判断される監視】
社用携帯は会社設備に当たるため、以下のような場合、企業秩序の維持を目的とした監視に違法性はないと考えられます。

  • 監視内容・範囲を事前に就業規則などで明示している
  • 業務遂行・情報セキュリティ確保のための「正当な目的」がある
  • 従業員のプライバシー保護などを考慮して必要最小限の監視にとどめている
  • 従業員に対して明確な説明を行い、同意を得ている

【違法と判断される監視】
一方、以下のような監視は、違法行為やパワハラと評価されることもあり得ます。

  • 休憩中や休暇中にまで及ぶ監視
  • 職務上の合理的必要性がない、個人的な好奇心などに基づく監視
  • 管理部署などに監視の事実を秘匿し、独自の意図・手段で行う監視

監視できる範囲

合理的かつ比較的容易に監視できる範囲としては、主に以下のようなものを挙げられます。

  • 通話量やデータ通信量
  • 発着信履歴
  • GPSログ
  • インストールしているアプリ

法人契約する社用携帯は、通話やパケット通信に関する明細を通信キャリアのマイページから簡単に確認できます。GPSによる位置情報やインストールされているアプリの一覧は、MDM(モバイルデバイス管理)などのセキュリティソリューションを利用して確認可能です。いずれも一般的な監視範囲のため、業務時間内の利用状況の把握としては妥当と考えられるでしょう。

監視が難しい範囲

プライバシー保護や技術的な問題により監視が難しい範囲は以下のようなものです。

  • 通話の音声・録音やSMSの送受信内容
  • チャットアプリ(LINEなど)やメールのやりとり内容
  • インターネットの閲覧履歴
  • 端末内に保存されたファイルの内容

社内ネットワーク内でPCなどを利用する場合と異なり、モバイル通信は監視・制御が難しい領域もあります。またプライバシー保護などの観点から、監視の範囲・手段を慎重に選択すべき情報もあります。法人向けのクラウドサービスや通信サービスは合理的に各種情報を監視・制御できるものもありますが、事前に従業員の同意を得るなどの対策も必要です。

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社用携帯の私的利用を防ぐ4つの具体的対策

社用携帯の私的利用を防ぐには、利用ルールの明文化と周知が必須です。設定したルールに応じて、MDMなどを活用した技術的な利用制限、通信状況の監視などの対策も求められます。また、利用ルールや監視方法などの定期的な見直しも重要です。

利用ルールの明文化と周知

最優先で取り組むべきは、私的利用の可否や範囲を社内規程として明文化することです。後出しの指導や従業員の同意を得ない監視は不要なトラブルを招くため、部署や個人ごとの差が出ない公平なルールを策定・周知しましょう。明記すべきポイントは以下の通りです。

  • 私的利用の可否(原則禁止、条件付き許可など)
  • 禁止行為の具体例(SNS・動画視聴・ゲームなど)
  • 企業が監視・把握する内容と手段
  • 違反時の対応・処分方針

なお、社用携帯の私的利用を無制限に禁止することはできません。従業員には職務専念義務がある一方で、必要かつ合理的な限度の範囲内における会社設備の私的利用は社会通念上許容されます。どの程度の私的利用が許容されるかを明確にすることで、従業員の理解を得やすくなり、法的トラブルの回避にもつながります。

MDMなどによる技術的な利用制限

社用携帯の管理・セキュリティ対策の実効性を高めるには、MDM(モバイルデバイス管理)などのセキュリティソリューションの導入が有効です。MDMには主に以下の機能があります。

  • 一括設定・管理:多数の端末に対し、Wi-Fi設定やパスワードポリシー、必要なアプリのインストールをまとめて適用できる
  • 利用制限:カメラ機能・テザリング・SDカードの使用や特定のWebサイトへのアクセスを制限できる
  • 資産管理:従業員と端末のひも付けや、利用状況・インストールアプリを把握できる
  • リモート制御:紛失・盗難時に遠隔でロックやデータ消去(ワイプ)ができる

多角的な管理が可能な一方、制限が過度になると従業員の反発や混乱を招きます。セキュリティ対策として必要な範囲にとどめ、モチベーションや利便性を損なわない運用が重要です。

通信レイヤーの監視と異常の早期発見

社用携帯の私的利用の有無は、通信コストの変化に表れやすいポイントです。企業が許可しない大容量データ通信などが確認された場合、速やかに原因を特定し、解消する必要があります。

データ通信量の増大への対応が遅れると、月半ばで通信速度制限を受けるなど、業務遂行に支障を生じる恐れもあります。また、マルウェア感染によって不正なデータ通信が行われている可能性も考えられます。

MDMなどによるセキュリティ対策に加え、通信の内容やコストを管理しやすい法人向け通信サービスの利用も検討しましょう。

運用ルールの定期見直しと社内教育

運用ルールの定期的な見直しも重要です。ルールを策定・周知しても、時間の経過とともに現状と合わなくなることや、従業員のリスク管理の意識が薄れる可能性があります。社内ポータルなどで改訂内容を共有し、研修でリスク環境の変化を説明することで、最新ルールを順守する意識を維持しましょう。

加えて、環境整備の見直しも欠かせません。リモートワークの状況や、クラウドサービス・生成AIツールの利用拡大により、必要なセキュリティ対策が変化する場合があります。従業員ごとにデータ通信量の差が生じたり、組織全体の通信量が増えたりするケースもあるため、その際は通信サービスの見直しも必要です。

社用携帯の安全運用とコスト最適化はイッツコム!

社用携帯は従業員によってデータ通信量に差が出るため、一律の定額料金では無駄が生じる場合があります。イッツコムの「法人データSIM」は、法人向けならではのシェアプランにより、SIMカード枚数が多いほどお得に契約でき、複数SIMカードでデータ容量を共有できます。通信コストを抑えたい企業に適した仕組みです。

さらに、法人データSIMと閉域網接続を組み合わせた「モバイル閉域接続」を利用すれば、通信レイヤーのセキュリティ強化が可能です。専用SIMカードを挿入した社用携帯はインターネットを経由せず社内LANにアクセスでき、インターネット利用時も社内LANを経由します。アクセスログの取得により情報漏えいリスクを減らし、不正な通信の早期発見に役立ちます。専用SIMカードによる経路判別でVPN設定やID・パスワード管理も不要となり、管理の負担を増やすことなく社内ネットワーク相当のセキュリティを確保できます。

まとめ

社用携帯の私的利用を放置すると、セキュリティ事故や通信コスト増大などのリスクにつながります。業務上の必要性と合理性があれば、社用携帯の監視は原則として合法です。ただしプライバシー保護などの観点から、監視方法には注意を要します。利用ルールの策定やセキュリティソリューションの導入は重要ですが、従業員の反発や混乱も想定し、理解を得られやすい管理方法を採用しましょう。

イッツコムなら、セキュリティ・コスト・利便性に優れたモバイル通信サービスにて、社用携帯の適切な管理をサポートできます。社用携帯の監視をお考えなら、シンプルなシステムでニーズを満たせるイッツコムにご相談ください。