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フリーWi-Fiにつながらない!原因と対策、危険性と安全な使い方を解説

集客や客単価アップのためにフリーWi-Fiを整備する施設は増えています。外出先でインターネットを使用したい際に便利なフリーWi-Fiですが、つながらない状況も多いと聞き、ユーザー側・提供者側の対策を知りたい企業担当の方もいるのではないでしょうか。

フリーWi-Fiにありがちな問題やセキュリティリスク、ユーザー側・提供者側それぞれの対策を知ることで、フリーWi-Fiをスマートに活用する方法を検討できます。快適・安全なフリーWi-Fiを簡単に整備できるサービスや、出先でフリーWi-Fiが必要なくなるサービスも知り、通信環境の最適化を目指しましょう。

そこでこの記事では、フリーWi-Fiがつながらない原因や潜在的な危険性、快適・安全に使うための対策についてご紹介します。

フリーWi-Fiとは?


さまざまな施設で導入が進むフリーWi-Fiは、上手に利用すればユーザー側・提供者側双方にとって魅力的なサービスです。一方、潜在的なリスクも存在することを忘れてはいけません。まずはフリーWi-Fiの概要や、一般的な提供例を見ていきましょう。

危険性もあるフリーWi-Fi

フリーWi-Fiとは、無料で使えるWi-Fiネットワークです。集客効果や滞在時間・客単価を高めることなどを目的として、さまざまな企業・団体が提供しています。

フリーWi-Fiを利用すると通信料金をかけずに無料でインターネット接続できるため、インターネット利用の一般化に伴いニーズが高まっているサービスです。

ただしセキュリティレベルの低いフリーWi-Fiもあり、Wi-Fi機器を持っていれば個人でもフリーWi-Fiを公開できるという問題もあります。フリーWi-Fiは危険性を認識した上で利用を検討することが大切です。

フリーWi-Fiの種類

フリーWi-Fiはパスワード入力不要で使えるものや、パスワード取得に何らかの条件があるものなどさまざまです。主に以下のようなフリーWi-Fiが利用できます。

・携帯電話のキャリアが提供するフリーWi-Fi
・駅・空港・市役所などが提供するフリーWi-Fi
・飲食店やコンビニなどの店舗が提供するフリーWi-Fi
・バス・電車・飛行機の中で提供するフリーWi-Fi

フリーWi-Fiがつながらない原因


あらゆる場所に設置されるフリーWi-Fiですが、接続しようとしてもつながらないという経験をした方も多いでしょう。フリーWi-Fiは以下のような原因でつながらない場合があります。

・ユーザー認証の失敗
・自動ログインの設定不備
・同時接続数の上限超え
・通信速度の低下
・電波の減衰や混線

フリーWi-Fiの提供方法や仕組みも交え、それぞれのケースを見ていきましょう。

ユーザー認証の失敗

ユーザー認証の失敗によりフリーWi-Fiがつながらない場合もあります。フリーWi-Fiはパスワード不要で利用できるとは限りません。SSID(ネットワーク名)とセットのパスワードを入力する必要があるものや、専用のログイン画面からFacebookなどSNSのアカウント情報でユーザー認証するものもあります。

こういったタイプのフリーWi-Fiは、実際に店舗・サービスを利用することでパスワードを取得したり、接続方法のマニュアルが店内にあったりします。SSIDとひも付いたパスワードは定期的に変更される場合もあり、最新のパスワード・認証方法を確かめることが必要です。

自動ログインの設定不備

iPhoneなどのデバイス側でWi-Fi設定の「自動ログイン」がオンになっていない場合、フリーWi-Fiのログイン画面が表示されないケースもあります。この場合はWi-Fiネットワークを個別に選んで自動ログインを有効にすることが必要です。

ただし危険なフリーWi-Fiに自動接続してしまうセキュリティリスクもあるため、自動ログインの設定は必要な場合のみに限定しましょう。

同時接続数の上限超え

フリーWi-Fiはサービス提供者が使用するWi-Fi機器の性能によって、同時接続数の上限が異なります。

高性能なWi-Fi機器なら100台程度の同時接続も可能ですが、個人経営の店舗などでは最大同時接続数10台前後というケースも珍しくありません。このため利用人数によってはフリーWi-Fiにつながらなくなる仕組みです。

また店外からWi-Fiの電波をつかんで利用するユーザーもおり、人通りの多い場所では店舗利用者がフリーWi-Fiにつながりにくいケースもあります。

通信速度の低下

Wi-Fi機器は対応するWi-Fi規格によって最大通信速度が異なります。旧世代のWi-Fi規格は最大通信速度が遅いだけでなく、多台数を同時接続すると通信の順番待ちが発生することもネックです。この規格上の制限により、古い機種を使用したフリーWi-Fiはつながりにくい場合があります。

また、サービス提供者が契約するインターネット回線の速度もつながりやすさに影響するため、十分な通信環境を整備していないフリーWi-Fiは遅い・つながりにくいのが一般的です。

電波の減衰や混線

フリーWi-Fiは電波の特性によりつながらない場合もあります。Wi-Fiの電波は距離が離れるほどつかみにくくなり、壁や人などの障害物でも減衰します。

また強力な電波を発する電子レンジなどが近くにある場合、Wi-Fi以外の種類の電波と混線するケースもあるでしょう。

このため施設のレイアウトや混雑状況などによって、フリーWi-Fiが遅い・つながらない状況もあります。

フリーWi-Fiを利用する前に知っておきたいセキュリティリスク


外出先でインターネット接続が無料でできるため、頻繁に利用する方も多いフリーWi-Fiですが、以下のような潜在的なリスクがあることを忘れてはいけません。

・通信データの暗号化が不十分な場合も
・サービス提供者が情報収集する場合も
・サイバー攻撃の手段として悪用される場合も
・偽装されたSSIDに気付かない恐れも

個人で利用する場合はもちろん、特に社員が業務中に利用する場合には注意が必要です。

通信データの暗号化が不十分な場合も

フリーWi-Fiはセキュリティレベルが低い場合もあります。例えば通信データを暗号化しなかったり、暗号化強度が弱かったりする場合です。こういったフリーWi-Fiに接続する際、iPhoneであれば「安全性の低いセキュリティ」と表示されます。

フリーWi-Fiは不特定多数のユーザーが利用し、悪意ある第三者が特定のフリーWi-Fiをネットワーク盗聴目的で通信傍受していることも珍しくありません。通信データの暗号化が不十分なら、使用しないのが得策です。

サービス提供者が情報収集する場合も

フリーWi-Fiはサービス事業者が情報収集に活用しているケースもあることも注意点です。フリーWi-Fiの利用規約を読むと、IPアドレス・MACアドレス・認証情報やWeb閲覧履歴を収集するサービスもあります。

特にSNS認証をするサービスの場合、多くの個人情報を無料で提供してしまうのは懸念点です。こういったフリーWi-Fiに接続すると、誰がいつどこからどのようなWebサイト・Webサービスを利用したかが筒抜けになる危険性があります。

サイバー攻撃の手段として悪用される場合も

フリーWi-Fiはサービス事業者が善意で提供しているケースも多い一方、サイバー攻撃の手段として悪用されるケースもあります。

例えば、クラウドサービスやクレジットカードの認証情報を盗まれたり、Wi-Fiネットワーク経由でデバイスが遠隔操作されたりするケースです。

フリーWi-Fiの使用中に重要な個人情報を入力・送信しないことはもちろん、まず接続して問題のないWi-Fiネットワークかを考え、セキュリティリスクに注意を払いましょう。

偽装されたSSIDに気付かない恐れも

フリーWi-Fiに接続する際には、SSIDからWi-Fiネットワークの種類を判断します。しかし、SSIDはサービス提供者が自由に変更できる仕様です。

悪意ある第三者がSSIDを偽装し、実在する安全なフリーWi-Fiに見せかけるケースもあります。正規のフリーWi-Fiのはずが、悪意ある第三者による危険なフリーWi-Fiに接続するケースもあるため、安易な接続は禁物です。

【関連記事:「Wi-Fiセキュリティは超重要!情報資産を安全に守るコツとは?」

フリーWi-Fiを快適・安全に使うユーザー側の対策


フリーWi-Fiが遅い・つながらない場合には、2.4Ghz帯と5Ghz帯を切り替えることで快適に利用できる場合があります。ユーザー側のセキュリティ対策として押さえておきたいのは以下4点です。

・暗号化強度の高いフリーWi-Fiのみ利用する
・SSL暗号化されたWebサイトのみにアクセスする
・VPN接続を組み合わせる
・自動接続をオフにする

なるべく全ての対策を同時に行うことを意識しましょう。

2.4Ghz帯と5Ghz帯を切り替える

フリーWi-Fiの認証に成功しているにもかかわらず通信速度が遅い場合、Wi-Fiネットワークの2.4Ghz帯と5Ghz帯を切り替えることで、通信速度を改善できる場合があります。

2.4Ghz帯は電子レンジなど多数の電子機器も利用する周波数帯なので、混線しにくい5Ghz帯に切り替えることで速度改善が期待できます。

2.4Ghz帯はSSIDの末尾が「-2G」や「-g」、5Ghz帯は「-5G」や「-a」になっていることが一般的です。

暗号化強度の高いフリーWi-Fiのみ利用する

フリーWi-Fiを安全に利用するポイントとして、暗号化強度の高いもののみを利用することが挙げられます。これにより、デバイスとWi-Fi機器間で安全な通信が可能です。暗号化強度の低いWi-FiネットワークはiPhoneでは「安全性の低いセキュリティ」と表示されます。

鍵アイコンの付いた安全なWi-Fiネットワークは、暗号化にAES方式を用い、認証方式に「WPA2」もしくは「WPA3」を用いたもののみです。認証方式が「WPA」、暗号化方式が「WEP」や「TKIP」などの場合、安全性の低いセキュリティと判断されます。

SSL暗号化されたWebサイトのみにアクセスする

Wi-Fi機器の暗号化強度が高いと、デバイスとWi-Fi機器間では安全な通信ができます。しかしインターネットの通信経路までは暗号化されません。

そこでSSL暗号化されたWebサイトのみにアクセスすることも重要です。Wi-Fiの暗号化とSSL暗号化を組み合わせることで、通信経路全体を暗号化できます。SSL暗号化されたWebサイトはURLの左端が「http」でなく「https」と表示されるため、Webアクセスの際は注意しましょう。

VPN接続を組み合わせる

現在では多くのWebサイトがSSL暗号化に対応していますが、通信元を把握してサイバー攻撃を仕掛ける手法は存在します。そこでVPN接続を組み合わせることもポイントです。

VPNは通信元・接続先との間で仮想的な直結回線を形成する技術の総称で、通信元がVPNサーバであるように偽装できます。これによりデバイスへの不正アクセスやウイルス感染などが防止できます。

自動接続をオフにする

日常的なセキュリティ対策として、Wi-Fiに自動接続しない設定にすることもポイントです。設定方法はデバイスにより異なりますが、自動接続をオンにしていると、安全性の低いフリーWi-Fiにも自動接続してしまいます。

この状態に気付かずオンラインショッピングでクレジットカードを利用するなどすると、重要な個人情報が漏えいする恐れもあり危険です。出先では自動接続をオフに設定するようにしましょう。

フリーWi-Fiを快適・安全に使う提供者側の対策


提供者側がフリーWi-Fiを快適・安全に使うには、以下のような条件をクリアしたWi-Fi機器を導入することが大切です。

・最大同時接続数が多いこと
・ゲストWi-Fi機能があること
・Wi-Fi6に対応していること

また、高速かつIPv6 IPoE対応の光回線と組み合わせ、Wi-Fi機器の性能をフルに発揮することもポイントです。

Wi-Fi機器の最大同時接続数が多いこと

フリーWi-Fiがつながらない問題を解決するなら、最大同時接続数の多いWi-Fi機器を導入することがおすすめです。Wi-Fi機器は以下3種類に大別できます。

・家庭用Wi-Fiルーター(無線でインターネットを利用できる家庭用の機器)
・法人用Wi-Fiルーター(無線でインターネットを利用できる法人用の機器)
・Wi-Fiアクセスポイント(無線LAN機能がついた端末をWi-Fiに接続するための機器)

家庭用Wi-Fiルーターは最大同時接続数が10台未満のものも多く、フリーWi-Fiの提供には向きません。法人用Wi-FiルーターやWi-Fiアクセスポイントなら、最大100台程度まで同時接続できる機種もあります。

なお、Wi-Fiルーターを2台以上接続すると「二重ルーター」の状態になるため増設が困難です。Wi-Fiアクセスポイントなら簡単に増設できます。

Wi-Fi機器にゲストWi-Fi機能があること

フリーWi-Fiを提供するに当たって必須条件と言えるのが、Wi-Fi機器にゲストWi-Fi機能があることです。ゲストWi-Fi機能とは、業務用Wi-Fiと来客用Wi-Fiを分離できる機能を指します。

来客用Wi-FiをフリーWi-Fiとして提供すれば、社外ユーザーがWi-Fi機器から社内ネットワークへアクセスすることを防げます。

家庭用Wi-FiにはゲストWi-Fi機能がありません。増設も視野に入れるならWi-Fiアクセスポイントの導入が最適です。

Wi-Fi機器がWi-Fi6に対応していること

フリーWi-Fiを快適・安全に提供するには、Wi-Fi機器が最新のWi-Fi規格「Wi-Fi6」に対応していることも重要です。Wi-Fi6には以下のような特徴があります。

・旧世代の「Wi-Fi5」と比べて約1.4倍の高速通信
・5Ghz帯と2.4Ghz帯の両方に対応
・「OFDMA」採用により、多台数の同時接続時に通信の順番待ちが発生しない
・最新のWi-Fiセキュリティ規格WPA3に標準対応

つまりWi-Fi6は最も高速で安全なWi-Fi規格です。暗号化された通信の盗聴・改ざん、Wi-Fiネットワークのパスワードの総当たり攻撃も防止でき、ユーザーも提供者も安全に利用できます。

高速な光回線を利用する

最大同時接続数が多くWi-Fi6に対応したWi-Fi機器は、デバイス・Wi-Fi機器間を快適に接続できます。しかし、インターネット回線が貧弱だとWi-Fi通信の速度も制限され、フリーWi-Fiが遅い・つながらない問題を回避できません。

そこで高速な光回線を利用することがポイントです。一般的な光回線の回線速度は下り1Gbpsですが、通信事業者によっては下り最大2Gbpsの高速回線を提供しています。

また最新のインターネット通信規格「IPv6 IPoE」に対応した光回線であれば、同時接続数が多くなっても深刻な速度低下を起こしません。

フリーWi-Fiの提供とテレワーク対応はイッツコム!


イッツコムは素早く簡単にフリーWi-Fiを提供できる「かんたんWi-Fi」や、店舗などビジネス用途の高速インターネット接続サービスとして「イッツコム光接続サービス」、 出先でフリーWi-Fiが必要なくなる「モバイル閉域接続」を提供しています。

快適・安全なフリーWi-Fiを素早く簡単に提供するなら「かんたんWi-Fi」

快適・安全なフリーWi-Fiを提供するなら、Wi-Fi機器の最大同時接続数が多く、Wi-Fi6に対応していることが求められます。

イッツコムの「かんたんWi-Fi」なら、最大同時接続数100台かつWi-Fi6に対応する、「ハイエンド6」プランを利用できます。

届いたWi-Fiアクセスポイントは電源ケーブルとLANケーブルを接続するだけで使い始められるため、導入・増設の手間はかかりません。24時間365日の電話サポートも付帯し、フリーWi-Fiが遅い・つながらないといったトラブルの際も安心です。

最大速度2Gbpsの高速光回線を提供!

「かんたんWi-Fi」のご利用にはインターネット接続サービス、およびプロバイダサービスのご契約が必要です。イッツコムでは、光回線・プロバイダ一体型の法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」を提供しています。一般的な光回線の通信速度は下り最大1Gbpsですが、イッツコム光接続サービスなら下り最大2Gbps・上り最大1Gbpsの高速回線を利用できます。

最新のインターネット接続方式「IPv6 IPoE」に標準対応し、夜間や休日でも安定したインターネット接続ができることもメリットです。

出先でフリーWi-Fiが必要なくなる「モバイル閉域接続」

企業は「社員が出先で危険なフリーWi-Fiを使う」という状況にも対策する必要があります。イッツコムの「モバイル閉域接続」を導入すれば、出先で危険なフリーWi-Fiを使う必要がありません。

モバイル閉域接続は法人データSIMと閉域網接続を組み合わせたサービスです。スマホやタブレットに専用SIMを挿入するだけで利用開始でき、NTTドコモ網・イッツコム網による閉域網を経由し、インターネットを経由せず社内LANへ接続できます。

インターネット接続の際は社内LANを経由するため、トラフィック管理や社内セキュリティポリシーの標準化に役立つことも魅力です。また「シェアプラン」を利用すれば通信量を複数SIMでシェアできるため、通信コストの無駄も抑えられます。

まとめ


フリーWi-FiはWi-Fi機器の性能が低いとつながらない場合もあります。Wi-Fi機器の機能次第でセキュリティレベルも大きく変わるため、増設しやすく高性能・高機能なWi-Fiアクセスポイントを導入することが重要です。

イッツコムならWi-Fiアクセスポイントや高速な光回線などオフィス環境を充実させるソリューションのほか、テレワークに対応できる各種ツールも提供しています。フリーWi-Fiの提供やテレワーク対応をお求めなら、複数サービスの一括導入で課題を一挙解決できるイッツコムにご相談ください。