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Wi-Fi6やWi-Fi6Eはいつから利用できる?特徴やメリット、利用上の注意を解説

スマホやタブレット、一部のPCをインターネットにつなぐために、Wi-Fiは欠かせない通信インフラのひとつです。Wi-Fiには、通信に使用する電波の周波数帯や転送速度などを定めた規格が複数存在します。

2022年時点では高速通信に対応した「Wi-Fi 6」や「Wi-Fi 6E」という規格が存在しており、従来の規格と比較して最大通信速度が早く、快適なWi-Fi環境が実現できると注目を浴びています。Wi-Fi 6は国内でも対応Wi-Fiルーターが続々と登場しており、すでに利用している企業も多いようです。また、Wi-Fi 6Eに関してもいつから利用できるのかなど気になっている方もいるでしょう。

そこでこの記事では、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eの特徴やメリット、注意点などを解説します。自社のオフィスにWi-Fi 6・Wi-Fi 6E環境を整備したいと考えている企業担当の方は、ぜひご一読ください。適切に導入することで、より快適なビジネス環境を構築できるでしょう。

Wi-Fi6やWi-Fi6Eとは?いつから利用できる?


Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eが高速通信を実現した規格です。ビジネスを円滑に進めるためには、高速通信は必要不可欠なため、いつから利用できるのか気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、Wi-Fi 6およびWi-Fi 6Eの特徴や普及状況、周波数帯について詳しく解説します。

Wi-Fiは規格によって通信速度や安定性が異なるため、適切な規格を選択するためにもチェックしておくとよいでしょう。

Wi-Fi 6とは?

Wi-Fi 6とWi-Fi 6Eは、いずれも2022年10月時点ですでに利用できる規格です。Wi-Fiにはいくつかの規格が存在します。主流の規格は以下の通りです。

規格Wi-Fi 4Wi-Fi 5Wi-Fi 6Wi-Fi 6E
使用周波数帯・2.4GHz帯
・5GHz帯
・5GHz帯・2.4GHz帯
・5GHz帯
・2.4GHz帯
・5GHz帯
・6GHz帯
最大通信速度600Mbps6.9Gbps9.6Gbps9.6Gbps
規格制定時期2009年2013年2019年2020年

世代が新しくなるほど最大通信速度が速くなり、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eは最大9.6Gbpsの通信速度を実現しています。

Wi-Fi 6Eは今後普及する見込み

Wi-Fi 6に対応したネットワーク機器は2022年10月時点で種類も豊富に登場しているため、選択肢は豊富です。また、Wi-Fi 6Eについては、2022年9月2日に総務省が6GHz帯の使用を認可したため、今後、日本国内でも普及が進むでしょう。

2022年10月時点で販売されているWi-Fi 6E対応製品は数が少なく、高価なものが多い傾向です。Wi-Fi 6Eの普及が進めば、ルーターをはじめとした多数のネットワーク機器が販売されるようになるでしょう。多くのメーカーが多種多様な製品を販売することでネットワーク機器類の販売価格が下がり、導入しやすくなります。

Wi-Fiで使用している周波数帯の特徴

Wi-Fi 6の使用周波数帯は2.4GHz帯と5GHz帯の2種類で、Wi-Fi 6Eではそれらに加えて6GHz帯を利用できます。周波数帯ごとの特徴は以下の通りです。

周波数帯特徴
2.4GHz帯・電波が遠くまで届きやすい
・遮蔽物で減衰しにくい
・使用機器が多く混雑しやすい
5GHz帯・使用機器が少なく混雑しにくい
・2.4GHz帯より通信速度が速い
・遮蔽物で減衰しやすい
・一部のバンドがDFS(気象レーダーや航空機レーダー)の対象になっており、レーダー波に干渉される可能性がある
6GHz帯・帯域幅が広く高速通信を実現しやすい
・DFSによる通信遮断が発生しない
・遮蔽物による減衰が5GHz帯より大きく電波が遠くまで届きにくい

周波数帯ごとにメリット・デメリットがあるため、用途や目的に応じて使い分ける必要があります。一例として、IoT機器などの通信速度より電波の届きやすさを重視するデバイスは、2.4GHz帯を使用するとよいでしょう。PCやスマホなど、通信速度が重要なデバイスは5GHz帯や6GHz帯を使用するのがおすすめです。

Wi-Fi6とWi-Fi6Eの特徴・メリット


Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eには、これまでの規格を利用する場合に比べて大きなメリットがあります。ここでは、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eを利用する主なメリットを詳しく見ていきましょう。

高速で安定した無線通信が可能となるだけなく、ビジネス利用に欠かせないセキュリティ面でも効果が期待できます。

高速な無線通信ができる

Wi-Fi 6とWi-Fi 6Eにおける規格上の最大通信速度は9.6Gbpsで、Wi-Fi 5以前の規格に比べて高速です。2022年時点では実測値が上下10Gbpsに到達しているケースは少ないですが、今後、最大通信速度が上下10Gbpsの回線の提供が進んでいくことを考えると、高速通信を実現するにはLANを10Gbpsに対応させることも検討しておいたほうがよいでしょう。

10Gbpsイーサネットの構築と併せてWi-Fi 6やWi-Fi 6Eを導入すればLANの10Gbps対応を実現でき、オフィス内に高速通信環境が実現可能です。通信速度の速さはビジネスの快適性に直結するため、オフィスのWi-Fi環境に問題を感じている場合は、導入を検討するのもよいでしょう。

安定した無線通信ができる

Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eでは、OFDMA(直交周波数分割多元接続)に対応しています。OFDMAは複数の搬送波を形成し、多台数を同時接続しても通信の順番待ちが発生しません。

これによって多数のデバイスを安定性の高いWi-Fi環境を保てるようになり、通信の快適性を維持するのに役立ちます。IoTの普及に伴ってネットワークに接続するデバイスが増加する可能性も高いため、OFDMAは大きな強みになるでしょう。

高いセキュリティレベルを保てる

WPA3という新たに策定されたセキュリティ規格に対応しているのも、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eの特徴です。WPA3は2018年に発表された規格で、以前のWi-Fi規格で採用されていたWPA2の後継に位置付けられています。

WPA3は192bitの暗号高度を使用でき、従来の128bitに比べてセキュリティ強度の高い点が特徴です。ビジネス用途では高いセキュリティを求めることも多いことを考えると、WPA3対応は大きなメリットといえるでしょう。

Wi-Fi6Eは6GHz帯を使用できる

Wi-Fi 6Eでは、新たにWi-Fi用として割り当てられた6GHz帯の電波を使用できます。6GHz帯は既存の2.4GHz帯や5GHz帯に比べてチャンネル数が多く周波数の幅が広いため、混雑に強く速度が出やすいのがメリットです。

なお、この6GHz帯を利用できるのはWi-Fi 6Eのみで、Wi-Fi 6では利用できません。6GHz帯を有効活用したネットワークを設計するときは、Wi-Fi 6Eに対応した機器類を選定しましょう。

DFSによる切断を予防できる

以前からWi-Fiで使用されていた5GHz帯は、気象レーダーや航空レーダーも利用している周波数帯です。日本国内ではこれらのレーダー波を検出した際にWi-Fi電波の発射を止めることが求められており、これによって通信が切断されたり大幅に速度が低下したりするケースも見受けられます。

6GHz帯にはこれらのレーダー設備が存在しないため、DFS(気象レーダーや航空機レーダー)による切断が発生することはありません。安定した通信を求めるのであれば、Wi-Fi 6Eで追加された6GHz帯を活用するとよいでしょう。

Wi-Fi6とWi-Fi6Eを利用する際の注意点


Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eはメリットが多い新規格ですが、実際に利用する際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。状況によっては、Wi-Fi 6以降を利用できる環境を構築したにもかかわらず、恩恵をあまり受けられない可能性も考えられます。実際に環境を整備してから後悔することを防ぐために、注意点についても理解を深めましょう。

Wi-Fi6E対応ルーターの価格に注意

2022年10月時点で、Wi-Fi 6対応ルーターは安価に多種多様なものが販売されています。しかし、Wi-Fi 6Eは総務省の認可から日が浅いために対応デバイスが少なく、高価な点に注意が必要です。

今後も通信技術が進歩することを考えると、Wi-Fi 6Eを導入したほうが長期的に利用できるでしょう。ただし、ネットワーク機器の価格が高いため、導入時はきちんとコスト面を試算する必要があります。

Wi-Fi6とWi-Fi6E対応可能のデバイスが必要

Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eを利用するには、ネットワーク機器とデバイスの双方が対応していなければなりません。ネットワークが対応していてもデバイスがWi-Fi 5にしか対応していない場合、接続はWi-Fi 5です。

ネットワーク機器やスマホ、PC、タブレットなどのデバイスには対応規格が記載されているため、購入前のチェックは必要不可欠です。「Wi-Fi CERTIFIED 6」のロゴが記載されているデバイスは標準規格を満たしているため、これを目印にするのもおすすめです。

2022年11月時点で、Wi-Fi6に対応しているデバイスはスマホならiPhoneやGalaxy、タブレットならiPadが挙げられます。この中でWi-Fi6Eにも対応しているデバイスはスマホならGalaxy、タブレットならiPadなどがあります。

また、Surface Pro 7などWi-Fi6に対応するパソコンも登場していますが、販売されているデバイスの中にはWi-Fi 6Eには対応していないものも多いため、注意深く確認することが大切です。デバイス側が対応していない場合、Wi-Fiそのものは利用できますが、Wi-Fi 6以降の規格で策定された機能を利用できません。

オフィスにはWi-Fi 6やWi-Fi 6Eを整備するのがおすすめ


Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eはビジネスを円滑に進めるためにぜひ導入したい規格です。予算や技術面に問題がないのであれば、今後のことを考えてWi-Fi 6以降の規格に対応したネットワークを構築するのがおすすめです。

ここでは、なぜWi-Fi 6以降の規格がおすすめなのかという点について見ていきましょう。画像や動画など大容量のファイルの送受信に問題を抱えている際や、業務用デバイスが複数あることで通信速度が低下していることにお悩みの際は、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eの導入がおすすめです。

ファイルの送受信やシステムへのアクセスがスムーズ

高速通信に対応したWi-Fiネットワークを導入することで、大容量ファイルの送受信や各種システムへのアクセスがスムーズになります。たとえインターネット回線が10Gbpsのものでなかったとしても、LAN内は最大9.6Gbpsで通信できます。

社内にサーバを設置している場合やLAN内で頻繁にファイルを送受信する場合は、十分な恩恵を受けられるでしょう。

業務用デバイスの多数接続が可能

オフィスでは一般家庭と比較して、ネットワークに接続するデバイスの数は多めです。そのような環境では特に、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eの「多数のデバイスを同時接続しても遅延しにくい」という特徴を生かせます。

多数のデバイスを接続したことにより通信が切断されたり速度が低下したりすると、業務に影響を与えます。そのようなトラブルを避けるためにも、Wi-Fi 6以降の規格に対応したネットワークを構築するのはおすすめです。

消費電力抑制で買い換えコスト削減

Wi-Fi 6以降の規格には、TWTと呼ばれる消費電力削減機能を搭載しています。これは、通信するときのみデバイス側に電力を供給し、必要ないときはスリープにする機能です。これにより電気代やバッテリー消費の節約につながり、デバイスの寿命を伸ばし、ライフサイクルを改善できるのもポイントです。

消費電力を削減する機能は、長期間バッテリーを交換したり充電したりせずに稼働する必要があるIoTデバイスを運用する上で欠かせません。今後はますますIoTデバイスが増えると予想されるため、前もってWi-Fi 6以降に対応したネットワークを構築しておいてもよいでしょう。

Wi-Fi 6やWi-Fi 6E環境を整備するなら高速回線の導入が必須

これからWi-Fi 6やWi-Fi 6Eを活用したLAN環境を構築するのであれば、併せて高速インターネット回線を導入するのがおすすめです。高速インターネット回線を導入することで、高速通信の恩恵を最大限に受けられます。

高速インターネット回線があれば、業務で大容量ファイルを送受信するときに時間がかからず、快適なビジネス環境を実現できるでしょう。

なお、Wi-Fi6・Wi-Fi6E対応のWi-Fiアクセスポイントを導入することも忘れてはいけません。高速通信を実現するためには、Wi-Fi機器は通信速度も重要です。Wi-Fi規格は数年置きにバージョンアップしており、現在の最新バージョンは「Wi-Fi6(IEEE 802.11ax)」「Wi-Fi6E(IEEE 802.11ax)」です。Wi-Fi6・Wi-Fi6Eの最高通信速度は9.6Gbpsで、前バージョン「Wi-Fi5(IEEE 802.11ac)」より約1.4倍の速度となっています。

通信速度が遅くて悩んでいる方はもちろん、ファイルの送受信に時間がかかると感じている方も、この機会にインターネット回線やWi-Fiアクセスポイントの見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

【関連記事:「Wi-Fiのアクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説」

Wi-Fi6やWi-Fi6Eを快適に利用するならイッツコム!


オフィスにWi-Fi 6やWi-Fi 6Eを活用したLAN環境を導入したいと考えている方は、インターネット回線からWi-Fiサービスまでをワンストップで提供しているイッツコムにお任せください。イッツコムでは、通信環境を快適にするサービスとして以下の4つを用意しています。

・かんたんWi-Fi
・カスタムWi-Fi
・イッツコム光接続サービス
・専用線インターネット接続サービス

ここでは、それぞれのサービスについて紹介いたします。ネットワーク環境の改善を検討している際は、お気軽にイッツコムにご相談ください。

スムーズにWi-Fi環境を導入するならWi-Fi6対応の「かんたんWi-Fi」

細かい設計は必要なく、スムーズにWi-Fi環境を整備したいのであれば、契約から導入までがスムーズな「かんたんWi-Fi」がおすすめです。かんたんWi-Fiなら契約後にアクセスポイントを設置するだけで利用できます。

オフィスのみならず店舗やイベント会場でも利用可能です。WPA3に対応しているため安全で、多台数が同時接続しても通信待ちを起こしません。ゲストWi-Fi機能にも対応し、来客用のフリーWi-Fiも安全に提供できます。

自社のニーズに合わせて設計するなら「カスタムWi-Fi」

社内で使用するWi-Fiネットワークを細かく設計し、カスタマイズしたい方は「カスタムWi-Fi」をご検討ください。カスタムWi-Fiであれば、それぞれのニーズにマッチしたネットワークを設計でき、細かい設定が可能です。

Wi-Fiアクセスポイントに限らず、LAN配線工事やルータ・ハブなど関連機器に関しても設計から導入・運用・保守までご要望に応じてご提供いたします。セキュリティに関しては事前に要望をヒアリングし、必要な設定を行います。ネットワークに関しては全てイッツコムにお任せください。

高速で快適な法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」

Wi-FiはLAN内で使用する無線通信です。したがって、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eを導入したからといってインターネット回線の速度が上がるとは限りません。

そこで導入したいのが、高速かつ安定した法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」です。下り最大2Gbps・上り最大1Gbpsの高速回線である上、最新のインターネット通信規格「IPv6 IPoE」に対応し、時間帯や同時接続数にかかわらず安定した通信ができます。

また光回線・プロバイダ一体型のサービスであるため、他社サービスよりランニングコストを抑えられる上、ひとつの窓口でスピーディにトラブルシューティングができることも魅力です。NTT東日本・西日本やKDDIなど他社回線とは物理的に全く別の独自の光回線網であるので、予備のインターネット回線としてもご活用いただけます。

より安定性を求めるなら「専用線インターネット接続サービス」

社内ネットワークと自社サーバを安定させて接続したいなど、より高い安定性を求めるのであれば、「専用線インターネット接続サービス」がおすすめです。

自社ネットワークとイッツコムのアクセスポイントを、イッツコム自営の光ファイバー専用回線でIP接続できます。複数の加入者で回線をシェアしない専用線で、非常に安定した高速回線を利用できるのが魅力です。

また必要数のグローバル固定IPアドレスの払い出しにも対応します。Webサーバやメールサーバなど、通信の安定性が求められる自社サーバの運用にも最適でしょう。

最大通信速度は1Gbpsですが、1社で占有するため公衆網の影響を受けずに済みます。重要なネットワークに使用する回線を探している方は、ぜひこちらをご検討ください。

まとめ


Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eは最大通信速度9.6Gbpsを実現しており、高速で安定した無線通信を利用するのに欠かせません。すでに両方とも実用化されており、環境を整えればオフィスや店舗などのさまざまな場所で利用可能です。

イッツコムでは、Wi-Fi 6やWi-Fi 6Eを活用した利便性が高く安定した通信環境を実現するためのサービスを提供しています。Wi-Fi6やWi-Fi 6Eを快適に利用できる環境をお求めなら、高性能なWi-Fi機器と快適な光回線をセット導入できるイッツコムにご相談ください。