テレワーク中のサボりは普通?上手な付き合い方と防止方法のポイント
目次
テレワークのサボり問題について、どのように対処すべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。サボりを警戒し過ぎると、業務態度の監視を考えるかもしれません。しかし過度な監視は不要です。
テレワーカーの働きやすさの改善を目指すことが、サボり対策につながります。「監視」ではなく「管理」を重視し、必要な環境を整備することが大切です。そこでこの記事では、テレワークのサボり問題との付き合い方、信頼関係を構築しつつ上手に対策する方法について紹介します。
テレワークのサボり問題は深刻?現場から見る着地点
成果の達成とは無関係な行為は、オフィス勤務者でもテレワーカーでもサボりと考えられます。一方、育児・介護に必要な一時的な離席は、企業が許容する範囲内であれば、テレワークの利点としてサボりに含めないことが一般的です。
まずは、テレワーカー・マネジメント層がサボり問題をどのように捉えているかを解説します。
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マネジメント側はついサボりを疑ってしまう
管理者側は「従業員がサボってやるべき仕事をやらないのでは?」と心配になることが多いでしょう。テレワークでは働いている姿が見えず、進捗状況を共有されない限りどこまで進んでいるのか分かりません。
不安の気持ちが強くなることにより、頻繁に進捗報告を求めたいと思うこともあるでしょう。この不安要素を解消するには、仕事の進捗状況を把握する手段を用意する必要があります。
テレワーカー側は「サボり疑惑」をかけられ不安になる
一方でテレワーカー側は「ちゃんと仕事しているのにサボっていると思われている」と感じてしまうことも多いでしょう。管理者がしきりに進捗報告を求めてきたり、報告会と称したミーティングが頻繁に開催されたりすると、ストレスを感じてしまうこともあります。
「必要なときには報告するから頻繁に報告を求めないでほしい」と思っている方も多いでしょう。これらの不満を解消するには、業務報告に関するルールを作ってそれに従うのが有効です。
テレワーカーの満足度は高いがサボりやすい傾向あり
Job総研が2023年1月に行ったリモートマネジメント実態調査によると、テレワークに満足感を抱いているテレワーカーは全体の84.5%です。一方で、全体の65.4%がテレワークでサボりを経験しています。主なサボりの内容は以下の通りです。
・休憩時間を長めに取る(57.7%)
・ネットサーフィンをする(50.7%)
・業務とは無関係の動画を観る(24.5%)
また、多くのテレワーカーは以下をテレワークの課題として挙げています。
・上司や同僚とのコミュニケーション不足(45.0%)
・雑談ができず相手の心理が分からない(36.2%)
・オンとオフの切り替え(32.8%)
テレワーク特有のサボりの問題に対応しつつ、従業員の働きやすさをサポートすることが求められるでしょう。
(参考:『Job総研 「2023年 リモートマネジメント実態調査」を実施|Job総研』
マネジメントの難しさもあるがサボりは黙認される傾向も
同じくJob総研が行ったリモートマネジメント実態調査によると、マネジメントする側の68.0%がマネジメントの課題は「ある」としています。マネジメントの課題は「メンバーの業務進捗の把握(48.1%)」、マネジメントの難しさを感じるのは「コミュニケーション(37.6%)」が最多です。
また86.7%がサボりをほぼ・ある程度黙認していると回答しています。テレワークならではのマネジメントの難しさを感じつつも、ハラスメントと受け取られないように、厳しくマネジメントせずサボりをある程度黙認することが多いようです。
(参考:『Job総研 「2023年 リモートマネジメント実態調査」を実施|Job総研』)
【関連記事:テレワークのマネジメント課題を解決!成功に必要な環境整備や手法を徹底解説】
信頼関係を構築してサボりを防止するのにおすすめの方法
管理者側・テレワーカー側双方が快適にテレワークするためには、従業員同士が信頼関係をしっかり構築して自主的に仕事を進めてもらうことが大切です。よいビジネスは適切な信頼関係の上に構築されるものです。
信頼関係を構築するためには、仕事を任せて自主性に期待することも含まれます。とはいえ、具体的にどうすればよいのか分かりにくく感じることも多いでしょう。
ここからは従業員同士が信頼関係を構築して円滑にテレワークを行うために必要なポイントを6つ解説します。テレワークにおけるサボりに関して不安を感じている方は、ひとつひとつチェックしていきましょう。
円滑にコミュニケーションを取れるようにする
業務で必要なコミュニケーションをスムーズに取れるようにすることはとても大切です。テレワークでは直接対面で仕事するわけではないため、ビジネスチャットやWeb会議システムの活用が必須となります。どの従業員でも利用できるよう、操作はできるだけシンプルで使いやすいものを選ぶとよいでしょう。
無駄な仕事を削減して快適に働けるようにする
テレワークにおいて無駄な仕事が多いと、モチベーションが下がる原因となります。報告書の作成に時間がかかったり、何も決定しない会議が多かったりすると、それらの業務を行う意味が不明確になります。そうなると「面倒だからサボろう」と考える従業員も出てきてしまいます。
無駄な仕事はそもそも生産性を低下させる原因になります。生産性向上のためにも、この機会に業務全体を見直すのがおすすめです。「何か無駄な業務はないか」「もっと効率的にできないか」と考え、業務改善を進めましょう。
日々の報告を義務化する
従業員がしっかり働いて円滑に仕事が進んでいても、情報が共有されていないと「ちゃんと仕事が進んでいるのか?」と不安になってしまうものです。そこでおすすめなのが、定期的な報告を義務化するという方法です。
しかし、必要以上に頻繁に報告を求めるのは信頼されていないように思われてしまうので逆効果です。1日1回業務終了時に報告するのを義務化するなど、現実的な範囲にとどめましょう。
業務範囲・量を明確化する
各従業員の業務範囲・量を明確化して期日を定めるのもおすすめの方法です。やるべき仕事が明確になっていると「今日はここまで進めなければならない」と目標をクリアに定められます。
各従業員はやるべき仕事が可視化されているので、業務効率化にも役立ちます。
定量評価を重視する
テレワークと相性がよい評価システムは「定量評価」です。定量評価とは、各従業員が仕事においてどの程度の成果を出したかを基準に評価する仕組みを指します。
定量評価を導入すると、従業員ひとりひとりがサボっているかどうかはあまり関係なくなります。
「自分がやるべき仕事を期日までにしっかり果たしたか」という考えに基づいて評価できるようになり、「やるべきことをやれば評価につながる」と考えられるのがメリットです。「成果主義」の考え方を取り入れることで「従業員がサボっていないか」を気にする必要はありません。
定量評価の重視は、テレワークは自主性に任せる働き方であることを認め、ある程度のサボりが発生することを許容するスタイルです。いかに効率的に成果を上げるかを重要視するため、全体の生産性を高めることにもつながります。
マネジメント能力を強化する
円滑なテレワークには、管理者のマネジメント能力が求められます。各従業員に明確に仕事を割り当て、進捗を確認し、必要に応じて調整する必要があります。実際に働いている姿が見えない中でマネジメントしなければならないため、オフィスワークのときより高い能力が必要になるでしょう。
管理者のマネジメント能力が高ければ、従業員からの信頼も得られます。信頼関係に基づいて目標を設定し、役割を分担しつつ組織として仕事を進めることが重要です。
テレワークのサボり防止におすすめできない方法
サボり防止に有効な対策方法はいくつもありますが、その中にはあまりおすすめできないものもあります。ここでは、採用しがちなサボり防止策ですが意外にも悪手になる2つをピックアップしました。テレワークにおいて従業員がストレスなく快適に仕事が進められるよう、以下の対処法は避けるべきでしょう。
監視を強化する
「サボりが心配だから働きぶりを見えるようにしたい」と考える管理者も多いでしょう。中には、Web会議を常時接続して働いている様子を見えるようにしている企業もあります。
しかし、これはただの監視にほかなりません。常に監視されている状態では従業員も「やらされている」ということを強く感じてしまい、自主的に仕事を進める気も失ってしまうでしょう。
役割分担の明確化と定量評価の導入を行っていれば、働きぶりを逐一監視する必要はありません。従業員に自主的に仕事を進めてもらい、生産性を高めるためにも過度な監視は避けましょう。
労働時間ベースで評価する
労働時間ベースで評価するのも避けたほうがよいシステムです。労働時間ベースの評価では「長時間働いている従業員はサボっていない」という評価になりがちで、短時間で成果を上げる従業員より長時間かけても成果が上がらない従業員のほうが高評価になるケースも考えられます。
企業の利益につながるものは成果である「成果主義」をベースに考えると、この評価システムは不公平になり得るでしょう。信頼関係を築く上で公平性は極めて重要なので、労働時間ベースの評価は避けるのがおすすめです。
テレワークのサボり問題を解消する環境整備のポイント
テレワークのサボり問題を解消するポイントは、「監視」ではなく「管理」の視点で考え、信頼関係を構築しつつ上手に対策することです。サボり解消だけでなく、働きやすさのサポートも意識しましょう。どのような環境整備が必要で、各種ツールをどのように活用すべきか、方向性を間違わないことが大切です。
テレワーカーが集中できるワークスペースを確保
テレワーカーのサボりを防止するためには、仕事に集中できるワークスペースを確保することが大切です。机・椅子などオフィス家具の整備が必要な従業員のために、在宅勤務手当の支給も検討しましょう。趣味のアイテムやテレビなどが目に入らないようにするなど、レイアウトの調整について周知することもポイントです。
またオフィス内のサーバへのアクセスが必須となるシンクライアントを配布することで、業務用のデバイスを標準化しつつ、アクセス状況からサボりの有無を判断できるようになります。従業員の居住地によっては、アクセスしやすいエリアのコワーキングスペースなどを契約し、複数名で働けるサテライトオフィスを用意することも考えられるでしょう。
モバイル回線の整備で通信遅延によるサボり誘発を阻止
テレワークはネットワーク環境が必須となる働き方です。在宅勤務者の場合、自宅のインターネット回線やWi-Fiの通信速度が遅かったり、家族と回線を共有することによる問題が生じたりすることもあるでしょう。通信の遅延があると、暇つぶしやストレス解消のために個人のスマホを操作するなど、サボりにつながることもあり得ます。
出先のカフェなどで働くモバイルワーカーの場合、安全ではないフリーWi-Fiを使用することも懸念点です。こういったネットワーク環境の問題を解決する方法として、テレワーカー向けのモバイル回線サービスの契約を検討しましょう。企業がモバイル回線を整備することで、スムーズな業務遂行やセキュリティ対策に役立ち、通信費の負担の不公平感も解消できます。
【関連記事:SIMカードとは?基礎知識から企業向け活用術や選び方まで分かりやすく解説】
Web会議システムでコミュニケーション不足を解消
コミュニケーションの難しさはテレワーカーにとってもマネジメント層にとっても課題です。メールや電話による頻繁な連絡はテレワーカーに不要なストレスを与えかねないため、Web会議システムやビジネスチャットを導入し、活用方法を工夫しましょう。
例えばWeb会議システムにより、上司とテレワーカーの間で定期的に1on1ミーティングを実施します。ビジネスチャットで業務進捗を適時報告する、日報ならぬ「分報」を取り入れるのもよいでしょう。
Web会議システムはオンラインランチ会などに、ビジネスチャットは日常的な質問や雑談などにも活用できます。上司・部下間やチーム内でのコミュニケーションを活性化することで、モチベーションを保って仕事に集中しやすくなるでしょう。
タスク・プロジェクト管理でチームワークの意識を強化
個人やチームのスケジュールや業務進捗を管理・一望できるツールを導入し、オフィス勤務者とテレワーカーの間でスムーズに情報共有することも大切です。タスク管理ツールやプロジェクト管理ツールを活用すれば、チームメンバー同士で業務内容を把握しやすくなり、仕事の優先順位も明確になります。これにより、共通認識や当事者意識を引き出しやすくなります。
タスクとプロジェクトの関係から勤務態度やパフォーマンスも判断しやすくなり、成果だけでなくプロセスも評価しやすくなるでしょう。各メンバーが当日にすべきことやスケジュールを見込めることで、テレワーカーはオンとオフの切り替えを考えやすくなり、上司によるマネジメントも容易になります。
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まとめ
テレワークは満足度が高い働き方である一方、サボりが問題視されることもあります。とはいえ「監視」をすると、テレワーカーのモチベーションが低下しかねないことは懸念点です。モバイル回線・Web会議システムやタスク・プロジェクト管理ツールなどを導入し、テレワーカーが働きやすい環境を整備しつつ、サボりの問題を解消しましょう。
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