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業務の属人化とは?デメリット・原因や解消・標準化方法をわかりやすく解説

業務の属人化は業務品質の低下や人材育成の難しさなど、多くのビジネス課題の要因となります。業務の属人化問題に直面しており、解消方法について理解を深めたい企業担当の方もいるのではないでしょうか。

業務の属人化とビジネス課題の因果関係や問題解消の必要性、具体的な解消方法を知ることで、業務体質の改善や生産性向上を目指せます。ICTツールの活用による属人化解消にも目を向け、ビジネスを加速させましょう。

そこでこの記事では、業務属人化の概要・デメリット・原因、解消のメリット・方法についてご紹介します。

業務の属人化とは


業務の属人化とは、ある業務を特定の社員のみが担当し、業務関連情報が担当者にしか分からない状態になることを言います。属人化が蔓延するオフィスでは「誰が何をやっているか分からない」状態に陥りやすく、業務の質が低下したり生産性向上を阻害したりする要因として、多くの企業で問題視されています。

業務の進め方・進捗や背景情報が他の社員から見えない状態になること、つまり各社員の業務がブラックボックス化することを避けるためには、全社的な取り組みが必要です。

属人化のデメリットとは


業務の属人化はビジネスにおけるさまざまな問題を生みます。よくある問題は、業務効率化や生産性向上に向けて動きにくいことや、人材育成が難しいことです。また属人化が蔓延すると休暇や退職に伴うリスクも生みます。ここでは、業務の属人化がいかに危険かを見ていきましょう。

業務効率が改善されない

属人化した業務は他の社員から進捗を把握しにくく、関わりにくいため、各社員が個別に動きがちです。同僚だけでなく上司にも分からない業務だと、問題が発生していても気付きにくく、また適切なマネジメントは難しいでしょう。

こういった「誰にも見えず触れない」という問題が蓄積すると、業務停滞や手戻りを招き、非効率な業務遂行でムダな長時間労働も発生しやすくなります。

生産性向上が阻害される

生産性を向上させるには業務のムリ・ムダ・ムラを是正するための業務改善が必須です。しかし業務の属人化が蔓延した職場では、手順書やマニュアルが整備されておらず、業務の標準化ができていません。

このような職場では業務の詳細は担当者にしか分からず、マネジメント層も業務プロセスのどこにどのような問題があるか、また業務をどのように評価すべきか分からないという状況に陥りがちです。結果的に業務プロセスや業務品質の改善は困難になり、生産性向上の取り組みが阻害されます。

蓄積してきた顧客情報や営業情報の損失

ビジネスにおいて顧客情報は売上を上げるための大切なデータです。特に、顧客からいただく名刺には多くのデータが含まれています。個人ベースで名刺管理を行うと社員が退職した場合、顧客情報や営業情報を失ってしまう可能性も多いに考えられます。

また、顧客情報や営業情報の属人化は情報を失うだけでなく、顧客対応の遅れや不適切なアプローチにより顧客との関係悪化も懸念されます。

人材育成が困難

属人化した業務は特定の社員任せと言える状態です。スペシャリストは独自のスタイルで成績を上げますが、属人化している限り、重要なプロジェクトであっても誰も触れられません。

この状況下ではノウハウが共有されず、一部の優秀な社員と、そうでない社員との差が広がるばかりです。新人にもごく基礎的な研修しかできず、全社的なレベルが上がってこない上、せっかくの人材を生かせません。

休暇や退職に伴うリスクも

休暇や退職に伴うリスクも業務の属人化の問題です。属人化した業務の担当者が休暇に入った場合、他の社員はサポートに入りにくく、引き継ぎが困難という問題もあります。

取引先との付き合いが特定の営業パーソン依存だと、退職した場合に企業の強みであったはずのノウハウとともに、取引先も失われてしまう恐れがあることもリスクです。

【関連記事:『業務の属人化はとても危険!いざというときに困らないように対策しよう』

属人化を招く原因とは


業務の属人化は解消する必要がありますが、ではなぜ多くの企業がそうできていないのでしょうか。この原因として、業務の専門性の高さや非効率なタイムマネジメント、属人化解消へ向けた努力が評価に反映されないことなどを挙げられます。またテレワーク導入で属人化が進みやすいことも懸念点です。

業務の専門性の高さ

高度なスキルや背景理解が必要な業務は、知識や経験が不足している社員は関わりにくく、属人化しやすい傾向にあります。

特に中小企業は各業務を特定の1人または数名で回すことも多く、その他の社員は「何のための業務か分からない」「誰に聞いていいかも分からない」という状況に陥りがちです。こういった知識・経験による社員の分断は属人化を助長します。

属人化解消に時間を割けない

各社員がそれぞれの業務に多忙で、タイムマネジメントができていないことも、属人化を助長します。担当者は業務遂行に集中するあまり、マニュアルを作成する時間を取れず、ノウハウを共有する機会も持てません。

業務量が多くなっても属人化解消に向けた努力に時間を割けず、また誰にも任せられないため、結局特定社員が担当せざるを得ないというスパイラルに陥りがちです。

属人化解消が評価されない

属人化した業務の担当者がスペシャリストとして重宝されている企業もあります。個人成果主義の企業では、社内競争の結果として、自然に属人化が進むことも珍しくありません。

また属人化解消に向けた取り組みは、直接利益を生むわけではないため、評価対象になりにくいという問題もあります。特に社員が属人化を肯定的に捉える企業では、インセンティブがなければ属人化解消は進まないでしょう。

テレワークの浸透が属人化を加速させることも

テレワーク環境では、各テレワーカーが地理的に離れた場所で仕事をすることで、コミュニケーション不足になりやすい問題があります。業務連絡が滞りがちになり、チームメンバーの業務進捗が見えにくいのもよくある悩みです。

またテレワーカーのマネジメントの難しさもあります。テレワーク環境では勤怠管理や情報管理が難しく、業務の振り分けやサポートもオフィス勤務より困難です。こういった複合的な理由により、テレワークの浸透が属人化を加速させるケースもあります。

属人化を解消するメリットとは


属人化解消は以下のようなビジネス課題の解決に直結します。

・労働環境の是正
・業務やサービスの品質改善
・ノウハウ共有と人材育成
・生産性向上
・DXの推進

それぞれの観点から、属人化解消がいかに必要かを見ていきましょう。

労働環境の是正につながる

属人化を解消すると労働環境の是正につながります。労働環境のよくある問題は、誰が何をやっているか分からないという仕事のやりにくさ、一部のスペシャリストだけが重宝される人事評価の不満などです。また属人化はムダな長時間労働を生みます。属人化の解消により、こういった労働環境の問題を是正できるのは大きなメリットです。

業務やサービスの品質改善につながる

属人化解消は品質改善に役立つこともメリットです。一部の社員だけが業務を把握している状況では、業務や商品・サービスの品質は上がりません。
品質改善の取り組みには、業務プロセスのどこにどのような問題があるかを。客観的に評価できる仕組みが必要です。属人化の解消は、これまで表面化されてこなかった業務の課題を明らかにし、品質改善に寄与します。

組織としてノウハウを蓄積・共有できる

業務の属人化が蔓延した職場では、一部のハイパフォーマーが持つノウハウを共有できません。これはノウハウと特定社員が一致した状態です。

属人化を解消することで、特定の社員に依存するのではなく、組織としてノウハウを蓄積できます。企業は適宜ノウハウを共有できるようになり、新人の早期戦力化や部門全体のレベル底上げにつなげられるのもポイントです。

生産性向上につながる

生産性向上は人材不足や競争力強化に悩む企業にとって喫緊の課題です。しかし業務が属人化したままでは、この課題を克服できません。

業務進捗の共有や業務プロセスの改善、ノウハウの共有などの活動により、業務効率化や品質改善につながります。またムリ・ムダ・ムラや長時間労働の是正により、インプットに対するアウトプットの効率を改善でき、生産性向上につながるのも大きなメリットです。

DXの推進につながる

属人化解消のためにはICTツールの導入が必須です。ICTツールの活用により経験や勘に頼らない業務スタイルへシフトでき、蓄積されたデータを元に客観的に分析し、データドリブンな経営を実現できます。

これによりチームワークの加速や適材適所の人材配置、意見を出し合える風通しの良い職場環境の構築につながり、イノベーションの土台作りとなるのもポイントです。これがDXの基礎となり、売上向上などの経営課題の解決につながります。

属人化の解消方法とは


属人化を解消するには、まず経営層のマインドを変えることが必要です。その上で共通した目標の元にICTツールを整備し、マニュアルや業務進捗の共有、ワークフロー自動化などへつなげます。ここでは、属人化の具体的な解消方法を見ていきましょう。

経営層のマインドを変える

属人化解消の取り組みは、業務プロセスやマネジメントの仕組みを改善することと同義です。アナログな手法では情報の可視化や共有を十分に果たせないため、ICTツールの導入・活用が必須といえます。

これは全社的な業務改善の一環です。経営層が属人化解消の必要性を理解し、業務体質の改善に向けて方向性を示すことが求められます。

マニュアルを作成・共有する

業務の属人化を解消するには、業務を標準化することが必須です。このための最も基礎的な活動として、マニュアルの作成や共有を挙げられます。マニュアルは作成するだけではなく、全社員がいつでも閲覧できる状態にして共有すること、つまり情報の透明性が重要です。

例えばPDF形式などで作成した業務マニュアルをクラウドストレージで共有し、いつでもどこからでも、スマホからでも閲覧できる状態にします。この仕組みはテレワーク環境にも対応可能です。このようなICTツール活用の標準化が属人化解消につながります。

業務進捗を可視化・共有する

業務の属人化を解消するには、業務進捗の可視化・共有も必須です。業務進捗が担当者以外誰にも分からない状態では、業務の属人化ひいてはブラックボックス化を招きます。

この問題を解決するには、プロジェクト単位やチーム単位での業務進捗を可視化・共有し、誰が何をしているかを関係者全員で把握することが必要です。この活動は優秀な社員のノウハウを共有し、新人の早期戦力化や組織全体のレベル底上げにもつながります。

ワークフローを自動化する

属人化解消のためにもう一歩進んで考えたいのはワークフローの自動化です。回覧・承認などのプロセスは時間がかかり、決裁の方法などが不透明になる場合もあります。

これをICTツールによって電子化・自動化することで、業務の流れを可視化し、決済スピードの高速化やコンプライアンス強化につなげられる仕組みです。手順の決まった一連の業務をICTツールのサポートにより自動化することで、属人化解消ひいては業務改善や生産性向上につながります。

顧客情報や営業進捗情報を共有する

顧客情報や営業進捗情報の属人化を解消するためには、これらの情報を個人ベースではなく企業ベースで管理することが必要です。

名刺情報や営業進捗情報をデータ化し、一元管理することで社員の退職などによる情報損出を防ぎます。また、情報の引き継ぎもスムーズに行えるでしょう。

共有された顧客情報や営業進捗情報は、ビジネスの機会を増やし、顧客対応の質も向上させられます。さらに、営業活動の可視化によって営業活動の分析ができるようになり、ノウハウの共有や成功パターンも見出せるようになるでしょう。

属人化解消に効くICTツール整備はイッツコム!


コンテンツの一元管理やワークフロー自動化には「Box」、組織的な営業活動と生産性向上には「ホットプロファイル」、テレワークでのコミュニケーション活性化には「Zoom」が最適です。イッツコムならこれらのツールをセットで導入できます。

コンテンツの一元管理やワークフロー自動化には「Box」

属人化解消にはマニュアルの作成・共有や業務進捗の可視化などが必須です。しかし複数のICTツールを組み合わせるのは導入障壁が高く、定着しない恐れもあります。

そこで導入したいのが、法人向けに開発されたコンテンツマネジメントシステム「Box」です。容量無制限のストレージであらゆるコンテンツを一元管理でき、社内外ユーザーとの安全な共有・共同編集にも対応します。また、容量無制限ということで、NASやファイルサーバーなどの容量制限のあるファイル共有方法ではできなかったことも実現可能です。

例えば、技術者の作業動画や営業ロールプレイング動画などを保存し、新人育成に利用することもできるでしょう。音楽や動画、ゲームなどを提供する際のコンテンツデータ保管先にも適しています。

また、各ファイルに紐づくコメントやタスク機能により、透明性の高いコラボレーションの活性化につながるのもポイントでしょう。

さらに「Box Relay」を活用すればコンテンツベースのワークフロー自動化、進行中の各ワークフローの進捗確認や、タスクの監査履歴のエクスポートにも対応できます。

組織的な営業活動と生産性向上には「ホットプロファイル」

営業部門は特に属人化が問題になりやすく、解消にはICTツールの活用が必須です。営業部門の属人化解消には、名刺管理・SFA・MA一体型のクラウド型営業支援ツール「ホットプロファイル」が大きな効果を発揮します。

「ホットプロファイル」は名刺をスキャンするだけで顧客データベースを作成し、企業ニュースや商談履歴などを関連付けて一元管理、属人化しがちな人脈や営業履歴を可視化・共有できるシステムです。「お客様カルテ」を閲覧するだけで、顧客の最新情報や所属企業のニュース、過去の営業活動履歴などを簡単に把握できます。

顧客データベースと連動したリアルタイムでの営業報告・管理、目標管理・商談案件管理・タスク管理・営業アプローチリスト作成などを行うことができ、マネジメントやノウハウ共有に大いに役立つのもポイントです。

名刺や案件情報を企業ベースで一元管理し社内で共有することで、企業資産として貯蓄できるだけでなく、顧客情報のスムーズな引き継ぎや、今後のビジネス展開に役立つ情報としてより有効に情報を活用できるでしょう。

まとめ


業務の属人化はさまざまな問題を生み、ビジネスを停滞させます。属人化を解消すれば、労働環境の是正や生産性向上など、多くのビジネス課題の解決が可能です。そのためには経営層のマインドを変え、情報共有やコラボレーションに向いたICTツールを適切に活用しましょう。

イッツコムなら、「Box」「ホットプロファイル」「Zoom」という3つのICTツールにより、属人化解消をトータルにサポートできます。属人化解消とビジネス課題の解決をお求めなら、複数サービスの組み合わせでビジネスを加速させられるイッツコムにご相談ください。