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Zoomの同時通訳機能を徹底解説!ホスト・通訳者・参加者の使い方

Zoomでミーティングやウェビナーを開催中、「言語通訳機能」による同時通訳ができます。ただしAIではなく通訳者によるリアルタイムの通訳です。「複数のオーディオチャネルを使い分ける」という仕様を理解する必要があります。

Zoomミーティング・ウェビナーに複数言語の話者が参加することになり、同時通訳機能について理解を深めたい方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、Zoomの言語通訳機能を使って同時通訳をする準備、ホスト・通訳者・参加者それぞれの操作方法について紹介します。

Zoomの言語通訳機能とは?


Zoomには言語通訳機能があり、ZoomミーティングやZoomウェビナーの開催中、日本語と英語などの同時通訳ができます。ただしZoomの言語通訳機能は、AIによる自動通訳ではありません。通訳をするのは、同じセッションに参加する通訳者です。

ミーティングまたはウェビナーのスケジュール時に、参加者を通訳者(最大20名)として任命することで、オリジナル言語に加えて通訳先言語のオーディオチャネルを使えるようになります。

ネイティブオーディオチャネルとは、別の音声が流れる通訳オーディオチャネルを設定し、参加者は自身の理解できる言語で話されているオーディオチャネルを選択できる仕組みです。

Zoomの言語通訳機能で同時通訳をする準備


Zoomの言語通訳機能を使うには、機能的な要件を満たすことが求められます。特に重要なことは、ホストに有料ライセンスを割り当てることです。快適に同時通訳をするために、インターネット通信速度を確認し、マイク・スピーカー・Webカメラを用意しておきましょう。

言語通訳機能を使う前提条件

Zoomの言語通訳機能を使うための、機能的な要件は以下の通りです。

・ホストが有料ライセンスユーザーであること
・言語通訳機能が有効であること
・自動生成されたミーティングIDのミーティング/ウェビナーであること(パーソナルミーティングIDは不可)
・スケジュールされたミーティングまたはウェビナーであること(インスタントミーティングは不可)
・グローバル最小バージョン以降のZoomデスクトップクライアント・ZoomモバイルアプリまたはWebクライアントであること

ホストに有料ライセンスを割り当て

Zoomの言語通訳機能を利用するには、ホストに有料ライセンスを割り当てることが必要です。ホストが無料ライセンスユーザーだと、言語通訳機能は使えません。

事前にプロ・ビジネス・エンタープライズまたは教育機関の有料プランを契約し、ホストに有料ライセンスを割り当てましょう。なお有料ライセンスユーザーが主催するミーティングは、実質無制限(30時間/1回)で利用できます。

通訳者や他の参加者は、有料ライセンスを取得する必要はありません。通訳者はアカウントと紐づいたメールアドレスを指定して任命されるため、無料アカウントの取得は必要です。

【関連記事:Zoom有料版と無料版の違いとは?プロプラン以上の強みと選び方

インターネット通信速度を確認

Zoomを安定して利用できるインターネット環境は必須です。映像や音声の途切れがあると、同時通訳の遅れなどが発生し、ミーティング・ウェビナーの進行に支障が生じることも考えられます。

とはいえZoomは狭帯域で利用できることも強みの1つです。HDビデオを利用する際にも、おおよそ2~3Mbps程度の通信速度があれば問題ありません。

通信速度は測定サイトから簡単に調べられます。Google検索で「スピードテスト」をキーワード検索すると、Google提供の「インターネット速度テスト」などがヒットするため、事前に十分な通信速度があるかを調べておきましょう。

マイク・スピーカーやWebカメラを用意

コミュニケーションにおいて表情や声色の印象は重要です。オンラインミーティングは対面の会議より細かいニュアンスを読み取りにくい場合もあります。

PCやスマホに内蔵のマイク・スピーカーやWebカメラは、別売りのものより品質が低いことがあります。ビジネスシーンのコミュニケーションには支障をきたす恐れもあるでしょう。特に海外の取引先など面識のない相手とミーティングを行う際は、ヘッドセットや外付けWebカメラを準備し、音質・画質を高めることが大切です。

ホストがZoomの言語通訳機能を使う方法


ZoomミーティングやZoomウェビナーで同時通訳をするには、ホストが言語通訳機能を有効化した上で、通訳オーディオチャネルのあるミーティングをスケジュールすることが必要です。ここでは、ホストが言語通訳機能を使うための準備をして、ミーティング中に言語通訳を開始・終了するまでの流れを解説します。

言語通訳機能を有効化

まずは以下の手順で言語通訳機能を有効化しましょう。

1.Zoomウェブポータルにサインインし、[設定]をクリック
2.[ミーティング]タブをクリック
3.下にスクロールして[ミーティング内(詳細)]以下の[言語通訳]欄のトグルを有効(青色)にする
4.有効にすると、デフォルトの9言語(英語・中国語・日本語・ドイツ語・フランス語・ロシア語・ポルトガル語・スペイン語・韓国語)が表示される
5.さらに言語を追加するには、[+]をクリック
6.追加する言語の名前を入力し、ドロップダウンメニューから言語を選択
7.[追加]をクリック

通訳オーディオチャネルのあるミーティングをスケジュール

言語通訳機能を有効化したら、通訳オーディオチャネルを追加したミーティングをスケジュールします。

1.Zoomウェブポータルにサインインし、[ミーティング]をクリック
2.[ミーティングをスケジュール]をクリック
3.[ミーティングID]欄の[自動的に生成]を選択
4.[通訳]欄の[言語通訳を有効にする]チェックボックスをオンにする
5.通訳者のメールアドレス(Zoomライセンスと関連付くもの)と通訳言語(生成するオーディオチャネルの言語)を入力
6.[保存]をクリック

この操作はウェビナーをスケジュールする場合も同様です。

ミーティング中に言語通訳を開始・終了する流れ

Zoomモバイルアプリからは言語通訳の開始・管理ができません。ホストはWindows PCやMacでZoomデスクトップクライアントを使用する必要があります。ミーティング中に言語通訳を開始する手順は以下の通りです。

1.Zoomデスクトップクライアントにサインイン
2.スケジュール及び言語通訳を有効にしたミーティングを開始
3.ミーティングコントロールの[通訳]をクリック
4.必要に応じて、このメニューから通訳者を追加または削除。[開始]をクリックして通訳セッションを開始
5.ホストが[開始]をクリックすると、通訳者には言語を割り当てられた旨のメッセージが表示される
6.この時点で通訳者と他の参加者は、ミーティングコントロールの[通訳]をクリックし、言語チャネルを選択できる
7.通訳セッションを終了する場合、ホストが[通訳]→[言語通訳の管理…]の順にクリックし、[言語通訳]ウィンドウで[終了]をクリック

通訳者がZoomの言語通訳機能を使う方法


Zoomで言語通訳機能を使う場合、通訳者はミーティングまたはウェビナーのホストから指名を受けます。通訳者は自身が割り当てられた言語チャネルで同時通訳をしますが、ヒアリング中のネイティブオーディオチャネルの言語を理解できない場合、別のオーディオチャネルに切り替えて通訳リレーをすることも可能です。

通訳者にとっての言語通訳機能の基本仕様

言語通訳機能の利用に当たって、通訳者に有料ライセンスは必要ありません。ただし、スケジュール時に指定されたメールアドレスと紐づいたアカウントでサインインすることが必要です。事前に招待を受けたメールアドレスに間違いがないかを確認しておきましょう。

通訳者はミーティング・ウェビナー中に、受信(ヒアリング)するオーディオチャネルを切り替えられます。ホストが通訳者の言語割り当てを変更しない限り、発言(同時通訳)するオーディオチャネルを切り替えることはできません。

ミーティング中に通訳者が同時通訳をする基本操作

通訳者が言語通訳機能を利用する際、ミーティング中の基本的な操作方法は以下の通りです。

1.Zoomデスクトップクライアントにサインイン
2.ホストから通訳者として割り当てられたミーティングに参加
3.ミーティング中に通訳者として割り当てられたメッセージが届いたら、[OK]をクリック

これで通訳者は、ネイティブオーディオチャネルの音声を受信しつつ、自身が割り当てられた通訳オーディオチャネルに固定的に参加する状態です。例えば日本語話者による討論の音声を聞きつつ、英語話者向けのオーディオチャネルで同時通訳を行います。

通訳者が通訳リレーをする方法

通訳者は、ミーティング中に受信オーディオチャネルを切り替え、通訳リレーをすることもできます。

例えば、ネイティブオーディオチャネルがフランス語で、英語と日本語の通訳オーディオチャネルがある場合です。このとき、日本語話者向けに同時通訳をする通訳者が、「フランス語は理解できないが英語は理解できる」としましょう。

この通訳者がネイティブオーディオチャネルを受信しても、日本語に同時通訳できません。そこで受信するオーディオチャネルを切り替え、フランス語から通訳された英語オーディオチャネルをヒアリングし、フランス語→英語→日本語とリレーして同時通訳します。

参加者がZoomの言語通訳機能を使う方法


参加者はZoomデスクトップクライアント・Zoomモバイルアプリ・Webクライアントから言語通訳のリスニングができます。ここでは、参加者が言語通訳機能を使って通訳オーディオチャネルをリスニングする方法を見ていきましょう。

参加者にとっての言語通訳機能の基本仕様

Zoomの言語通訳機能を使うに当たり、参加者に有料ライセンスは必要ありません。ZoomミーティングやZoomウェビナーに参加中、ネイティブオーディオチャネル・通訳オーディオチャネルを自由に選択できます。

通訳オーディオチャネルに参加した場合、通訳者が話している間、ネイティブオーディオチャネルの音声も低音量で聞こえる状態です。ネイティブオーディオチャネルの音量は、通訳者が話を止めてから8秒後に100%に戻ります。またネイティブオーディオチャネルの音声をミュートすることも可能です。

Zoomデスクトップクライアントで同時通訳をリスニングする方法

Windows PCやMacでZoomミーティングに参加する場合、同時通訳をリスニングする方法は以下の通りです。

1.Zoomデスクトップクライアントにサインイン
2.スケジュールされたミーティングに参加
3.ミーティングコントロールの[通訳]をクリックし、聞きたい言語を選択
4.通訳された言語のみを聞く場合、[オリジナル音声をミュートにする]をクリック

Zoomモバイルアプリで同時通訳をリスニングする方法

iPhone/iPadやAndroid端末でZoomミーティングに参加する場合、同時通訳をリスニングする方法は以下の通りです。

1.Zoomモバイルアプリにサインイン
2.スケジュールされたミーティングに参加
3.ミーティングコントロールの[詳細…]をタップ
4.[言語通訳]をタップし、聞きたい言語を選択
5.通訳された言語のみを聞く場合、[オリジナル音声をミュートにする]トグルをオンにする
6.[完了]をタップ

Webクライアントで同時通訳をリスニングする方法

Windows PCやMacの場合、WebブラウザからZoomミーティングに参加することもできます。ChromeやEdgeなどのWebブラウザから、Zoomミーティング中に同時通訳をリスニングする方法は以下の通りです。

1.ホストから共有された参加リンクをクリックし、ミーティングに参加
2.ポップアップウィンドウで、Zoomデスクトップクライアントを開くか、インストールするように求められたら、[キャンセル]をクリック
3.ページ下部にある[ブラウザから参加]リンクをクリック
4.要求される場合は、Zoomアカウントにサインイン
5.[参加]をクリック
6.ミーティングコントロールの[通訳]をクリックし、聞きたい言語を選択
7.通訳された言語のみを聞く場合、[オリジナル音声をミュートにする]をクリック

Zoomの言語通訳機能で同時通訳する注意点


Zoomの言語通訳機能を使う際、参加者は「ネイティブ・通訳の音声を同時に聞き取りにくい」「発言が言語チャネルを混乱させる」といったことがあります。また言語通訳機能についてZoom公式のサポートやトレーニング制度はありません。

ネイティブ・通訳の音声を同時に聞き取りにくい

参加者が通訳オーディオチャネルを選択した場合、ネイティブオーディオチャネルの音声はほぼ聞こえません。ネイティブ・通訳オーディオチャネルの音量バランスはZoom側が自動調整し、ユーザー側で調整できないためです。

例えばネイティブオーディオチャネルが日本語のとき、英語チャネルを選択すると、日本語チャネルの音声は通訳者や英語話者の声でほぼ聞こえなくなります。

参加者の発言が言語チャネルを混乱させることも

参加者は言語チャネルを自由に切り替えられます。ここで注意したいのは、「リスニング言語と発表言語を統一する必要がある」ということです。

例えば英語チャネルをリスニング中の参加者が日本語で発言した場合、英語による同時通訳と被ってしまい、英語チャネルをリスニング中の他の参加者を混乱させてしまいます。

参加者が言語チャネルを切り替えると、リスニングだけでなく発言するチャネルも同時に切り替わるため、発言前に選択中の言語チャネルを確認することが大切です。

サポートやトレーニング制度がない

Zoomの言語通訳機能を使いこなすには、使い方を理解するための時間が必要です。しかしZoom公式には、トラブル発生時のテクニカルサポートや、公式トレーニング制度がありません。

Zoomの契約窓口は、公式サイトの他に、国内代理店があります。有料プランの契約時には、サポートやマニュアルの充実した国内代理店を選ぶことも検討しましょう。

【関連記事:Zoomビジネスライセンスとは?有料プランの機能差や契約窓口の違いを解説

言語通訳に必須のZoom有料ライセンス契約はイッツコムにお任せ!


Zoomの言語通訳機能を利用するには有料プランの契約が必要です。無料プランにはミーティングの40分制限などの機能制限もありますが、有料ライセンスを取得すると実質無制限(30時間/1回)で利用できます。

共同ホストの指名や投票・アンケート機能など、さまざまな追加機能を利用できるようになるため、Zoomを使いこなすなら有料版へのアップグレードがおすすめです。

イッツコムなら日本語サポート込みのZoom有料プランを、プロ1ライセンスから契約できます。管理者向けのマニュアルも充実しており、Zoomの使い方に不安がある方も安心です。

まとめ


Zoomは言語通訳機能により、ミーティングまたはウェビナーに通訳者を参加させる形で同時通訳ができます。言語通訳機能はプロ以上の有料プランのみ利用できるため、有料プランを契約し、ホストに有料ライセンスを割り当てることが必要です。

Zoomの国内代理店でもあるイッツコムは、プロ1ライセンスからの小規模契約にも対応できます。Zoomの言語通訳機能を活用するなら、サポートやマニュアルも充実したイッツコムにご相談ください。