1. コラム
  2. コラム
  3. セールスイネーブルメントとは?意味・必要性・具体例や必須ツールを解説

セールスイネーブルメントとは?意味・必要性・具体例や必須ツールを解説

営業組織の強化や営業力の向上を目的として、セールスイネーブルメントの取り組みを導入する企業が増えています。セールスイネーブルメントの取り組みとして、営業組織を可視化し、営業力の継続的改善を目指すことが挙げられます。また、成果が出ているパターンを数値化し営業部門全体の力を底上げします。

営業部門の属人化や成績差などの問題を抱えており、セールスイネーブルメントのコツを知りたい企業担当の方もいるのではないでしょうか。見込み顧客を売上につなげるためには、営業力が欠かせません。

そこでこの記事では、セールスイネーブルメントの意味・具体例や必要とされる背景、メリットや必須ツールについてご紹介します。

セールスイネーブルメントの考え方や実施方法、導入に当たってのツール整備を知ることで、営業力の総合的な強化を具体的に検討できます。クラウド型ツールの併用にも目を向け、部門横断的な仕組み作りを成功させましょう。

セールスイネーブルメントの意味や具体例


セールスイネーブルメントは、営業に関連する部門が独立して活動する従来型の仕組みから、部門横断的な連携で営業力強化に向けたタスクフォースへ変わる取り組みです。まずはセールスイネーブルメントの意味や重要な視点、取り組みの具体例を見ていきましょう。

セールスイネーブルメントとは

セールスイネーブルメントとは、ICT(情報通信技術)を活用して営業組織を強化・改善する取り組みです。特に人材育成を重視し、ビジネスで成果を上げる営業パーソンを輩出し続ける仕組み作りを指します。

換言すれば、人事採用からリードジェネレーション(見込み顧客の獲得)や商談・カスタマーサクセス(顧客の成功体験支援)まで、営業組織に影響する全てのプロセスを最適化する取り組みです。データ活用により関連部門を緊密に連携させ、営業部門のパフォーマンスの総合的な向上、売上の最大化を目指します。

セールスイネーブルメントの2つの視点

セールスイネーブルメントの根幹をなす視点は「全体設計」「数値化」の2つです。営業組織内だけでなく人事採用・新人研修・顧客接点・コーチングなど、関連部門の施策が売上に対してどのように影響しているかという視点で、一貫した全体設計を策定・管理します。

施策の効果は測定可能な状態にすることが重要です。売上に対する施策ごとの貢献度を測定し、全体のプロセスを最適化していきます。

セールスイネーブルメントの具体例

セールスイネーブルメントの取り組みは多岐にわたります。具体的な取り組みの例は以下の通りです。

・営業組織全体のパフォーマンスを可視化し、営業力の継続的改善を促す
・トップセールスの営業ナレッジを部門内で蓄積・共有し、新人の早期戦力化や部門全体のレベル底上げに生かす
・新人研修時だけでなく、継続的かつ個別にトレーニング・コーチングを行う
・営業担当者の活動を正確にデータ化し、売上への貢献度を公正に評価する
・貢献度の高い営業パーソンのペルソナ(具体的な人物像)を設定し、採用部門に共有、入口から最適化する

【関連記事:『営業戦略とは?戦略・戦術の立て方やフレームワーク、成功のポイントを解説』

セールスイネーブルメントが必要とされる背景


従来型の営業組織には営業活動の属人化という大きな問題があります。また社会のデジタル化・DXが進行する中で生活者の購買行動やニーズは変化しており、アナログチャネルに頼っていた時代よりリードの量・質が向上している状況です。ここでは、セールスイネーブルメントがなぜ必要とされているかを見ていきましょう。

営業活動の属人化

セールスイネーブルメントは営業活動の属人化を排除します。多くの営業パーソンは各自のスタイルでアポ取りや商談を進め、顧客情報や営業履歴が共有されず不透明になりがちです。つまり営業活動は属人化しやすいという問題があります。

この問題は各営業パーソンのスタイルや営業組織のあり方を見直さなければ解決できません。そこで組織的な営業活動を実現するセールスイネーブルメントの取り組みが求められています。

【関連記事:『業務の属人化はとても危険!いざというときに困らないように対策しよう』

購買行動やニーズの変化

誰もがスマホやインターネットを利用する時代になり、多くの企業が多種多様なWebサービスを提供しています。消費者は商品・サービスの検索や比較検討が容易になり、購買行動やニーズは多様化・複雑化している状況です。

SaaSやMaaSなどサブスクリプション型のコンテンツやサービスも増えています。買い切り型の商品とは異なるアプローチが求められる中、購買行動やニーズの変化をつかめなければ、売れるタイミングやリピーターを逃してしまうでしょう。

この問題を解決するためにも、組織的な営業活動を実現するセールスイネーブルメントが求められます。

顧客の量・質の向上

顧客の量・質が向上していることもセールスイネーブルメントが必要とされる背景です。多様なデジタルチャネルを活用できる時代になり、WebサイトやSNSからのアクセス、Webサービスの会員登録なども一般化しています。

全国の消費者は自発的に情報検索しデジタルチャネルから流入、企業はアクセス解析によりWeb行動履歴や属性情報なども収集可能です。アナログチャネルに頼っていた時代より顧客の量・質は向上しています。

顧客を正確に分析し、営業パーソンへ適切なタイミングでトスアップ、売上に貢献させるためにもセールスイネーブルメントが求められている状況です。

セールスイネーブルメントのメリット


セールスイネーブルメントが成功すると以下のような恩恵を享受できます。

・関連部門とシームレスに連携できる
・顧客視点でペルソナやジャーニーを考えられる
・「売って終わり」ではなくLTVを最大化できる
・新人の早期戦力化やレベル底上げができる

ここでは、ビジネスを加速させるセールスイネーブルメントの魅力を見ていきましょう。

関連部門とシームレスに連携できる

セールスイネーブルメントの取り組みは、関連部門をシームレスに連携させます。主な関連部門は以下の通りです。

・マーケティング部門:顧客獲得とスコアリング(ホットリードの抽出)
・インサイドセールス:顧客育成と商談創出
・フィールドセールス:インサイドセールスからトスアップを受け商談・クロージング
・カスタマーサクセス:商談成立後の関係構築と顧客満足度や成功体験のサポート
・カスタマーサポート:顧客の悩みやクレームを適時解決

各部門が個別に活動するのではなく、共通目標に基づき一貫したプロセスの中で情報共有し、シームレスに連携します。

顧客視点でペルソナやジャーニーを考えられる

セールスイネーブルメントを取り入れれば、顧客へのアプローチを顧客視点で考え、各部門が一貫した施策を打てます。各部門が分断していると、企業視点で考えがちです。

顧客視点で考えるには、具体的な顧客像であるペルソナを設定して、ペルソナが購買・継続利用に至るストーリーであるカスタマージャーニーマップを作成します。

これにより認知・検討・購買・継続利用といった購買行動のプロセスや、Webサイト・口コミ・店舗など各顧客接点の問題・課題を明らかにし、ストーリーを想定した各部門の連携を強化できる仕組みです。

「売って終わり」ではなくLTVを最大化できる

セールスイネーブルメントにより部門間の連携を強化すると、LTV(顧客生涯価値)の最大化を狙えます。

従来の営業手法では各営業パーソンが「売って終わり」になることがよくありました。しかし顧客のニーズ変化やサブスクリプション型サービスの台頭により、LTVの最大化が重視されています。

インサイドセールスやカスタマーサクセスと連携したCX(顧客体験)の向上により、継続利用やアップセル・クロスセルを狙いやすくなり、LTVの最大化が可能です。

新人の早期戦力化やレベル底上げができる

新人の早期戦力化につながることもセールスイネーブルメントのメリットです。営業パーソン間で成績が大きく異なる企業は珍しくありません。これは属人化した営業活動を続けていることが大きな原因です。

セールスイネーブルメントを取り入れれば、トップセールスの営業ノウハウを蓄積・共有し、新人の早期戦力化や営業部門のレベル底上げにつながります。

セールスイネーブルメントを導入する流れ


セールスイネーブルメントを導入するには、まず担当者を決めることが必要です。最終成果だけでなく施策の各段階を評価することや、営業パーソンの評価基準をトップセールス偏重にならないものへ変えることも求められます。

担当者を決める

セールスイネーブルメントを導入するに当たっては、担当者を決めておくことが必須です。営業力強化という目的から、一般的には営業部門内に担当者が置かれます。

しかしセールスイネーブルメントは、マーケティングや人事採用なども関わる部門横断的な取り組みです。営業活動の一環とすると、業務の切り分けができず、目的達成に向けた推進が滞る恐れもあります。

スムーズに推進するための理想的な形は、セールスイネーブルメントの専門部署を設置し、各部門の担当者によるプロジェクトチームを組織することです。

営業プロセスを数値化する

セールスイネーブルメントに関わる営業プロセス全体の成果を数値化し、施策を総合的に評価することも重要です。最終的な目標は売上の向上であっても、数値目標が最終成果だけであれば、各部門の施策の評価ができません。

そこで人事採用やマーケティング、営業からカスタマーサクセスに至るまでの一連のプロセスを、各段階できちんと機能しているか評価する仕組み作りが必要です。

評価基準を決める

評価基準を刷新することも重要です。セールスイネーブルメントの成否を判断するには、人材育成や各営業パーソンの成績底上げなども評価する必要があります。単純に成果重視のままでは、トップセールス偏重型の営業組織を脱却できません。

そこでノウハウ共有や人材育成への貢献度、営業パーソン各自の相互サポートや顧客のフォローなど、これまで見逃されていた要素も評価対象とすることが大切です。これにより各営業パーソンの個性を伸ばし、適材適所の配置も考えやすくなり、組織全体のモチベーションアップにもつながります。

セールスイネーブルメントツールの種類


セールスイネーブルメントの取り組みにはICTツールを活用します。関連部門が多いため、アプローチするプロセスによって対応ツールも変わりますが、最低限必須といえるツールはCRMとSFAです。

ツールの主なカテゴリ

セールスイネーブルメントツールの主なカテゴリは以下の通りです。

・教育・トレーニング
・評価・分析 ・営業プロセス改善
・コンテンツの作成・共有
・顧客・営業担当者へのコンテンツのレコメンド
・コンテンツの活用状況の可視化
・コミュニケーション

営業関連のツールの中で、これらの機能のひとつまたは複数を持つものをセールスイネーブルメントツールと呼びます。

CRM

セールスイネーブルメントの必須ツールのひとつはCRM(Customer Relationship Manegement)、日本語に訳すと顧客関係管理システムです。CRMとは、顧客の属性や接触情報を一元管理し、各顧客との良好な関係構築を目指すツールを指します。

顧客満足度の向上やサービスの継続利用、LTVの最大化のために必須のツールです。実店舗・Webサイト・カスタマーサポートなどから多種多様な顧客情報を収集し、統一されたフォーマットで管理します。

購買履歴や問い合わせ・クレーム内容なども蓄積・共有することで、各顧客の属性やニーズの変化に応じた、きめ細かな対応が可能です。

【関連記事:『顧客管理のベストな方法とは?「CRMシステム」導入で顧客管理を効率的に』

SFA

CRMとともにセールスイネーブルメントの必須ツールに挙げられるのはSFA(Sales Force Automation)、日本語に訳すと営業支援システムです。SFAとは、顧客情報や営業履歴などを一元管理し、組織的な営業活動を支援するツールを指します。

オンライン営業報告や目標管理、営業データの分析・レポート機能なども備え、マネジメントやノウハウ共有にも役立つツールです。CRMと機能的に類似する部分もあるため、CRM一体型のSFAも珍しくありません。

【関連記事:『営業支援とは?目的や手順、SFA導入のメリットや活用方法を解説』

セールスイネーブルメントの必須ツール整備はイッツコム!


イッツコムは組織的な営業活動の支援に効く「ホットプロファイル」、部門横断的なコンテンツ管理・共有に効く「Box」、インサイドセールスの活性化に効く「Zoom」を提供しています。これら3つのICTツールを基盤とすることで、各部門とシームレスに連携したセールスイネーブルメントの推進が可能です。

組織的な営業活動の支援には「ホットプロファイル」

セールスイネーブルメントには営業組織内での情報共有と営業プロセスの改善、適切なマネジメントが求められます。これらの課題を一挙解決するのが、名刺管理・CRM・SFA・MA(マーケティングオートメーション)一体型の「ホットプロファイル」です。

名刺のスキャンやCSVファイルの読み込みだけで安全なクラウド上に顧客データベースを自動作成し、最新の企業ニュースや営業履歴などを紐づけて一元管理します。

GPS連携の営業報告や目標管理・レポート出力にも対応し、システム利用者は全員で同じ情報を共有できるのもポイントです。マネジメントやノウハウ共有・新人教育を強化でき、インサイドセールスとフィールドセールスの連携に役立ちます。

また「いまホットな顧客」を自動分析・通知するため、タイミングを逃さないトスアップ・営業ができるのも強みです。

部門横断的なコンテンツ管理・共有には「Box」

セールスイネーブルメントには営業部門以外との部門横断的なコンテンツ管理・共有も求められます。

そこで導入したいのが、容量無制限かつ高セキュアなクラウドストレージ「Box」です。オンラインでのコンテンツ作成や共同編集に対応し、ファイルごとにタスク・コメントも追加できます。

また「Box」はインターネット環境があれば、どこからでもスマホからでもアクセス可能です。リモートワークや営業先から営業資料を確認することができるので、大幅に業務を効率化できます。このように、場所やデバイスを選ばず書類やファイルにアクセスできる「Box」は現代の働き方にも大いにマッチするでしょう。

インサイドセールスの活性化もセールスイネーブルメントに効果的

電話・メール・Web会議システムなどを用いて「訪問しない営業」をするインサイドセールスの活性化も、セールスイネーブルメントに効果的です。

例えばWeb会議システム「Zoom」を用いて商談をすれば、複数人での商談もセッティングしやすく、商談の模様を録画・共有できます。有料版Zoomであれば、ミーティングを実質無制限(30時間/1回)で利用でき、PCやスマホからのクラウドレコーディングも可能です。

トップセールスが関わる商談を録画・共有することで、営業活動の属人化を防ぎ、ノウハウ共有により新人の早期戦力化や営業部門全体のレベル底上げにもつながります。

イッツコムなら、日本語サポート付きの有料版Zoomを1カ月無料で提供中です。まずはトライアル期間で使用感をお試しください。

それぞれのツールを連携させることで、業務効率が格段にアップされます。商談においてのツールの活用シーンはこちらから

まとめ


営業活動の属人化や購買行動・ニーズの変化に対応するためにも、セールスイネーブルメントは必須の活動です。CRM・SFAやクラウドストレージなどを活用し、関連部門をシームレスに連携させ、営業組織のレベル底上げやLTVの最大化を目指しましょう。

イッツコムは「ホットプロファイル」「Box」「Zoom」により、セールスイネーブルメントの仕組み作りを強力にサポートできます。営業課題の根本的な解決をお求めなら、複数サービスの組み合わせで組織的な営業活動を支援できるイッツコムにご相談ください。