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VPNのイメージを分かりやすく!仕組みや活用事例を知ってセキュリティを強化しよう!

さまざまな企業でVPNの導入が急速に進んでいます。VPNは情報漏洩などを防ぐセキュリティの高い通信技術です。社外での情報のやりとりが増えるにしたがって、インターネット利用のセキュリティ強化を図るより良い方法を検討している企業も多いのではないでしょうか。

導入するとどのようなメリットがあるのか、セキュリティがどれほど強化されるのかイメージがつかめればVPNの必要性が理解できるでしょう。そこでこの記事では、VPNがどのような仕組みなのかを解説するとともに、企業の活用事例なども紹介します。

VPNのイメージをつかもう!

VPNのイメージをつかもう!

インターネットでの情報のやり取りの手法が多様化するにつれ、VPNという言葉をよく耳にするようになりました。しかし、どのようなものなのか詳細には分からないという方も多いのではないでしょうか。

VPNの大きな特徴のひとつとして、情報を抜き取られたり、漏洩したりするリスクが少ないことが挙げられます。ここではその仕組みや種類について確認し、具体的なイメージをつかみましょう。

VPNとは

Virtual Private Networkの頭文字をとった言葉がVPNで、仮想のプライベートネットワークを指します。インターネット上に仮想の専用の通り道を作り、プライベートな環境で情報のやりとりができる仕組みです。

VPNでは伝達する情報が全て複雑に暗号化されて運ばれるので、仮にハッキングにあっても解読されるリスクを大幅に軽減できます。セキュリティ面では安心といわれており、機密情報や個人情報を含むデータの送受信をする際に有効な手段です。

情報を取り扱う手段はさまざまなアプリの登場などで多様化しています。それまでメールの暗号化やSSLの利用などのセキュリティ対策方法もありましたが、VPNは多様化する情報サービスに対応できることが大きな特徴といえるでしょう。その利便性から多くの企業で導入が進んでいるのが現状です。

VPNの仕組み

VPNのセキュリティの高さを実現しているのは、VPNサーバーと呼ばれるプライベートサーバーです。このサーバーを通過することによって、セキュリティ対策が施された形で情報をやりとりできます。

この他にVPNのセキュリティを強化しているのが、「トンネリング」と呼ばれる技術と「認証化」です。「トンネリング」では、インターネット上に外からは見えない仮想のトンネルのような専用線を設けます。データのやりとりをしていること自体、第三者に知られることはありません。

VPNの種類

VPNにはいくつかの種類があります。使用する回線で分けられるのがインターネットVPNとIP-VPNです。その他、エントリーVPNと呼ばれるブロードバンド回線を使った入門向きのものや、IP-VPNとネットワークの仕組みはさほど変わらないもののカスタマイズ向きの広域イーサネットも一種であると覚えておきましょう。

それぞれのVPNの特徴を表にまとめました。

VPNの種類使用回線特徴
インターネットVPNインターネット回線・安価にVPNを利用できる
エントリーVPNインターネット回線・簡易版ともいえるタイプ。サービスの強化が図られ、機能がIP-VPNに近づいている
IP-VPN通信事業者の専用回線または閉域IP網(レイヤ3)・閉域網を利用するため、情報漏洩リスク抑制度がより高い
・専用線で高速かつ安定性のある通信が可能
広域イーサネット通信事業者の専用回線または閉域IP網(レイヤ2)・ネットワーク設定の自由度が高い

事業の形態や利用方法によって選ぶべきVPNは変わります。どこの重点を置くかを検討して選ぶとよいでしょう。

VPNがセキュリティに優れている理由

VPNがセキュリティに優れている理由
VPNがセキュリティに優れているといわれる背景には、情報のやりとりをする場所が通常のインターネット環境とは異なることが挙げられます。外部からは見えない仮想のトンネルの中を情報が通過していくイメージです。

ここでは、情報の取り扱いにおいてVPNの安全性が高い理由を解説します。VPNを利用しない場合のリスクを確認しながら見てみましょう。

普通の通信は危険である

通常のインターネット環境は、不特定多数の人が利用する環境を情報が行き来するため、情報を盗まれる心配があります。

悪意のある第三者がちょっとした技術を使えば、どのような端末を使って情報のやりとりをしているか、アクセスしているサイトや送受信先のアドレスなどが読み取られてしまう恐れもあります。場合によっては、パスワードまで抜き取られてしまうかもしれません。

ハッキングの被害はすぐに気づきにくく、後々パスワードを悪用される可能性もあります。企業などでは個人情報の流出などにつながる恐れがあり、通常の通信は大きなリスクがあることを知っておきましょう。

VPNは通信の中身を見られないようにするもの

VPN通信はこうした不特定多数の人の目に触れる場所をデータが通過しません。仮想のトンネルの中を通過していきます。高度な技術によって、万が一トンネルの中を通過する情報に気づかれたとしても、情報は暗号化されており、読み取られる心配はほぼありません。

VPN通信ではよく「カプセル化」という表現が使われます。やりとりする情報は、いわばカプセルに包まれた状態で運ばれ、何の情報をやりとりしているのかわからないためです。高度に暗号化処理された情報は、仮に第三者の目に止まることがあっても、解読できないでしょう。VPNは何重ものセキュリティ対策が施されています。

VPNは関係者のみが見ることができる

VPNが安心なのは、あらかじめ権限のある関係者しかアクセスできないことです。VPNを利用する際には、まず使うデバイスの設定をする必要があります。設定では、接続サーバー名やID、パスワードを入力して、認証状態にしましょう。認証されないと、VPNを利用できません。利用は関係者のみに制限しているのが一般的です。

企業によっては定期的にIDとパスワードの変更を社員に求めているところもあるほどです。IDとパスワードは推測されないよう、英数字を組み合わせた複雑なものを設定します。

万が一のことを考え、長時間操作しないとVPNの認証が切れる仕組みとなっていることが多いでしょう。さらに、VPNはアクセスの時点で、厳しいセキュリティ対策が講じられています。

VPNを使わないことで起こるリスク

VPNを使わないことで起こるリスク
インターネットの世界は目に見えないだけに、セキュリティが不十分だったときにどのようなリスクがあるのか、分かりづらいのではないでしょうか。

分かりやすい例のひとつが、第三者が自分のクレジットカードなどで勝手に買い物をしてしまうことです。また、インターネット利用では、こうした情報漏洩被害に遭っても気づきにくいことが難点でもあります。その他のリスクについても詳しく押さえておきましょう。

アカウントの乗っ取り

アカウントの乗っ取りは、もっとも起こりうるリスクです。メッセージアプリをはじめ、SNSアカウント、ショッピングサイトのアカウントなど、インターネット回線を媒介してIDとパスワード情報を抜き取られることで、アカウントが他人に不正利用されてしまいます。

例えば、ビジネスで利用しているオンラインストレージサービスのアカウントが乗っ取られてしまったら、不正にログインされ情報が抜き取られてしまうかもしれません。また、クレジットカード情報が紐づいているアカウントが被害に遭ったら、不正送金や覚えのない高額商品の購入などの金銭面のダメージも重大になります。

盗難

盗難の被害にあうこともあります。もっとも多いパターンは、銀行口座から勝手にお金を引き出されることでしょう。これも、インターネット上で口座番号や暗証番号を入力する際に、情報を抜き取られる手口です。

さらに手口が込んでいる場合、ネットの閲覧履歴から利用している銀行を割り出し、その銀行のホームページに似せた偽物の画面をパソコンやスマホに表示させ、口座番号や暗証番号を入力させるというものもあります。

個人情報の抜き取り

個人情報が抜き取られる被害も起きています。企業などが顧客情報をインターネットで送受信する際、顧客の名前や住所、電話番号などが盗み取られるというケースです。

名前や住所が第三者の手に渡ったからといって、被害は出ないこともありますが、こうした個人情報は売買されることもあるといわれています。家族構成などが調べられた上、悪徳商法や詐欺などの犯罪に悪用されるかもしれません。

特にフリーWi-Fiは危険

インターネットを使う場合、注意が必要なのがフリーWi-Fiです。その理由は2つあります。

ひとつは、フリーWi-Fi自体にウィルスなどが侵入し、接続したときに情報が盗み取られる心配があることです。フリーWi-Fiは接続が簡単なため、ウィルスが入り込むことも難しくありません。

もうひとつの理由は、偽物のフリーWi-Fiを近くに設置し、そちらに誘導することで情報をハッキングする手口があるためです。偽物のフリーWi-Fiは本物と似た文字の配列で、1文字しか違わないといったケースが目立ちます。

フリーWi-Fiの場合、接続したユーザーは正しいWi-Fiに接続されたのかどうか確認する方法がほとんどありません。フリーWi-Fiを利用する際にはそのまま接続するとリスクがあることを十分理解しておきましょう。

VPNを導入するメリット

VPNを導入するメリット
VPNを導入する最大のメリットは安全な通信ができることです。それ以外にも、場所を問わず遠隔通信が安全にできることや、スマホなどのモバイル端末からでもアクセスできることなどさまざまなメリットが挙げられます。複数の拠点から接続できることや、コスト削減につながることも利点といえるでしょう。VPNのメリットをまとめました。

安全な通信ができる

ハッキングなどの心配がなく通信できることは、VPNの大きなメリットです。「トンネリング」または「カプセル化」といわれるように、やりとりする情報は外からわからないよう工夫されています。

さらに安全性を高めているのが暗号化です。情報を複雑に暗号化しているため、その解読はほぼ不可能といってよいでしょう。アクセス権限を持った人でないとVPNのネットワークに入れないのも安心できるポイントです。

遠隔接続が可能

VPNは各地に拠点があれば遠隔からの接続でも問題ありません。日本国内はもとより、海外からでもVPNを使えば、安心して情報のやりとりができます。

たとえば中国に進出している企業はVPNが命綱ともいえます。情報統制が厳しい中国では、センシティブな内容を含む情報のやりとりにはかなり気を使うでしょう。VPNを使えば、スムーズに日本と情報伝達をすることができます。

モバイル端末からのアクセスが可能

スマホなどモバイル端末からアクセスできることもVPNの魅力です。VPN接続に端末は問いません。

あらかじめ登録されたIDとパスワードを入力して認証できれば、VPN接続が可能です。出先からスマホでVPN接続して社内の情報を取り出すこともできます。パソコンを開けない環境でも、機密情報を利用した仕事が可能になるでしょう。リモートワークの際なども、とても便利です。

複数の拠点から接続できる

VPNは複数の拠点同士でも難なく接続できます。VPNと似た「専用線」と呼ばれるネットワークは、2つの拠点を結ぶものです。これに対してVPNは点と点を結ぶのではなく、IDとパスワードを割り当てられた人ならどこからでもアクセスできます。

本社の他、全国に複数の拠点がある企業では導入のメリットが大きいでしょう。全国の社員がVPNで安全に情報を共有できます。

コスト削減が可能

セキュリティの高いネットワークとしてVPNは比較的低コストの回線です。インターネットがここまで普及する前、セキュリティの高いネットワークとして「専用線」という回線を敷くケースもありました。

その用途に限定した専用の回線を設ける専用線のシステムに比べ、VPNは既存のインターネット環境や事業者の回線を使うため、コスト削減にもつながるでしょう。

セキュリティ面が心配な企業様にはVPNの導入がおすすめ

インターネットでの情報伝達に不安を感じている企業は、VPN導入がおすすめです。特にテレワークを導入している企業や、社員が外出先で仕事をする機会の多い場合は、メリットが大きいでしょう。出先でWi-Fiを経由して通常のインターネットで仕事の情報にアクセスするのはリスクが大きすぎますが、VPNを利用していればセキュアな通信が可能です。

海外展開している企業にとっても、VPNは利便性を発揮します。特にネット規制されている国に事業所を構えている企業にとってVPNは必須です。

VPNの活用事例を紹介!

VPNの活用事例を紹介!
VPNはセキュリティ面でメリットが大きいと理解していても、いざ導入となるとどのように生かすべきか分からない場合もあるかもしれません。ここではどのような運用でVPN導入が生かせるかを2つのポイントから紹介します。実際、どのようなケースで導入されたかの事例で確認しておきましょう。

担当者がいなくてもVPNは活用できる

企業で通信システムを新たに導入する場合、専門知識をもった担当者を配置して運用する必要があると考えるかもしれません。しかし、VPNであれば担当者を社内に配置しなくても安心して運用する方法があります。

例えば、本社以外にも全国主要都市に事業所を持つ企業における事例を見てみましょう。この企業では機密情報を含む大容量ファイルを頻繁に送受信する必要がありました。こうした場合、ネットワークセキュリティ面の強化は不可欠といえるでしょう。そこで導入されたのがVPNです。

しかし、導入に向けた最大の課題はセキュリティシステムのために専用員を配置できないことでした。その問題は、通信事業者の回線を利用するIP-VPNの導入で解決を図ります。IP-VPNは事業者を介すため、何かトラブルが起きた際には全面的にサポートを受けられます。このようにしてこの企業は、新たな人材を確保せずにVPNを導入しました。

リモートアクセス環境のセキュリティを高めた事例

VPNがリモートアクセスの環境をより良くした事例もあります。昨今はコロナ禍においてリモートワークを推進する企業が急速に増えました。こうしたケースで問題視されるのが、自宅や出先から社内の情報をどう安全に共有するかです。

ここでも検討の結果、白羽の矢が立ったのがVPNの導入です。社外から社内の情報にアクセスできる安全なネットワークとして注目が集まりました。VPNは利用するデバイスを選ばないので、環境に違いがあっても導入が図りやすくリモートワークに最適な対応といえるでしょう。

モバイル閉域接続がおすすめ

VPNの導入を検討している方に特におすすめなのが、イッツコムの「モバイル閉域接続」です。モバイル閉域接続は独自の回線を利用しています。通常のインターネットとは隔離された回線です。

このため、通信自体が第三者に知られることはありません。回線自体が、安全性の高いシステムになっています。「モバイル閉域接続」ではログも取得できるため、会社の外でも高いセキュリティが保持されたままです。

VPNをめぐっては、VPN装置そのものがハッキングされてサイバー攻撃を受けるという、VPNであってもそれだけでは万全ではないと警鐘を鳴らした事件がありました。こうした懸念に対してもモバイル閉域接続を利用すれば、存在自体が外部より認識されないため安全度が高いといえるでしょう。

まとめ

まとめ

情報の漏洩や流出に対して社会の厳しい目があることに加え、感染症対策などでリモートワークが今後増えることが予想されるため、VPNは今後企業の間でますます欠かせないネットワークとなるでしょう。

これから導入を検討している方にとっては、回線選びも重要となります。より安全性が高く、利便性の高いVPNを導入したいとお考えの際は、イッツコムの「モバイル閉域接続」をご検討ください。独自の回線を利用するため安全性がさらに高まり、多様化するビジネススタイルにもスムーズに対応できます。ぜひ一度イッツコムにご相談ください。