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ドメインを安全に構築するには?VPNを利用するメリットを解説

リモートワークなど多様な働き方が広がる中で、より安全なネットワーク環境を構築できるVPNの導入を検討している方もいるのではないでしょうか。しかし、調べていく上でVPN回線を利用したドメインの構成などが難しく感じ、導入をためらうこともあるかもしれません。

まずはドメインについて知ることで、よりニーズに照らし合わせながらVPNの導入を検討することができるでしょう。そこでこの記事では、VPNの仕組みやメリット、社内LANの遠隔地同士の連携に役立てる方法を紹介します。

VPNのドメインとは?

VPNのドメインとは?
社内LANなど組織が管理を行う領域におけるドメインとはデータベースを共有する範囲を指します。ドメインコントローラーなどの管理システムを利用すれば、権限範囲の管理などを一括で行うことが可能です。VPNはこのような領域が遠隔地にも渡る場合、回線のセキュリティ対策として使用されます。

VPNには2つの種類があります。それぞれの特徴について理解した上で、VPNを使ったActive Directoryドメインの構築例を見ていきましょう。

VPNとは

「Virtual Private Network」の頭文字を取ったVPNとは、仮想プライベートネットワークのことを指します。

例えば、本社と支社が離れた場所にある企業でVPNを利用し、事業所間の回線をつないだと想定したとしましょう。プライベートなネットワークのため、2拠点間で安全に互いのコンピューターにアクセスすることができ、データの共有や編集が可能です。

VPNには通信する情報を第三者の目に届かないようにする技術が使われています。「トンネリング」「カプセル化」など、情報の通り道をトンネルのように囲って外部から見えなくしたり、情報を暗号化した上で外から見えないカプセルに包むようにしたりする技術です。これによって、安全でプライベートな通信が可能になります。

2種類のVPN

仮想プライベートネットワークには、大きく分けるとインターネットVPNとIP-VPNの2種類があります。通常のインターネット回線を使って社内LANに接続できるのがインターネットVPNで、専用ルーターを接続すれば手軽に導入できます。

一方、IP-VPNの場合、通信業者が所有する閉ざしたネットワークを利用するのが特徴です。専用のIP回線を使用するため、より安全性が高いといえるでしょう。また、通信速度も安定した回線が利用できるといったメリットがありますが、その分コストがかかります。

VPNを使ったActive Directoryドメインの構築例

Active Directoryは、組織のさまざまな情報やリソースを管理するサービスで、Windows Server向けOSに搭載されています。これによって、所在地や権限など情報のあらゆる使用の管理が可能です。

VPNを使ったActive Directoryドメインの単純な構築例は、本社と支社のそれぞれのドメインがVPNを介して相互に接続している構成です。支社のドメインは本社のサブドメインとして追加する他、サイトはそれぞれのドメインごとにひとつずつ用意します。

Active Directoryはネットワークの規模が大きくなるほど活用するメリットがあり、情報を一括して管理することが容易になるため作業時間の削減にもつながります。

VPNのメリットを解説!

VPNのメリットを解説!
社内LANを含めたネットワーク網におけるVPN導入について、大きく3つの利点に分けて見ていきましょう。セキュリティの高さやコスト削減に加えて、モバイル環境からもアクセスできるといった特長があります。その反面、専用線に比べると安全面や通信速度の影響を受ける心配があるといったデメリットも把握しておきましょう。

セキュリティを高める

いま企業の業務遂行はリモートアクセスの必要性が高まっています。その際、セキュリティ面の強化は必要不可欠で、それを実現するのがVPN回線の利用です。VPNでは通信をトンネリングし、情報をカプセル化することで第三者から情報を守ります。さらに認証セキュリティで関係者のみがやりとりできる仕組みです。

コスト削減

インターネットVPNは、専用ルーターを用意すれば利用できるため、大きなコスト削減が期待できます。ただし、「一般的なインターネット上でトンネルを作ってやりとりするのはセキュリティが不安……」と思う方もいるかもしれません。その場合は、大手通信業者の閉域網を使うIP-VPNがおすすめです。

IP-VPNでは、通信業者との契約にかかる費用は発生するものの、拠点同士の距離によって別途追加料金がかかる心配もありません。

モバイル環境からアクセスできる

モバイル環境からも、高いセキュリティの中でアクセスできるのも魅力といえます。VPN回線によって、インターネット環境があればモバイルデバイスから安全に社内データにアクセスが可能です。そのため、在宅勤務やリモートワークなどでも、安全性に優れたネットワークのもとで効率的に仕事をすることができます。

VPNのデメリット

VPN回線はインターネット回線上に仮想プライベートネットワークを構築する仕組みです。2重、3重にセキュリティ対策をとられているとはいえ、専用線に比べるとどうしても劣ってしまうのがデメリットといえます。また、こうした対策をする上で通信スピードに多少の影響が見られることもあるでしょう。

一方で、通信事業者の閉域網を利用するIP-VPNであれば、専用線を利用する状態に近づけます。専用回線を利用するため、コストがインターネットVPNよりもかかることはデメリットですが、その分セキュリティ面での安心度は上がるでしょう。

VPNの選び方と活用事例

VPNの選び方と活用事例
VPNにはいくつかの種類があるため、事業内容にあったものを選ぶことが重要です。そこで、VPNを選ぶ際に押さえておきたいポイントとともに、活用事例についても紹介します。回線の豊富さをはじめ、セキュリティオプションの充実度やカスタマイズ性も重要な判断基準となるのでしっかりと確認しましょう。

回線の豊富さ

どのVPNにするかを決める際には、対応している回線の豊富さもしっかりと確認した上でニーズに合ったものを選ぶことが大切です。ATM専用線や高速デジタル専用線、イーサネット専用線などの他にも、中にはFTTHやADSLに対応している通信業者もあります。そのため、つなぐ拠点に必要な帯域や重要度に合わせて回線を選びましょう。

接続拠点の数が多い場合には、モバイルや電話回線などさまざまなアクセス回線に対応しているところを選ぶのがおすすめです。

セキュリティオプションの充実度

十分な安全対策をしているVPNとはいえ、万一に備えてセキュリティオプションが充実している業者のサービスを選ぶとよいでしょう。多くの場合、不具合や故障などの万一に備えて保守管理サービスを提供しています。しかし、セキュリティオプションの充実度は通信業者によって異なるため、事前にしっかりと確認しましょう。

また、24時間365日対応していたり、認証システムを導入していたりといったところも確認するべきポイントです。

カスタマイズ性

インターネットVPNに比べて、より専用線に近い安全性の高さや通信速度の安定性を誇るIP-VPNは、カスタマイズ性にも優れています。万一ひとつの回線がストップした場合でも別の回線を確保したり、他通信事業者の回線を利用したりすることでコストの削減につながることもあるでしょう。

企業のニーズに合わせてカスタマイズをすることができれば、コスト削減や業務の効率化において高い効果を期待できます。

担当者不在でも活用できる

通信やセキュリティに精通している担当者が社内におらず、VPNを導入した後の運営に不安を感じることもあるのではないでしょうか。このようなケースに対応できるよう、サポート体制を整えている通信事業者もあります。導入から運営サポートまで、一貫して利用することで担当者がいなくても安心してVPNを活用することが可能です。

運営面で不安があるのであれば、サポート体制が整っていることは重要な判断材料となるでしょう。セキュリティオプションと同様に、サポート体制に関しても通信業者によって取り扱いの幅が大きく異なるため、導入時にはしっかりと確認しておくことが大切です。

リモートアクセスのセキュリティ強化

新しいワークスタイルとして、取り入れる企業が増えているリモートワークですが、ネットワークの安全性が問題となります。企業と自宅間で情報をやりとりするとき、安全性に優れたネットワークが欠かせないため、リモートアクセスの安全性を強化するためにVPNを取り入れるのも活用方法のひとつです。

拠点間だけでなく、モバイル接続も可能なVPNであれば、社外からさまざまなデバイスを通して自社のデータにアクセスできます。その際、IP-VPNを利用すれば高い安全性のもと、安定した通信速度によって業務の効率化を図れるのが特長です。このように、VPNを活用することで多様化していく働き方にも対応できます。

モバイル閉域接続が安心

モバイル閉域接続が安心
高いセキュリティを誇るVPNですが、多様な働き方に応じてより高い安全性を求めるのであれば、イッツコムの「モバイル閉域接続」がおすすめです。

公衆回線であるインターネットとは分離している通信網であり、通信アクセスがインターネット上に現れることがなく、第三者からは通信の存在自体が分からないので安心です。

専用のSIMを利用するだけでVPNハッキングなどのリスクを回避できるモバイル閉域接続を利用すれば、安心して社内LANへの接続ができます。

まとめ

まとめ
社内LANを遠隔地同士で共有する場合や親ドメインと子ドメインを有する一企業の本社支社間でネットワーク網をつくる場合、VPNを利用すれば高い安全性をもって情報のやりとりが可能になります。懸念されるVPNハッキングなどのリスクは、安全性に優れたモバイル閉域接続を導入すれば、社外にいながら社内セキュリティポリシーを適用できるでしょう。

働き方改革や災害対策でリモートワークも増えている昨今、多様な働き方に合わせていつでもどこでも高セキュアな接続を利用したい場合でもモバイル閉域接続は有用です。専用SIMのみで安全性の高いネットワークを構築するので、利用者IDやパスワードの管理も必要ありません。利便性の高いVPN導入の際は、イッツコムにぜひご相談ください。