VPNの張り方とは?自社に合った導入方法を選んで安全を確保しよう!
目次
リモートワークなどさまざまな働き方が求められる近年では、「いかに安全なネットワーク環境を構築するか」が課題です。より安全なネットワーク環境の構築に向けて、VPNの導入を検討する方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、VPNの張り方や仕組み、リスクについて紹介します。自社に合った導入方法も分かり、安全なインターネット環境の構築につなげられるでしょう。
VPNの張り方の前に仕組みを知っておこう!
VPNとは、インターネット上に構築する仮想的なネットワーク(専用線)のことです。さまざまなセキュリティ機能を組み合わせることで、悪意のある第三者から情報を守ります。まずは、近年では多くの海外居住者も個人利用する傾向にあるVPNについて、基礎知識を押さえましょう。
VPNって何?
VPNとは、バーチャルプライベートネットワーク(Virtual Private Network)の略称です。「仮想専用線」を意味する名前の通り、VPNではインターネット上に仮想的なネットワーク(専用線)を構築します。
VPNが構築するネットワークは、トンネリング技術による「データ送受信者のための専用回線」です。さらに、送受信するデータ自体にも暗号化などの手を加えることで、漏洩や改ざんなどを防ぎます。さまざまな仕組みによって、安全性を確保した通信環境を目指せるのがVPNです。
VPNが導入される理由について
セキュリティを強化したVPNのネットワークでは、より安全な情報の送受信が可能です。そうしたVPNの性質上、導入する主なシチュエーションとしては、遠隔地に拠点がある企業間のネットワーク構築が挙げられます。
配信サービスが増えた近年では、海外居住者によるVPN個人利用のニーズも高まっている傾向です。理由として、日本国内向けのサービス(YouTube、Huluなど)や日本仕様のゲーム機、ストリーミング機器などが使えない実態が関係します。
VPNの張り方【サーバーの準備】
自社で利用するVPNを張る方法は、主に「業者のVPNサーバーを利用する」と「自社にVPNサーバーを設置する」の2種類です。これら2種類の方法には、それぞれメリットとデメリットがあります。それぞれの特徴を知った上で、自社の環境に合った方法を選びましょう。
業者のVPNサーバーを利用する
いくつかあるVPNの種類の中でも、業者のVPNサーバーを利用するケースはIP-PVNに該当します。IP-PVNとは、各業者が保有する閉域網(業者と契約者以外の第三者に干渉されない、閉じたネットワーク)を利用する方法です。業者のセキュリティ体制がしっかりしていれば、極めて安全な通信が確保できるでしょう。
安定した通信が期待できるのもIP-PVNの強みです。導入後の管理や保全は、提供元の業者に一任できます。高セキュアなネットワーク環境を確保しながら、導入時・導入後の負担が少ない点も大きな魅力です。IP-PVNはメリットが多い反面、コストが高くなる傾向にあります。
自社にVPNサーバーを設置する
自社にVPNサーバーを設置する場合、インターネットVPNでの構築が主流です。既存のインターネット回線を利用するため、コストを抑えられます。誰でもアクセスできる公衆回線を使用する以上、セキュリティ面ではIP-PVNには及びません。通信速度や通信品質は、利用するインターネット環境に依存します。
専門業者に依頼せず自社でVPN環境を構築する場合は、高度な専門知識・スキルが求められ、運用・管理の負担も大きくなるでしょう。自社でVPNサーバーを構築する主な方法は「デバイス端末にVPNアプリをインストールする」「VPNルーターを設置する」の2種類です。下記のように、2種類それぞれのメリットとデメリットは異なります。
用途 | VPNルーターの設置 | |
---|---|---|
メリット | ・場所を問わずスムーズにリモートアクセスが可能 | ・拠点数が少なければ、設置や管理が簡単 ・端末に専用のソフトウェアをインストールする必要がない |
デメリット | ・インストールする端末の数だけ個別に設定が必要 | ・接続できる拠点数やアクセス数に上限がある ・拠点数が多いほど、購入や設置にコストがかかる |
VPNを導入するメリット
VPNの導入から期待できる最大のメリットは、通信内容の暗号化によるセキュリティ強化です。また、ビジネスにとって大切なデータを守るだけでなく、VPNを導入することで多様な働き方に対応できることもメリットといえるでしょう。VPNを導入するメリットを2つの項目に分けて詳しく解説します。
暗号化した通信ができる
VPNでは、主に下記3種類のセキュリティに関する技術があり、暗号化をはじめ複数を組み合わせることによって、安全性を確保しています。
・トンネリング:データをやり取りする拠点間に、通信のための仮想トンネルを作る
・暗号化:情報漏洩や改ざんなど第三者による危険から、やり取りするデータを守る
・承認:データの送受信者が互いに正しい相手であること判断する
セキュリティの強化に伴い、パソコンだけでなくモバイル端末での対応も行えます。モバイル端末から社内ネットワークや社内情報に接続可能であれば、業務効率アップも期待できるでしょう。
距離の影響を受けない
VPNで構築するネットワークは、物理的な距離の影響を受けません。例えば自宅にいながらにしてオフィスのシステムやパソコンにアクセスでき、リモートワークをはじめとしたさまざまな働き方にも対応します。国内に限らず、世界規模でセキュアなデータの送受信が可能です。
複数拠点におけるスムーズで安全な通信も、VPNの導入で実現します。拠点間の距離や数に関係なく、安全性の高い通信を確保できるのはVPNならではの特徴です。
VPNを導入するデメリット
場合によってはVPN環境の構築により、「通信速度が遅くなる」「コストが高くなる」などのデメリットが生じる可能性があります。また、高い安全性が期待できるものの、完全な安全性が確保されているわけではありません。デメリットを把握することによって、必要な対策方法も明確になります。
通信速度が遅くなるケースがある
すでに使用されている公衆回線を利用するインターネットVPNでは、通信速度がインターネット環境に依存します。時間帯など状況によって通信速度が遅くなるリスクがあることは、ネックといえるでしょう。
また、暗号化をはじめとしたVPNのセキュリティ機能は、ルーター側のCPUも使用します。ルーター側のCPU負荷が高まれば、通信速度にも悪影響が生じるかもしれません。
コストが高くなるケースがある
提供業者や製品が異なれば、VPNが搭載する機能も別物です。一般的にVPN製品は、搭載機能が多いほどコストが高くなる傾向にあります。多機能なら利便性も高まるかもしれませんが、使わない機能ばかりではコストの無駄遣いです。
無駄のないVPN製品を選ぶには、あらかじめ自社のネットワークに必要な機能を明確化しておきましょう。必要な機能に加えて、使用するモバイル端末への対応も確認しておけば、より適したVPNプランやサービスが見つけられます。
VPN接続のセキュリティは完全ではない
VPN接続は安全な通信を期待できる技術ですが、場合によっては安全性が脅かされることもあります。VPNの設定やサービス体制でセキュリティレベルに差が生まれる性質上、100%安全とはいえないからです。以下に考えられるリスクをまとめました。
・提供業者のサービス体制に不備があると、安全性にも不安が残る
・種類によってセキュリティレベルに差がある
・初期設定でミスがあると、情報漏洩につながる
・通信ログが流出する恐れがある
・スマートフォン用アプリには無料のVPNアプリがあるものの、危険性が高い
VPNにおけるセキュリティリスクは、複数の対策を講じることで回避しやすいといえます。高セキュアなネットワーク環境を目指すなら、リスクを把握した上で導入方法や提供事業者のサービス内容を検討しましょう。
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状況に合った環境を整えられる
イッツコム光接続サービスでは、高速インターネット回線サービスを提供します。世界基準の通信規格で設計したイッツコムのFTTH網を介した回線により、下り2Gbps/上り1Gbpsの高速通信を実現しました。
イッツコム光接続サービスは、回線のみのシンプルなサービス構成です。メールアドレスなどの付加機能はオプション設定のため、オフィスの通信環境を無駄なくグレードアップできるでしょう。Wi-Fi環境を構築・提供するサービス「かんたんWi-Fi」を併用すれば、来訪者および社内向けWi-Fi環境を整備できます。
SIMによる完全プライベート回線も可能
イッツコムのモバイル閉域接続は、専用SIMを用いてセキュリティ強度が高い回線を提供するサービスです。NTTドコモ回線を使用しますが、一般的なインターネット回線とは異なります。閉じたネットワーク(閉域網)での接続のため、インターネットから影響を受けません。具体的には以下のような魅力があります。
・SIMカードを差し込むだけで、完全プライベート回線が使用できる
・専用SIMのみでセキュリティを確保し、VPNの設定やアプリは不要
・未登録のデバイスからは利用を制限し、事故防止が目指せる
・ログ取得により、社外においても社内セキュリティポリシーを適用できる
設定・管理による負担を最小限に抑えながら、高セキュアなネットワーク環境を手軽に確保できます。
まとめ
VPNを導入すれば、ネットワークのセキュリティ強化に役立ちます。しかしVPNの張り方によっては、安全な通信が確保できません。利用するVPNの種類だけでなく、細かな設定もセキュリティ強度に大きく影響するからです。
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