VPNとはどのようなもの?セキュリティを確保するのに必要な技術を紹介
目次
こんにちは!イッツコムの佐藤です!
ビジネスシーンで使われることが多いのが「VPN」と呼ばれるネットワーク。読者の中には、「自社でもVPNを使っているよ!」という方もいませんか?多くの会社で使われている通り、VPNはビジネスにおいて不可欠な技術の1つになっています。
そこでこの記事では、VPNとはどのような仕組みなのかについて詳しくみていきましょう。またVPNより高いセキュリティで安心して使えるイッツコム提供のサービスについても解説しますよ。
「VPNについて詳しく知りたい!」と思っている方に向けた情報が満載なので、ぜひチェックしてみてください。
そもそもVPNとはどのようなもの?
VPNとはVirtual Private Networkのことで、仮想的な専用線を構築する技術です。このように聞くと「専用線って何?」と思われる方もいるかもしれませんが、これは2つ以上のネットワーク(本社と支社など)を自分達しか使えない専用の回線で接続するものとお考えください。
Virtualとある通り、物理的な専用回線を引いてしまうわけではありません。これからご紹介する複数の技術を組み合わせて仮想的に専用回線を接続することで、あたかもそこに本物の専用回線があるかのように使えるものです。
「なんだか難しそうだ……」と思うかもしれませんが、これから分かりやすく解説します。VPNについて興味がある方はぜひチェックしてみてください!
VPNを実現する技術を解説
それでは、早速VPNの仕組みについて解説します。VPNは以下の技術を組み合わせて実現している仕組みです。
・トンネリング
・カプセリング
・暗号化
・認証
これら4つの技術がどのように関係しているのかご紹介するので、VPNについて詳しく知りたい方は要チェックですよ。
トンネリング
トンネリングを簡単に説明すると、上記の図のように「2つのネットワーク間を仮想回線で接続する仕組み」です。
特定のネットワーク同士を仮想専用線で接続すると、外部からアクセスできない閉じた回線を構築できます。この例では、ネットワークAとネットワークBをVPNで接続しており、外部のネットワークCからは見えません。
外から見えないこの回線がトンネル内を通るルートをイメージさせることから「トンネリング」と呼ばれています。VPNでトンネリングを実現するためには、次でご紹介するカプセリングが用いられます。
カプセリング
カプセリングとは、上記の図のように送信されたデータに送信元や宛先の情報を追加して別の通信プロトコルで覆ってしまう仕組みです。情報が1つのカプセルで覆われている様子をイメージすれば分かりやすいかもしれません。
最初に送信元のVPNルータ(VPNサーバー)がカプセリングしてからデータを送信します。その後、受信側のVPNルータ(VPNサーバー)が受け取ったカプセルを分解してデータを取り出し、宛先のデバイスに届けるという流れです。
暗号化
VPNの利用に必要不可欠な技術が暗号化です。専用線といっても仮想的に構築されたものなので、多くのユーザーが利用するインターネットを経由することに変わりありません。
そこで使われるのが秘密鍵暗号方式を使用した暗号化です。暗号化/復号化は以下の流れで行われます。
1. 送信者/受信者双方に共通鍵を届ける
2. 送信側で共通鍵を使用してデータを暗号化する
3. 暗号化したデータを送信する
4. 受信側で共通鍵を使用してデータを復号化する
5. 受信側のデバイスでデータを正しく読めるようになる
一般的なVPNは「IP Sec-VPN」と呼ばれており、全ての通信を暗号化します。よって暗号が破られない限り通信内容は一切流出することがありません。
暗号において重要な手順が手順1で「どうやって共通鍵を相手に届けるか?」です。ここで活躍するのが次にご紹介する認証です。併せてチェックしましょう。
認証
VPN通信において、本物の宛先のように偽装したネットワークに共通鍵を送ってしまうと通信内容を盗まれてしまいます。送信前には「本当に宛先が正しいのか?」を判断しなければなりません。ここで使われるのがPre-Shared Keyを使った認証です。
Pre-Shared Keyとは認証にのみ使われる共通鍵で、事前にそれぞれのVPNルータやVPNサーバーに登録しておきます。送信側/受信側双方のネットワークは、あらかじめ登録したPre-Shared Keyが一致しているかで正しいネットワークか判別し、データを送受信します。
このように、VPNは複数の技術を組み合わせることでネットワーク間に仮想的に専用回線を構築する仕組みです。「なんか難しそうだ…」と思っていた方もいるかもしれませんが、ある程度イメージできたのではないでしょうか?
VPNを利用する主な目的はセキュリティの強化
「自社でもVPNを使っているけれど、結局目的は何なの?」と思う方もいませんか?VPNは、あらかじめ接続を許可された発信元からの通信を装って特定のサイトなどにアクセスするために使われることもありますが、会社で使う主な目的は「セキュリティの強化」です。
ビジネスシーンでは機密情報・個人情報・金銭のやり取りなど、重要なデータをたくさん送受信します。セキュリティに問題があれば大きな被害を受けてしまうかもしれませんね。
イッツコムは高いセキュリティを持つネットワークを構築します。セキュリティに不安を感じている方、今のシステムで十分なのかチェックしたい方も、ぜひ一度ご相談ください。
VPNを使わない場合に考えられるリスクとは?
「VPNを使わないとどんなリスクがあるのだろうか?」と思う方もいませんか?そこで、ここではセキュリティを軽視した際の主なリスクを3つ解説します。
情報漏えい
セキュリティリスクと聞いて真っ先に思い浮かぶのが情報漏えいです。機密情報などが外部に流出してしまえば経営に大きな打撃を与えるかもしれません。漏えいした情報の重要度によっては、取引先や社会全体からの信頼を失うこともあるでしょう。
ビジネスにおいて、情報漏えいは絶対に避けなければいけません。VPNをしっかり利用してセキュリティを強化しましょう。
不正アクセス
セキュリティに問題があると、社内サーバーが不正アクセスの被害を受けるかもしれません。不正アクセスは前述した情報漏えいにつながるだけではなく、データを破壊されて超重要データを失ってしまうかもしれません。
金銭の盗難
社内で使用している金融関連の情報が盗まれると、金銭の被害を受けるかもしれません。会社の銀行口座にアクセスされて預金を引き出されるなどのリスクが考えられます。
金銭が絡むデータは犯罪者に狙われやすいので、これらを送受信するときは重要度が極めて高い情報として位置づけ、VPNを使用して安全にやり取りしてくださいね。
VPN環境を構築する方法を解説
「VPNが役立つのは分かったけれど、どうやって使えばいいの?」と疑問に思う方もいませんか?もし、これからVPN環境を構築するなら、ここでご紹介する3つのステップに従って準備しましょう。
1. VPN対応ルータを用意する
まずは、VPN対応ルータを用意してください。これはVPNサーバー機能を持っているルータで、VPN構築には必須です。
VPNの規模や用途によってはVPNサーバーを構築する必要がありますが、多くの場合はVPN対応ルータを使用するだけで必要な機能を使えますよ。なお、VPN対応ルータは接続元・接続先双方に設置してくださいね。どちらかが欠けているとVPNを使えません。
2. 各ルータに必要な設定を行う
VPN対応ルータを設置したら、それぞれのルータに必要な設定を行ってください。具体的な設定手順はルータによって異なるので、マニュアルなどを参考にしながら落ち着いて作業しましょう。
3. 接続元のデバイスに必要な設定をする
最後に、接続元のデバイスにVPNを使うのに必要な設定をします。設定が完了したら実際にテストし、IPアドレスがVPN経由のものになっているか、しっかり暗号化されているかなどをチェックしましょう。問題がないことを確認したら、実際に業務で使ってOKです。
これらの設定が大変だと感じる方や、本当に十分な対策になっているか心配な方は、ぜひイッツコムにご相談ください。イッツコムではさらにセキュリティを強化する方法など、ビジネスをより安全にするサービスを提供しています。
セキュリティ面でVPNを過信するのは禁物
VPNは仮想的に専用線を引いてセキュリティを確保するものとはいえ、インターネット(公衆網)を使うことに変わりありません。セキュリティホールを突かれて外部から攻撃される可能性もゼロではありません。
より高度なセキュリティが求められる重要度が高い情報を扱うなら、これからご紹介する情報もぜひご参考ください。
より高度なセキュリティを求めるなら閉域網を検討しよう
VPNより高いセキュリティを求めるときに活用できるのが「閉域網」。これは、文字通り完全にインターネットから切り離されたネットワークを構築するためのものです。
物理的にインターネットから切り離されているため、外部から攻撃を受けて情報が流出するリスクを極限まで減らせます。イッツコムでも閉域網を活用した接続サービスを提供しているので、セキュリティをもっと強化したいならぜひご検討ください。
モバイル閉域接続ならセキュアな通信を手軽に実現可能!
イッツコムで提供している閉域網サービスが「モバイル閉域接続」。「モバイル」という名称から分かる通り、無線通信を活用して外出先からでも簡単に利用できる閉域網サービスです。
簡単・手軽でハイセキュリティ!ビジネスにおけるさまざまなシーンでご活用いただけますよ。これからモバイル閉域接続について詳しくご紹介するので、ぜひご参考ください。
専用SIMでインターネットを経由しない通信経路を確保
モバイル閉域接続では、専用SIMを使うことでインターネットから切り離された独自のネットワークにアクセスします。
SIMが分かれているため、専用SIMを挿入したデバイスを社員に渡しておけば間違えてインターネット経由でアクセスしてしまうことはありません。うっかりミスを防げることもセキュリティでは大事なポイントなので、より安心できますよ。
NTTドコモ網を利用するのでサービスエリアが広い
ドコモ網からイッツコム網を経由して社内ネットワークにアクセスするという流れです。NTTドコモのサービスエリアで閉域網を使えるため、サービスエリアが広いのがうれしいポイントです。
VPNはセキュアな通信システム!でも過信は禁物
VPNはネットワーク同士を仮想的な専用回線で結ぶもので、「トンネリング」「カプセリング」「暗号化」「認証」という4つの技術を活用した仕組みです。通信面のセキュリティを高めるのに役立ちますが、インターネットを使うことに変わりないので過信すると危険です。
より高度なセキュリティを実現するなら、ぜひ「閉域網」を検討しましょう。イッツコムではモバイル閉域接続という閉域網サービスを用意しているので、こちらを利用すればより安全・安心な通信環境を実現できます。
各社の状況に応じて最適な導入プランをご提案しますので、ご関心がある方はぜひ一度ご相談ください。