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企業にとってVPNの必要性は?導入するメリットと選ぶポイント

VPNは、大事なデータを守るための対策として使えるシステムのひとつです。導入をしたほうがよいと感じていても、現実的な必要性や具体的なメリットが分からないという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、VPNの必要性やメリットについてご紹介します。実際に導入を決定する前に、VPNを用いたほうがよい状況を把握しましょう。自分の企業で本当に導入すべきかどうかがわかります。

企業にとってのVPNの必要性とは?導入すべきケース

企業にとってのVPNの必要性とは?導入すべきケース
VPNは、積極的に利用を検討したほうがよい企業もありますが、すべての企業に必要なものでもありません。必要がないのに導入しても、費用や時間のムダになるだけでしょう。どのような企業がVPNを用いたほうがよいのでしょうか。該当するケースをあわせて4つご紹介します。

IP電話を安心して活用したい場合

IP電話とはインターネット回線を経由した電話です。費用を抑えられるため、多くの企業が使っています。インターネット回線を利用して通話するため、固定回線にはないリスクに注意が必要です。

具体的には、盗聴や第三者による録音のリスクがあります。企業の機密情報や顧客情報を電話で話すことがある場合、万が一盗聴の被害に遭ったら大きなトラブルにつながります。録音内容がライバル企業の手に渡ることもあるでしょう。企業としては多大な損失を被る恐れもあります。

そのような被害を防ぐために取れる方法のひとつがVPNです。通話内容を暗号化することで、盗聴や録音のリスクを軽減できます。安心してIP電話を使えるようになるでしょう。

従業員が社外で公共ネットワークを利用する場合

最近では、無料のWi-Fiスポットなど、公共ネットワークの利用が増えています。手軽にスマートフォンやパソコンをインターネットにつなげられるので便利です。従業員が外出や出張の際に接続することもあるでしょう。

しかし公共ネットワークには盗聴や改ざん、情報漏洩のリスクがあります。通信が保護されないタイプは特に危険です。誰でも使える公共ネットワークは、犯罪者が悪用することもあります。何も対策をせずに接続するのは避けたほうがよいでしょう。VPNなら無料Wi-Fiの通信内容も暗号化できます。大事な情報をやり取りする際も安心です。

離れたオフィスと回線を結ぶ場合

全国各地に支社があったり、遠方にサテライトオフィスを設置していたりする企業もあるでしょう。離れたオフィス間でデータをやり取りする際は、インターネット回線のリスクに注意すべきです。

何も対策をしないと、悪意のあるハッカーからの攻撃によりデータの改ざんや情報漏洩のリスクがあります。サーバーやシステム自体を乗っ取られると、大きな被害が出るでしょう。VPNを使うことで、オフィス間の通信を保護できます。データの送受信に不安を感じることはありません。オフィスの数が多い企業には、特に効果的といえるでしょう。

情報規制がある国で仕事をする場合

中国などの国では情報規制があり、日本では普通にアクセスできるサイトに接続できません。特定のWebサイトを開こうとするとエラーが出てしまったり、普段利用しているソフトウェアが使えなかったりすることもあるでしょう。従業員間のコミュニケーションを専用アプリで行っているなら、連絡が途絶えてしまう恐れもあります。

情報規制がある国でのネットワークは、VPNを使うことで情報規制に対処できます。ネット検閲がある状況でも、日本のサーバーに接続できるからです。自由にインターネットに接続できなかったとしても、日本と同じ環境で業務を進められるでしょう。

ただし、中国で認可されていない回線は有料VPNでも突破するのが難しいので注意しましょう。国策として規制を厳しくしているので、無理に利用すると犯罪と間違われることがあります。情報規制がある国では、利用できるVNPを調べておく必要があります。

そもそもVPNとは?

そもそもVPNとは?
VPNを契約する前に、基本的な特徴や仕組みについて改めて理解しておくとよいでしょう。安全とされる理由を理解しておくことで、導入するかどうか判断する参考になります。ほかの技術とは異なる特徴や仕組みが分かれば、どのようなケースで使うべきか把握できるでしょう。おさえておきたいVPNの特徴や仕組みをご紹介します。

VPNの特徴

VPNとは、バーチャル・プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network)の略称です。仮想的な専用線によるネットワークを構築することで、外部からIP電話や無料Wi-Fiを使う際にも、通話や通信のための安全な環境を提供する技術です。

通信を暗号化して、アクセスする場所の情報や送受信する内容を外部から読み取れなくすることで、第三者による攻撃を回避します。社内サーバーに接続したり、機密情報のやり取りをしたりする際にも安心して利用できるでしょう。

VPNの仕組み

VPNはインターネット上に仮想の専用線を設けることで、第三者からの悪意ある攻撃や傍受を防いで、安全に通信を行います。誰でも走れる公共の道路網に、特定の人しか使えない専用のトンネルを作るイメージです。

VPNを構築するためには、使用する拠点それぞれにルーターを設置する必要があります。外部から専用サーバーにアクセスしたい場合は、別途ソフトやアプリが必要です。また、通常のインターネット回線を使うVPNと、通信事業者の提供する専用回線を使ったVPNでは、使用するルーターの種類が異なります。

企業がVPNを導入するメリット

企業がVPNを導入するメリット
VPNを安心して使いたいなら、相応の費用を負担する必要があります。しかし、お金を出すだけの価値があるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。ここからは、VPNのメリットを4つご紹介します。企業によっては、VPNは日々の業務に欠かせない心強い味方となってくれるでしょう。

セキュリティ対策になる

大きなメリットはセキュリティの向上です。専用線を通すことで、第三者が大事な情報の盗聴や傍受をしにくくなります。どこにいても、社内と同じようにセキュアな環境で通信ができるようになるでしょう。

たとえば、公共ネットワークを使って外出先で顧客情報をチェックしたり、社内にいる人と重要なデータを送受信したりできます。外から企業のサーバーに接続しても、情報漏洩を心配する必要がありません。状況にあわせて、速やかに業務を遂行できるでしょう。

最近では、業務でさまざまなクラウドサービスを利用することも多くなっています。VPNを利用すれば、各種サービスで使用しているIDやパスワードの流出リスクも軽減できるでしょう。

モバイル端末でもアクセスできる

VPNを使えるのはパソコンだけではありません。スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末でも使えます。休みの日に不測の事態が生じても、自宅や外出先から企業のサーバーに安全に接続して、迅速に対処できるでしょう。わざわざ出社する手間がかかりません。

在宅勤務をする方やリモートワーカーなど、多様な働き方にも対応できます。従業員に在宅勤務を依頼する際は、パソコンなどを支給するかどうか考えることがあるでしょう。しかし、VPNを利用すれば専用の設定を施したパソコンを貸与する必要はなく、各自が保有している端末をそのまま使えます。

距離に関係なく接続ができる

距離の制限を受けずに安全な通信ができるのも利点です。サーバーに接続するために、同じ建物のなかにいる必要はありません。インターネット回線があれば、場所は問題にならないからです。日本全国どこにいても接続できます。

VPNなら、出張や転勤をしている従業員でも問題なく使えるでしょう。どこにいても、情報を常に共有できるのがメリットです。

VPNを使えるのは日本にいる方だけではありません。海外赴任した従業員や、現地で採用した方も、国内にある拠点と情報を共有できます。グローバルにビジネスを展開している企業には特に有用でしょう。

低コストで導入できる

VPNは、導入コストを安く抑えられます。少し前は、セキュアな環境を構築するためには物理的に専用回線を引くという方法が一般的でしたが、コストが非常に高額です。専用回線は拠点ごとに設置する必要があるため、拠点が増えれば増えるほどコストがかさんでしまいます。

一方VPNは、既存のインターネット回線や通信事業者の提供する回線を利用して、仮想的な専用線を構築するものです。拠点ごとにルーターを設置するだけで済むため、導入コストを大幅に削減できます。利用料金は月ごとの支払いとなっているケースも多いため、VPNを使うのが初めてでも、気軽に導入できるでしょう。

VPNを利用する方法

VPNを利用する方法
VPNは物理的に回線を引く必要がないため、大きな手間なく導入できます。主に必要なのは、拠点ごとに設置する専用機器とアプリです。利用するシーンによって、用意すべきものは異なるでしょう。ここからは、VPNを利用する方法について具体的にご紹介します。

VPN製品の導入

VPNを構築するためには、拠点ごとに専用機器を設置する必要があります。使う機器のひとつが、ルーター機能を有したVPNゲートウェイです。送信するデータを暗号化したり、受信するデータの復号化をしたりします。既存のルーターにVPN機能が搭載されていれば、VPNゲートウェイの導入が不要なケースもあります。

また、VPNには、インターネット回線を利用する「インターネットVPN」と、閉域網を使ってより安全性の高い接続が可能な「IP-VPN」の2種類があることを覚えておきましょう。それぞれで必要な機器の種類は異なります。

VPNアプリの導入

従業員が個々で使いたいなら、VPNアプリを導入するという方法もあります。利用したい端末に専用アプリをインストールして登録するだけで使えます。外出先で公共ネットワークに接続する機会が多い方には特におすすめです。

どこからアクセスしても、第三者の悪意ある攻撃から大事なデータを守ってくれます。最近、特に問題になっている情報漏洩を避けられるでしょう。VPNアプリは、さまざまな製品が出ています。長所や短所はさまざまで、料金にも幅があります。利用スタイルに合った製品を選びましょう。

VPN選びでチェックすべきポイント

VPN選びでチェックすべきポイント
VPNを導入する際の選択肢は豊富です。実に多くの企業がサービスを提供しています。内容によって、料金や特徴はさまざまです。導入を検討していても、どの商品を選べばよいのか分からないという方もいるのではないでしょうか。

ここからは、VPNを選ぶ際のポイントをご紹介します。自社で重視すべきポイントを明確にして、ニーズにピッタリ合ったものを選択しましょう。

通信速度が速いか

VPNは、種類によって通信速度が異なります。VPNでは、通信を暗号化する際に、データが元の容量より大きくなるのが一般的です。結果として、通常よりも、データの送受信に時間がかかることがあるでしょう。暗号化の技術やサーバーの容量は製品によって差があるため、なるべく通信速度が速くて安定しているものを選びましょう。

業務で使用するなら通信速度は重要なポイントです。あまりにも通信速度が遅かったり、頻繁に接続エラーが出てしまったりすると、業務に支障をきたす恐れもあります。

セキュリティが徹底しているか

第三者からのさまざまな攻撃に備えられるのが、VPNに接続する利点です。しかし、攻撃に対抗する力はどれも一定ではありません。製品によっては、機能に不安を感じるものもあります。

VPNを使う最大の目的ともいえるセキュリティ面が十分でないと、導入する意味がありません。導入を検討する際には、慎重に品質をチェックする必要があります。チェックすべきポイントのひとつは、セキュリティプロトコルの品質です。データの暗号化に高い技術を用いているかどうかを見極めましょう。

カスタマーサポートが充実しているか

どれだけ信頼性の高い製品を開発しても、トラブルを完全にゼロにすることは難しいでしょう。サービス自体の品質とあわせて、カスタマーサポートの充実度も重要なポイントです。何か問題が生じたときに、適切かつ迅速に対応してくれる体制が整っていると安心でしょう。

また、VPNを使い始めた時期は機器の設定や配線など、慣れていないとわからないことも多くあります。些細なトラブルでも気軽に相談できる窓口があれば、利用する従業員が多い企業でもスムーズに導入できるでしょう。

複数のデバイスとクロスプラットフォームの互換性はあるか

企業でVPNを導入するなら、一度に複数人が接続するシーンが多くなります。製品を選ぶときには、複数のデバイスを同時に接続できるかチェックしましょう。同時接続したときに、問題のない通信速度が出るかどうかもポイントです。

また、パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットを使って業務を行う企業も多くなっています。さまざまな種類のデバイスやOS(クロスプラットフォーム)に対応しているかどうかも確認しましょう。外出先から接続することを想定しているケースでは特に重要です。

金額に見合う価値があるか

VPNには無料のサービスと有料のサービスがあります。コストを抑えるならば、無料のサービスを使いたいところですが、通信品質やセキュリティ面で不安があることも少なくありません。企業として安心して利用するなら、有料のサービスを選択するほうがよいでしょう。

一口に有料VPNといっても、導入にかかる費用はピンキリです。サービスを比較検討する際には、支払う金額に見合う価値を得られるかを考えましょう。自社には不必要なほど多機能で高額なサービスを導入しても、宝の持ち腐れになってしまう恐れもあります。想定される利用シーンや事業規模に合ったVPNを選びましょう。

安全性重視ならモバイル閉域接続サービスがおすすめ!

VPNに興味がある方におすすめしたいのが、イッツコムの提供するモバイル閉域接続サービスです。イッツコム回線を経由することで、一般的なインターネットVPNよりも高いセキュリティ性能を誇ります。専用SIMを使うことで、接続できる方を限定できるのも特徴です。使用者のIDやパスワードを管理する手間がかかりません。

社外からでも安全に社内LANに接続できるため、従業員の外出が多い企業でも安心して使えます。シェアオフィスやカフェなどの公共スペースで業務する方や、在宅勤務する方がいる企業にも最適です。通信のログを取得する機能もついているので、社外にいてもセキュリティポリシーを保持できます。

まとめ

まとめ
VPNは通信を暗号化する技術です。公共ネットワークを使う方は、セキュリティのためにも活用するとよいでしょう。拠点間で安全にデータのやり取りを行う際にもVPNは有用です。仮想の専用線を経由することで、安全に社内サーバーに接続できます。

一般的なVPNでは機能的に不安があるという場合には、イッツコムのモバイル閉域接続サービスがおすすめです。専用のSIMを利用するだけで安全なインターネット環境を構築できます。難しい設定は必要ありません。社内のセキュリティ対策を強化したい方は、ぜひご検討ください。