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待合室に最適なサイネージディスプレイの種類や設置方法を一挙解説

病院やクリニックの待合室にデジタルサイネージを設置すると、ポスターなど従来の掲示物よりも効率的に、患者向けの情報提供ができるようになります。導入に当たっては、映像・文字情報の視認性や、コンテンツの更新方法を検討することが大切です。

そこでこの記事では、デジタルサイネージの活用イメージや、待合室に最適なディスプレイの種類・設置方法を解説します。

待合室のディスプレイ活用!デジタルサイネージの基本

デジタルサイネージを病院やクリニックの待合室に導入すると、患者への情報提供を効率化できます。ディスプレイを設置するだけでなく、外付けのSTB(セットトップボックス)を組み合わせて運用するのが一般的です。まずは、デジタルサイネージの活用イメージを紹介します。

情報伝達を効率化するデジタルサイネージ

デジタルサイネージは、液晶ディスプレイなどの画面を通じて、画像や動画をスケジュールに沿って配信できるシステムです。1つの画面で複数のコンテンツを切り替えながら表示できるため、限られたスペースを有効活用しながら効率的に情報を伝えられます。

紙のポスターと違い、内容を更新するたびに張り替える手間が不要なため、スタッフの負担軽減や人件費削減にもつながります。

【関連記事:デジタルサイネージとは?仕組み・メリット・活用例を分かりやすく

ディスプレイとSTBを組み合わせた運用が一般的

デジタルサイネージは、液晶ディスプレイなどの表示装置にSTB(セットトップボックス)を接続して運用します。STBは、コンテンツ再生に特化した小型の機器で、ネットワークやUSBメモリからコンテンツデータをダウンロードし、ディスプレイに表示・再生させる役割を担います。

STBは機種によって、対応するファイル形式や画質、ネットワーク接続機能が異なります。有線LAN(LANケーブル接続)や無線LAN(Wi-Fi接続)に対応する機種に加え、SIMカードスロットを搭載したタイプもあります。

また、再生機能を内蔵したディスプレイ(STBレスモデル)であれば、STBと一体型のため、外付けのSTBは不要です。

デジタルサイネージの活用例

デジタルサイネージはさまざまな施設で活用されており、以下のような用途があります。

飲食店

飲食店チェーンでは、デジタルサイネージを店内の壁面やカウンターに設置し、タイムリーな情報発信ツールとして活用しています。これまでポスターで掲示していた旬のメニューやキャンペーン情報を、多店舗に一括配信することで、業務の効率化と訴求力の向上につなげています。

病院

病院やクリニックの待合室では、患者とのコミュニケーションを補助するツールとして役立ちます。最新の医療機器の導入情報や休診日のお知らせ、健康維持に役立つ知識などを、短時間で分かりやすく伝えることができます。

カーディーラー

カーディーラーでは、顧客が自由に操作できるタッチディスプレイを導入し、店頭にない車種やカラー、オプションを大画面で確認できるようにしています。大型タッチパネルを活用して、車両のバーチャルカスタマイズが可能になり、顧客体験の向上につながります。

ダンススタジオ

ミラーサイネージを導入することで、鏡の中に映像を浮かび上がらせ、ダンススタジオなどで活用されています。顧客は自身の姿を鏡で確認しながら、同じ画面を通じてリモートレッスンを受けられます。タッチパネル機能を加えることで、直感的な操作も可能です。普段は通常の鏡として使用できるため、限られた人員やスペースで効率的なスクール運営が可能になります。

駅や空港

駅や空港では、リアルタイムの交通情報や天気予報の表示に加え、災害時には避難経路の案内を担うなど、安全対策にも活用されています。また、コンコースの柱や壁面に埋め込まれたサイネージ端末は、多くの人に向けた広告配信の媒体としても利用されています。

デジタルサイネージの配信方法は大きく分けて2種類

デジタルサイネージはコンテンツの配信方法によって、「スタンドアロン型」と「ネットワーク型」に分けられます。ネットワーク上のサーバーを通じて配信管理をする方法は、専門事業者のクラウドサーバーを活用するのが便利です。

スタンドアロン型(オフライン運用)

スタンドアロン型のデジタルサイネージは、LANやインターネットに接続せず、独立してコンテンツを配信する方式です。コンテンツを保存したUSBメモリやSDカードを接続し、設定したプレイリストに従って画像や動画を再生します。機種によっては、メディアプレイヤーをHDMI接続するタイプもありますが、STBレスモデルならUSBメモリを直接挿入するだけで、自動ループ再生が可能です。

システム構成がシンプルで導入しやすい一方、コンテンツを更新する際には、手作業で記録媒体を差し替える必要があります。そのため、待合室に1台だけディスプレイを設置するなどの小規模運用や、更新頻度が低いケースに適した配信方法です。

ネットワーク型(クラウド型)

ネットワーク型のデジタルサイネージは、LANやインターネットに接続し、遠隔からコンテンツを配信・管理できる方式です。運用形態としては、以下の2種類に分けられます。

  • ・オンプレミス型:院内の管理用PCやサーバーを通じて、LAN内で配信を管理
  • ・クラウド型:クラウドサーバーを利用し、インターネット経由で配信を管理

いずれも、ネットワーク接続機能を備えたSTBと組み合わせて運用します。

この方式では、複数台のサイネージ端末を1台のPCから一元管理できるため、設置台数が多い場合でも効率的な運用が可能です。また、高い位置に設置したディスプレイでも、遠隔操作でコンテンツを更新できるため、物理的な管理の負担が軽減されます。

さらに、クラウド型なら院外からでも配信管理が可能なので、リモートワーク環境にも対応できます。小規模運用でも、更新頻度が高い場合や複数拠点に展開する場合には、導入を検討する価値がある配信方法です。

【関連記事:クラウド型デジタルサイネージとは?配信方式別メリットや導入の流れ

待合室に最適なディスプレイ選びのポイント

デジタルサイネージの導入に当たって、表示装置選びは重要です。待合室で活用する表示装置は、サイネージ端末として設計された液晶ディスプレイが一般的です。既存のテレビも活用できますが、導入目的に合っているか検討する必要があります。画面のサイズにも注意しましょう。

液晶ディスプレイが一般的

デジタルサイネージの表示装置は、大きくディスプレイとプロジェクターに分けられます。視聴者に情報を効果的に届けるため、設置場所に応じた画面の大きさや輝度(明るさ)を考慮し、最適な表示装置が選ばれます。

プロジェクターは、広い壁面やスクリーンに大画面表示をする用途で使用されるため、クリニックの待合室で採用されることは少ないでしょう。一方、ディスプレイでは液晶ディスプレイやLEDビジョンが選ばれます。

・液晶ディスプレイ:屋内用・屋外用で輝度や防塵・防水性能が異なります。屋外用には1,500カンデラ~2,500カンデラの高輝度モデルが用いられますが、待合室などの屋内では、一般的に350カンデラ~500カンデラ程度の機種が選ばれます。
・LEDビジョン:液晶ディスプレイよりも高輝度なモデルがあり、遠くからでも視認性が高いのが特長です。縁がないため、大画面でもすっきりとした表示が可能です。ただし、用途によってはオーバースペックになる場合もあります。

設置環境や視認距離に応じて、適切な表示装置を選定することが重要です。

テレビもディスプレイとして活用可能

デジタルサイネージ専用のディスプレイだけでなく、テレビを活用する方法もあります。テレビにSTBを接続することで、テレビ番組と独自コンテンツの両方を配信できるようになり、機種によってはSTBレスでの運用も可能です。

ただし、デジタルサイネージ用ディスプレイと比較すると、テレビは輝度が控えめです。設置場所によっては、日光や照明の影響で画面が見えづらくなることもあります。そのため、日光が差し込む環境では、700カンデラ以上の高輝度ディスプレイを選ぶのが望ましいでしょう。

また、独自コンテンツのみを再生する場合は、テレビチューナーは不要です。テレビ番組を流したい場合や、低輝度でも十分な視認性が確保できる環境であれば、テレビを選択肢に入れるのも一つの方法です。

サイズ選びは大きすぎず小さすぎないものが最適

デジタルサイネージのディスプレイサイズは、「十分な視認性を確保できるかどうか」を基準に選びます。

クリニックの待合室では、座席からディスプレイまでの距離が近すぎると、60インチ以上の大画面はかえって見づらくなることがあります。一方で、30インチ台以下のディスプレイでは、近づかないと情報が読み取りにくく、導入効果が十分に得られません。

患者が快適に映像や文字情報を視認できるサイズとして、40インチ台~50インチ台が適切とされています。設置場所の広さや視認距離に応じて、最適なサイズを選びましょう。

待合室へのサイネージディスプレイの設置方法は3種類

サイネージ端末は、専用のディスプレイスタンドと組み合わせることで、手軽かつすっきりと設置できます。スタンド設置ではスペースや視認性に課題がある場合、壁掛け設置や天つり設置も可能です。工事が必要になりますが、レイアウトや画面の向きなど、設置環境に応じた柔軟な調整ができます。

スタンド設置

スタンド設置は、ディスプレイスタンドを使用することで工事不要で導入できる、手軽な設置方法です。スタンドには、画面の高さや角度を調整できるタイプもあり、小規模な待合室で視線を遮るものがない場合、自然な高さにディスプレイを設置しやすくなります。

また、ディスプレイの位置や向きを自由に調整したい場合は、キャスター付きのディスプレイスタンドがおすすめです。移動が容易なため、ガラス面の内側から屋外に向けて設置するなど、設置後のレイアウト変更にも柔軟に対応できます。

壁掛け設置

壁掛け設置は、ディスプレイまでの距離があっても見やすい高さに、省スペースで設置できる方法です。壁掛け金具の取り付けや壁の補強工事が必要ですが、床面を有効活用できるため、大型ディスプレイでもすっきりと設置できます。

また、動線上にディスプレイスタンドを置くと足を引っかける可能性がありますが、壁掛けならその心配がありません。比較的小規模な待合室でも採用しやすく、従来ポスターを掲示していた壁面や柱を活用し、多彩なコンテンツを表示できるようになります。

天つり設置

天つり設置は、遠くからの視認性を確保しつつ、ディスプレイの位置や向きを自由に調整できる設置方法です。天つり金具の取り付けや天井の補強工事が必要ですが、壁面や柱から離れた位置にも設置でき、向きや角度も細かく調整できます。

受付カウンターの上部に設置し、呼び出し番号表示システムと組み合わせるのにも適しています。レイアウトの制約がある小規模な待合室や、多くの患者が順番待ちをする大規模な待合室でも、柔軟に活用できます。

配信管理を効率化するデジタルサイネージの導入ならイッツコム!

デジタルサイネージの導入時にはディスプレイ選びや設置方法をよく検討する必要がありますが、運用中には配信管理のしやすさが重要です。

イッツコムは、シンプルなシステム構成で効率的に配信管理ができる、クラウド型デジタルサイネージを提供しています。配信素材はリモートでも変更でき、画像や動画をSNS感覚でタイマー配信できます。これまでポスターなどで使用していたデザインデータを、そのまま流用することも可能です。

管理者はWebブラウザから全てのサイネージ端末の配信内容を一括で更新・管理でき、少人数体制のクリニックでも低コストで運用できます。

まとめ

駅構内をはじめ設置施設が拡大するデジタルサイネージは、病院やクリニックの待合室でも便利に活用されています。1つの配信面で複数のコンテンツを任意のスケジュールで出し分けられ、患者向けにクリニックからのお知らせや医療関連の豆知識などを効率的に提供できます。

ディスプレイ選びや配信管理の方法など、疑問や不安があれば専門事業者のサポートを受けましょう。デジタルサイネージの導入をお考えなら、ニーズに合った最適なシステムを提案できるイッツコムにご相談ください。