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VPN接続できない場合の対処方法とは?VPNの仕組みを詳しく解説!

近年ではテレワークの普及により、社内の重要な会議や外部とのやり取りを遠隔地で行う機会が増えています。安全に情報を扱うためにはVPN(Virtual Private Network)が有効ですが、VPNに接続できなくなって困ったことがある方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、 VPNに接続できないときの対処方法についてご紹介します。接続トラブルがあったときの対処方法を学んでおけば、より安全にネットワークを利用できるでしょう。

VPN接続できない場合の対処方法とは?


VPNはセキュリティ対策として導入されるネットワークシステムです。急にVPNに接続できなくなった場合は、まず普段と違う接続方法をしていないかどうか確認してみましょう。単純に設定や環境に問題があるのかもしれません。ここでは、VPNに接続できない場合の原因や状況別の対処法を解説します。

VPN接続できない原因とは

VPN接続ができなくなったときは、 IPアドレスやDNSサーバーの設定状況を確認しましょう。特殊なネットワーク制御ツールを使用している場合は、ツールを無効化することで改善されることもあります。VPNに接続できない原因を事前に把握しておけば、万が一のトラブルにも慌てずに対処できるでしょう。

VPN接続ができない場合の確認事項

ダイナミックDNSを使用しているのであれば、これが正しく機能しているか確認しましょう。ダイナミックDNSは、動的に割り当てられるIPアドレスを登録したドメイン名に接続してくれるサービスです。正しく設定されていないと、VPNに接続できなくなります。

VPNルーターのWAN側からIPアドレスを指定して接続できても、ドメイン名で接続できない場合は、設定に不備がある可能性があります。「詳細設定」画面から設定を見直してみましょう。

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クライアント設定の確認事項

クライアント設定画面を開き、「接続する本社のIPアドレス」を確認して接続したいサーバーのドメイン名とIPアドレスが正しく入力されているか確かめましょう。「接続に使用するユーザID」と「接続に使用するパスワード」も見て、設定したユーザ名とパスワードが間違いなく入力されているかも確認します。

もしも入力されている内容が異なっていた場合は、正しい内容に修正することで接続できる可能性があります。

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リモートアクセス時の確認事項

使用しているPCがインターネットへ接続できているか確認しましょう。インターネットに接続できている場合は、ルーターのプロパティを開き、「宛先のホスト名またはIPアドレス」の項目とサーバーへログインするのに使用する「ユーザ名」と「パスワード」の内容が正しいか確認します。

これらの内容に間違いがなくても接続できないときは、使用しているルーターがVPNで使用しているパケットに対応可能な機種であるかも確認しましょう。

接続情報の取得ができていない場合の対処方法

IPアドレスとDNSサーバーの情報が「手動」で取得される設定になっていないか確認しましょう。手動設定になっていると、自動で割りてられる設定が機能せず、接続できなくなります。

PCのコントロールパネルを開き「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの状態とタスクの表示」→「アダプターの設定の変更」→「ローカルエリアの接続」 と進んでいき、プロパティを開きましょう。

「DNSサーバーのアドレスを自動的に取得する」「IPアドレスを自動的に取得する」の2つの項目にチェックが入っていれば、自動設定は完了です。実際の確認方法は、使用するOSによって異なるので注意しましょう。

制御ツールがインストールされている場合の対処方法

OSにデフォルトで搭載されていないネットワーク制御ツールがインストールされていると、インターネットに接続できない場合があります。これらの制御ツールを無効化、あるいはアンインストールすると接続状況が回復する可能性があるので、インターネットにつながらないときに試してみましょう。

OS標準機能の接続設定はコントロールパネル→「ネットワークの状態とタスクの表示」→「ネットワークと共有センター」の画面で、「新しい接続またはネットワークのセットアップ」から行えます。

MacでVPNが接続できない場合の対処方法

MacはMacOSを使用しているため、Windowsとは接続の設定方法が異なります。全体のデザインや操作方法もWindowsとは異なるので、MacOSを使用する場合は独自の対処方法が必要です。ここでは、MacでのVPN接続トラブルの対処方法を解説します。

設定方法を確認

MacでVPN接続の設定を確認するときは、「システム環境設定」から「ネットワーク」→「左下にある+ボタン」→「VPN」ウインドウを開きます。サーバーアドレスとアカウント名の項目に正しい内容が入力されているか確認しましょう。

接続するVPNサーバーによっては、ユーザ認証やコンピュータ認証などの認証設定や、スクリプトのルーティング情報なども確認する必要があります。

ルーターの設定を確認

自宅や会社などの固定回線では接続できず、スマートフォンのテザリング機能やポケットWi-Fiで接続できる場合はルーターの設定に問題があるかもしれません。

「システム環境設定」から「ネットワーク」→「Wi-Fi」→「詳細」→「TCP/IP」にあるルーターのIPアドレスをブラウザに入力すれば、ブラウザにルーターの設定画面が表示されます。表示された内容を確認して、セキュリティ設定などを見直してみましょう。

優先順位を調整してみる

Macのネットワーク接続には優先順位が設定されており、順位が高い回線に自動的に接続されます。VPNにつながらないのは、この優先順位が低く設定されていることが原因かもしれません。

「システム環境設定」から「ネットワーク」画面を開くと左側に接続可能なネットワークの一覧が表示されています。リストの上から順に優先順位が高くなるので、ネットワークリストが表示されている欄の下部にある歯車マークから「サービスの順序を設定……」を選び、VPNを一番上に設定しましょう。

すべての接続をVPNにする

ネットワークを用いる際に、VPNを通過するよう固定設定するのも方法のひとつです。「システム環境設定」から「ネットワーク」の画面を開き、左側にあるネットワークリストからVPNを選択します。

右下に出てくる「詳細……」ボタンを押し、オプションタブにある「すべてのトラフィックをVPN接続経由で送信」のボックスにチェックを入れて「OK」ボタンを押しましょう。ネットワーク画面を閉じるときに「適用」ボタンを押すと、今後ネットワークに接続するときは毎回VPNを通過するようになります。

iPhoneでVPNが接続できない場合の対処方法

iPhoneからもVPNを利用できます。外出先からもVPNに接続できるのは大変便利ですが、急につながらなくなると困ったことになります。iPhoneの場合の対処法を確認しましょう。

接続プロトコルを確認

iPhoneでは「IKEv2」「IPsec」「L2TP」の3種類のVPNプロトコルを利用できます。(2020年8月現在)自分がどのプロトコルを利用しているのか確認しておきましょう。

設定画面を開き、「一般」→「VPN」と移動すると登録されているVPN接続が一覧で表示されるので、確認したいVPNをタップします。VPNのタイプを参照すれば、設定されているプロトコルが確認可能です。

PPTPの場合VPVの設定変更が必要

以前は「PPTP」接続も利用できましたが、iOS10以降のバージョンではセキュリティ面の問題から利用できなくなりました。VPN接続にPPTPを利用していて現在OSをiOS10以降にアップデートしている場合は、プロトコルを変更しなければ接続できません。

設定画面を開き、「一般」→「VPN」から使用したいVPNを選択し、「タイプ」の項目を「IKEv2」「IPsec」「L2TP」のいずれかに変更しましょう。ただし、接続するVPNサーバーによってはPPTPでしか接続できない場合もあります。その場合は、サーバー側の設定変更が必要です。

Wi-Fiを確認する

iPhoneがWi-Fiに接続されている場合、 Wi-Fiを経由してVPNに接続しますが、接続状況はWi-Fiの回線強度の影響を受けるため、状況によっては不安定になったり接続できなくなったりすることがあります。

Wi-Fi経由でVPNを利用するときは、 Wi-Fiの接続状況を確認しておきましょう。 Wi-Fi電波の入りが悪いときは場所を移動し、 Wi-Fiを1度切って接続リセットを試すことをおすすめします。

接続情報の再設定を行う

VPNの構成設定を保存する際に、1度ユーザ認証の項目に誤った情報を入力していると、その後正しい情報を入力しても正常に接続できなくなる不具合が発生することがあります。

この不具合が発生した場合は、登録したVPN構成設定を削除し、再度登録し直すことで解消されるでしょう。ユーザ認証を誤入力した心当たりがあって接続できないという方は、設定の削除を試すと改善されるかもしれません。

iOSが最新か確認する

iPhoneで採用されているiOSは不定期にアップデートされており、バージョンアップするとシステムの挙動が変化することがあります。バージョンアップにはネットワーク関連の不具合の修正が含まれている場合もあるので、iOSのバージョン情報を確認しましょう。

設定画面を開き、「一般」→「ソフトウェア・アップデート」からインストールされていないアップデートがないか確認できます。アップデートで接続状況が改善されることもあるので、最新のバージョンで再度試してみましょう。

ルーターのファイアウォールを確認する

サーバーへ接続できない場合、ルーターの設定で接続が妨げられている可能性もあるでしょう。ルーターのファイアウォールでVPN用のポート開放が行われていないと、iPhoneの接続設定が正しくてもセキュリティで弾かれてしまいます。

利用するプロトコルや環境によって開放が必要なポート番号は異なるので、使用しているiPhoneの環境に合わせて設定を見直してみましょう。

VPNサーバーに接続できるか確認する

利用者の設定や環境に問題がなくても、サーバー側の問題で接続できない場合も考えられます。例えば、VPNへの接続を中継しているサーバーに高負荷がかかっているとうまく接続できません。

接続先のサーバーに問題がないか確認するには、他のVPNに接続してみるのが有効です。他のVPNには接続できても、特定のVPNにだけ接続できない場合はサーバー側に問題がある可能性が高いので、時間を空けるかサーバーを再起動しましょう。

モバイル閉域接続が安心

重要な情報を扱うVPNをより安全に利用したい方には、モバイル閉域接続の導入をおすすめします。イッツコムのモバイル閉域接続は、VPNアプリではなく個別のSIMで接続できるので、よりセキュリティを高められる仕組みです。

テレワークで遠隔地から社内の情報を扱う際は、強固なセキュリティ対策が必須です。モバイル閉域接続はインターネットを使用しないことで、VPNでも回避できないリスク対策を可能としています。また、イッツコムのモバイル閉域接続なら面倒な設定もありません。「接続ができない」という悩みも解消されます。

まとめ


VPNに接続できない原因はさまざまですが、どのような要素が原因となるのかあらかじめ目星をつけておけば、それらをひとつひとつ確認して対応できます。まずはユーザに近いところから確認して、効率よくトラブルの原因を切り分けて特定していきましょう。

モバイル閉域接続は、セキュリティを最優先に考えるユーザにとってVPNより高セキュアな最良のサービスです。利用者はIDやパスワードの管理が必要なく、 VPNの設定も不要で簡単に接続できます。最高峰のセキュリティで情報漏えいを防ぎたい方は、ぜひイッツコムへお問い合わせください。