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プロバイダ乗り換えの手順・注意点・選び方や工事不要のケースを解説

既存のインターネット回線に懸念や不満があり、プロバイダの乗り換えを検討している方もいるのではないでしょうか。

乗り換え先のプロバイダによって、回線工事が必要か不要かは異なり、実効速度や月額料金などにも違いが出ます。通信の安定性を求めるならIPv6 IPoE対応であること、社内でサーバ運用などをするなら固定IPアドレスの払い出しに対応しているかどうかも注意したい点です。

本記事では、プロバイダの乗り換えで回線工事が必要/不要なケース、乗り換えの手順やサービスの選び方について紹介します。

プロバイダの乗り換えで回線工事は必要?

光回線はプロバイダと回線事業者を契約して利用します。フレッツ光は提携プロバイダと別途契約しますが、コラボ光や独自回線はプロバイダサービスと光回線を一括で提供する事業者が一般的です。基本的に、光回線の新規契約時には光ファイバーケーブルの引き込み工事が必要ですが、プロバイダのみを乗り換えるなら回線工事が不要な場合もあります。

プロバイダを乗り換えても回線は継続利用できる

プロバイダ(インターネットサービスプロバイダ/ISP)とは、サービス地域内の個人・法人と契約を結んでインターネット接続サービスを提供する事業者です。プロバイダはインターネットに接続された拠点施設を運用しており、顧客との間の通信回線(アクセス回線)には回線事業者が敷設・運用する光ファイバー回線や無線基地局などを利用します。

つまりインターネット回線を利用するには、プロバイダと回線事業者の両方と契約することが必要です。「プロバイダの乗り換え」は一般的に、回線事業者との契約はそのままに、契約するプロバイダのみを切り替えることを指します。

ただし、プロバイダサービスとアクセス回線をセットで提供する事業者も珍しくありません。選択するプロバイダによっては、プロバイダの乗り換えの際、アクセス回線の乗り換えも必要です。

回線工事不要でプロバイダの乗り換えができるケース

プロバイダのみを乗り換える場合、基本的に回線工事は必要ありません。工事不要でプロバイダを乗り換えられる代表的なケースは以下の2パターンです。

・フレッツ光からコラボ光への乗り換え(転用)
・コラボ光からコラボ光への乗り換え(事業者変更)

コラボ光とは、NTT東日本・西日本のフレッツ光回線を借り受けた事業者が、プロバイダ・光回線をセットで提供するサービスです。フレッツ光とコラボ光は共通のアクセス回線を利用するため、「転用」や「事業者変更」によるプロバイダの乗り換えに際し、回線工事は必要ありません。

独自回線への乗り換えには回線工事が必要

フレッツ系の光回線の他に、ケーブルテレビ会社や電力会社などによる「独自回線」も多数提供されています。独自回線はフレッツ系とは異なる光ファイバー回線を使用しており、プロバイダ・光回線をセットで提供することが一般的です。

独自回線はフレッツ系の光回線に比べ、通信速度の速さ・安定性や、本業を生かした割引サービスなどに魅力があります。プロバイダの乗り換え先として有力ですが、フレッツ系の光回線から独自回線に乗り換える場合、回線工事が必要です。

【関連記事:独自回線と光回線は何が違う?光回線の種類一覧と特徴を徹底整理

プロバイダを乗り換えるメリットとサービスの選び方

プロバイダを乗り換えると、通信速度の理論値は同じでも実効速度を改善できる場合があり、月額料金が安くなることもあります。通信の安定性を改善するなら、「IPv6 IPoE」対応のプロバイダを選ぶことが重要です。法人向けプロバイダを選ぶと、固定IPアドレスの払い出しも受けられます。

理論値は同じでも実効速度を改善できる

光回線の最大通信速度はスペック上、上り下りともに1Gbpsであることが一般的ですが、これは理論値です。実際にはプロバイダの通信設備や接続ユーザー数など、さまざまな要因で実効速度は低下します。

プロバイダによって通信設備の充実度や接続ユーザー数に違いがあるため、乗り換え先によっては通信速度の改善が可能です。通信速度を重視したプロバイダの乗り換えは、実効速度の比較サイトなどを参考にしましょう。

なお通信速度の速さ・安定性は、フレッツ系より独自回線のほうが有利です。独自回線はユーザー数の多いフレッツ系より接続の混雑を避けやすく、通信設備の増強もしやすいため、高品質な回線サービスを提供しやすいという強みがあります。

月額料金が安くなるケースも

プロバイダによってサービス内容や料金設定は異なるため、プロバイダを乗り換えると月々のインターネット接続費を圧縮できるケースもあります。スマホ料金や電気料金のセット割など、各種割引・キャンペーンを利用できるプロバイダも一般的です。

なおプロバイダと回線事業者を別々に契約すると、プロバイダサービス・光回線サービスそれぞれの月額料金を支払うことになります。プロバイダ・光回線一体型のサービスのほうが月額料金を抑えられることも多いため、コスト面でも独自回線が乗り換え先の有力候補となるでしょう。

【関連記事:光回線の料金相場は?工事関連の費用内訳や支払いタイミングも解説

IPv6 IPoE接続で通信の安定性を改善できる

乗り換え先のプロバイダによっては、新しいインターネット接続方式「IPv6 IPoE」により、快適なインターネット通信ができることも利点です。

従来の接続方式「IPv4 PPPoE」には、IPアドレスの枯渇やNTE(網終端装置)を経由することによる通信の混雑といったボトルネックがあり、世界的にIPv6 IPoEへの移行が進んでいます。

IPv6 IPoEは大容量のGWR(ゲートウェイルーター)を経由してインターネットへダイレクトに接続でき、接続の混雑を回避しやすいため、夜間や休日でも高速通信が可能です。IPv6 IPoEの対応状況はプロバイダによって異なるため、IPv6 IPoE対応のプロバイダへの乗り換えを検討しましょう。

法人向けプロバイダは固定IPアドレスの払い出しに対応

プロバイダは個人向けと法人向けで別のプランを提供していることがあります。法人向けサービスとして特徴的なものの1つは、「固定IPアドレス」の払い出しが受けられることです。

IPアドレスはネットワークに接続されたデバイスを識別するための住所に当たるもので、個人向けのプロバイダサービスはユーザーのデバイスに「動的IPアドレス」を割り当てます。

動的IPアドレスは再接続のたびに変更されるため、VPNサーバを社内に設置してリモートアクセス環境を構築するような場合、固定IPアドレスが必要です。社内でのサーバ運用などが必要であれば、固定IPアドレスの払い出しができる法人向けプロバイダサービスを選択しましょう。

プロバイダ乗り換えの注意点

プロバイダ選びのポイントを押さえれば、乗り換えによって通信速度・安定性の改善や月額料金が安くなるなどのメリットを享受できます。しかしその反面、いくつかの不都合が起きることに関しては要注意です。ここからは、具体的に知っておくべき注意点を4つのポイントに分けてご紹介します。失敗のないプロバイダの乗り換えを目指しましょう。

旧プロバイダのメールが使えなくなる

各プロバイダは、独自ドメインのメールアドレスを提供することが一般的です。俗にいうフリーアドレスと比べて信頼性が高く、ブロックされるリスクの少ないことがプロバイダのメールを利用するメリットですが、解約手続きを行うことにより、旧プロバイダによるドメインのメールアドレスが使用不可能になります。

一部のプロバイダでは月額料金を支払うことでメールアドレスを継続できる場合がありますが、そうでなければメールアドレスは完全に失効してしまいます。企業の連絡先などにプロバイダのメールアドレスを利用している場合は注意しましょう。

IP電話が使えなくなる

メールアドレスと同じように、プロバイダが提供しているIP電話の使用も不可能になります。原則としてIP電話には解約後に番号を存続させるオプションもなく、電話番号を残したり、次のプロバイダに引き継いだりする手段はありません。

050からはじまる電話番号は、現在契約中のプロバイダによるIP電話だと認識しましょう。この電話番号が重要であり、どうしても持続的に使い続けたいという場合は、プロバイダの乗り換えは難しいでしょう。

解約金がかかる

契約の条件はプロバイダによって異なりますが、途中解約をする場合に解約金が請求される可能性があることにも要注意です。たとえば2年契約をプロバイダとの間で結んでいる場合、契約更新月以外に解約をすると、違約金が請求されることがあります。

プロバイダとの契約内容によっては、高額な解約金が請求されることも珍しくありません。新しいプロバイダと契約を交わす前に、現行の契約内容を確認し金銭的な障害がないか把握することが重要です。

ルーターの返却が必要

特にオフィスの場合は、インターネットを無線で使用するためにWi-Fiルーターを活用することが一般的です。Wi-Fiルーターは購入することもできる機器ですが、プロバイダが無償あるいは有償でレンタルを行っていることがあります。

ルーターが借り物だという場合は、プロバイダの契約終了と同時に、これまで使っていたルーターの返却義務も生じます。乗り換え先のプロバイダがルーターのレンタルに対応しているかどうかも確認し、合計のコストを再計算しましょう。

プロバイダの乗り換えと接続設定の手順

プロバイダを乗り換える際は、新プロバイダの契約と旧プロバイダの解約が必要です。インターネットを使えない期間が生じないように、解約のタイミングには注意しましょう。契約・解約が済めばユーザー側で接続設定をしますが、設定方法はルーターがある場合・ない場合で異なります。

新プロバイダの契約と旧プロバイダの解約

まずは乗り換え先のプロバイダに加入の申し込みを行い、契約を交わすことが第一段階です。一般的には申し込みから3日~1週間程度で利用可能になります。インターネットに接続できなくなるブランクの発生を避けるために、新しいプロバイダからサービスを受けられる日を先回りして決めておくことが重要です。

続いて、現在契約中のプロバイダと連絡を取って解約の手続きを行います。新しいプロバイダとの契約日時に合わせて解約日を設定しましょう。

【関連記事:インターネット回線の種類や調べ方と比較検討のポイントを解説

ルーターがある場合の設定方法

光回線のプロバイダは、乗り換え時にWi-Fiルーターを貸与するのが一般的です。Wi-Fiルーターがある場合、プロバイダから受け取る認証情報(ID・パスワード)はWi-Fiルーターに登録します。

Wi-Fiルーターによって設定方法は若干異なりますが、WebブラウザのURL欄に特定のIPアドレスを入力し、Wi-Fiルーターの設定画面にアクセスすることが多いでしょう。

プロバイダの認証情報が設定できたら、PCやスマホのWi-Fi設定画面から、Wi-FiのSSID(ネットワーク名)とパスワードを入力します。Wi-FiルーターとPCをLANケーブルで接続する場合、PC側の設定変更は必要ありません。

ルーターがない場合の設定方法

プロバイダとの契約内容によっては、Wi-Fiルーターを貸与されず、ONU(光回線終端装置)だけが設定される場合もあります。ONUにWi-Fi機能はありませんが、LANポートがあるので、PCとONUをLANケーブルで接続してインターネット通信が可能です。

この場合はPC側でプロバイダの認証情報を設定します。OSがWindows10の場合、設定方法は以下の通りです。

1.[スタート]→[コントロールパネル]→[ネットワークと共有センター]→[新しい接続またはネットワークのセットアップ]の順にクリック
2.[インターネットに接続します]をクリックし、[次へ]をクリック
3.[ブロードバンド(PPPoE)]をクリック
4.[ユーザー名]と[パスワード]の欄にプロバイダから取得した認証情報を入力し、[接続]をクリック
5.「インターネットへの接続を使用する準備ができました」と表示されれば完了
6.旧プロバイダの接続情報が残っていれば削除する

法人向けプロバイダへの乗り換えなら独自回線「イッツコム光接続サービス」がおすすめ!

法人のプロバイダ選びは、通信速度の速さ・安定性やIPv6 IPoE接続ができること、固定IPアドレスを取得できることなどが重要です。

法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」なら、低コストでこれらのニーズを満たせます。通信速度は一般的な光回線より高速な、下り最大2Gbps・上り最大1Gbpsです。IPv6 IPoEに標準対応するため、夜間や休日でも安定した高速通信ができます。

イッツコム自前の光ファイバー回線網を利用した、プロバイダ・光回線一体型の独自回線であることも特徴です。契約やトラブルの際の窓口を一本化できる他、家庭向け光回線並みの低コストで通信速度を改善できます。

まとめ

プロバイダを乗り換えると、通信速度の改善や通信料金の低減を期待できます。フレッツ光やコラボ光の場合は回線工事不要でプロバイダの乗り換えができますが、通信速度で有利な独自回線への乗り換えは回線工事が必要です。

通信速度・安定性を改善するならIPv6 IPoE対応のプロバイダ、社内でサーバ運用などが必要なら固定IPアドレスの払い出しができるプロバイダを選びましょう。

イッツコムは、低コストで安定した高速回線を利用できる法人向け独自回線を提供しています。プロバイダの乗り換えをお考えなら、回線費用を抑えて通信環境を改善できるイッツコムにご相談ください。