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【法人様向け】プロバイダ乗り換えの手順やポイントを徹底解説

インターネットの接続環境は、ほとんどの企業にとっては欠かせないものです。通信のクオリティと同様に重視すべきポイントとして料金の安さも挙げられますが、よりお得なプロバイダに乗り換えたいけど、乗り換え方法がわからないという企業担当の方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、プロバイダを乗り換える方法や、プロバイダの乗り換えによって得られるメリット、乗り換える際の注意点などをご紹介します。プロバイダを選ぶ際のポイントも解説しますので、手続きでお悩みの際はぜひ参考にしてください。

プロバイダ乗り換えの基本情報


「プロバイダの乗り換え」という言葉はよく聞きますが、これは一体どのような手続きを示しているのでしょうか。そもそもプロバイダの乗り換えが必要なのかどうかもわからないという方も多いはずです。そこでまずは、どのような場合に乗り換えを検討すべきなのか、特にADSLを利用している場合の注意点を解説します。

プロバイダの乗り換えとは

インターネットに接続するためには、光回線やADSLを用いることになります。この回線を利用してインターネット接続サービスを提供する業者のことをプロバイダと呼び、国内には数多くのプロバイダがあります。ADSLや光回線はレールで、プロバイダはその上を走る電車と考えるとよいでしょう。

このプロバイダ業者を変更することが「乗り換え」です。重要なポイントとなるのは、あくまでもインターネット接続を仲介するサービス業者を乗り換えるに過ぎないということです。通信回線を提供する回線事業者に変更がなければ、既存のADSLや光回線の設備はそのまま継続して利用できます。

プロバイダを乗り換えるべき人

プロバイダの乗り換えを検討すべきなのは、既存のプロバイダに支払っている料金が高いと感じている人や、回線速度に不満があるという人です。ADSLや光回線は今ご使用中のものを使い続けられるので、ネット回線設備そのものを変更できないという方にもおすすめの方法になります。

先ほどと同じく電車でたとえると、同じレールの上を走る電車にも各駅停車や快速列車があり、目的地までにかかる速度は変わります。また、乗車する電車のタイプによって運賃も異なりますが、これと同じことがインターネットにおいても起きているのです。

ADSLを利用中なら回線の乗り換えが必要

ADSLは回線事業者のサービス終了が決定しており、フレッツADSLは2023年1月末に、Yahoo! BB ADSLは2024年3月末に回線自体が使えなくなります。この状況を受けてプロバイダ各社も続々とサービス終了を発表している状況です。

光回線のサービスエリア外なら乗り換えを受け付けているプロバイダもありますが、現在は主に光回線をインターネットインフラとする整備が進んでいます。ADSLを利用中なら、プロバイダの乗り換えではなく、光回線への乗り換えが必要と考えましょう。

プロバイダを乗り換えるメリット


別の通信回線を使いたい場合は通信回線・プロバイダ両方の乗り換えが必要ですが、プロバイダの乗り換えだけなら通信回線は継続利用できるので、現在の通信速度に満足できなければプロバイダの乗り換えがおすすめです。ここでは、プロバイダを乗り換える3つのメリットを解説します。なお、フレッツ光などの通信回線は、対応するプロバイダが決まっているため、その中から選ぶことになります。

通信速度が速くなり業務の効率化につながる

プロバイダを乗り換えることで、インターネットの通信速度が大幅に改善されることがあります。そもそもサービスの質が悪かったり、契約者数が多すぎたりするプロバイダの場合は、時間帯によってスムーズな接続ができないことがあるのです。

プロバイダの乗り換えにより、速度の問題を簡単にクリアできる可能性があります。通信速度が上がれば大容量ファイルの送受信もスムーズになるため、業務の効率化につなげられますし、社員もフラストレーションがたまりません。

料金が安くなる

当たり前のようにかかっていた高額な料金も、乗り換えと同時に引き下げられます。通信速度は環境によって異なるためベストな数値が保証されませんが、料金は契約時のものが確約されるため、計算どおりに請求されます。

たとえば、月額1,000円のプロバイダから月額500円のプロバイダに乗り換えると、年間で6,000円も通信費を削減できます。料金を下げながらも、通信速度は上がる可能性が高いとなれば、とても魅力的と言えるでしょう。

特典が受けられることがある

契約するタイミングによっては、乗り換え先のプロバイダから特典を受けられることがあります。内容は会社によってさまざまですが、代表的なものでいえば初月月額利用料無料やオプション利用料の割引・免除といったサービスを挙げられます。特典を受けられるキャンペーンのタイミングで、乗り換えに向けて検討してみるのもよいでしょう。

プロバイダ乗り換えの注意点

通信環境に不満がある場合、プロバイダを変更することにより、上述した3つのメリットを享受できる可能性が高くなります。しかしその反面、いくつかの不都合が起きることに関しては要注意です。ここからは、具体的に知っておくべき注意点を5つのポイントに分けてご紹介します。失敗のないプロバイダの乗り換えを目指しましょう。

旧プロバイダのメールが使えなくなる

各プロバイダは、独自ドメインのメールアドレスを提供することが一般的です。俗にいうフリーアドレスと比べて信頼性が高く、ブロックされるリスクの少ないことがプロバイダのメールを利用するメリットですが、解約手続きを行うことにより、旧プロバイダによるドメインのメールアドレスが使用不可能になります。

一部のプロバイダでは月額料金を支払うことでメールアドレスを継続できる場合がありますが、そうでなければメールアドレスは完全に失効してしまいます。企業の連絡先などにプロバイダのメールアドレスを利用している場合は注意しましょう。

IP電話が使えなくなる

メールアドレスと同じように、プロバイダが提供しているIP電話の使用も不可能になります。原則としてIP電話には解約後に番号を存続させるオプションもなく、電話番号を残したり、次のプロバイダに引き継いだりする手段はありません。

050からはじまる電話番号は、現在契約中のプロバイダによるIP電話だと認識しましょう。この電話番号が重要であり、どうしても持続的に使い続けたいという場合は、プロバイダの乗り換えは難しいでしょう。

解約金がかかる

契約の条件はプロバイダによって異なりますが、途中解約をする場合に解約金が請求される可能性があることにも要注意です。たとえば2年契約をプロバイダとの間で結んでいる場合、契約更新月以外に解約をすると、違約金が請求されることがあります。

プロバイダとの契約内容によっては、高額な解約金が請求されることも珍しくありません。新しいプロバイダと契約を交わす前に、現行の契約内容を確認し金銭的な障害がないか把握することが重要です。

ルーターの返却が必要

特にオフィスの場合は、インターネットを無線で使用するためにWi-Fiルーターを活用することが一般的です。Wi-Fiルーターは購入することもできる機器ですが、プロバイダが無償あるいは有償でレンタルを行っていることがあります。

ルーターが借り物だという場合は、プロバイダの契約終了と同時に、これまで使っていたルーターの返却義務も生じます。乗り換え先のプロバイダがルーターのレンタルに対応しているかどうかも確認し、合計のコストを再計算しましょう。

回線速度が変わる

プロバイダの乗り換えによって回線速度がよいほうに変わることもあれば、悪いほうに変わることもあります。プロバイダが提示している回線速度はあくまでも環境が整った状態で出る数値であり、実際の回線速度は利用状況によって変わります。

プロバイダの設備が弱かったり、設備に対して過剰な利用者が集まったりしますと、回線が混雑して速度が低下することも考えられます。回線が速くなると思ったのに実際は遅くなったという問題も見受けられますので、速度に関する評判の確認も必要です。

プロバイダ乗り換えと設定方法の手順

プロバイダを乗り換える際は、新プロバイダの契約と旧プロバイダの解約が必要です。インターネットを使えない期間が生じないように、解約のタイミングには注意しましょう。契約・解約が済めばユーザー側で設定をしますが、設定方法はルーターがある場合・ない場合で異なります。

新プロバイダの契約と旧プロバイダの解約

まずは乗り換え先のプロバイダに加入の申し込みを行い、契約を交わすことが第一段階です。一般的には申し込みから3日~1週間程度で利用可能になります。インターネットに接続できなくなるブランクの発生を避けるために、新しいプロバイダからサービスを受けられる日を先回りして決めておくことが重要です。

続いて、現在契約中のプロバイダと連絡を取って解約の手続きを行います。新しいプロバイダとの契約日時に合わせて解約日を設定しましょう。

ルーターがある場合の設定方法

光回線のプロバイダは、乗り換え時にWi-Fiルーターを貸与するのが一般的です。Wi-Fiルーターがある場合、プロバイダから受け取る認証情報(ID・パスワード)はWi-Fiルーターに登録します。

Wi-Fiルーターによって設定方法は若干異なりますが、WebブラウザのURL欄に特定のIPアドレスを入力し、Wi-Fiルーターの設定画面にアクセスすることが多いでしょう。

プロバイダの認証情報が設定できたら、PCやスマホのWi-Fi設定画面から、Wi-FiのSSID(ネットワーク名)とパスワードを入力します。Wi-FiルーターとPCをLANケーブルで接続する場合、PC側の設定変更は必要ありません。

ルーターがない場合の設定方法

プロバイダとの契約内容によっては、Wi-Fiルーターを貸与されず、ONU(光回線終端装置)だけが設定される場合もあります。ONUにWi-Fi機能はありませんが、LANポートがあるので、PCとONUをLANケーブルで接続してインターネット通信が可能です。

この場合はPC側でプロバイダの認証情報を設定します。OSがWindows10の場合、設定方法は以下の通りです。

1.[スタート]→[コントロールパネル]→[ネットワークと共有センター]→[新しい接続またはネットワークのセットアップ]の順にクリック
2.[インターネットに接続します]をクリックし、[次へ]をクリック
3.[ブロードバンド(PPPoE)]をクリック
4.[ユーザー名]と[パスワード]の欄にプロバイダから取得した認証情報を入力し、[接続]をクリック
5.「インターネットへの接続を使用する準備ができました」と表示されれば完了
6.旧プロバイダの接続情報が残っていれば削除する

企業のプロバイダ乗り換えで押さえるべき5つのポイント


業がプロバイダを乗り換える際、以下5つのポイントを押さえることが大切です。

・法人向けの光回線サービスを選ぶ
・IPv6 IPoEに対応したプロバイダを選ぶ
・通信回線・プロバイダ一体型のサービスを選ぶ
・Wi-Fiアクセスポイントの増設も検討する
・Wi-Fi6に対応したWi-Fi機器を導入する

通信速度・安定性やトータルコストに優れたサービスを選び、グレードアップした光回線を活用して快適なWi-Fi環境を整えましょう。

法人向けの光回線サービスを選ぶ

光回線サービスは個人向け・法人向けの2種類があります。個人向け光回線は通信速度・安定性に難のあるサービスが多い一方、法人向け光回線はビジネスユースに対応するために通信速度・安定性を強化したサービスが一般的です。

また、法人向け光回線は固定IPアドレスの追加にも対応しています。これにより自社サーバーによるWebサイトの運営や、VPNサーバーの構築が可能です。企業の通信環境を改善するなら、サービス運営やセキュリティ強化がしやすい、法人向け光回線を選びましょう。

IPv6 IPoEに対応したプロバイダを選ぶ

光回線は下り1Gbps・上り1Gbpsのサービスが多いですが、これは回線事業者側が技術的に設定した通信速度の上限であり、また理想的な最大通信速度です。インターネット接続の際はプロバイダの通信設備を経由するので、プロバイダによって通信速度は異なります。

通信速度に最も大きな影響を与える要因は、「プロバイダがIPv6 IPoEに対応しているかどうか」です。従来の接続方式「IPv4 PPPoE」はプロバイダの通信設備で渋滞が起こりやすく、これが夜間や休日の深刻な速度低下を招きます。IPv6 IPoEに対応するプロバイダはこの渋滞を回避できるので、24時間365日、安定した高速回線の利用が可能です。

通信回線・プロバイダ一体型のサービスを選ぶ

従来の光回線サービスは、フレッツ光などの通信回線とは別にプロバイダを契約する必要があります。このサービス形態では回線事業者とプロバイダの両方に月額料金を支払うので、長期的に見ると想像以上のコストになるケースも珍しくありません。

近年は通信回線・プロバイダ一体型のサービスが人気です。このサービス形態ではサービス事業者がひとつなので、月額料金を抑えられる上、請求元やサポート窓口をひとつにできます。コスパの高いサービスを選ぶと回線事業者も変わる場合もあり、プロバイダ乗り換えより初期費用はやや高くなりますが、長期的に見るとお得です。

Wi-Fiアクセスポイントの増設も検討する

IPv6 IPoEに対応した通信回線・プロバイダ一体型の光回線サービスを選ぶと、通信の速度・安定性だけでなく、コストや手間の面でも有利です。Wi-Fi接続も快適になりますが、Wi-FiルーターはONUの近くに設置する必要があり、Wi-Fiルーターひとつでは接続エリアや同時接続台数は限られます。

そこでセット導入を検討したいのが「Wi-Fiアクセスポイント」です。Wi-FiアクセスポイントはWi-Fi機能に特化した通信機器で、ルーターとLANケーブルで接続することで、Wi-Fiの基地局を好きな場所に増設できます。来客向けにフリーWi-Fiの提供もできるので、企業の通信環境改善に最適です。

Wi-Fi6に対応したWi-Fi機器を導入する

Wi-Fiには最大通信速度や安定性を決定する規格があり、Wi-FiルーターやWi-Fiアクセスポイントは対応する規格によってWi-Fi接続の快適性が異なります。

現在の最新Wi-Fi規格は「Wi-Fi6」で、最大通信速度は9.6Gbpsと非常に高速です。さらに従来のWi-Fi規格で問題だった、同時接続時の順番待ちが発生しません。Wi-Fi6に対応するWi-Fi機器を導入することで、光回線のパフォーマンスを最大限に発揮したWi-Fi接続ができます。プロバイダ乗り換えの際はWi-Fi機器が対応する規格にも注意しましょう。

法人向けのプロバイダ乗り換えならイッツコム!

企業が使用する光回線は高速かつ安定していることが重要です。イッツコムは法人向けの高速光回線「イッツコム光接続サービス」に加え、オフィス・店舗の快適なWi-Fi環境を整えられる「かんたんWi-Fi」や、テレワーカーの通信環境整備に最適な「モバイル閉域接続」を提供しています。ここからは、それぞれのサービスの魅力をお伝えします。

法人向けの高速光回線 イッツコム光接続サービス

デジタル化するビジネスに対応するには、高速かつ安定したインターネット回線が必要です。イッツコムの法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」なら、下り2Gbps・上り1Gbpsの快適な光回線を利用できます。

IPv6 IPoEに標準対応しているため通信速度は非常に安定しており、ビジネススピードを停滞させません。光回線・プロバイダ一体型のサービスなので、他社サービスよりトータルコストを抑えられる上、ひとつのサポート窓口でスピーディーにトラブルシューティングが完結します。

また固定IPアドレスの追加にも対応するため、自社サーバーによるWebサービスの運営や、VPNサーバーの構築も可能です。

オフィス・店舗のWi-Fi整備は かんたんWi-Fi

快適な光回線に乗り換えると、Wi-Fi接続による業務効率化も期待できます。スマホやタブレットを業務利用しやすくなり、固定的なデスクに依存しないフリーアドレスの働き方が実現できる上、オフィスだけでなく店舗や駐車場までインターネット接続エリアが拡大できます。

しかしWi-Fiルーターひとつでは比較的小規模なオフィスにしか対応できません。そこで導入したいのが、簡単にWi-Fiアクセスポイント(AP)を増設できる「かんたんWi-Fi」です。かんたんWi-Fiは届いたAPにLANケーブル・電源ケーブルを接続するだけで導入でき、365日の電話サポートも利用できます。

「ハイエンド6」プランなら最新規格のWi-Fi6に対応する上、1AP当たり最大100台まで同時接続でき、業務用Wi-Fiのアクセス制御も可能です。オフィス内・店舗内のフリーWi-Fiの提供にも対応するので、企業イメージや売上の向上にも貢献します。

テレワーク環境に対応するなら モバイル閉域接続

企業の通信環境整備を考える上で重要度が増しているのは、テレワーク環境への対応です。コロナ禍の影響で増えた在宅勤務者はもちろん、外回りの営業担当者のようなモバイルワーカーも、日々インターネット接続が求められます。

しかし社外でのインターネット接続にはセキュリティ上の懸念があり、社外ネットワークから社内LANへのアクセスに支障が生じやすいことも懸念点です。これらの問題は、安全なモバイルデータ通信サービス「モバイル閉域接続」を導入すれば解決できます。

モバイル閉域接続はPCやスマホに挿入した専用SIMで経路判別(SIM認証)し、NTTドコモ網・イッツコム網の閉域網を経由して社内LANへ接続できる上、インターネット接続の際は社内LANを経由する仕組みです。

これによりテレワーカーの通信セキュリティを大幅に高められます。複数SIMで通信帯域をシェアする「シェアプラン」も利用でき、通信コストの無駄が生じにくいのも強みです。

まとめ


プロバイダを乗り換えることにより、これまでと比較して回線速度が上がり、なおかつ料金が安くなる可能性があります。新規契約者に向けた特典を用意するプロバイダも多く、手続きも簡単にできるため、インターネット環境に不満がある際は、積極的に乗り換えを検討してみるとよいでしょう。

イッツコム光接続サービスは、ビジネス用途に特化した安定性の高い接続方式を採用していることが特徴的です。通信費の削減や、ネットの高速化を実現できますので、乗り換えを検討中の方はぜひご相談ください。