無料メール配信システムの比較ポイントとは?有料版との違いやMAの有用性も
目次
メールアドレスはWebサービスやアプリの利用登録などに必須で、企業だけでなく一般のスマホユーザーも所持しています。ビジネスにおけるSNSやWeb広告の利用が活発化する中にあっても、メールはいまだに重要なマーケティングチャネルです。メールマーケティングの活性化を検討しており、メール配信システムについて理解を深めたい企業担当の方もいるのではないでしょうか。
ビジネスユースのメール配信システムは無料より有料のものが適切であること、より広範囲のマーケティング支援に対応するMAのほうが効率的であると知ることで、メール活用のために採用すべきシステムを把握できます。名刺管理・営業支援・マーケティング支援を一本化できるツールにも目を向け、マーケティング効果のさらなる向上を目指しましょう。
そこでこの記事では、メール配信システムのメリットや無料・有料サービスの比較ポイント、MAの有用性についてご紹介します。
無料のメール配信システムとは
メール配信システムはメールマーケティングを効率化するシステムで、Outlookなどの一般的なメーラーとは役割が異なります。無料サービスの多くは体験版または個人向けで、機能が限定的であるため、ビジネスユースなら有料サービスがおすすめです。なおメール配信サービスにはオンプレミス型とクラウド型があります。
メールマーケティングを効率化するメール配信システム
メール配信システムとは、メールを使った「売れる仕組み作り」、つまりメールマーケティングを効率化する配信システムの総称です。基本的にはメールの継続的な大量配信を前提とし、メルマガに特化したシステムはメルマガ配信システムとも呼ばれます。
個人利用も想定した一般的なメーラーではなく、専用システムでメールを運用することで、多数の見込み顧客・既存顧客とのやり取りの効率化が可能です。
無料サービスは体験版または個人利用向け
メール配信システムには無料のものと有料のものがあります。法人利用を想定した無料サービスには機能制限があり、有料サービスの体験版として提供されることが一般的です。個人利用に便利な完全無料のものもありますが、機能性やサポート体制などに難があり、ビジネスユースには向きません。多くの企業は信頼性の高い有料サービスを選択します。
オンプレミス型とクラウド型の違い
メール配信システムにはオンプレミス型とクラウド型があります。オンプレミス型は自社のPCやサーバ内にシステム本体をインストールするタイプです。まとまった初期投資が必要で、自社リソースによる管理体制も求められるため高コストですが、カスタマイズ性に優れます。
クラウド型はサービスベンダー運用のサーバ内にシステムの本体があり、インターネット経由で利用するタイプです。自社リソースを最小限に抑えられ、いつでもどこからでも管理コンソールにアクセスできるため、クラウド型のサービスを利用する企業が増えています。料金体系は月額いくらというサブスクリプション契約が一般的です。
メール配信システムの特徴とメリット
メール配信システムはサービスによって搭載機能がさまざまです。特に無料サービスは機能が限定的で、メリットもサービスによって異なります。ここでは、一般的なメール配信システムの特徴やメリットを見ていきましょう。
大量のメールを一斉配信できる
メール配信システムのメリットのひとつは、大量のメールを一斉配信できることです。メーラーで大量の宛先を追加するのは骨が折れ、入力の間違いで配信ミスも起こります。またメールサーバにスパム認定されることも珍しくありません。
メール配信システムなら数十件や数百件のリストを簡単に作成でき、誤送信を起こさずに一斉配信できます。高機能なメール配信サービスなら、スパム認定を回避する仕組みを採用しているため、メール到達率も高められます。
HTML形式のメール作成に対応できる
メール配信システムによっては、HTML形式のメール作成に対応しています。メールはテキスト形式とHTML形式の2種類があり、HTML形式のメールを作成するには通常、HTMLタグの知識が必要です。
メール配信システムなら、画像や動画を使った訴求力の高いHTML形式のメールを、専門知識なしで作成できます。システムによっては、リンク先に遷移したか自動判別できるトラッキング用URLを簡単に挿入でき、クリック率などの測定も可能です。
マルチパートメールも一斉配信できる
マルチパートメールに対応しているメール配信システムもあります。マルチパートメールとは、受信メーラーによってHTML形式/テキスト形式を自動で切り替えられるメールです。「アクセスするデバイスによってデスクトップ形式/スマホ形式を切り替えられるWebサイト」のようなものと考えるとよいでしょう。
HTML形式のメールは受信側で正しく表示できない場合もありますが、マルチパートメールならデバイスやメーラーの仕様や設定にかかわらず、自然に読めるメールを簡単に配信できます。メールアドレスからはHTML形式の対応/非対応が分からない場合も多いため、大量配信時には便利な機能です。
ターゲティングメールを一斉配信できる
メール配信システムによっては、ターゲティングメールの一斉送信にも対応しています。年代・性別・購入履歴などの属性によってターゲットリストを複数のセグメントに分け、それぞれのセグメントに対して最適な内容のメールを一斉送信できる仕組みです。
手作業でターゲティングメールを配信するのは手間がかかりますが、メール配信システムならキャンペーンなどの有益な情報をセグメント別に配信でき、効率的に顧客満足度向上や良好な関係性の構築につなげられます。
ステップメールの配信にも対応できる
メール配信システムによっては、ステップメールの配信にも対応しています。ステップメールとは、資料請求日や初回購入日などを起点とし、あらかじめ準備した複数のメールをシナリオ通りに配信する仕組みです。
こういった対応は手作業だと抜け漏れも発生しますが、メール配信システムならニーズの顕在化をトリガーとして最適なメールを自動配信し、手間をかけずに受注やリピート購入などにつなげられます。
フォーム作成・管理にも対応できる
メール配信システムによっては、フォームの作成・管理に対応しているのもメリットです。企業の公式サイトにメルマガ登録などのフォームを設置し、配信メール内のリンクから誘導することで、スムーズに登録者を確保できます。
フォーム作成には通常、プログラミングの知識が必要ですが、メール配信システムには専門知識なしで簡単に作成可能なツールもあります。また、システムによっては登録者の管理や、フォームを設置するLP(ランディングページ)・Webページを簡単に作成する機能もあります。
無料・有料メール配信システムの比較ポイント
無料メール配信サービスには、メール到達率の高さや広告表示の有無など、さまざまな懸念点があります。無料で使えることを優先すると、使いにくく、想定した配信効果を大きく下回ることも珍しくありません。ビジネスユースのメール配信システムを選ぶなら、有料サービスがおすすめです。ここでは、無料・有料のメール配信システムの比較ポイントを解説します。
メール到達率の高さ
無料メール配信システムは、メールの到達率が低い場合もあります。システム利用者全員で同一のサーバやドメインを利用する仕組みだと、大量のメールを送信するとスパム認定されてしまい、「送信数に対して到達率が低過ぎる」という事態になりかねません。
有料メール配信システムは複数IPアドレスによる分散配信などに対応しており、スパム認定を回避してメール到達率を高められます。読まれないメールには意味がないため、メール到達率を高める機能があるサービスを選択しましょう。
メール内の広告表示の有無
無料メール配信システムは、メール内に自動的に広告が表示されるものもあります。これは広告運用を収益源とする無料サービスにはありがちな問題です。メールの内容と無関係な広告が表示されると、CV(コンバージョン)の導線が混乱し、メールの配信効果を落としてしまいます。
この点、有料メール配信システムは意図しない広告が挿入されることはありません。HTML形式でメールを作り込み、広告に邪魔されることなくオリジナルコンテンツを届けられます。
メール配信能力は十分か
無料メール配信システムはメールの月間配信数や登録アドレス数の制限が厳しい場合もあります。サービスによっては配信数の上限は月間数百通程度で、狙ったターゲットにメールが行き届かない場合もあることは注意点です。
オンプレミス型なら無料サービスでも配信数や登録アドレス数が無制限というものもありますが、安定稼働の保証はなく、自社運用のサーバの配信能力を超えると想定通りのメール配信は行えません。
クラウド型の有料メール配信システムにも制限はありますが、これはシステム上必要な処理能力を保証するという意味も大きく、月間数万通のメールも安定して配信できます。
サポート体制の信頼性
メール配信システムを利用すると、「メールが送信できない」「送信エラーが頻発する」などのトラブルが発生する場合もあります。しかし無料メール配信システムは、有人のサポートは期待できません。有料サービスはサポートが充実していることが一般的ですが、無料サービスの利用は基本的に自己責任です。
機能・性能の改善も有料サービスに比べて遅く、長期的に安心して使える無料サービスは多くありません。ビジネスユースならサポート体制の信頼性があるサービスを選びましょう。
メールマーケティングならMAがおすすめ
ビジネスユースならメール配信システムより、より広範囲のマーケティング活動をサポートするMAの利用がおすすめです。同じ有料サービスでも、MAのほうが高機能で、営業関連ツールとの連携に活用しやすいという強みもあります。
リードの獲得から優先順位付けまで対応するMA
有料メール配信システムは無料サービスより機能性や信頼性に優れますが、あくまでメール配信に特化したシステムです。近年は多くの企業がMA(マーケティングオートメーション)の活用にシフトしています。
MAとは、リード(見込み顧客)の獲得から優先順位付けまで、マーケティング活動を自動化または半自動化するツールの総称です。Webサイトやウェビナーなどメール以外のチャネルも活用して、以下3つのマーケティングプロセスをサポートします。
・リードジェネレーション:リードの開拓・獲得
・リードナーチャリング:見込み顧客の育成
・リードクオリフィケーション:見込み顧客の優先順位付け
メール以外のチャネルにも対応するMA
MAはメール配信やフォーム・LPの作成・管理機能の他にも、マーケティングに役立つさまざまな機能を利用可能です。
例えばメール配信のアドレス登録者だけでなく、実店舗・展示会・ウェビナー・会場集客型セミナー・資料請求など、さまざまなチャネルからのリードも一元管理できます。またリードがWeb上でどのような行動をしたかを追跡・分析し、ニーズの顕在化を察知して、アプローチすべきホットリードの自動的な優先順位付けも可能です。
【関連記事:『マーケティングオートメーション(MA)とは?機能やメリット、導入のコツ』】
営業関連ツールと連携するとさらに強力なMA
MAはリード情報を活用してマーケティングプロセスをサポートしますが、名刺管理ツールやSFA(営業支援システム)といった営業関連ツールと連携するとさらに強力です。
法人向けの名刺管理ツールは社内人脈を組織内で共有でき、SFAは営業アプローチリストやタスク・商談・目標などを一元管理できます。MAと名刺管理ツール・SFAを連携させることで、マーケティングと営業のシームレスな統合により、ビジネスチャンスを逃さないアプローチが可能です。
【関連記事:『SFAとは?CRMとの違いや導入のポイント、MA・名刺管理との連携を解説』 】
メールマーケティングと営業の相乗効果を狙うならイッツコム!
名刺管理・SFA・MA一体型のクラウド型ツール「ホットプロファイル」なら、メール配信システム以上のマーケティングツールとして活用できるだけでなく、名刺管理・営業支援・マーケティング支援(メール配信)を一本化できます。
取り込んだ名刺データを元に、業種や肩書などの属性でターゲティングを行い、営業担当者によるメールの一斉配信が可能です。他のツールでは名刺情報のインポートや連携が必要ですが、ホットプロファイルには必要ありません。
メール配信もWeb行動履歴の自動分析も「ホットプロファイル」
メール配信システムはメールの運用に特化していますが、「ホットプロファイル」ならWebページの活用や営業担当者へのトスアップにも対応できます。
専門知識不要でフォームやLPを作成できるため、問い合わせ用のWebフォームやウェビナー情報の告知ページをわずか数分で公開可能です。Webフォーム離脱者も自動的に発見・通知できます。メルマガ形式またはOne To One形式のターゲティングメールの一斉配信にも対応し、配信停止受付の自動化も可能です。
またアクセス管理機能により誰がどのページからどのページへ遷移したか詳細に把握でき、Web行動履歴やリード情報の自動分析によるホットリードの抽出にも対応します。さらに営業担当者へのフォロー依頼もシステム上で完結し、マーケティングと営業のシームレスな連携が可能です。
営業支援も一本化して営業効率の大幅向上「ホットプロファイル」
ホットプロファイルには営業支援機能も統合されています。名刺のスキャンやCSVファイルの読み込みだけで顧客データベースを自動作成し、システム利用者全員で社内人脈の有効活用が可能です。
Webフォームからのリード情報の取り込みや、企業ニュースや人事異動情報の自動取得にも対応し、顧客関連情報は「お客さまカルテ」からすぐに確認できます。名刺情報と紐づくメール配信だけでなく、営業アプローチリスト作成やタスク・商談・目標管理、オンライン営業報告にも対応し、営業効率の大幅な向上が可能です。
自社サイトの開設や独自ドメインでのメール配信は「ホスティングサービス」
マーケティングの強化に伴い、自社のWebサイトやメールアドレスをより詳細にコントロールしたい場合もあるでしょう。そこで利用したいのが、Webサーバやメールサーバをインターネット経由でレンタルできる「ホスティングサービス」です。
Webサーバは独自ドメインによる自社サイトの開設、メールサーバはGmailなどのフリーメールから独自ドメインのメールへ移行する場合などに活用できます。サーバホスティングサービスには無料ドメイン取得が標準で付帯するため、独自ドメインの利用に別途料金は発生しません。
サーバには自社大容量バックボーンにより高速アクセスでき、冗長化したサーバ群はロードバランサで負荷分散します。サーバの稼働状況は専門スタッフが24時間365日監視し、SSL通信・改ざん検知・ウイルススキャン・迷惑メールスキャンなども利用できるため、手間をかけずに安全な運用環境が得られることもメリットです。
まとめ
無料メール配信システムは体験版または個人向けで、ビジネスユースには機能不足です。また有料メール配信システムはメールマーケティングに特化するため、より広範囲のマーケティング支援を求めるならMAの活用を検討しましょう。
イッツコムが提供する「ホットプロファイル」なら、名刺管理・営業支援・マーケティング支援を一本化し、名刺情報を活用したCX(顧客体験)の向上や売上アップを効率化できます。ホスティングサービスを組み合わせれば、独自ドメインによるWebサイト・メールアドレスの運用により、マーケティング効果のさらなる向上が可能です。
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