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デジタルサイネージ導入成功のコツは?設置場所や活用方法を徹底解説

デジタルサイネージは、液晶ディスプレイなどの表示装置とSTB(セットトップボックス)を組み合わせてコンテンツを配信するメディアです。設置方法として主にスタンド・壁掛け・天つりがあり、クラウド型の配信システムで遠隔管理することもできます。

紙媒体より訴求効果や情報配信の効率に優れますが、誘客や顧客単価増などにつなげるには、機器選定や設置場所・方法について十分な事前検討が必要です。

そこでこの記事では、デジタルサイネージ導入を成功させるコツや、設置場所に応じた効果的な活用方法を解説します。

初めてのデジタルサイネージ導入を成功させるコツは?

デジタルサイネージは、どのようなディスプレイをどこに、どのように設置するかで訴求効果が大きく変わります。導入検討時は、課題分析から「どのターゲット層をどのような行動に誘導すべきか」を明確化し、その目的・目標を基準に運用を考えることが重要です。

ありがちな失敗を回避するための3つのポイント

初めてのデジタルサイネージ導入でありがちな失敗は、「ディスプレイ(コンテンツ)を見てもらえない」「ターゲットに訴求できていない」「ディスプレイのサイズが大き過ぎる/小さ過ぎる」といったものです。どのような機種をどこに設置するかを、よく検討する必要があります。導入時に押さえたい基本的なポイントは以下3点です。

  • 動線や視線をよく考え、自然と視認できる場所に設置する
  • ターゲットに訴求しやすい場所に設置し、コンテンツも最適化する
  • 設置場所に応じたサイズや輝度のディスプレイを選択する

導入検討時はまず課題分析を行うことが重要

デジタルサイネージは訴求力のポテンシャルが高いメディアです。導入効果を期待して、課題分析がおろそかになるケースは珍しくありません。まず、どのような層をターゲットにして、どういった行動に誘導するかを決めることが重要です。

例えば小売店の場合、売上の向上がデジタルサイネージ運用の主目的となるケースは多いでしょう。ただし、ターゲット層が固定客なのか店舗前面流動層(浮動客)なのかでは、サイネージ端末の最適な設置場所やコンテンツ内容は変わってきます。

固定客の消費促進と新規顧客の獲得、あるいは店舗内での購買促進と店舗前面流動層の誘客を区別して考えてみましょう。どちら向きの訴求を重視すべきかを明確化し、その目的・目標を達成するためのデジタルサイネージの活用方法を決めることが大切です。

デジタルサイネージの設置方法は主に3パターン

デジタルサイネージの活用方法を考える際、店舗や施設のどの場所にどのように設置できるかを知っておくことは重要です。主な設置方法はスタンド・壁掛け・天つりの3種類です。床面・壁面・天井(空間)の活用方法を検討しましょう。

スタンド設置(自立型)

イーゼル型や垂直・傾斜型のスタンドは市販品も多く、設置工事不要でデジタルサイネージを導入できます。一方、スタイリッシュなキオスク型のスタンドは、基本的に専門事業者へ筐体のオーダーなどが必要です。

  • イーゼル型:スタンドを折りたたんで収納できるタイプ。転倒しやすいが、コンパクトで取り回しがよく、飲食店やアパレルショップなどでよく使われる
  • 垂直・傾斜型:高さや縦横の調整が可能な台座にディスプレイを設置するタイプ。イーゼル型より移動はさせにくいが安定感があり、企業のエントランスや商業施設などでよく使われる
  • キオスク型:ディスプレイがスタンドと一体になったタイプ。移動の制約は大きいが、デザイン性に優れ屋外設置にも対応しやすく、インタラクティブなタッチサイネージに最適

キオスク型のデジタルサイネージは、移動用のキャスター付きにすることも、床面にアンカーを打って固定することもできます。アンカー固定の場合は設置工事が必要です。また、屋外用のキオスク型デジタルサイネージは300kgを超える場合もあり、基本的にはユニック車で運搬します。

壁掛け設置

壁掛け設置は、サイネージ端末のスタンドを置くスペースが限られる場所に適した方法です。壁掛け金具の設置工事は必要ですが、幅広の柱や店内外の壁面を活用してコンテンツを表示する場所を確保できます。また、視線を妨げにくい高い位置に設置できるため、スタンド型に比べて多くの人にアプローチしやすい点が魅力です。

さらに、複数のLEDビジョンを使ったマルチディスプレイにも対応可能で、液晶ディスプレイでは実現が難しい大画面での空間演出にも役立ちます。

天つり設置

デジタルサイネージは天つり設置が有利な場合もあります。重量物をつり下げられる天井があれば、どこにでも天つり設置ができます。ディスプレイ面の高さも自由です。空間を有効活用し、混雑する店内でも高い視認性を確保できます。

飲食店やチケット売り場のカウンター上などと相性がよく、メニュー表示や空席情報の案内などに活用しやすい設置方法です。遠くのターゲットにも訴求しやすいのは利点ですが、天井工事が必須のため、設置費用はかさみます。

ディスプレイの設置場所に応じた最適なスペック(サイズ・輝度・耐久性・タッチ対応)

サイネージ端末のディスプレイは、設置場所に応じて最適なスペックのものを選ぶことが重要です。十分な視認性を確保できるサイズ感はもちろん、環境に応じた輝度や耐久性(防塵・防水性能、熱耐性など)があるものを選びましょう。また、活用方法によってはタッチコンテンツ対応モデルを選ぶことが必須です。

ディスプレイサイズの目安

デジタルサイネージのディスプレイサイズは9インチ~70インチ程度が一般的です。基本的には液晶ディスプレイを採用しますが、100インチ以上のサイズ感になるとLEDビジョンの連結やプロジェクターによる投影を考えることになるでしょう。

20インチ未満の小型ディスプレイはタブレット端末程度のサイズ感で、店舗内の棚に電子POPとして設置される他、タクシー内の広告面として活用されます。

サイズ選びの際は、ターゲットとディスプレイの距離を計算して、十分な視認性を確保できることを重視しましょう。コンテンツの文字情報の読み取りやすさも、ディスプレイとの距離によって大きく変わってきます。無難なサイズ感は40インチ~60インチ程度ですが、設置場所によって最適なサイズ感の機種を選ぶことが重要です。

【関連記事:電子POPとは?種類・機能・使い方・具体的な活用例まで詳しく解説

設置場所に応じた輝度や耐久性

ディスプレイの輝度(明るさ)は、コンテンツの視認性に大きな影響を与えます。屋内にデジタルサイネージを設置する際は、室内の照明環境に応じて、400~700カンデラ程度の輝度が適切です。

ただし、屋内設置でもガラス越しに往来に向けて配置する場合や、日光が差し込む場所では、700カンデラ以上が必要です。直射日光が当たる環境では、1,500~2,500カンデラの高輝度モデルを選ぶことが推奨されます。さらに、ファンやヒーターで熱対策が施された機種を選ぶと、安心して使用できます。

屋外のオープンスペースに設置する場合は、直射日光や風雨、衝撃による破損に備える必要があります。この場合、高輝度モデルに加え、防塵・防水性能や高い熱耐性を備えた機種、強化ガラス仕様のディスプレイを選択することで、耐久性と視認性を確保できます。

【関連記事:屋外用デジタルサイネージの種類・メリット・活用事例や選び方を解説

活用方法によってはタッチコンテンツ対応モデルが必須

デジタルサイネージを施設案内や商品検索に活用したい場合、タッチコンテンツ対応のディスプレイを選ぶことが必須です。タッチ操作で言語表示を切り替える設定にもできるため、宿泊施設などのインバウンド対策にも役立ちます。

筐体に後付けしてタッチパネル機能を追加できる製品もありますが、検出エラーの出やすさなどデメリットもあります。タッチコンテンツの利用を想定するなら、タッチ操作に標準対応しているディスプレイを選びましょう。

【関連記事:タッチパネル式デジタルサイネージとは?活用事例や導入のコツを解説

デジタルサイネージを活用したい設置場所

サイネージ端末は、ターゲット層の動線・視線に合わせ、最適な場所に設置することが重要です。店頭やエレベーター前・エスカレーター付近、エンドや重点商品コーナーの他、レジ前/レジ上などレジ回りも設置を検討しましょう。

店舗前やガラス面内側

店舗前やガラス面内側へのデジタルサイネージの設置は、店舗前面流動層の誘客に有効です。

店舗前ならイーゼル型のスタンド設置の他、壁面への壁掛け設置も考えられます。アパレルショップや飲食店などに採用されやすい設置方法です。ブランドイメージやセール情報、「本日のランチメニュー」などをアピールすることで、店舗の認知や購買意欲の刺激に役立つでしょう。

繁華街や商業施設内にある店舗の場合、ディスプレイサイズは30インチ~50インチ程度が適切です。カーディーラーや商業ビル上階の店舗の場合、ターゲットとの距離が遠くなりがちなため、LEDビジョンの連結による大型ディスプレイの設置も考えられるでしょう。

日当たりにもよりますが、輝度は700カンデラ以上、できれば1,500カンデラ以上の高輝度ディスプレイがおすすめです。

店内エントランス

店内エントランスへのデジタルサイネージの設置は、目的の商品・サービスへのナビゲーションや買い回り促進に有効です。

タッチコンテンツ対応のキオスク型デジタルサイネージを施設・サービス案内など多機能な情報端末として設置する他、イベントやキャンペーンの情報を垂直・傾斜型のスタンド設置にてアピールすることも考えられます。フロアが広い店舗やテナントが多い商業施設などに有効な設置方法です。

視界に入りやすい動線沿いに設置する場合、ディスプレイサイズは40インチ~50インチ程度がよいでしょう。輝度は400~700カンデラ程度が必要です。ナビゲーション用に設置する場合、筐体に「Information」などの印字があるとタッチ利用を促せます。

エレベーター前やエスカレーター付近

2階以上のフロアがある店舗や商業施設の場合、エレベーター前やエスカレーター付近もデジタルサイネージの設置を検討したい場所です。フロア間を移動する来店客は必ず通る動線となるため、情報伝達率の高さに魅力があります。エレベーター前なら天つりや壁掛け、エスカレーター前ならスタンド設置、エスカレーター途中の壁面に設置するのも有効です。

別のエリアやテナントで開催中のお得なセール情報などをアピールすることで、目的が定まっていない来店客にも施設の楽しみ方を提案できます。ディスプレイサイズは40インチ~60インチ程度、遠くからの視認性を確保したい場合は70インチ程度が適切です。

エンドや重点商品コーナー

陳列棚のエンドや重点商品コーナーは、スーパーマーケットやドラッグストアなどが小型デジタルサイネージを設置したい場所です。スピーカーも活用して商品情報をアピールすることで、イチオシ商品やセール品などの購買意欲の刺激に役立つでしょう。

こういった場所はコンテンツ更新の頻度が高くなりがちですが、クラウド型のデジタルサイネージならインターネット経由で複数サイネージを一括で更新・管理でき、店舗オペレーションの効率化や人件費削減にも役立ちます。

目薬やワインなど同カテゴリの商品点数が多い陳列スペースなら、タッチコンテンツ対応の電子POPを棚設置することで、店舗スタッフの代わりに商品検索を補助できます。ディスプレイサイズは、商品陳列の邪魔にならない7インチ~20インチ程度がおすすめです。

【関連記事:クラウド型デジタルサイネージとは?配信方式別メリットや導入の流れ

レジ前/レジ上などレジ回り

レジ回りは滞在時間が長く、コンテンツの視聴率が高いエリアです。小売店ならポイント付与のお知らせなどにより、再来店や会員登録の意欲を刺激できます。飲食店ならレジ上に天つりまたは壁掛け設置したメニューボードにより、限定メニューやセット販売などの情報をアピールすることで、顧客単価アップに役立つでしょう。

ディスプレイサイズは、レジ前なら30インチ程度、サッカー台なら7インチ~10インチ程度が適切です。レジ上はターゲットからの距離があるため、50インチ程度がよいでしょう。複数ディスプレイを横に並べ、1面ごとに別の情報を配信するタイミングと、全面を連動させてインパクトのある訴求をするタイミングを分けることも考えられます。

デジタルサイネージ運用に必須となるコンテンツ設計の考え方

デジタルサイネージの導入効果を最大化するためには、適切なサイズ・輝度の機種を最適な場所に設置することの他に、ターゲットに合わせて配信コンテンツを調整することも重要です。

価格・機能・購買期限・話題性などを訴求する静止画・動画の他、ブランドやシズル感などイメージを伝えるコンテンツ、「店長のおすすめ」なども考えられます。SNSで発信した情報と連動したタイムリーな訴求も有効です。

短い時間で効果的に情報伝達することが重要なため、コンテンツの再生時間は10秒から1分程度に抑えましょう。クラウド型の配信システムの場合、クラウドサーバに配信コンテンツをアップロードし、CMS(コンテンツマネジメントシステム)で複数コンテンツの配信スケジュールをいつでも切り替えられます。

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デジタルサイネージの運用中は配信コンテンツの管理・更新が必要です。スタンドアロン型の配信システムだと手作業でUSBメモリなどを差し替える必要があり、複数サイネージを運用する場合には手間がかかります。タイムリーな情報更新にも不向きです。

イッツコムは、店舗オペレーションの効率化に役立つクラウド型デジタルサイネージを提供しています。管理者はWebブラウザから複数サイネージの配信内容を一括で管理・設定でき、設置台数や拠点数が多くても、動画や静止画をSNS感覚でタイマー配信できます。

クラウドサーバにアップロードしたコンテンツを各サイネージに配信する仕組みのため、リモートワーカーがPC1台で配信管理をすることも可能です。少人数体制でもコストを抑えて多台数を運用でき、マーケティング施策の業務効率化にも役立ちます。

まとめ

デジタルサイネージは訴求効果や情報配信の効率に優れたメディアですが、誘客や顧客単価増などにつなげるには、機器選定や設置場所・方法について十分な事前検討が必要です。

ターゲット層の動線・視線に合わせて、店舗・施設内の要所に最適なサイズ感のディスプレイを設置し、ニーズ・ウォンツを刺激するコンテンツを配信しましょう。

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