【Zoomオンライン研修マニュアル】便利機能や注意事項を徹底解説
目次
Zoom Workplaceは、ZoomミーティングやZoomウェビナーにより、満足度の高いオンライン研修をスムーズに運営できるツールです。グループワーク形式にも座学形式にも対応でき、研修中の画面共有機能や各種コミュニケーション機能の他、研修後の効果測定や振り返りに役立つ機能も活用できます。
この記事で解説するZoom Workplaceの便利機能や注意事項を踏まえ、運営サイドにとっても受講者にとっても満足度の高いオンライン研修を運営しましょう。
Zoom Workplaceでオンライン研修を主催する2種類の方法
Zoom Workplaceでは、グループワーク形式の研修に適したZoomミーティングと、座学形式のオンライン研修に適したZoomウェビナーの2つの機能を利用できます。40分を超えるZoomミーティングを主催する場合や、Zoomウェビナー機能を活用する場合は、ホストに有料ライセンスを割り当てる必要があります。
Zoom Workplaceをオンライン研修に活用するなら、有料プランへのアップグレードを前提として考えましょう。
Zoomミーティングによるグループワーク研修
Zoomミーティングは、後述する「ブレイクアウトルーム」機能により参加者のグループ分けができ、グループワーク形式やディスカッションを取り入れた研修に最適です。参加者全員がビデオ・音声をオンにできるため、インタラクティブな研修に向いています。
ただし無料版Zoomの参加者上限は100名までで、グループミーティングの40分制限がある上、「共同ホスト」や「クラウドレコーディング」などオンライン研修に役立つ便利な機能を利用できません。
100名超が参加するオンライン研修や40分超のオンライン研修、複数のブレイクアウトセッションの管理に対応するなら、ホスト(主催者)に「プロ」以上の有料ライセンスを割り当てることが必要です。
【関連記事:Zoomのビジネスライセンスの魅力は価格以上?有料プランの選び方】
Zoomウェビナーによる座学形式の研修
Zoomウェビナーは、有料ライセンスに加えてウェビナーアドオンを購入することで利用できる機能で、Zoom Workplaceアプリを通じて最大1万人が参加可能なウェビナーを開催できます。
Zoomウェビナーには「パネリスト」という役割があり、ホストは特定の参加者をパネリストに指定して、ビデオや音声を使用して講演や質問を行えるように設定できます。それ以外の「出席者」は基本的に視聴専用となり、発言や画面共有はホスト・共同ホスト・パネリストのみが行えるため、座学形式の研修に最適です。
また、「チャット」「挙手」「Q&A」を活用したコミュニケーションや、「投票」「アンケート」を使った意見収集も可能で、大人数が一斉に参加するオンライン研修を効率的に運営できます。
【関連記事:もう迷わないZoomウェビナーの使い方!設定や便利機能を詳しく解説】
オンライン研修にZoom Workplaceが選ばれる理由
Zoom Workplaceはビジネスシーンでの会議や商談はもちろん、教育機関でのオンライン授業などにも活用される標準的なツールです。オンライン研修に活用できるアプリの中には、参加者全員にライセンスが必要になるものや、機能面で不足感のあるものも珍しくありません。Zoom Workplaceはこういった懸念点が少なく、オンライン研修にも最適なツールです。
参加者はアカウントなしでも利用可能
Zoomでは、オンライン研修の主催者側がアカウントを取得していれば、他の参加者はアカウントなしで利用することが可能です。そのため、参加者はZoomに氏名やメールアドレスといった個人情報を登録することなく、オンライン研修へ参加できます。
PCやスマホへZoom Workplaceアプリをインストールしておくと参加がスムーズです。PCの場合はWebブラウザからも参加できますが、UIの違いなどによる使いにくさもあるため、参加者にデスクトップアプリのインストールを促しましょう。
研修に便利な機能を搭載
Zoomには、オンライン研修に便利な機能が搭載されています。これまで大規模な研修を行う場合、会場の手配や出欠の確認など、主催者側の負担はとても大きなものでした。Zoom を活用すれば、会場の準備の時間や人件費をかけていた研修の負担を減らせます。
なお、無料版のZoom では、オンライン研修へ参加できるのは主催者側も含めて最大100名になります。それ以上の大規模なオンライン研修を行いたい場合は、有料ライセンスの取得やアドオンの購入が必要です。
データ通信量が少ない
Zoomは他のWeb会議ツールよりデータ通信量が少ないため、通信の遅延リスクが少なく済みます。Zoom のビデオ通話では、1分当たり3.3MB~5MB、1時間当たりでは200MB~300MBほどの通信量になります。リモートで使用することが多いオンライン研修においてアクセス環境を整えるのが難しい場合でも、通信量の少ないZoomではスムーズな通話が可能です。
オンライン研修に役立つZoom Workplaceの便利機能
Zoom Workplaceは、オンライン研修をスムーズに進行するための豊富な機能を備えています。例えば、運営メンバーを共同ホストに指名することで、複数人で進行管理を行うことが可能です。研修中は、充実した画面共有機能や多様なコミュニケーションツールを活用できる他、レコーディング機能やレポート作成機能を利用することで、研修関連データの管理も効率的に行えます。
「共同ホスト」の活用で研修を円滑に運営
ZoomミーティングやZoomウェビナーには、参加者の管理やレコーディングの開始・停止など、ホストでしかできない操作が数多くあります。大人数が参加するオンライン研修だと、ホスト1人では手が回らないこともあるでしょう。
研修の円滑化やトラブル防止のために活用したいのが、ホスト権限の大部分を共有する「共同ホスト」というロール(役割)です。有料ライセンスユーザーは、任意の参加者を何人でも、共同ホストに指名できます。
運営サイドのメンバーを共同ホストに指名することで、各種機能を複数名で使い分けられ、オンライン研修をスムーズに運営できるようになるでしょう。
画面共有で「ホワイトボード」や「ドキュメント」のリアルタイム編集も可能
ZoomミーティングやZoomウェビナーを活用したオンライン研修では、[共有]メニューから利用できる画面共有機能が基本的なツールとして挙げられます。この機能を使えば、デスクトップ画面の一部分や全体、ローカル保存のビデオコンテンツ、さらにはストレージサービス内のファイルを共有でき、資料を活用した研修の進行に役立ちます。
また、[共有]メニューでは、複数名でリアルタイムに編集できる「ホワイトボード」や「ドキュメント」の共有も可能です。これらの編集内容はZoomクラウドに保存されるため、研修前の準備や研修後の再編集・再共有にも対応できます。
ただし、無料版だと編集可能なホワイトボード数は3つのみ、共有可能なドキュメント数は10件までです。「プロ」プランならドキュメント数が無制限になり、「ビジネス」プランならホワイトボード数も無制限になります。
「ブレイクアウトルーム」でディスカッションやグループワークを効率化
Zoomミーティングの場合、基本機能として「ブレイクアウトルーム」を利用できます。これは、主催したミーティングを最大100のセッションに分割できる機能です。テーマ別のディスカッションや習熟度別のグループワークなど、さまざまな研修スタイルに活用できます。
有料ライセンスユーザーが主催すると、各ブレイクアウトセッションの参加者を共同ホストが管理するなど、効率的な運用が可能です。ブレイクアウトルームを利用する場合、以下の手順で機能を有効化しましょう。
1.Zoomウェブポータル(https://zoom.us/signin#/login)にサインイン
2.[設定]タブを選択し、[ミーティング]タブを開く
3.[ミーティング内(詳細)]以下の[ブレイクアウトルーム-ミーティング]トグルスイッチをオンにする
4.必要に応じて[スケジューリング時に参加者をブレイクアウトルームに割り当てる]など、オプションのチェックボックスをオンオフする
なお、「Zoom Events」または「Zoom Sessions」のライセンスを取得している場合、Zoomウェビナーでもブレイクアウトルーム機能を利用できます。
「チャット」「挙手」「Q&A」で参加者とコミュニケーション
オンライン研修中に役立つコミュニケーション機能として、チャットや挙手、Q&Aが挙げられます。
- チャット:[チャット]メニューから、参加者同士や、参加者とホスト・共同ホスト・パネリストがテキストでコミュニケーションが取れる
- 挙手:[挙手]メニューから、ホスト・共同ホスト・パネリストに向けて意思表示ができる
- Q&A:[Q&A]メニューから、参加者はホスト・共同ホスト・パネリストに向けて質問を作成でき、テキストまたは声による回答を得られる
Zoomミーティングの場合は参加者に自由に発言させることもできますが、共同ホストがチャットで疑問・質問に対応したり、参加者に挙手を求めてから発言を始めさせたりできます。
Zoomウェビナーの場合は参加者のビデオ・音声が基本的にオフのためコミュニケーション方法は限られますが、チャットや挙手に加えQ&A機能による質疑応答もでき、大人数が参加する研修でも受講者の「つまずき」を防止できます。研修終了後、Q&Aのレポートを生成して詳しく分析することも可能です。
研修中の「投票」や終了時の「アンケート」で効率的な意見収集
オンライン研修の参加者は、チャットやQ&A機能を使って主催者側に問いかけができます。一方、主催者側からは「投票」や「アンケート」により、効率的に意見収集ができます。これらの機能を使うための前提条件は、主催者が有料ライセンスユーザーであることです。
投票は「犬と猫どちらが好きですか」など簡単な質問によるアイスブレイクにも活用できます。研修中の投票結果に基づいて、参加者を別々のブレイクアウトセッションに分割することも可能です。
また、研修終了時に参加者へアンケートを送信するように、事前設定しておくこともできます。研修の満足度や分かりにくかった内容などの回答を得ることで、研修内容の改善や参加者のアフターフォローに役立つでしょう。
【関連記事:Zoomアンケート機能の使い方をミーティング・ウェビナー両方解説】
研修の「クラウドレコーディング」による振り返りや視聴分析
オンライン研修をレコーディングしておくことで、研修の振り返りや、参加できなかったメンバーへの共有に役立ちます。Zoom Workplaceの無料版ではローカルレコーディングのみ利用可能ですが、有料ライセンスを持つユーザーが主催するZoomミーティングやZoomウェビナーでは、Zoomクラウドに保存できるクラウドレコーディングを活用できます。
受講者は共有されたリンクにアクセスするだけで、クラウド上にアーカイブされた講義動画などを視聴・ダウンロードできます。クラウドレコーディングにはビデオだけでなくチームチャットによるコミュニケーション内容なども保存でき、共有設定も細かく調整できる他、閲覧回数や視聴時間などの分析もできます。
【関連記事:Zoomのクラウドレコーディングの開始・管理・共有方法や注意点】
オンライン研修の注意点をZoom Workplaceで対策するポイント
Zoom Workplaceはオンライン研修にも最適なツールですが、研修運営に当たっていくつかの注意点もあります。運営体制を整えておかなければ、オンライン研修の中断や研修満足度の低下などを招く恐れがあります。事前に本番のオンライン研修をシミュレーションし、想定されるリスクに対策しましょう。
パスコード設定をする
全てのミーティングルームには9桁~11桁のミーティングIDが割り当てられており、パスコードを設定していなければミーティングIDを知っているユーザーなら誰でもミーティングに参加できてしまいます。
実際にパスコードを設定せずに部外者が乱入した事例は多いため、推定されにくいパスコードを設定の上、研修参加者だけが知り得る方法で共有しましょう。
各機能の利用範囲を決めておく
Zoomでオンライン研修を実施する際は、各機能の利用範囲を決めておきましょう。Zoomを使い慣れていない参加者がいる場合でも、誤った操作によるトラブルを防げます。
主催者側の「設定」画面にて参加者が利用できる権限を選びましょう。画面共有やホワイトボードなどの機能を参加者にも使えるようにするのかどうかは、事前に決めておく必要があります。オンライン研修の内容に合わせて、あらかじめ参加者に必要な権限を設定しておくのがおすすめです。
オペレーターを用意しておく
オンライン研修をスムーズに進行し、限られた研修時間を有効に使うためにも、話し手や進行係とは別に資料の共有などシステムを操作するオペレーターを配置しておくと心配がありません。
オペレーターは、進行を円滑にサポートしてもらえるようZoomのシステムに詳しい人へ依頼するとよいでしょう。万が一、オンライン研修中にシステムのトラブルが発生した場合でも集中して対処してもらえます。最低でも話し手とオペレーターの2名は人員を確保しておくことがおすすめです。
集中力が切れない時間配分を行う
オンライン研修は、会議室などで実施する研修と比べて他のことに意識が向いてしまい、参加者の集中力を維持しにくい傾向があります。また、モニター越しでの研修なので、目への負担や、電子音による耳への負担が大きいことにも配慮しましょう。
研修の内容を検討し、従来の研修よりも短い時間でまとめるのが無難です。休憩時間はこまめにとるなど時間配分に注意し、長くなる場合は50分~60分に1回、10分ほどの休憩をとるようにします。
内容によって参加者は顔出しに
Zoomミーティングの参加者は仮想的に場を共有し、主に発話・表情・ボディランゲージでコミュニケーションをとります。特にルール化されていなければ参加者は自身のビデオを自由にオフにできますが、他の参加者からすれば「顔は見えず声だけが聞こえる」参加者がいる状況です。
これは視聴がメインの研修なら問題になりませんが、参加者間の活発な討論が求められるような研修の場合、参加者の顔出しを義務付けましょう。
ネットワーク環境を見直して通信トラブル回避
ZoomミーティングやZoomウェビナーによるオンライン研修にはインターネット接続が必須ですが、数Mbps程度の狭帯域でも主催できます。ただし、オフィスのインターネット回線を使用する場合、他の業務で使用する帯域でZoom Workplace用の帯域が圧迫されることも考えられます。特にWi-Fi経由で接続する場合、Wi-Fiルーターの性能不足による通信速度の低下などもあり得ます。
映像や音声の途切れが発生すると、オンライン研修の進行に支障が生じ、参加者の満足度も低下してしまいます。通信トラブルを起こさないように、ネットワーク環境を見直し、本番に近い環境でテストしておきましょう。
イッツコムならオンライン研修のZoom Workplace活用を総合的にサポート
イッツコムはZoom Workplaceの法人向けライセンス契約や日本語サポートを行う国内代理店です。プロ1ライセンスの最小規模の契約に対応できる他、法人向けWi-Fiサービスなど、オンライン研修運営に役立つ各種サービスを提供しています。
Zoomプロプラン1ライセンスの最小契約もZoomウェビナーもお任せ
Zoom Workplaceは無料アカウントでもオンライン研修に活用できますが、ミーティング時間の40分制限は懸念点です。有料プランにアップグレードするとミーティング時間は実質無制限(30時間/1回)になり、共同ホスト・クラウドレコーディング・投票など、オンライン研修に役立つさまざまな機能も活用できるようになります。
またウェビナーアドオンを購入するとZoomウェビナーも利用でき、研修形式の幅が広がることもポイントです。ミーティングもウェビナーも、参加者に有料ライセンスは必要ありません。
イッツコムは、プロ1ライセンスの最小規模からの契約に対応でき、全てのプランで日本語サポートが標準付帯します。Zoomウェビナーの導入・運用サポートもお任せください。
【関連記事:Zoomの法人契約は代理店経由ですべき?有料プランの選び方を解説】
Wi-Fi接続の悩みは「かんたんWi-Fi」で総合的に解決
Zoom Workplaceを活用してオンライン研修を運営する際、オフィス内のネットワーク環境が問題になることもあります。デバイスをWi-Fi接続する際、1台のWi-Fiルーターに多台数接続して通信速度が遅くなったり、障害物や距離の問題で通信が途切れがちになったりすることもあるでしょう。
こういった問題の解決策として、要所に業務用Wi-Fiアクセスポイント(AP)を設置し、Wi-Fi親機を増やすことが有効です。イッツコムの「かんたんWi-Fi」なら、専門知識不要で設置できる高性能APを、安価にレンタルできます。365日対応のヘルプデスクも標準付帯し、初めてのAP運用でも安心です。
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【関連記事:アクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説】
まとめ
Zoom Workplaceは、ZoomミーティングやZoomウェビナーにより、グループワーク・座学どちらの形式のオンライン研修にも対応できます。研修中は画面共有機能や各種コミュニケーション機能を活用し、レコーディングやレポートを効果測定と振り返りに活用しましょう。
有料ライセンス契約をして各種機能の使い方に慣れるとともに、研修中の通信トラブルなどを防止できる環境を整備しておくことも大切です。Zoom Workplaceをオンライン研修に本格活用するなら、環境整備も運用サポートも1社でまとめて対応できるイッツコムにご相談ください。