1. コラム
  2. コラム
  3. 実店舗開業時にWi-Fiを導入!効果や押さえておきたいポイントとは?

実店舗開業時にWi-Fiを導入!効果や押さえておきたいポイントとは?

開業時に店舗・事務所のWi-Fi環境を整備する際は、アクセス回線と無線LAN機器を適切に選定することが重要です。来客向けにフリーWi-Fiを提供しながら、タブレットPOSレジなどの業務機器も安定性・セキュリティを確保して運用する場合、家庭向けのサービスや機器では不十分なケースが多く、推奨されません。

この記事では、開業時にWi-Fiを導入する具体的な流れや、適切なサービス・機器選びのポイントを解説します。業務用とゲスト用のネットワーク分離に必要な設定も理解し、従業員にも来客にも安全かつ快適に利用できるWi-Fi環境を整備しましょう。

開業時にWi-Fiを導入する流れ

実店舗の開業時にWi-Fiを導入するなら、まず光回線の契約と工事が必要です。インターネット回線を使える状態にしてから、Wi-FiルーターやWi-Fiアクセスポイントを設置し、フリーWi-Fiを設定します。まずはフリーWi-Fi提供までの流れを把握しましょう。

1.アクセス回線(光回線)を契約する

Wi-Fiは有線LANを無線化する(無線LAN環境を構築する)ための技術なので、施設内の無線通信にのみ対応します。アクセス回線(インターネット回線)がなければWi-Fi経由のインターネット接続はできないため、まずはアクセス回線の契約が必要です。

店舗や事務所に導入するアクセス回線は、高速・安定な常時接続に対応する光回線が推奨されます。回線事業者やプロバイダを比較し、回線品質や価格のバランスが良いサービスを選びましょう。

光回線の開通工事ができない場合などに限り、ホームルーターやモバイルWi-Fiルーターも選択肢に入ります。これら3種のアクセス回線には以下のような違いがあります。

 光回線ホームルーターモバイルWi-Fiルーター
通信方式有線(光ファイバー)無線(5G/4G LTE)無線(5G/4G LTE)
機器構成光回線+ONU+ルーター+業務用Wi-Fiアクセスポイント(AP)など本体1台で完結(回線・Wi-Fiルーターが一体型)本体1台で完結(回線・Wi-Fiルーターが一体型)
持ち運び不可不可(原則契約住所)
通信速度・安定性◎ 非常に高速・安定○ 立地や混雑などに左右される△ 不安定になりやすい
多台数接続耐性◎ 多台数の同時接続でも安定○ 中規模まで対応可△ 少数の端末のみ接続可
レイテンシ(遅延時間)◎ 低遅延○ やや高め△ 高め(変動が大きい)
開通工事必要(開通まで数週間かかる場合あり)不要(コンセントに挿すだけ)不要(充電して使用)
データ容量制限原則なし(事実上無制限)実質無制限(混雑時間帯の速度制御が行われる場合あり)制限あり(一部実質無制限あり)
月額料金5,000円前後~5,000円前後1,000円台~5,000円程度
セキュリティ設計◎ UTMやVLANなどの高度な構成可○ 端末仕様に依存△ 自由度が低い
拡張性◎ 高い(AP増設可)△ 低い× 低い
推奨用途店舗や事務所のメイン回線、業務用機器の確実な運用とフリーWi-Fiの安全な提供の両立暫定回線、小規模店舗、回線工事ができない物件バックアップ回線、仮設店舗

2.回線工事をする

光回線の開通には回線工事が必要です。電線から物件の共用部分に光ファイバーケーブルを引き込み、店舗や事務所へ配線します。賃貸物件の場合、事前にオーナーや管理会社から許可を得ておくことが必要です。

物件によっては契約時点で工事済みですが、古い物件は大掛かりな回線工事になる場合もあるので、スケジュール調整や費用の見積もりに注意しましょう。回線工事を予約し、工事日に立ち合いをして簡単な設定をすれば、光回線が使用できる状態になります。

3.Wi-Fiルーターを導入する

光回線を導入すると、多くの場合ONU(光回線終端装置)とWi-Fiルーターが貸与されます。ONUは光信号と電気信号を変換する装置で、Wi-Fiルーターは「ルーター機能」と「アクセスポイント機能」が一体型になった無線LAN機器です。

ルーター機能によってインターネットにおける経路探索やデータ通信をし、アクセスポイント機能によってWi-Fiの電波の基地局となります。Wi-Fiルーターは家庭用・業務用の2種類があり、貸与されるのが家庭用Wi-Fiルーターであれば機能・性能やサポート内容は限定的です。セキュリティ機能・推奨同時接続台数や保証期間・保守対応などに懸念がある場合は、メーカー直販サイトから業務用Wi-Fiルーターを購入して交換もできます。

4.業務用Wi-Fiアクセスポイント(AP)を導入する

Wi-Fiルーターを導入すると店舗で快適なWi-Fi接続ができます。ただし、Wi-Fiの電波は壁や障害物で減衰して通信品質が低下するので、かなり小規模な店舗でなければ事務所スペース・店舗スペース・駐車場の全域はカバーできません。

Wi-Fiルーター1台でニーズを満たせない場合、業務用Wi-Fiアクセスポイント(AP)の導入が効果的です。APはアクセスポイント機能に特化した無線LAN機器で、ルーターやスイッチとLANケーブルで接続し、業務用Wi-Fiルーター以上に高性能な基地局として運用できます。

【関連記事:アクセスポイントとは?LANの仕組みや機器の機能も一挙解説】

5.フリーWi-Fiを設定する

従業員と来客が同時にWi-Fi接続をする環境の場合、フリーWi-Fi用のSSID(ネットワーク名)を設定し、業務用・ゲスト用のネットワークを分離することが必要です。この設定の呼び方はメーカーによって異なり、「ゲストポート設定」や「ゲストWi-Fi設定」などと呼ばれます。

フリーWi-Fiを正しく設定しないと、来客がWi-Fi経由で業務用ネットワークに接続できてしまうため、不正アクセス防止などセキュリティ面で必須となる事前設定です。

技術的にはマルチSSID機能とVLAN機能を活用します。マルチSSID・VLANに対応したAPと、VLAN対応のルーターやスイッチを有線接続し、接続先のSSIDごとにアクセス可能なネットワークを分離します。これにより、業務用SSIDにはインターネット接続とLAN内の各機器へのアクセスを許可し、ゲスト用SSIDにはインターネット接続のみを許可できます。

イッツコムのインターネット光接続

画像や動画など大容量データの送受信、ファイルの共有、データバックアップなど、インターネットを活用したあなたのビジネスをもっと快適に。

開業時にWi-Fi以外でそろえたいものリスト

インターネット回線やWi-Fi環境を整備することの他に、開業時には以下のものをそろえたいところです。万全の準備をして事業をスタートさせましょう。

  • WebサイトやSNS
  • セルフオーダー・テーブルオーダーシステム
  • タブレットPOSレジ
  • キャッシュレス決済端末
  • 情報配信用のデジタルサイネージ
  • 監視用・店舗分析用のネットワークカメラ(IPカメラ)
  • 各種業務データを管理するNAS(ネットワーク対応HDD)
  • クラウドPBX・VoIP対応のビジネスフォン
  • 複合機やインターネットFAX

【関連記事:店舗移転に伴う手続きや費用は?新店舗で備えたい設備投資もチェック】
【関連記事:店舗にデジタルサイネージを導入!得られる効果を事例とともに解説】

イッツコムのインターネット光接続

画像や動画など大容量データの送受信、ファイルの共有、データバックアップなど、インターネットを活用したあなたのビジネスをもっと快適に。

開業時にWi-Fiを導入するメリット

Wi-Fiを導入する店舗は一般化していますが、ここであらためて「なぜWi-Fiを導入するのか」を考えてみましょう。Wi-Fiの店舗導入にはさまざまなメリットがあり、これから開業するなら導入は必須です。開業時にWi-Fiを導入する主なメリットを4つに分けて解説します。

店舗レイアウトの自由度が高くなる

店舗にインターネット回線を整備する際、有線LANだとデバイスまでLANケーブルを配線する必要があります。Wi-Fiを導入すると無線通信でインターネット接続ができるので、デバイスまでのLANケーブルの配線が不要です。

またWi-Fi親機となるAPは、PoE対応の機種ならLANケーブル1本でデータ伝送と電源供給ができます。電源が取りにくい壁面や天井にもすっきりと設置でき、追加の電源工事も不要です。

結果的に店舗レイアウトの自由度が高くなる上、美観を損なわずに通信の安定性を重視したWi-Fi・インターネット環境を整備できます。

さまざまなデバイスを業務利用できる

Wi-Fiを導入する大きなメリットの1つは、LANポートのないデバイスでもネットワーク接続ができることです。スマホやタブレットを業務利用しやすくなり、タブレットPOSレジやセルフオーダーシステムも導入しやすくなります。他にもWi-Fi対応のOA機器やAIカメラなど、デバイスの活用範囲が広がるのはメリットです。

集客効果が高くなる

Wi-Fi利用が一般化する中で、消費者が店舗を比較する際に「フリーWi-Fiに対応しているかどうか」を重視する傾向が強まっています。「出先でWi-Fi接続ができること」のメリットは大きく、Wi-Fi導入によって集客効果が見込めるのはポイントです。

フリーWi-Fiや電源付きカウンター席に対応すると、学生やリモートワーカー、訪日外国人客など、多様なユーザー層の集客につながります。Googleビジネスプロフィールを多言語化すると、訪日外国人客にフリーWi-Fi対応の旨をアピールしやすくなり、インバウンド対策に役立つでしょう。

売り上げアップにつながる

出先でスマホを利用する際に通信制限を恐れている消費者は珍しくありません。店舗でWi-Fi接続ができるなら、通信量の多くなりがちなSNS利用や動画視聴であっても、通信制限を気にせずに自由なインターネット通信が可能です。

結果的に滞在時間が長くなり、客単価アップ・売り上げアップにつながるのもメリットです。待ち時間のストレス軽減効果も見込めるので、リピーター確保にも効果を発揮します。

なお、ゲスト用SSIDには接続時間や通信帯域の制限をかけられ、フリーWi-Fi利用時にクーポンを表示したり会員登録を求めたりすることもできます。こういった柔軟な設定により、回転率の調整や販促施策の推進ができることもAPの強みです。

【関連記事:店舗にWi-Fi導入するメリットは?導入時のポイントや事例も紹介】

イッツコムのインターネット光接続

画像や動画など大容量データの送受信、ファイルの共有、データバックアップなど、インターネットを活用したあなたのビジネスをもっと快適に。

開業時のWi-Fi導入で押さえたいポイント

実店舗にWi-Fiを導入すると、店舗内で業務利用できるデバイスの幅が広がり、フリーWi-Fiの提供によって集客効果や売り上げアップにつながります。

これらのメリットを享受するためのポイントは、Wi-Fiアクセスポイントの機能・性能やWi-Fiサービスのサポート体制が必要条件を満たしていることです。ここからは、Wi-Fi導入で押さえたいポイントを6つに分けて解説します。

フリーWi-Fiの詳細設定ができること

「フリーWi-Fiを提供すること」は開業時のWi-Fi導入で押さえたいポイントです。しかし家庭用Wi-Fiルーターは自宅での個人利用を想定しているため、フリーWi-Fiの詳細設定には対応していません。一部機種はゲストポート機能を利用できますが、来客のたびに都度有効化するような簡易的な機能のものが一般的です。

店舗運営のニーズに最適化したフリーWi-Fiを提供するには、マルチSSID・VLANの個別設定、利用時間帯・通信帯域や認証方法などの詳細設定に対応した、業務用Wi-FiルーターやAPが必要です。

セキュリティレベルが高い

「フリーWi-Fiを安心して利用できること」も必須で押さえたいポイントです。「フリーWi-Fiにはセキュリティリスクがある」というイメージは根強く、セキュリティレベルに不安のあるフリーWi-Fiは敬遠されます。

Wi-Fiには接続・通信時に認証と暗号化を行う仕組みがあり、セキュリティ規格はWPA・WPA2・WPA3といった種類があります。最もセキュアな規格はWPA3です。

WPA2までの規格にはフリーWi-Fi環境でのさまざまなセキュリティリスクが懸念されますが、WPA3は多数のユーザーが同時接続する環境でも通信内容を個別に秘匿し、AIカメラなどのIoT機器もセキュアにWi-Fi接続できます。

また認証サーバ連携に対応する機種は、詳細なユーザー認証を行えるため、業務用SSIDのより安全な運用が可能です。無線通信のセキュリティリスクを払拭するなら、マルチSSID・VLANに加え、WPA3と認証サーバ連携に対応するAPを導入しましょう。

【関連記事:Wi-Fiセキュリティ規格の種類と暗号化・認証方式の関係を徹底解説】

推奨同時接続台数が多い

フリーWi-Fiを提供する店舗では、無線LAN機器に同時接続するデバイス数が多くなりがちです。来客1人が複数デバイスをWi-Fi接続する場合もあります。

Wi-FiルーターやAPには「推奨同時接続台数」というスペックがあり、この台数を超えて同時接続が発生すると、通信の遅延や途絶が起こりやすくなります。業務用デバイスに通信障害が生じると業務が一時的にストップし、来客の私用デバイスに通信障害が生じると顧客満足度の低下を招きます。

家庭用Wi-Fiルーターが安定して同時接続できるのは10台前後ですが、高性能なAPは50台や100台の同時接続が可能です。複数APを要所に設置すると、電波の死角をなくしつつ、負荷分散ができます。ピークタイムでも安定して多台数接続ができるように、高性能APの最適な台数・設置場所を検討しましょう。

Wi-Fi6/6E以降に対応していること

Wi-Fiには通信規格のバージョンがあり、新しいバージョンほど規格上の最大通信速度は高速で、同時接続時の安定性や遅延耐性にも優れています。規格の違いによって体感速度や混雑時の快適さは大きく変わるため、新しい規格に対応した無線LAN機器を選定することが重要です。

  • Wi-Fi7(IEEE 802.11be):第7世代の最新規格。最大通信速度は46Gbps
  • Wi-Fi6/6E(IEEE 802.11ax):第6世代の主流規格。最大通信速度は9.6Gbps
  • Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac):第5世代の旧主流規格。最大通信速度は6.9Gbps

Wi-Fi5世代の機種は多くがサポート終了となっています。Wi-Fi6/6Eから、セキュリティ規格はWPA3に標準対応となっており、安全性という意味でも機種選びは重要です。Wi-Fi6/6E対応のAPは、コストと性能のバランスに優れます。Wi-Fi7に対応する業務機器が多くなければ、実用性の高いWi-Fi6/6E対応のAPを選択しましょう。

導入難度が低い

業務用Wi-FiルーターやAPには設置・設定の手間がかかるものもあり、ネットワーク関連の知識が不足していると適切な設置・設定が困難なこともあるでしょう。無線LAN機器はベンダーから直接購入もできますが、APのレンタルサービスを提供する事業者であれば、費用負担を抑えつつ、誰でも簡単に導入できる仕組みが整っています。

サポートが充実している

Wi-Fiの運用にはトラブルがつきものです。最新の無線LAN機器を導入しても、条件次第では「接続できない」「なぜか遅い」といった問題が発生します。

こういった場合に素早く対応できなければ店舗の信用が失墜する恐れもあるので、迅速なサポートを受けられるサービスかどうかもポイントです。導入時だけでなく運用中のサポート体制も重視しましょう。

【関連記事:企業向けWi-Fiの選択肢は?APの機能と選定ポイントを徹底解説】

開業時に万全のWi-Fi環境を整備するならイッツコム!

業務用Wi-Fiルーターは家庭用機種より機能・性能に優れますが、電波の干渉や減衰、推奨同時接続台数の制約から、ピークタイムの安定性に課題が残ります。業務用デバイスと来客の私用デバイスの双方に安全で快適なWi-Fi通信を提供するには、APを要所に設置する運用がおすすめです。

イッツコムの「かんたんWi-Fi」は、高性能APを初期費用無料・月額2,000円(税抜き)からレンタル可能です。年中無休のサポート窓口が標準付帯しており、設定ミスや接続トラブルにも迅速に対応できるため、初めてのAP運用でも安心です。

「ハイエンド6」プランのAPはWi-Fi6に対応し、1AP当たり100台まで快適な通信を提供できます。マルチSSID・VLANなどのセキュリティ機能も備え、フリーWi-FiとIoT機器を安全に併用可能です。PoE給電や電波出力の自動調整にも対応しており、設置の自由度が高い点も特長です。

イッツコムのかんたんWi-Fi

かんたんだから、オフィスや店舗ですぐに使える!プロによるサポートが付いた安心のWi-Fiサービス!

まとめ

店舗・事務所に快適なWi-Fi環境を整備するなら、安定性やセキュリティ機能に優れたアクセス回線・無線LAN機器の導入が必要です。ホームルーターや家庭用Wi-Fiルーターといった家庭向けサービス・機器は推奨されません。

開通工事ができる物件なら、アクセス回線は光回線一択です。無線LAN機器については、フリーWi-Fiの提供と業務機器の運用を安全・快適に両立するなら、ネットワーク分離に対応する高性能APのレンタルが最適です。

イッツコムは情報通信事業者としての豊富な実績・ノウハウを生かし、法人向けに高コスパなAPレンタルサービスや光回線サービスを提供しています。開業時のWi-Fi環境整備をお考えなら、ニーズに応じた最適なネットワーク構築をサポートできるイッツコムにご相談ください。