1. コラム
  2. コラム
  3. 企業がWi-Fi導入するメリットや注意点は?セキュリティ対策やポイントまと め

企業がWi-Fi導入するメリットや注意点は?セキュリティ対策やポイントまと め

オフィスや店舗にWi-Fi導入する企業は一般化していますが、電波によるデータ伝送のセキュリティリスクの高さが問題視されるケースは珍しくありません。Wi-Fi導入を検討しており、導入する際のポイントやセキュリティ対策が知りたい方もいるのではないでしょうか。

Wi-Fiの導入効果や懸念点、無線LAN機器のセキュリティ機能やWi-Fiサービスの選び方を知ることで、安全かつ快適なWi-Fi環境の構築を具体的に検討できます。従業員や来客にとって使いやすく高セキュアなWi-Fi環境を整備しましょう。そこでこの記事では、Wi-Fi導入のメリット・注意点・ポイントやセキュリティ対策についてご紹介します。

企業がWi-Fiを導入するメリット

業務用デバイスの多様化やフリーWi-Fiの需要拡大を受け、オフィスや店舗にWi-Fi導入する企業は一般化しています。では、企業にとってWi-Fiはどのような導入効果を生むのでしょうか。企業がWi-Fi導入するメリットを5つに分けて解説します。

配線を効率化できる

Wi-Fiを導入するとデバイスまでLANケーブルを配線する必要がなくなります。「Wi-Fiルーター」や「Wi-Fiアクセスポイント」が電波の基地局になるので、無線LAN機器に電源ケーブルやLANケーブルを接続するだけです。配線が効率化できることで、オフィスや店舗のレイアウトを自由に変えられるようになり、美観を損ねることもありません。

・Wi-Fiルーター:ネットワークの経路探索・データ伝送機能と基地局の機能が一体型になった無線LAN機器
・Wi-Fiアクセスポイント:基地局の機能に特化した無線LAN機器。ルーターとLANケーブルで接続する

PC以外のデバイスも業務利用できる

有線LAN環境はLANケーブルでデバイスを接続するので、LANポートのあるデバイスしかネットワークに接続できません。この環境で業務利用できるデバイスは基本的にPCに限られますが、Wi-Fi環境ならWi-Fi機能のある全てのデバイスを業務利用できます。

タブレットやスマホも業務利用できるようになり、オフィスや店舗のICT(情報通信技術)活用の幅が広がるのもメリットです。

フリーアドレスを実現できる

Wi-Fi環境はLANケーブルの配線に依存しないので、オフィス内でフリーアドレスを実現できます。従業員は固定的なデスクに縛られることなく、Wi-Fiエリア内の好きな場所で仕事ができるのもメリットです。社内コミュニケーションの活発化や、会議室へのノートPC・タブレット持ち込みによる業務効率化など、さまざまな効果が期待できます。

フリーWi-Fiを提供できる

法人用Wi-FiルーターやWi-Fiアクセスポイントには「ゲストWi-Fi」の設定機能があります。ゲストWi-Fiは従業員用と来客用のネットワークを分離できる機能です。ゲストWi-Fiを無料で提供することを「フリーWi-Fi」と呼びます。

フリーWi-Fiを提供することで、来客用に快適なWi-Fi環境を整備できることもメリットです。特に店舗運営にはフリーWi-Fiの重要度が高まっています。

企業イメージ向上や売り上げアップ

フリーWi-Fiを提供することで、「来客用の通信環境整備に積極的な企業」として企業イメージの向上が期待できます。こちらも店舗運営では効果的です。消費者は店舗選びの際に「フリーWi-Fiが使えること」を重視する傾向があります。

無料で好きなだけインターネット利用できることで滞在時間が長くなり、客単価や売り上げの向上につながることもメリットです。

企業がWi-Fiを導入する際の注意点

企業がWi-Fi導入すると多様な業務用デバイスをフリーアドレスで利用できたり、フリーWi-Fiの提供による企業イメージ・売り上げの向上効果が得られたりします。一方で、セキュリティリスクの高さや通信速度の安定性などが懸念点です。ここでは、企業がWi-Fi導入する際の注意点を3つに分けて解説します。

セキュリティリスクが高い

Wi-Fiは電波を利用した無線通信技術です。Wi-Fi接続中の基地局とデバイスは常に電波を発しており、電波に乗ってデータが拡散しています。通信経路をコントロールしやすい有線LANより、セキュリティリスクが高いのは注意点です。

電波の不正受信による情報窃取、無線LAN機器への不正アクセスによる乗っ取りやサーバー侵入など、セキュリティ上の懸念点は増えます。

速度は通信回線に依存する

Wi-Fiは有線LANを無線化するための技術で、LAN内の通信にのみ対応します。インターネット接続はルーターが行っており、Wi-Fiの通信速度はあくまで基地局・デバイス間に作用するものです。

この仕組みにより、Wi-Fiの通信速度が非常に高速でも、インターネット接続の際は通信回線の最大通信速度を上回ることはありません。Wi-Fi接続が高速でも通信回線が低速なら体感速度は遅くなるので、高速な光回線と組み合わせることが求められます。

Wi-Fi利用の規模や人数

電波は距離や障害物の影響を受けて減衰するので、基地局から離れるほどWi-Fiの通信品質は不安定になります。オフィスや店舗の規模、フロアの区切りや内装に合わせて、無線LAN機器の電波強度や電波中継を考えることが必要です。

また、同時接続数の上限も無線LAN機器によって異なります。特にフリーWi-Fiを提供する場合は同時接続数を予測しにくいので、最大同時接続数に余裕のある無線LAN機器の導入が必須です。

企業のWi-Fi導入時に必須のセキュリティ機能

企業がWi-Fi導入するならセキュリティリスクの排除は重要なトピックです。この課題は無線LAN機器の機能を活用することで解決できます。主なセキュリティ機能は、通信データの暗号化・端末認証・アプリケーション制御・ゲストWi-Fiです。それぞれのセキュリティ機能を解説します。

通信データの暗号化

Wi-Fiには暗号化規格が定められており、無線LAN機器によって対応する暗号化規格は異なります。最も古い暗号化規格は「WEP」で、セキュリティホールが多いので現在は使用を推奨されません。WEPの代替規格「WPA」は多くのセキュリティホールを解消していますが、やや時代遅れの規格です。

現在は「WPA2」や最新規格の「WPA3」が主流で、ビジネスユースの無線LAN機器はこれら新しい暗号化規格に対応していることが求められます。

MACアドレスによる端末認証

高機能な無線LAN機器は、デバイスの「MACアドレス」でWi-Fi接続の可否を設定できます。MACアドレスはネットワーク機能のある全てのデバイスが持つ識別IDです。

業務用デバイスのMACアドレスをあらかじめ登録しておくことで、デバイス単位でWi-Fi利用の可否をコントロールできます。これは従業員向けのWi-Fiネットワークに、個人利用のデバイスや悪意のある第三者がアクセスできないようにする機能です。

アプリケーション制御

高機能な無線LAN機器にはアプリケーション制御機能もあります。具体的には、指定アプリケーションのブロックや帯域制限ができる機能です。SNSアプリや動画再生アプリなどの利用をブロックまたは帯域制限することで、業務に不要なWi-Fi利用で帯域が圧迫されることを防止できます。セキュリティ上の懸念があるアプリのブロックも可能です。

来客用のネットワークを分離

従業員用のWi-Fiネットワークを来客用に開放すると、顧客や悪意のある第三者がWi-Fiを通じて社内情報にアクセスできてしまいます。ゲストWi-Fiを設定することで、訪問者はインターネット接続にのみ使えるWi-Fiネットワークに接続するので、社内情報へのアクセスを遮断できます。

企業がWi-Fi導入する際に押さえたいポイント

企業がWi-Fi導入する際には、無線LAN機器の機能・性能やサポートの充実度、コストパフォーマンスを勘案することが大切です。主な機能・性能には、ゲストWi-Fi機能を含むセキュリティ機能や最大同時接続数、Wi-Fi規格のバージョンが挙げられます。Wi-Fi導入時に押さえたいポイントを6つに分けて見ていきましょう。

ゲストWi-Fi機能の有無

来客用にWi-Fiを開放するならゲストWi-Fiの設定は必須です。これは「従業員用のネットワークへ訪問者をアクセスさせない」というセキュリティ上の理由の他、フリーWi-Fiの提供による集客効果や企業イメージ向上の狙いもあります。

ゲストWi-Fiは家庭用Wi-Fiルーターでは設定できないので、法人用Wi-FiルーターやWi-Fiアクセスポイントを導入しましょう。

ゲストWi-Fi以外のセキュリティ機能

Wi-Fiを業務利用するならセキュリティレベルの高さは重要です。セキュリティレベルが低いと情報窃取や乗っ取りの恐れがある他、「安心して使えないフリーWi-Fi」は顧客に敬遠されます。無線LAN機器のセキュリティ機能のポイントは以下の通りです。

・暗号化規格はWPA2やWPA3に対応していること
・MACアドレス制御ができること
・アプリケーション制御ができること

最大同時接続数の多さ

無線LAN機器によって最大同時接続数に違いがあります。法人用Wi-Fiルーターなら最大50台ほどですが、Wi-Fiアクセスポイントなら最大100台の同時接続も可能です。

Wi-Fiを利用するユーザーは1人で複数デバイスを同時接続するケースも珍しくありません。最大同時接続数の目安は従業員数や見込み訪問者数だけで考えるのではなく、「1人当たり何台のデバイスを同時接続するか」という観点も踏まえて計算しましょう。

Wi-Fi規格のバージョン

Wi-Fiは規格のバージョンアップを重ねており、バージョンによって最大通信速度は大きく異なります。デバイスが最新規格に対応していても、無線LAN機器が最新規格に非対応なら旧バージョンでWi-Fi接続をするので、最新規格に対応した無線LAN機器を導入しましょう。

・Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax):第6世代の最新バージョン。最大通信速度は9.6Gbps
・Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac):第5世代、現在主流のバージョン。最大通信速度は6.9Gbps
・Wi-Fi 4(IEEE 802.11n):第4世代。最大通信速度は600Mbps

サポートの充実度

無線LAN機器はベンダーから直接購入もできますが、この場合は機器の設置・設定はユーザー自身で実施する上、機器の故障時以外のサポートは非対応です。

Wi-Fiをサービス提供する企業であれば、導入時の設置・設定のサポートや運用中の電話サポートなど、さまざまなサポートを活用できます。システム担当者不在でも安心して導入・運用が可能です。

コストパフォーマンス

無線LAN機器をベンダーから直接購入する場合、費用は機器代金だけで済みます。長期的に費用を抑える効果はありますが、各種サポートが受けられないのは懸念点です。

Wi-Fiサービスなら1AP(Wi-Fiアクセスポイント1台)当たりの月額料金がかかります。サービスによって機種の性能やサポート内容・料金体系は異なるので、コストパフォーマンスの良いサービスを選択しましょう。

企業にWi-Fiと光回線を一括導入するならイッツコム!

Wi-Fiを導入するとネットワーク利用するデバイスが増えるので、企業で契約する通信回線のアップグレードが求められます。イッツコムの「かんたんWi-Fi」や「カスタムWi-Fi」と法人向け光回線を組み合わせれば、万全の体制でWi-Fi運用をスタート可能です。

かんたんWi-Fi × イッツコム光接続サービス

イッツコムの「かんたんWi-Fi」は、高機能なWi-Fiアクセスポイントを簡単かつ安全に使えるサービスです。月額2,000円からの低料金で、以下の豊富な機能・サポートを利用できます。

・Wi-Fiアクセスポイントに電源コードとLANケーブルを挿すだけで使える
・暗号化規格は高セキュアなWPA2に対応
・高速なWi-Fi 6またはWi-Fi 5に対応
・最大100台の同時接続に対応
・ゲストWi-Fiに対応
・MACアドレス制御に対応
・24時間365日、初期設定・設定変更・トラブルを電話サポート

イッツコムの法人向け光回線「イッツコム光接続サービス」と組み合わせれば、下り最大2Gbpsの安定した高速回線を利用できます。光回線・プロバイダ一体型のサービスなので、他社サービスより月額料金を抑えられるのもメリットです。

カスタムWi-Fi × イッツコム光接続サービス

かんたんWi-Fiは小規模オフィスや店舗に最適ですが、複数台のWi-Fiアクセスポイントを要する施設や大規模オフィスには「カスタムWi-Fi」がおすすめです。

カスタムWi-Fiは設置イメージやセキュリティ設定の要望を事前ヒアリングし、機器の設置・設定から運用中の保守までワンストップで一貫サポートします。イッツコム光接続サービスのセット導入もスムーズで、通信環境のトータルアップグレードに最適なサービスです。

まとめ

企業がWi-Fiを導入するとフリーアドレスの実現やフリーWi-Fiの提供など、さまざまなメリットを享受できます。一方でセキュリティリスクや通信速度の懸念もあるので、セキュリティ機能に優れたWi-Fiアクセスポイントと、高速かつ安定した通信回線を組み合わせることが大切です。

かんたんWi-FiやカスタムWi-Fiとイッツコム光接続サービスを組み合わせ、企業の通信環境をトータルアップグレードしましょう。高セキュアかつ快適なWi-Fiサービスの導入をお求めなら、インターネット回線とWi-Fiサービスを一括提供できるイッツコムにご相談ください。