業務効率化の必要性は?3M解消のメリットやアイデア・ツールを解説
目次
人材不足の解消や競争力の維持向上のために、業界問わず多くの企業で業務効率化が求められています。3M(ムリ・ムダ・ムラ)の解消が基本的な取り組みとなりますが、アプローチは多彩です。
そこでこの記事では、業務効率化の基本的な考え方や具体的な方法、役立つツールについて解説します。ERPシステムやエンタープライズサーチなどクラウドAI環境の整備による、全社的な業務効率化にも着目しましょう。
業務効率化が求められる背景

日本は少子高齢化の深刻化に伴い労働人口が減少傾向にあり、人材確保は年々難しくなっています。また労働生産性の低下も深刻化している状況です。日本生産性本部が公表した「労働生産性の国際比較2024」によると、2023年の1人当たり労働生産性はOECD加盟38か国中32位で、主要先進7か国で最も低くなっています。
つまり日本は「限られた人材で非効率な労働をしている」のが現状です。そこで企業は業務効率化により労働生産性を向上させると共に、事業継続に必要な人材を確保するための働きやすい環境作りが急務となっています。
業務効率化のために解消すべき3M「ムリ・ムダ・ムラ」

業務効率化とは、業務における「ムリ・ムダ・ムラ(3M)」をなくし、少ない労力とコストで成果を最大化するための改善活動です。業務効率化に取り組むなら、3Mにどのような悪影響があり、なぜ解消すべきかを理解することが必要です。
ここでは、ムリ・ムダ・ムラそれぞれについて、具体例と問題を解説します。
ムリ:キャパシティを超えた過剰な負荷
ムリとは、従業員の能力・体力、設備などのキャパシティを超えた、過剰な負荷がかかっている状態を指します。具体的には以下のような状態です。
- 従業員が能力以上の仕事を強いられている
- 実現不可能な納期や達成目標を設定している
- 工場の生産能力以上の注文を受けている
こういったムリがあると、以下のような問題を招きます。
- 従業員の疲労・ストレスの増大や長時間労働の常態化、エンゲージメントの低下と離職率の上昇
- 機械の連続稼働による故障や不調の頻発
- 業務や商品・サービスの品質低下
ムダ:不要な作業や過剰な生産
ムダとは、本当は不要なのに、漫然と続けられている作業や、無駄な動作、過剰な在庫・生産を指します。具体例は以下のようなものです。
- 単純作業の繰り返しや、複数名の重複作業
- 分散された情報の都度検索や、複雑かつ非効率な承認プロセス
- 時間のかかり過ぎる移動・運搬や、だらだらと続く会議
こういったムダは、以下のような問題を招きます。
- コア業務に集中する時間が減少し、生産性が低下する
- ヒューマンエラーの増大や業務の停滞、意思決定の遅れおよび競争力の低下
- 人・モノ・カネ・時間の浪費による企業財務状況の悪化
ムラ:質と量が不安定
ムラとは、業務の質や量が、担当者や時期によってばらついている状態を指します。具体的には以下のような状態です。
- 特定の担当者だけが忙しく、他の担当者は手持ち無沙汰な状態
- 同じ工程でも、時間帯や担当者によって作業スピードや品質が異なる
- 業務内容が標準化・マニュアル化されておらず、ムダ・ムリな作業を繰り返している
こういったムラがあると、以下のような問題を招きます。
- 担当者や時期によって品質が異なることで、顧客からの信頼を損なう
- 業務量や評価のばらつきにより、従業員間の不公平感や人間関係の悪化を招く
- 業務の属人化が進行し、担当者が不在の際に業務が滞る
業務効率化で得られるメリット
業務効率化にはコスト削減や生産性向上だけでなく、従業員の満足度や定着率の向上、柔軟な組織体制の構築など、さまざまなメリットがあります。
- ムリ・ムダ・ムラを排除することで、組織の競争力を高め、イノベーションを促進できる
- 効率化によって生まれた時間や人材リソースを付加価値の高い業務や新規事業の創出に充てることで、持続的な成長を実現できる
- 作業時間の短縮や業務の自動化によりコストを抑えつつ生産性を向上させ、従業員の負担を軽減してモチベーションや定着率を高められる
- 業務の可視化と標準化を進めることで、変化に強く柔軟な組織作りにつながる
業務効率化の進め方

業務効率化の基本プロセスは以下の4ステップです。
1.業務の可視化
2.問題・課題の洗い出し
3.優先順位付け
4.施策の実施と検証
それぞれのステップのポイントを押さえ、実行計画をイメージしましょう。
1.業務の可視化
業務効率化を進めるには、まず業務のムリ・ムダ・ムラがどこにあるかを正確に把握することが必要です。そこで全社的な業務棚卸しにより業務を可視化し、以下のようなムリ・ムダ・ムラを発見することから始めます。
- 従業員が抱えるムリな仕事
- ムダな業務やプロセス
- 従業員ごとの仕事量や成果のムラ
2.問題・課題の洗い出し
業務を可視化したら、現状の業務にはどのような問題があり、ネックを解消するには何に取り組むべきかという課題を洗い出します。課題を洗い出すアプローチはさまざまですが、シンプルな方法は以下のように複数の要素を比較することです。
- 従業員同士のスキルを比較し、優れた従業員のノウハウを抽出する
- 自社と競合他社を比較し、コストや投資額に差が出る理由を発見する
- 自社と業界全体を比較し、成長率や競争優位性を把握する
3.優先順位付け
問題・課題を洗い出したら、以下のように具体的な施策を導出し、どの施策から取り組むかを決定します。
- ムリのある担当者の変更
- ムダな業務の自動化や外注化
- ムラのある業務量の標準化
業務効率化の効果が大きく、不要なトラブルを避けられるものから取り組みましょう。
4.施策の実施と検証
優先順位付けをしたらスケジュールに沿って施策を実施します。業務効率化は全社的かつ長期的な取り組みなので、施策ごとに過剰・過小なアプローチになっていないかを効果検証し、PDCAサイクルを回して理想的な仕事環境に近付けていくことが大切です。
全社的な業務効率化を実現するには
全社的に業務効率化を推進するには、まず組織横断で利用できる情報システムの構築が欠かせません。具体的には、人・モノ・カネ・情報といった経営資源を一元管理する「ERP(企業資源計画)システム」や、組織内に散在する膨大なデータを横断的に検索できる「エンタープライズサーチ(企業内検索システム)」の導入が挙げられます。
これらのシステムを活用することでサイロ化(部門間の情報やシステムの断絶)を解消し、全社的な情報共有の促進、管理コストの削減、業務の自動化などを実現しながら、個別具体的なムリ・ムダ・ムラを取り除いていきます。
業務効率化のアイデア

個別具体的な3Mを解消して業務効率化を実現するアプローチは多岐にわたります。例えば、業務フローの標準化・マニュアル化、コミュニケーションツールの全社的な統一、定型業務の自動化などです。
ここでは、業務効率化に役立つ5つのアイデアを解説します。
業務フローを標準化・マニュアル化する
複数名が同じ業務に従事し、担当者によって作業の進め方や品質にばらつきがある場合には、業務フローの標準化・マニュアル化が有効です。タスクやプロジェクト、チーム・部署単位で標準的な業務フローを共有することで、属人化を防止し、誰でも一定水準の品質とスピードを保って仕事を進めやすくなります。
業務遂行に当たっての必須知識や踏まえるべきポイントも分かりやすく明文化すると、ナレッジ共有が効率化され、ありがちなミスや手戻りも防止しやすくなります。こうした取り組みは、特に新人教育や引き継ぎ時の時間短縮にも効果的です。
電子データで情報を共有・管理する
紙資料は印刷・保管・郵送・廃棄に手間や時間がかかり、コスト面や環境保護の観点からも懸念があります。そこで効果的なのが、紙ではなく電子データで情報を保存・活用すること、つまりペーパーレス化です。
ペーパーレス化を推進すれば、利用したい書類に時間や場所を問わずアクセスできる上、支店やテレワーカーと瞬時に共有できます。仕事を効率化できることはもちろん、ペーパーコストの削減や企業イメージの向上につながることもメリットです。
コミュニケーションツールを統一する
ビジネスチャットやWeb会議システムはメールに代わるコミュニケーションツールとして重宝されていますが、チームや部署によって、また内勤・外勤といった働き方の違いによって、使用するツールが異なることは珍しくありません。
複数のツールが乱立している状況では、情報の散逸、確認作業の煩雑化、コミュニケーションロスの発生といった非効率な状態を招きやすくなります。
標準的に使用するコミュニケーションツールを全社的に統一することで、スムーズな情報共有が進み、情報格差の是正や業務品質の平準化にもつなげることができます。
BPOやクラウド環境で業務を外部委託する
業務遂行には人的リソースや業務機器を要しますが、業務によっては「必要だが採算に合わない」「人材や機器に十分な投資ができない」というケースも多いでしょう。こういった業務はアウトソーシングするのも効果的です。
例えばBPO(Business Process Outsourcing)であれば業務プロセスの一部を外注し、BPO提供企業を自社の事業部門の一部として機能させます。似た発想で、クラウドサービスを利用すると自社サーバの運用にかかるコストの大幅圧縮が可能です。これによりノンコア業務にかける投資を抑え、自社リソースをコア業務に集中させられます。
自動化やAIで定型業務を効率化する
PCで行う単純なルーチンワークに人的・時間的リソースを割かれているケースも多く見受けられます。例えばExcelに数値情報を入力するような業務です。こういった業務はRPA(ロボットによる業務自動化)によって自動化でき、人的・時間的リソースのムダを大幅に削減できます。
またChatGPTに代表される生成AIは、ドキュメントの要約・分析・整理やコンテンツの自動生成、自然言語による柔軟な検索など、さまざまな方法で業務効率化をサポートできます。後述するSFA(営業支援システム)やコンテンツクラウドなどクラウドサービスの中には、AI機能の搭載により業務効率化の効果をより高めたものもあります。こういったクラウドAIの活用は、ビジネスの成長に多大な恩恵をもたらす可能性があります。
【関連記事:生成AIの活用事例7選!生産性向上などビジネス課題解決のヒント】
業務効率化に役立つツール

ビジネスのデジタル化に伴い、ICTツールの活用による業務効率化が注目されています。実際にデータ活用や自動化は非常に効果が高く、これからのビジネスには必須の取り組みです。ここでは、業務効率化に役立つICTツールの機能や効果を解説します。
CRMやSFA
営業活動の業務効率化には、CRM(顧客関係管理システム)やSFA(営業支援システム)の導入が効果的です。
- ・CRM:既存顧客の属性・購買履歴・問い合わせ履歴などを一元管理し、顧客との良好な関係の構築やLTV(顧客生涯価値)の最大化を目指すツール
- ・SFA:既存顧客・見込み顧客への営業活動を記録・管理し、属人性を排した組織としての効率的な営業活動を支援するツール
CRMやSFAによって業務プロセスの最適化やムラのないアプローチなど、部門横断的な業務効率化が期待できます。CRMとSFAは顧客情報の管理について機能的に共通するため、CRM機能のあるSFAやSFA機能のあるCRMも一般的です。
【関連記事:SFAとCRMの違いとは?役割・想定ユーザーや機能差を易しく解説】
MA
MA(マーケティングオートメーション)は顧客情報を一元管理し、見込み顧客へのメール自動配信など、マーケティング活動の効率化を支援するツールです。見込み顧客に対する以下3つのプロセスを総合的にサポート・自動化します。
- リードジェネレーション:見込み顧客を発掘する
- リードナーチャリング:見込み顧客を育成する
- リードクオリフィケーション:購入可能性の高い見込み顧客を選別する
【関連記事:マーケティングオートメーション(MA)とは?できることや活用方法】
クラウドストレージ
ビジネスのデジタル化が進展する中、情報の適切な保存・管理・共有は一層重要度を増しています。しかし紙やExcelによる情報管理は手間・コスト・即時性・検索性などに問題があり非効率です。そこでインターネット経由でいつでもどこからでもアクセスできるクラウドストレージの導入が効果を発揮します。
「Box」などのセキュアなクラウド上で情報管理すれば、支店やテレワーカーともスムーズに情報共有できる上、サービスを利用すること自体がセキュリティ対策になることもメリットです。自然とペーパーレス化が促進され、またサーバ管理はサービス事業者側で実施するため、大きなコスト削減効果も期待できます。
【関連記事:クラウドストレージ「Box」の魅力は?使い方やメリットを徹底解説】
Web会議システム
会議室で実施するリアルな会議は手間・時間・コストのムダが大きく、遠隔地からの参加にも支障が生じます。
「Zoom Workplace」のWeb会議機能Zoomミーティングなどでオンライン会議を実施すれば、会議室を確保する必要はありません。PCやスマホさえあればどこからでも会議参加できるため業務停滞を防止でき、支店の従業員やテレワーカーも移動時間や交通費をかけずに会議参加できます。会議資料は電子データで用意するので、ペーパーレス化の促進にも効果的です。
【関連記事:Zoomの基本的な使い方や初心者も使いこなしたい便利機能を解説】
全社的な業務効率化に必須のクラウドAI環境整備ならイッツコム!

全社的な業務効率化を目指す場合、クラウドAI環境の整備は重要です。AI搭載コンテンツクラウド「Box」を活用するとERPシステムとエンタープライズサーチを一本化でき、「ホットアプローチ」と「ホットプロファイル」は低コスト・AI活用の営業DXをかなえます。またSIMカード対応端末は、「モバイル閉域接続」でクラウド環境へセキュアにアクセスできます。
AI搭載コンテンツクラウド「Box」でERPシステムとエンタープライズサーチを一本化
業務効率化を進める上で、ERPシステムの構築やエンタープライズサーチの導入は基本です。ただし中堅・中小企業にとっては、どのクラウドサービスをどう組み合わせるかが課題となります。
コスト・利便性・セキュリティの全てを満たす選択肢として注目されるのが、国内2万社以上、日経225企業の77%(2025年3月時点)が導入するコンテンツクラウド「Box」です。有料プランはストレージ容量が無制限で、1,500以上の業務アプリと双方向連携が可能です。ERPシステムの中核として機能し、ファイルの一元管理・社内外コラボレーション・高度な検索機能を提供します。
さらに、「Box AI」を追加費用なしで無制限に利用できる点も魅力です。ドキュメントの要約・分析・改善、メタデータの自動抽出、ポータル機能「Box Hubs」による対話型検索やコンテンツ生成など、多面的なサポートでイノベーションと競争力向上を支援します。
「ホットアプローチ」と「ホットプロファイル」で低コスト・AI活用の営業DX
企業の売上・利益を支える営業は属人化しやすく、担当者の情報を組織で活用しにくい課題があります。未開拓企業へのアプローチの自動化やCRM・SFA・MAの運用が有効ですが、複数ツールの併用は手間・コストや定着の難しさが懸念点です。
「ホットアプローチ」と「ホットプロファイル」を組み合わせれば、導入・運用コストを抑えつつ、受注に必要な営業プロセスをワンストップで実行できます。ホットアプローチは、480万社超の企業データベースを活用し、問い合わせフォームへの営業を自動化するサービスです。ホットプロファイルは、新規開拓後の名刺管理(顧客管理)や営業支援、One To Oneメール送信を1つのツールで対応できます。
さらにホットプロファイルは次のAI機能を備え、営業DXと持続的成長を後押しします。
- AI議事録:商談の録画・録音を自動要約し、負担軽減と情報活用を支援
- AIファイル管理:提案書・契約書をアップロードするだけで自動解析・分類し、顧客別に一元管理
- AIアシスタント:ファイル要約、顧客分析、提案書作成を支援し、商談準備の効率化と再現性を向上
SIMカード対応端末は「モバイル閉域接続」でクラウド環境へセキュアにアクセス
Boxやホットアプローチ、ホットプロファイルといったクラウドサービスは、時間や場所を問わず利用でき、生産性向上に大きく役立ちます。しかし、インターネット経由のアクセスにはセキュリティ上の不安も残ります。
そこで有効なのが「モバイル閉域接続」です。専用SIMカードを挿入した端末は、インターネットとは分離された閉域網から社内ネットワークに接続でき、クラウドサービス利用時も安全に通信できます。
VPNの設定やID・パスワード管理が不要で、通信ログも取得可能。セキュリティポリシーの全社展開が容易になり、スマホ・ノートPCだけでなく、モバイルWi-Fiルーター、IPカメラ、デジタルサイネージなど幅広いデバイスで安全なアクセスを実現します。
まとめ

全社的な業務効率化に取り組む場合、ERPシステムやエンタープライズサーチを導入し、組織横断的な情報システムを構築するのが基本です。その上で、コミュニケーションツールの統一やクラウドAIの活用などにより、個別具体的な3M(ムリ・ムダ・ムラ)の解消を目指します。
イッツコムは「Box」や「ホットアプローチ」「ホットプロファイル」、「モバイル閉域接続」などにより、コスト・利便性・セキュリティの要件を満たす環境構築をサポートできます。業務効率化の推進をお考えなら、基盤となるクラウドAI環境をスマートに整備できるイッツコムにご相談ください。



