ここ数年、「ゲーミフィケーション(gamification)」が、教育の現場で注目されています。「教育」と「ゲーム」。ゲームばかりしている子どもに手を焼いている親からすると、火と油のような関係ですが、いったいどのようなものなのでしょう?
目次
ゲーミフィケーションの特徴
「ゲーミフィケーション」とは、勉強や仕事などにゲーム的な要素を盛り込む手法のこと。2010年ごろから普及し始めました。スマートフォンの所持率に伴い、ゲーミフィケーションを用いたアプリも多く開発されるようになったことから、普及が加速。文科省が掲げる「主体的な学び」に効果があるとして、近年教育分野でも大きな注目を集めています。
コロナ禍で一般的になったICT教材にも、ゲーミフィケーションを用いているものは多くあり、例えば下記のような特徴があります。
- ストーリー性やキャラクターの魅力など、没入できる世界観がある
- 問題を段階的に解いていくことで、報酬が与えられる
- レベル、スコア、称号、ランキングなどで、自分の状態が可視化できる
- 仲間と協力し合ったり競い合ったりすることで、所属欲求や承認欲求が満たされる
勉強に取り入れるための3ポイント
ゲーミフィケーションを勉強に取り入れるには、下記の3つがポイントになってきます。現在活用されている多くのICT教材も、これらを取り入れています。
①明確な目標を設定する
ゲームには、敵やボスを倒すなどの「ミッション」があります。勉強でいう「学習の目標」です。もし医者になるという目標がある場合、大目標(医者になる)・中目標(志望校に合格する)・小目標(週に100の単語を覚える)を立てましょう。大目標を実現するためにはどうしたらいいかを考えることで意欲と行動が喚起され、受動的な勉強から能動的な勉強へとスイッチが切り替わります。その課題が子どもにとって適切なレベルかどうか、親や教師がアドバイスすることも大切です。
②適切な報酬を与える
ゲームでは、敵を倒したりステージをクリアしたりするとコインやアイテムなどの「報酬」が得られます。この報酬によって、やる気が継続するのです。勉強する上でも、報酬はとても重要です。問題を解くごとにポイントが得られたり、プレゼントがもらえたりすれば、子どもはそれに向かって勉強を頑張るでしょう。また、子どもが目標を達成したときに、親から褒められたり、教師によるフィードバックがあると、子どもは達成感を感じ、自己肯定感を育むことができます。
③仲間とコミュニケーションをとる
ゲーム同様、勉強でも仲間と競い合ったり助け合ったりすることで、1人で勉強しているという孤独感がなくなり、張り合いが出てきます。例えばランキング形式で学習成果を競い合ったり、ひとつのミッションに協力して取り組んだりすることで、モチベーションが継続されるでしょう。
成長の実感が主体性を育む
ゲームはもともと“ミッション(=課題)クリア”を目的としています。課題をクリアすることで、子ども自身が「できた!」という成長を実感することができ、主体的な学習につながりやすくなるのです。
イッツコムが提供している小中学生向けオンライン学習教材「イッツコムラーニング デキタス」をはじめ、ゲーミフィケーションの要素をふんだんに盛り込んだICT教材は、子どもが自発的に学び、さらに学びを継続させてくれます。教育×ゲーミフィケーションは、今後より発展していくと言えそうです。
転載元:城南進学研究社 教育関係者向けソリューションサイト
(https://edu-biz.johnan.jp/education-info/education/info20220101-7/)