Zoomウェビナーの便利な使い方は?Zoomミーティングと比較解説
目次
Zoom Workplaceの有料ライセンスユーザーは40分制限のないZoomミーティングを主催でき、さらにウェビナーライセンスの割り当てを受けることで、Zoomウェビナーも回数無制限で主催できるようになります。Zoomウェビナーは登壇者と視聴者の役割が明確に分かれるため、顧客向けの説明会やワークショップなどに最適です。
この記事では、ZoomウェビナーとZoomミーティングの違いに加え、ウェビナーならではの便利な活用方法を解説します。ライセンス数や定員の考え方も理解し、有料アカウントをさらに効率的に運用しましょう。
Zoomウェビナーとは?Zoomミーティングとの基本的な違い

Zoom WorkplaceアプリはZoomミーティングの他に、有料版のみZoomウェビナーを利用でき、1つのアプリでWeb会議とウェビナー(オンラインセミナー)を使い分けられます。基本的には、Zoomミーティングはクローズドな会議、Zoomウェビナーはオープンな講演に向いた機能です。利用イメージの違いを以下の表にまとめました。
| Zoomミーティング | Zoomウェビナー | |
|---|---|---|
| 利用条件 | 無料のベーシックユーザーもホスト(主催者)になれる | 有料ライセンスユーザーがウェビナーライセンスの割り当てを受けた場合のみ、ホストになれる |
| システムの利用目的 | Web上にバーチャルな会議室を作り、参加者各自の映像・音声や資料画面などを共有し、非公開の意見交換を行う | Web上にバーチャルなセミナールーム・講堂やスタジオを作り、多様な視聴者へ講演の模様を届け、質疑応答・意見収集も完結させる |
| コミュニケーションのスタイル | ホストと参加者による「顔の見えるコミュニケーション」が基本 | ホストやパネリスト(登壇者)による講演の模様を、出席者が「スタジオ観覧者」のように視聴し、必要に応じて顔出し不可のコミュニケーションを取る |
| 招待・参加方法 | ホストがミーティング参加者を集める | ホストが特定のユーザーに登壇依頼をし、ウェビナーのトピックや講演者情報などを読んだ出席予定者が観覧希望を出す |
| 主な用途 | 求職者との面接、社内会議や1on1ミーティング、オンライン商談やユーザーサポート | 求職者向け説明会や全社集会、講義やワークショップ、潜在顧客向け製品デモや投資家向け説明会 |
ZoomウェビナーとZoomミーティングの詳細な違い

ZoomウェビナーとZoomミーティングは、どちらも無料のZoom Workplaceアプリから使用でき、Zoomウェブポータル(https://zoom.us/ja/signin#/login)から参加者や設定を管理できます。Zoomウェビナーは有料ライセンスユーザーのみ利用できる拡張機能です。ここでは、ZoomウェビナーとZoomミーティングの主な違いを、より詳細に解説します。
Zoomウェビナーは有料ライセンスとアドオン購入が必要
Zoomミーティングはサインインしなくても利用できますが、Zoomウェビナーは有料ライセンスユーザー向けのオプションサービスです。またウェビナーアドオンは出席者定員によってライセンス種別が区別されます。「プロ」「ビジネス」といったZoom Workplace有料プランを契約した上で、出席者定員(500名・1,000名・3,000名など)を選んでウェビナーライセンスを購入する必要があります。
ウェビナーライセンスを割り当てられたユーザーはZoomウェビナーのホスト(主催者)として利用できます。ただし割り当て対象はZoom Workplace有料ライセンスユーザーのみで、無料のベーシックユーザーには割り当てられません。例えば出席者定員500のウェビナーライセンスを組織内で2つ運用する場合、「プロ」などの有料ライセンスも最低2つ購入することが必要です。
【関連記事:Zoom有料版「プロプラン」を利用すべき理由とは?無料版との比較を解説】
Zoomウェビナーは大人数の参加が前提
Zoomミーティングの参加者定員は、ベーシックプランやプロプランでは100名で、大規模ミーティングアドオンを追加すると最大5,000名まで拡張できます。
Zoomウェビナーでは、「出席者」の定員が500名〜1万名です。ホストが招待・承認する参加者は、ビデオ・オーディオ・画面共有が有効なパネリスト(登壇者)と、視聴専用モードの出席者(視聴者)に分かれます。
また、パネリストとしてウェビナーに参加できるユーザーの最大数は、有料アカウントのミーティング定員と同数です。このため、Zoomミーティングで参加できる人数に加えて、ウェビナーライセンスの出席者定員を合わせた、大規模なウェビナーを開催できます。
| 有料プラン種別 | 標準のミーティング参加者定員 | 最大参加人数の例 |
|---|---|---|
| プロプラン | 100名 | 定員500名のウェビナーライセンスが付与された場合、最大でパネリスト100名+出席者500名のウェビナーを主催できる |
| ビジネスプラン | 300名 | 定員1,000名のウェビナーライセンスが付与された場合、最大でパネリスト300名+出席者1,000名のウェビナーを主催できる |
| エンタープライズプラン | 500名 | ・定員500名のウェビナーライセンスが標準付帯のため、最大でパネリスト500名+出席者500名のウェビナーを追加費用なしで主催できる ・定員3,000名のウェビナーライセンスを1つ取得した場合、割り当てられたユーザーのみ最大でパネリスト500名+出席者3,000名のウェビナーを主催できる |
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Zoomウェビナーのカメラ・マイクを操作できるのは主催者側のみ
Zoomウェビナーでは、主催者側と出席者の役割が明確に分かれていることも特徴です。パネリストは、Zoomミーティングにおける参加者と似た権限を持ち、ビデオ・オーディオが標準でオンになり、参加者リストの閲覧や画面共有の開始ができます。
一方の出席者はビデオをオンにできず、オーディオもホスト・共同ホストに許可されなければミュート解除ができません。基本的には視聴に専念し、Q&Aやチャットを使ってホストやパネリストとやりとりします。
さらにホスト・共同ホストは、ウェビナー中にパネリストと出席者の昇格・降格を操作できます。必要に応じて出席者を登壇させたり、パネリストを共同ホストに昇格させて管理権限を付与することも可能です。
Zoomウェビナーを利用するメリット

ウェビナーはリアルなセミナーとは異なり、会場や紙資料を必要としません。またZoomウェビナーに特有の機能により、多数の参加者を効率的に管理でき、簡単な設定で収益化も可能です。ここでは、Zoomウェビナーを利用するメリットを、企業側と視聴者側の視点に分けて解説します。
企業側のメリット
Zoomウェビナーを活用すると、企業は以下のような多くのメリットを享受できます。
- 会場をレンタル・整備する必要がない
- 当日の受付や案内も不要
- 紙資料の印刷や配布も不要
- 会場に依存する参加人数の制限がない
- アンケート調査なども並行して実施できる
- 会社説明会や研修に利用できる
- データを活用して効率的に管理できる
- 全国に同時配信できる
- 簡単な設定で収益化も可能
ウェビナーが大規模になってもコストは変わらないため、大きなコスト削減効果を得られます。また地理的な制限も受けず、収益化も可能です。
視聴者側のメリット
Zoomウェビナーは視聴者側にとってもさまざまなメリットがあります。
- スマホやタブレットから簡単に参加できる
- 全国どこからでも参加できる
- 参加のために身支度・移動・宿泊の必要がない
- 見逃してもオンデマンド配信で復習できる
ウェビナーは時間や場所にとらわれないため、コスト面でメリットがある上、興味のあるセミナーに簡単に参加できます。
Zoomウェビナーを利用するデメリット

Zoomウェビナーには多くのメリットがある一方、いくつかのデメリットもあります。リアルなセミナーとの違いで問題になりやすいのは、通信環境の不備により、配信の遅延や強制切断が起こることです。ここでは、Zoomウェビナーを利用するデメリットを、企業側・視聴者側の視点に分けて解説します。
企業側のデメリット
安定したウェビナー配信には、通信環境の整備が必要不可欠です。Zoomウェビナーはインターネット回線が貧弱だと、遅延や強制切断を起こすこともあります。時間帯によって急激に回線速度が低下するなど、安定性に問題があるインターネット回線も珍しくありません。
またLANケーブルが届かない場所からウェビナーを配信する場合や、スマホやタブレットを配信デバイスとして活用したい場合もあるでしょう。この場合にはWi-Fi環境の整備も必要です。
視聴者側のデメリット
視聴者はいつでも簡単に離席できてしまうため、リアルなセミナーに比べて講演に集中しにくい場合もあります。また通信回線が貧弱だと、遅延や強制切断を起こすケースも少なくありません。
企業はユーザーが講演を快適に視聴できるように、十分な通信環境を整備し、ウェビナーの運営体制を整えることが必須です。
Zoomウェビナーならではの便利な機能

Zoomウェビナーは一般的なウェビナーツールより多機能で、「かゆいところに手が届く」設計です。インターフェースも分かりやすく、簡単な操作で充実したウェビナー運営ができます。ここでは、Zoomウェビナーならではの便利な機能と活用方法を見ていきましょう。
チャットやリアクション機能によるコミュニケーション
一般的なウェビナーツールは出席者とのコミュニケーション手段が限られるため、「講演内容に対する反応が表現しにくい/見えにくい」という問題に悩まされがちです。
Zoomウェビナーはパネリストを有料アカウントのミーティング参加者定員と同数(プロアカウントなら100名、ビジネスアカウントなら300名など)指定でき、一度に49名までのビデオを画面表示できます。パネリストや出席者は「拍手」「いいね」「ハート」などの絵文字を画面右下に飛び出させ、講演者の問いかけに対するリアクションや感情の変化を分かりやすく表現することが可能です。
またウェビナーチャット機能により、パネリストは講演に集中しつつ、複数の共同ホストが同時進行で質疑応答をすることもできます。
属性情報・意見の収集とレポートによる詳細分析
Zoomウェビナーは簡単な操作で出席者の事前登録ページを設定でき、メールアドレスや名前・年齢・性別などの属性情報も収集できます。またウェビナー中のQ&Aや投票とクイズ、ウェビナー終了後のアンケートによる意見収集も可能です。これらの情報はレポートとして確認でき、CSV形式でエクスポートすることもできます。
出席者の参加日時・退出日時・セッションの合計時間、Q&Aの質問時間・回答時間など、詳細な情報を収集してウェビナーの分析が可能です。出席者の属性情報、ウェビナー中のリアルタイムな意見調査、ウェビナー後の情報分析などを組み合わせることで、ウェビナーの満足度向上や施策改善に役立つでしょう。
【関連記事:Zoomアンケート機能の使い方をミーティング・ウェビナー両方解説】
MAやCRMと連携しマーケティングやカスタマーサクセスを促進
Zoomウェビナーは、サードパーティ製のMA(マーケティングオートメーション)ツールやCRM(顧客関係管理システム)と連携できます。
事前登録ページで入力された属性情報や出席済み・欠席などの情報をMAツールに同期させ、サンクスメールやリマインドメールの送信を自動化させることが可能です。
またウェビナーチャットのやりとりやQ&A・終了後アンケートの回答内容などをCRMで管理し、カスタマーサクセスを促進することもできます。
【関連記事:顧客管理の重要性を基礎から理解!現場で役立つおすすめツールも紹介】
事前登録ページやビデオ・壁紙のブランディング設定
Zoomウェビナーは、ウェビナーセッションごとの詳細なブランディング設定もできます。コントロールできる要素は以下のようなものです。
- 招待ページの上部に表示されるバナー
- 事前登録ページのデザインや企業ロゴ
- ビデオの外側に表示される壁紙画像
- パネリストごとのバーチャル背景
- パネリストのビデオに表示される名前タグ
他にもさまざまな要素のブランディング設定ができ、企業イメージやウェビナーの魅力をアピールしやすくなります。
ライブストリーミング配信やオンデマンド配信も自在
ZoomウェビナーはFacebook LiveやYouTube Liveでウェビナーをライブストリーミング配信できます。設定方法は、Zoomウェブポータルにサインインし、詳細設定画面で[ウェビナーのライブストリームを許可する] を有効化するだけです。
ウェビナーライセンスによって出席者数の上限は異なりますが、定員に達しても、ユーザーは外部SNSからウェビナーを視聴できます。ライブストリーミング配信の視聴者はチャットやQ&Aなどのコミュニケーション機能は利用できないものの、より多くのユーザーにリーチできるでしょう。
定時に参加できない出席者や、講演内容を復習したい出席者についても、オンデマンド配信を設定しておけば対応可能です。[レコーディング]設定でオンデマンド配信を有効化すると、ウェビナーをZoomクラウドに自動的に記録し、ウェビナー中またはウェビナー後の任意のタイミングで講演の模様を視聴できます。
Zoomウェビナーの使い方や参加方法

Zoomウェビナーを活用するためには、使い方やセミナーを行う流れを把握しておく必要があります。Zoomミーティングとは異なる点もあるので、Zoomウェビナーの利用を検討している方は事前にしっかりと確認しておきましょう。
【関連記事:もう迷わないZoomウェビナーの使い方!設定や便利機能を詳しく解説】
1.スケジュール予約
Zoomウェビナーは、まずウェビナーを行う日時を決定してスケジュールの予約を行います。Zoomミーティングと異なり、その場ですぐに開催はできないので注意が必要です。定期開催の場合は、期間の設定もできるようになっています。
2.パネリストを招待
スケジュールの予約ができたら、講演者となるパネリストを招待します。招待状タブ内からパネリストの項目を編集し、名前とメールアドレスを登録することで招待可能です。専用のURLが発行されるので、間違えないように注意しましょう。
3.出席者の招待
出席者にも、ウェビナー参加用のURLを共有します。出席者は共有されたURLにアクセスし、必要に応じて表示名などを登録するだけでウェビナーに参加が可能です。出席者にZoomのアカウント登録を求めるかどうかも設定できます。
【関連記事:Zoomのウェビナー登録とは?設定手順やカスタマイズ方法を解説】
Zoomウェビナーの導入は初めての運用も安心なイッツコムにお任せ

Zoomウェビナーは、一般的なウェビナーツールより多機能かつ使いやすく、ウェビナー運用のさまざまなニーズに柔軟に対応できます。Zoomミーティングと同じくZoomアプリで利用できますが、ウェビナーのホストには有料ライセンスおよびウェビナーライセンスの割り当てが必要です。
ライセンスの割り当てが必要なのはホストのみで、その他のユーザーは無料ライセンスで問題ありません。プロ以上のライセンスを取得した上で、500名以上のウェビナーアドオンを購入しましょう。
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【関連記事:Zoomの法人契約は代理店経由ですべき?有料プランの選び方を解説】
まとめ

Zoomウェビナーは、登壇者・視聴者の役割が明確に分かれた大規模な講演を主催でき、顧客向けの説明会やワークショップなどに最適です。出席者定員はホストに割り当てるウェビナーライセンスによって変わり、有料アカウントの種別によってパネリストの最大人数や利用可能な管理機能などが変わります。
イッツコムはZoom Workplaceの有料プランやウェビナーアドオンの他、高性能Webカメラや通信サービスなど、ウェビナー運用に必要な環境を総合的に提供しています。Zoomウェビナーの本格活用をお考えなら、ニーズに応じた運用方法を柔軟にサポートできるイッツコムにご相談ください。
