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Zoomでオンライン研修を実施するコツとは?メリットや活用方法を解説

Web会議ツールのひとつである「Zoom」を使い、オンライン研修が実施される機会が増えています。Web会議ツールの利用が一般的になった昨今、「Zoomで効果的な研修を行う方法を知りたい」と考える方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、オンライン研修に役立つZoomの機能や質の高いオンライン研修実施のコツについて解説します。注意点や問題点もあわせて紹介しますので、Zoomでのオンライン研修に対しての不安を減らすこともできるでしょう。

常識化する研修のオンライン化

社会のデジタル化やコロナ禍の影響を受け、いまや研修のオンライン化は常識といえる状況です。HR総研が2021年11月末に発表した統計情報によると、ほぼ全てのテーマ別研修において、2021年の研修オンライン化率は2020年に比べて大幅に増加しています。特にオンライン化率が高いテーマ別研修3項目の変化は以下の通りです。

・ダイバーシティ研修95%(48ポイント増加)
・個人情報関連研修80%(37ポイント増加)
・コンプライアンス研修79%(35ポイント増加)

またコロナ禍の影響で出社率が低下している企業は増えていますが、出社率が低い企業ほど、Zoomなどを用いた研修のオンライン化が常識化しています。研修実施率の高いテーマ10項目の平均オンライン化率は、出社率70%以上の企業でも60%、出社率30%未満の企業では86%にも上るほどです。

参考: 『HR総研:人材育成(テーマ別研修)に関する調査 結果報告』

オンライン研修にZoomが使われるワケ


Web会議ツールには、Zoomの他にも「Skype」や「ハングアウト」、「Whereby」などのツールがあります。オンライン研修を行う際に、どのWeb会議ツールを利用しようか迷っている方もいるでしょう。

多様なWeb会議ツールの中でも、特に利用者の多いのがZoom です。では、なぜオンライン研修にZoomが選ばれるのでしょうか。ここからはZoomがオンライン研修に向いている理由について見ていきましょう。

参加者はアカウントなしでも利用可能

Zoomでは、オンライン研修の主催者側がアカウントを取得していれば、他の参加者はアカウントなしで利用することが可能です。そのため、参加者はZoomに氏名やメールアドレスといった個人情報を登録することなく、オンライン研修へ参加できます。

パソコンやスマートフォンへアプリ版Zoomをインストールしておくと参加がスムーズです。しかし、ブラウザからも参加ができる方法もあります。その際は、アカウントを持つ主催者が設定をする必要があります。

研修に便利な機能を搭載

Zoomには、オンライン研修に便利な機能が搭載されています。これまで大規模な研修を行う場合、会場の手配や出欠の確認など、主催者側の負担はとても大きなものでした。Zoom を活用すれば、会場の準備の時間や人件費をかけていた研修の負担を減らせます。

なお、無料版のZoom では、オンライン研修へ参加できるのは主催者側も含めて最大100名になります。それ以上の大規模なオンライン研修を行いたい場合は、有料版のZoom への登録が必要です。

データ通信量が少ない

Zoomは他のWeb会議ツールよりデータ通信量が少ないため、通信の遅延リスクが少なく済みます。Zoom のビデオ通話では、1分あたり3.3MB~5MB、1時間あたりでは200MB~300MBほどの通信量になります。リモートで使用することが多いオンライン研修においてアクセス環境を整えるのが難しい場合でも、通信量の少ないZoomではスムーズな通話が可能です。

オンライン研修に役立つZoom の便利機能


「Zoom 飲み会」や「Zoom 同窓会」という言葉も聞かれ、Zoom は複数人とオンラインで会話をするツールだとイメージしている方も多いでしょう。Zoomは複数人で会話をする他にも役立つ、さまざまなニーズに合わせた機能を持っています。こちらでは、オンライン研修で活用できる「画面共有」や「録音・録画」などの機能を紹介します。

グループワークに役立つ「ブレイクアウトルーム」機能

Zoomには、グループワークに最適な「ブレイクアウトルーム」という機能があります。これは、Zoomでのミーティングを最大で50のセッションに分割できる機能です。

オンライン研修の主催者は、参加者を別々のセッションに分けてグループワークに取り組ませられます。それぞれのセッションへの割り振りは、自動でも手動でも行うことが可能です。また、セッションはオンライン研修中であってもメンバーに切り替えられます。

参加者の手間を省く「画面共有」機能

Zoomでは、PowerPointやPDFファイル、ビデオ映像を共有できます。パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレット間で共有することも可能です。

自分の画面を共有して説明したり、参加者の画面を共有したりして意見を述べられるため、事前に資料を配布しなくともスムーズにオンライン研修を進められるでしょう。

自由に書き込める「ホワイトボード」機能

Zoomには、主催者と参加者が自由に書き込める「ホワイトボード」という機能が搭載されています。「画面共有」機能からホワイトボードを選択すると、ホワイトボード機能を使うことが可能です。

ホワイトボード機能を使えば、共有した画面にテキスト入力をしたり、線を描いたりできます。言葉だけでは伝えにくいときやアイデア出しの際に、活用できるでしょう。

発表内容を記録する「録音・録画」機能

Zoomでは、オンライン研修の内容を録音・録画が可能です。録音・録画データの保存方法には個々のパソコンに保存する「ローカル記録」と有料アカウントに付与されるクラウドを使用する「クラウド記録」の2つがあり、ローカル記録であれば無料版のZoomでも利用できます。

またパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでも利用が可能です。研修の内容を録音・録画しておけば、発表の内容などを確認し直したいときにいつでも確認できます。

質問内容を見逃さない「チャット」機能

「チャット」機能を使えば、オンライン研修中にテキストメッセージのやりとりが可能です。あて先に「全員」を選択すると参加者全員へ一斉にメッセージが送信できます。送信したい人を選択し、個別にメッセージを送ることも可能です。画面の下部にある吹き出しマークを選べば、通常のチャット感覚で使えます。

オンライン研修時は、参加者からの質問をチャット機能で受け付けるのがおすすめです。テキストで内容を把握することで、質問の見逃しを防げます。

Zoomを利用したオンライン研修の注意点

Zoomの便利な機能を活用すれば、リアルな場所での研修よりも負担が少なく実施できるのがZoom利用のオンライン研修のメリットです。しかし、オンラインということでセキュリティ面など に不安を抱く方もいるのではないでしょうか。

オンライン研修を行う際には、注意しなければならない点もあります。ここからは、主催者側の注意点や、時間配分の意識について解説します。

パスコード設定をする

全てのミーティングルームには9桁~11桁のミーティングIDが割り当てられており、パスコードを設定していなければミーティングIDを知っているユーザーなら誰でもミーティングに参加できてしまいます。

実際にパスコードを設定せずに部外者が乱入した事例は多いため、推定されにくいパスコードを設定の上、研修参加者だけが知り得る方法で共有しましょう。

各機能の利用範囲を決めておく

Zoomでオンライン研修を実施する際は、各機能の利用範囲を決めておきましょう。Zoomを使い慣れていない参加者がいる場合でも、誤った操作によるトラブルを防げます。

主催者側の「設定」画面にて参加者が利用できる権限を選びましょう。画面共有やホワイトボードなどの機能を参加者にも使えるようにするのかどうかは、事前に決めておく必要があります。オンライン研修の内容に合わせて、あらかじめ参加者に必要な権限を設定しておくのがおすすめです。

オペレーターを用意しておく

オンライン研修をスムーズに進行し、限られた研修時間を有効に使うためにも、話し手や進行係とは別に資料の共有などシステムを操作するオペレーターを配置しておくと心配がありません。

オペレーターは、進行を円滑にサポートしてもらえるようZoomのシステムに詳しい人へ依頼するとよいでしょう。万が一、オンライン研修中にシステムのトラブルが発生した場合でも集中して対処してもらえます。最低でも話し手とオペレーターの2名は人員を確保しておくことがおすすめです。

集中力が切れない時間配分を行う

オンライン研修は、会議室などで実施する研修と比べて他のことに意識が向いてしまい、参加者の集中力を維持しにくい傾向があります。また、モニター越しでの研修なので、目への負担や、電子音による耳への負担が大きいことにも配慮しましょう。

研修の内容を検討し、従来の研修よりも短い時間でまとめるのが無難です。休憩時間はこまめにとるなど時間配分に注意し、長くなる場合は50分~60分に1回、10分ほどの休憩をとるようにします。

内容によって参加者は顔出しに

Zoomミーティングの参加者は仮想的に場を共有し、主に発話・表情・ボディランゲージでコミュニケーションをとります。特にルール化されていなければ参加者は自身のビデオを自由にオフにできますが、他の参加者からすれば「顔は見えず声だけが聞こえる」参加者がいる状況です。

これは視聴がメインの研修なら問題になりませんが、参加者間の活発な討論が求められるような研修の場合、参加者の顔出しを義務付けましょう。

Zoomでオンライン研修を実施する2つの方法

Zoomを使うときにはほとんどの場合「Zoomミーティング」機能を利用しています。有料アカウントの場合はZoomミーティングに加えて「Zoomビデオウェビナー」機能を利用可能です。

どちらもZoomアプリで利用できる機能ですが、Zoomビデオミーティングはウェビナー(オンラインセミナー)を想定した機能で、研修の内容によってはZoomミーティングより便利に活用できます。

Zoomミーティング

Zoomのミーティング機能を使ったオンライン研修は、ブレイクアウトルームを使ったグループ分けに対応することが大きな利点です。参加者全員がビデオ・音声をオンにできるため、インタラクティブな研修に向いています。

ただし無料版Zoomの参加者上限は100名までで、グループミーティングの40分制限がある上、共同ホスト機能を利用できません。100名超が参加するオンライン研修や40分超のオンライン研修、複数のブレイクアウトセッションの管理に対応するなら、ホストは有料アカウント登録が必要です。

Zoomビデオウェビナー

Zoomビデオウェビナーは、有料アカウントを登録した上でウェビナーアドオンを購入すると利用できる、Zoomアプリでウェビナーを開催できる機能です。Zoomミーティングとは異なり一般参加者のビデオ・音声は常にオフなので、「講師 対 受講者」と明確に区別された研修に対応できます。

ブレイクアウトルーム機能は利用できませんが、講義と並行して挙手機能・チャット機能・Q&A機能などで質疑応答ができ、アンケート機能によるレポート収集も可能です。また一般参加者をビデオ・音声をオンにできる「パネリスト」に昇格させられるため、「挙手した受講者にスポットライトを当てた質疑応答」にも対応できます。

Zoomで質の高いオンライン研修を実施するポイント

Zoomを利用して研修を行う際の主催者側が感じやすいデメリットには、画面越しのため参加者のリアクションが読み取りにくいことが挙げられます。また、参加者の環境によっては集中力が持続しにくいこともデメリットです。こちらでは、オンライン研修のデメリットを踏まえた上で、質の高い研修を実施するコツについて解説します。

トークは簡潔に

参加者の集中力を維持させるためにもトークは短く、話す内容も簡潔にするとよいでしょう。リアルな場所での研修よりも、話すスピードは1.5倍速くらいを意識します。

参加者の中には、集中力を維持することが苦手な人もいるかもしれません。主催者がゆっくり話してしまうと、参加者の集中力は切れやすくなります。

意識的に話す速度を上げることで、集中していないと聞き取れない状況を作るのもひとつの手です。話す内容も1テーマにつき10分~15分と短く区切り、緩急をつけると参加者が集中力を維持しやすくなります。

拍手や「いいね」機能で場を盛り上げる

オンライン研修を実施したことがある方は、「参加者の反応が読み取りにくい」と困った経験があるかもしれません。リアルな場所での研修と比べて、参加者が聞いているのか聞いていないのか、読み取りにくいことは事実です。

Zoomには、これを補うためのコミュニケーション機能が搭載されています。「拍手」や「いいね」「手を挙げる」といったボタンを押すことで参加者がリアクションをとることが可能です。これらの機能を使うことで、参加者と双方向のコミュニケーションが実現するでしょう。

休憩後の切り替えタイムを設ける

参加者によっては集中力を維持しにくいため、オンライン研修には適宜休憩を挟みましょう。休憩が終わった際には、参加者全員で行える「切り替えタイム」を設けることをおすすめします。

人は動作によって意識を切り替えられる作用を得るため「全員で一斉に声を出して挨拶をする」「簡単なストレッチをする」といった共通の動作を行ってみましょう。参加者は休憩中に自分の置かれている環境に意識が戻ってしまうので、共同の動作を入れることは再度意識を研修に戻す効果が期待できます。

有料アカウント登録をする

無料版Zoomにはグループミーティングの40分制限など複数の機能制限がありますが、有料版Zoomなら最大30時間まで利用できる上、共同ホスト機能も利用できます。大規模ミーティングアドオンを購入すれば、最大200名の参加者をブレイクアウトルームに事前割り当てでき、またブレイクアウトルームが20室なら最大500名まで参加可能です。

有料アカウント登録をすれば、ウェビナーアドオンの購入によりZoomビデオウェビナーも利用できるため、オンライン研修の幅が大きく広がります。

使いやすいクラウドストレージと連携する

オンライン研修のテーマは多彩で、またZoomによるオンライン研修では画面共有機能を多用します。クラウドストレージ内のファイルも画面共有できますが、ここで押さえておきたいのは、さまざまな研修資料を管理しやすいサービスを選ぶことです。

サービスによって保存容量の上限やアクセス権限・バージョン管理の仕様、セキュリティレベルなどに違いがあります。安全かつ効率的に研修資料を一元管理でき、ホストが変わっても同じプラットフォームを利用できるような、オンライン研修の生産性向上に向いたサービスを選びましょう。

参加者のセキュリティ対策と通信環境整備

オンライン研修の参加者は自宅やコワーキングスペースなど、さまざまな場所からZoomのミーティングセッションにアクセスし、また研修資料をダウンロードする場合もあります。ここで注意したいのは、企業側が管理できないネットワークを利用することによる、情報漏えいや不正アクセスのリスクです。

そこでVPN環境を構築し、通信経路のセキュリティレベルを高めることが求められます。参加者の通信環境が貧弱で遅延や強制切断が発生し、研修の理解度に支障をきたす場合もあるので、参加者の通信環境整備も検討しましょう。

Zoomをオンライン研修に最大限活用するならイッツコム!


有料版ZoomはZoomミーティング・Zoomビデオミーティングの両方を利用できるので、研修の内容や規模によって機能を使い分けられるのは大きな利点です。

イッツコムは日本語サポート込みの有料版Zoomの他、Zoomと連携できる容量無制限のクラウドストレージ「Box」を提供しています。

オンライン研修の生産性向上には有料版Zoom

Zoomは国内で圧倒的シェアを誇るWeb会議システムで、オンライン研修にもよく利用されます。操作性やインターフェースはシンプルなので誰でも使いやすい上、研修の参加者にはアカウント取得が必要ありません。

有料アカウントを取得すればグループミーティングの時間制限がなくなり、共同ホスト機能も利用できるため、ブレイクアウトルーム機能を最大限に活用できます。さらにウェビナーアドオンを購入すればZoomビデオウェビナーも利用でき、視聴がメインのオンライン研修にも最適です。

Zoomミーティングのブレイクアウトルーム機能やZoomビデオウェビナー機能は研修以外にもさまざまな活用方法があるので、テレワークのコミュニケーション関連の課題解決にも大いに役立ちます。

研修資料の効率的な一元管理には Box

Zoomによるオンライン研修にはクラウドストレージと連携した画面共有が大きな効果を発揮します。法人向けに開発された「Box」は容量無制限のクラウドストレージとして活用できる他、タスクやプロジェクトまで一元管理でき、コンテンツマネジメントのプラットフォームとして最適です。

米国政府が採用するほど高セキュアであることも魅力で、あらゆるコンテンツをわずかな月額料金で安全にクラウド管理できます。ファイルのオンライン共同編集にも対応し、編集したファイルは最大無制限のバージョン履歴 を自動的に保存するため、ファイルの乱立を防いでコラボレーションを活性化できるのも利点です。

まとめ

Zoomには、オンライン研修を実施するにあたり便利な機能が搭載されています。しかし、事前に主催者がどのように機能を活用するかイメージしておかなければ、質の高い研修にはつながりません。また研修時間を有効活用するためには、時間配分を決めておくことや、オペレーターの人員を確保しておくことが大切です。

Zoomを導入してオンライン研修を実施するなど業務に役立てる場合、付帯するニーズに応えられる環境が構築できると、大きな効果を得られるでしょう。Zoomの有効活用とリモートワークにおける円滑な業務遂行の最善方法を知りたい方は、ぜひイッツコムへお問い合わせください。