デジタルサイネージのディスプレイにおいて知っておきたい違いとポイント
目次
最近では『デジタルサイネージ』という言葉をよく聞くようになりましたが、デジタルサイネージとは一体なんなのでしょうか。また、日本語に直すと電子看板や電子広告と言ったりしますが、よくあるディスプレイとどう違うのでしょうか。
街中で急速に普及しているデジタルサイネージですが、もし導入するとしたら導入後に表示する情報はどんなものが良いのか。そして気になる設置費用やディスプレイサイズの違いなどをご紹介します。
デジタルサイネージのディスプレイとテレビの違い
はじめに、デジタルサイネージに使われるディスプレイとテレビは一体どのような違いがあるのでしょうか。一番の大きな違いは、屋外で使えるかどうかです。
テレビのディスプレイは、屋外での雨などの水滴や風、衝撃などに弱く耐久面に難ありです。また、直射日光にも弱いことから、晴れた日でも外に置くのも困難でしょう。
その点デジタルサイネージは、強化ガラスを使っていることから耐久性が強く防水効果が強いのが特徴です。また直射日光にも強いので、晴れた日も雨の日もオールマイティーに使うことができます。
さらにデジタルサイネージは、高輝度のディスプレイが使われていることから画面が光に反射しにくく、光が強い場所でも画面が見えやすくなっています。そしてコントラストや、色調なども設定することができます。
デジタルサイネージのディスプレイを設置するポイント
デジタルサイネージを導入するにあたって、いくつか設置のポイントを事前に押さえておきましょう。大事なポイントとしては、サイズや表示する情報などありますが、ここでは5つのポイントを順番にご紹介していきます。
屋内に設置するか屋外に設置するか
デジタルサイネージには屋内用、屋外用とタイプが分かれており、どちらに置くのかを明確にしておくことがポイントです。
屋外用のデジタルサイネージは高輝度の物が多いので、屋内に置いてしまうと眩しすぎてかえって見えづらくなる問題が発生します。反対に屋外に屋内用のデジタルサイネージを置けば、輝度が低く外の光の明るさに比べ画面が暗く見えにくいといった問題が発生します。
屋内用は屋外用と比べて、低コストなので屋外にも置きたくなりますが、防水性や耐久性が少々低いという欠点があります。そのため、導入前に屋内に設置するのか、屋外に設置するのかは大切なポイントになりますので、しっかりと事前に設置場所を明確にしておきましょう。
ディスプレイのサイズ
現在多くの店舗で使われている縦横比は、16:9のワイドサイズと呼ばれるものです。その中でも人気のサイズは以下の通りです。
32型(インチ)…70.84cm×39.85cm
42型(インチ)…92.98cm×52.3cm
46型(インチ)…101.83cm×57.28cm
55型(インチ)…121.76cm×68.49cm
75型(インチ)…166.04cm×93.39cm
75型(インチ)ほどの大きさになると、一般的な女性の平均身長も超えるほどの高さになります。46型(インチ)、55型(インチ)あたりの大きさは街中でもよく使われています。
個人経営のお店などは少し小さいものが主流で、32型(インチ)や42型(インチ)を設置している店舗が多いです。
何台導入するか
ポイントの3つ目として、ディスプレイを何台導入するかを考える必要があります。1台であればコスト的には申し分ないですが、人の目を引く力はあまりないでしょう。
反対に複数置くのであれば全て同じ映像を流すことや、1台1台別の映像や動作をさせることでインパクトを持たせることもできます。しかしその分、CMS(Contents management system)サービスでコントロールしなければいけないことから、安易に導入できません。
表示する情報
次にどういった情報を表示するか、よく考えましょう。
デジタルサイネージには、静止画や動画、Webなどの情報を表示することができます。どのような場所で、どんな目的のものを表示するかによって静止画、動画、Webのどれを選ぶかが変わってきます。
設置費用
最後のポイントは設置費用です。
まずディスプレイですが、大きさによりますが屋内用であれば10~40万円程度必要になります。屋外用であれば、40~80万円程度と倍近くの値段になってきます。ディスプレイ購入後は、電気代もかかってくるのでランニングコストの良いものを選ぶと良いでしょう。
デジタルサイネージを設置しコンテンツを再生するには、STB(Set Top Box)と呼ばれる、再生プレーヤーも必要になってきます。予算は1台8万円~こだわった機能が備わっているものであれば20万円を超えるものもあります。
さらにCMSと呼ばれる、プレーヤーの動作確認などをしてくれるシステムも必要になってきます。こちらは月額制で4,000円~10,000円程度です。
そして最後に見落としがちですが、コンテンツの作成を代行してもらうのであれば、その代行代金も頭に入れておかなければなりません。
デジタルサイネージのディスプレイを最大限活かすポイント
デジタルサイネージの導入を決めたのであれば、せっかくなのでディスプレイで表示している映像を最大限に活かしていきましょう。
基本的なことから、緊急時の対応まで1つずつポイントをまとめてみました。
目を引く映像を表示すること
ディスプレイを最大限活かすポイントとしては、やはり目を引く映像を表示することが大切です。デジタルサイネージは、雰囲気によってコントラストや色調を変更できるだけではなく、横向きを縦向きにできるなどディスプレイのカスタムも自由にできます。
色鮮やかな色彩にするもよし、話題のアイテムや女優さんを映像に組み込むもよし、道行く人の目を引く映像を使用するよう心がけましょう。
動線を意識
デジタルサイネージを設置するにあたって、動線や人の目に入るまでの距離を意識することも大切になってきます。人がディスプレイを見る距離としては、4~5mが目安とされています。
4~5m離れた距離にいる人に、ディスプレイで表示してある文字の情報を伝えるには文字高が15〜20mm以上の文字の大きさが必要になります。あまりに小さな文字で表示しても、道行く人の目にも止まりませんし、伝えたい情報も伝えることができないので注意しましょう。
設置する目的を明確にすること
設置するにあたって、どのような目的で設置しているのかをよく考えましょう。
道行く人がデジタルサイネージのディスプレイを見る時間は、およそ1秒程度と言われています。そんな中あれもこれもと詰め込みすぎた映像を流すよりも、見出しやタイトルを使って目的を明確に伝える方がユーザーには魅力的に見えます。
一目で伝えたいことが理解できる見出しやタイトルだけで、最初のポイントでもある『目を引く映像の表示』もできて一石二鳥です。
コンテンツの更新
デジタルサイネージのディスプレイは、随時更新をしていきましょう。
道路を道行く人のほとんどは、その道を毎日通る人です。毎日通る人に同じ情報を、毎回表示していても意味がありません。情報は古くなるので、常に最新の情報を表示しておくことを心がけましょう。
また朝と夜は違う情報を流したり曜日ごとに違う情報を流したりと工夫して表示するのも有効です。
企画力の有無
企画力があるかどうかも、費用対効果を得るために重要になってきます。「他店よりも当店の方が安い」や、今月は新たにキャンペーン企画をするなどデジタルサイネージで広告することは有効です。
デジタルサイネージのコンテンツと企画の更新を同時に行い、常にフレッシュな情報を提供できるようにしておきましょう。
緊急時に対応すること
災害などの際に正確な情報を提供できるかも、大きなポイントになります。地震や台風など予期しない災害が起こった場合に、早急に正確な情報を提供しているデジタルサイネージがあれば道行く人にとって、非常に助かる情報ツールになります。
災害時はネットや電話などが繋がりにくくなることから、パニックになることが予想されます。普段から緊急時にはデジタルサイネージにどのような対応をさせるのか、考えておきましょう。
デジタルサイネージのディスプレイに関して専門業者と話すのが大事
デジタルサイネージのディスプレイに関しては、やはり業者と相談して導入を決めるのが大切です。
イッツ・コミュニケーションズ株式会社(イッツコム)は、東急グループの商業施設「渋谷スクランブルスクエア」に設置されているデジタルサイネージを運用しています。デジタルサイネージの技術に関しては、各方面から高い評価を受けています。
デジタルサイネージの分野では商業施設に力を入れているので、商業関係のデジタルサイネージの導入を考えている方はぜひ一度お気軽にご相談ください。
まとめ
デジタルサイネージを選ぶにあたって大切なことは、どこに置くのか、どういった情報を表示し何台導入するのかなど様々なポイントがありました。また導入後も、目を惹く映像や情報の更新を怠ることの無いようにしましょう。
そしてデジタルサイネージはまだまだ新しいアイテムでもあり、最近では4K、8Kの映像を映し出せるものも発売されています。分からないことや詳しいことはネットで調べるよりも、業者に相談する方が早くて正確な情報を得ることができますので、困った事があれば専門業者に相談しましょう。