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デジタルサイネージのネットワーク型とは何か?他の型との違いも解説

デジタルサイネージのサイネージ(signage)という英語は「記号、看板、標識」などの意味があります。そのためデジタルサイネージは日本語では「電子看板」「デジタル看板」とも呼ばれます。

デジタルサイネージはポスターなどの紙媒体に代わる情報宣伝媒体として利用されており、画像や動画を組み合わせたデジタルコンテンツをディスプレイに映し出し宣伝やお知らせを配信します。デジタルサイネージの導入方法は主に3つの種類があります。

この記事では、その中のひとつであるネットワーク型について説明します。また他の2つの型と比較した場合の導入のメリット・デメリットについても触れていきます。デジタルサイネージの導入を前向きに検討するきっかけにしてください。

デジタルサイネージのネットワーク型とは何か?

デジタルサイネージのネットワーク型とは何か?

デジタルサイネージのネットワーク型とは、インターネットに接続されて通信機能を持ったデジタルサイネージのことです。

ネットワークに接続されているので、ディスプレイの設置場所に行かなくても遠隔地やネットワークセンターからコンテンツやメニューの入れ替えが簡単に行えます。

またネットワークでつながっている複数台のディスプレイを一括で管理できる便利さも備えています。

概要について

ネットワーク型の配信方法と導入に必要な設備について説明します。配信方法は次の手順になります。

①管理用パソコン(デジタルサイネージを管理するソフトが入ったもの)からクラウド上にコンテンツをアップロード
②クラウドサーバを経由してSTB(セットトップボックス)という端末機器がコンテンツを受信
③STBからディスプレイにコンテンツを表示

ネットワーク型導入に必要な機器の概要は以下の通りです。
・STB(ネットワークからコンテンツを受信し、ディスプレイに映し出すための端末機器)
・パソコン
・インターネット環境
・ディスプレイ
・ディスプレイスタンド(設置場所や設置方法により必要であれば)

メリットについて

デジタルサイネージのネットワーク型を導入することで以下の5つのメリットが生まれます。
①遠隔地からコンテンツを更新できる
②複数台のディスプレイを一括管理できる
③コンテンツの再生スケジュールを設定できる
④特別な情報が配信できる
⑤ディスプレイごとに個別の情報も配信できる

①遠隔地からコンテンツを更新できる

ネットワーク型のデジタルサイネージは、ディスプレイの設置場所にわざわざ行かなくても、管理用のパソコンを使いコンテンツの更新ができます。ネット環境さえあれば出張先などからでもコンテンツの管理ができます。

なおスタンドアロン型の場合、コンテンツの更新には運用担当者がディスプレイの設置場所まで行って作業を行います。ディスプレイの設置場所が遠い場合、運用担当者の負担は大きくなります。

しかし、ネットワーク型の場合、コンテンツの更新のために運用担当者がわざわざディスプレイの設置場所に行く必要がないので運用担当者の負担が軽減されます。

②複数台のディスプレイを一括管理できる

スタンドアロン型が複数のディスプレイを管理している場合、コンテンツの更新などのためには、配信開始時間を合わせるために何人もの運用担当者が各ディスプレイに向かいコンテンツを入れ替える作業をしなければなりません。

しかし、ネットワーク型であれば、複数のディスプレイを一括管理できるので、コンテンツの更新のためにたくさんの人員やUSBなどの記憶媒体を用意する必要はありません。

③コンテンツの再生スケジュールを設定できる

ネットワーク型では管理用パソコンからすべてのディスプレイに対し再生スケジュールの予約切り替えが行えます。スタンドアロン型の場合、切り替え時間に合わせて運用担当者がディスプレイの設置場所で作業する必要がありましたが、ネットワーク型を導入すればそうした作業の手間が省けます。

④特別な情報が配信できる

ネットワーク型では緊急情報のテロップ、ニュース、天気予報などのコンテンツも配信可能です。

⑤ディスプレイごとに個別のコンテンツも配信できる

ネットワーク型のデジタルサイネージでは各ディスプレイの稼働状況の確認が可能です。さらに設置場所の温度や湿度、売上情報などを連動させ、ディスプレイごとに個別のコンテンツ配信ができます。

まとめてみるとネットワーク型のデジタルサイネージは、運用のための人員や時間を節約できるというメリットがあります。遠隔地にデジタルサイネージを設置したい、複数台のデジタルサイネージを設置したい、すでにスタンドアロン型のデジタルサイネージを複数台運用しているといった企業におすすめです。

デメリットについて

デジタルサイネージのネットワーク型とスタンドアロン型を比較した場合、ネットワーク型の方がコストは高くなるというデメリットがあります。

ネットワーク型では、導入のために管理用のパソコンを用意する必要があります。さらに自前でシステムを構築するのは難しいですから、クラウドサービスを利用してコンテンツの更新や管理などを行ないます。そのための通信費やクラウドサービス利用料がランニングコストとしてかかります。

デジタルサイネージのスタンドアロン型とは何か?

デジタルサイネージのスタンドアロン型とは何か?
先ほど紹介したネットワーク型がインターネットに接続されたデジタルサイネージでしたが、スタンドアロン型はインターネットに接続されておらず、コンテンツを保存したUSBやSDカードなどをディスプレイに挿入しコンテンツの配信を行います。

概要について

スタンドアロン型はディスプレイと記憶媒体があれば簡単に導入・運用ができます。ディスプレイスタンドを利用すれば設置も簡単で移動も可能です。

デジタルサイネージのスタンドアロン型には以下の機器が必要です。
・USBメモリやSDカードなどの記憶媒体
・ディスプレイ
・ディスプレイスタンド(設置場所や設置方法により必要であれば)

メリットについて

スタンドアロン型には導入・運用が簡単にできるというメリットがあります。

コンテンツの内容が複雑なものでなければ自社で作成することも可能です。訴求力の高いコンテンツを配信したければコンテンツ制作のみを専門業者に依頼し、運用は自分たちで行なうという選択肢もあります。

さらにスタンドアロン型とネットワーク型を比較すると、管理用のパソコン、ネットワークのための通信費、クラウドサービス利用料が発生しないのでコストが安いというメリットもあります。

デメリットについて

遠隔地にディスプレイがある場合、コンテンツの更新などのためにそこまで運用担当者が行かなければならないというデメリットが生じます。さらに、ディスプレイが複数台ある場合、コンテンツを更新し再生時間を合わせるためには、複数名の運用担当者が各ディスプレイに対して作業を行なわなければならないというデメリットが生じます。

スタンドアロン型のメリット・デメリットをまとめてみると、スタンドアロン型は、必要なディスプレイの台数が少ない、頻繁にコンテンツを更新しないといった企業におすすめです。

デジタルサイネージのインタラクティブ型とは何か?

デジタルサイネージのインタラクティブ型とは何か?
インタラクティブ型(双方向型)のデジタルサイネージはネットワークに接続されており、タッチパネル機能、人の動きを検知するモーションセンサー機能を備えています。ユーザーに対しコンテンツを配信するだけでなく、ユーザーがタッチパネル機能などを活用し情報収集することが可能です。

広告やお知らせを伝えるという電子看板が進歩し、ユーザーが必要とする情報を入手できるという双方向の利用を可能にしたのがインタラクティブ型のデジタルサイネージです。

概要について

インタラクティブ型デジタルサイネージも、ネットワーク型と同じようにインターネットを介してネットワークに接続しています。コンテンツの配信、切り替えなども管理センターから遠隔操作で行えます。タッチパネル機能を備えているデジタルサイネージであれば、ユーザーは館内施設、交通案内などの情報を表示させ案内板のような形で利用できます。

カメラやセンサーでユーザーの性別、年代などを認識し、データに基づいてそのユーザーに最適と思われる宣伝を配信するという機能を備えたインタラクティブ型もあります。

コンテンツはネットワークを介して取得するなら負担がかかるので、各端末が保持しています。しかしネットワークには接続されているので、複数のデジタルサイネージのコンテンツを一括で更新することなどができます。

メリットについて

インタラクティブ型デジタルサイネージは様々な機能を搭載しているというメリットがあります。

例えば、空港などの大型施設でのフライト案内、レストランやラウンジなどの館内施設の案内などの機能です。外国人観光客などに対応するために多言語表記に対応したインタラクティブ型のデジタルサイネージもあります。さらに、カメラやセンサーなどでユーザーを認識、分析し、最適と思われる広告を表示させることができるので、ユーザーからの視認度が高いというメリットもあります。

デメリットについて

インタラクティブ型とネットワーク型のデジタルサイネージを比較した場合、インタラクティブ型の方がコストがかかるというデメリットがあります。

管理用のパソコン、ネットワークのための通信費、運用のためにクラウドサービスを利用するならクラウドサービス利用料がコストとしてかかります。これらはネットワーク型のデジタルサイネージでも同じように必要なコストですが、インタラクティブ型を導入する場合、タッチパネル機能やセンサー機能を備えた特殊なディスプレイを用意しなければなりません。

インタラクティブ型にはネットワーク型よりも導入や運用にコストがかかるというデメリットがあります。

デジタルサイネージを導入する場合どの型がおすすめ?

ここまででデジタルサイネージの3つの導入スタイルを紹介しました。最後に場所や目的ごとにどのデジタルサイネージを導入するのがおすすめなのか説明します。

ネットワーク型がおすすめの場合について

ネットワーク型のデジタルサイネージをおすすめする場所としては、チェーン展開している店舗、中型および大型施設、駅、大学、研究施設などが挙げられます。

ネットワーク型のメリットは以下の通りでした。
・複数のデジタルサイネージが一元管理できる
・コンテンツが一括で更新できる
・時間帯や曜日、売上などに応じて配信するコンテンツを選べる

デジタルサイネージをたくさん設置したい、コンテンツを頻繁に更新したい、訴求効果のある宣伝を効果的に配信したいと考えておられるならばネットワーク型の導入を検討できます。

スタンドアロン型がおすすめの場合について

スタンドアロン型は、自営業などの比較的小規模の小売店、小規模施設などでの運用に向いています。

スタンドアロン型のメリット・デメリットは以下の通りでした。
・導入・運用コストが他の型より安い
・コンテンツを更新するためには各ディスプレイの設置場所で作業しなければならない

こうしたメリット・デメリットを考えると、コストを抑えたい、必要とするディスプレイの台数が少ない、頻繁にコンテンツを更新する必要がないといったニーズの方にスタンドアロン型はおすすめです。

インタラクティブ型がおすすめの場合について

インタラクティブ型のデジタルサイネージ導入がおすすめなのは、駅や空港などの巨大施設、外国人観光客が訪れる観光施設やホテル、公共施設や商業施設などです。

インタラクティブ型の持つメリットには以下のものがありました。
・多言語表記・案内板などの多彩な機能
・センサーやAIでユーザーを認識し、そのユーザーに最適と思われる映像や宣伝を配信できる

駅や空港、観光施設やホテルにインタラクティブ型のデジタルサイネージがあれば、日本人だけでなく外国人観光客なども館内設備の案内や交通案内などの情報を入手できます。ユーザーがタッチパネルを操作するので、商業施設などではそのユーザーが必要とする情報を正確かつ迅速に提供できます。そうすることで顧客満足度の向上にもつながります。

まとめ

まとめ
今回は、デジタルサイネージのネットワーク型をメインに3つの形態について解説しました。デジタルサイネージを導入するには、導入場所や目的に合ったものを選ぶ必要があります。さらに訴求効果のあるコンテンツを作成することも大切です。

イッツ・コミュニケーションズ株式会社(イッツコム)では、ネットワーク型・インタラクティブ型のデジタルサイネージ導入を検討されている企業に対し、時間をかけ導入を検討しているお客様のニーズに合ったデジタルサイネージの導入プランを提案しています。さらに運用に必要なサーバの貸し出しなど、導入から運用まで一貫したサポート体制を整えています。

また「イッツコム」はケーブルテレビ事業者としてコンテンツ作成に携わってきたという実績があり、訴求効果の高いコンテンツを作成し提供する自信があります。ネットワーク型およびインタラクティブ型のデジタルサイネージ導入を検討されておられるならば「イッツコム」に相談してください。